【世界の一大研究拠点】シンガポールの製薬・バイオテクノロジー産業

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シンガポール政府は製薬・バイオ産業育成のため、研究者への補助金プログラムや研究開発費の優遇税制を整備するなど、さまざまな支援に取り組んできました。その甲斐あって、現在シンガポールは世界の一大研究拠点となっています。

今回は、そんな製薬・バイオテクノロジー業界に関する最新情報をお届けします!バイオ医療分野で世界をリードするシンガポールの秘訣とは?

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2019

Haw Par、フィリピンと香港の子会社を清算

ハウパー(Haw Par)は2018年11月29日、子会社である香港Ltd.とフィリピンTiger Balm Inc.の2社を精算すると発表した。

同社が公開した報道資料によると、2社の精算は香港およびフィリピンにおける業務効率化の一環で行われたものであり、株価に影響を与えるような実質的なインパクトはなく、またグループ会社における一株あたりのネットアセットバリューへの影響もないとのことであった。よって、2018年12月末日の決算にも影響はない。

Haw Parはシンガポールを拠点にタイガーバームの生産および販売事業を展開している。2018年11月9日に発表された第3四半期決算によると、第3四半期の収益は5,720万ドルで、前年同期の3,990万ドルを43.4%上回わった。2018年度第3四半期までの収益は1億5860万ドルとなり、昨年度第3四半期までの収益1億790万ドルを47.0%上回わった。Haw Parによると、アジアにおけるヘルスケア製品の売上高の増加が寄与しているが、今後経済の不安定さと原料の高騰により収益を逼迫する可能性を示唆している。

感染病への対策、Duke-Nusの主張

Duke-NUS Medical Schoolの研究者は、分子診断と組み合わせたバイオエアロゾルサンプリング法によって、MRTで公衆衛生上重要な3種類の呼吸器ウイルスを収集・同定できることを示した。

世界中から人が出入りするシンガポールでは、世界中に拡大したSARSやMERSなどの感染病・伝染病のリスクに常にさらされていると言ってよい。

人口密度の高い世界有数の都市であることから、シンガポールは生物学的脅威に対して脆弱だ。このような脅威に対する早期の緊急対応を開始するには、原因物質を迅速に特定する必要がある。

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AIでがんの発生源を特定できる技術とは?

A*STARのシンガポール遺伝子研究所 (Genome Institute of Singapore; GIS) は、がん細胞の変異記録が正確に行える人工知能(AI)を用いた機械学習コンピュータモデルを開発した。また、胃がんを引き起こす可能性のある非コードDNA(タンパク質合成をコードしないDNA)に新たな変異を発見した。

プロジェクトでは、新たに2つのAI搭載機器が開発された。短期間で胃がんの200個以上の全ゲノムをスキャンするからだ。従来では同様の分析を完了するのに30年が必要とされていた。

GISとシンガポール国立スーパーコンピューティングセンター科学技術研究所(NSCC)のコンピュータクラスタを使用して、ゲノム全体をスキャンすることで、がん関連突然変異が多く生じるホットスポットを突き止めることに成功した。これは、非コーディングDNAにおける突然変異が3次元ゲノム構造を変えることによって、がんを引き起こすかもしれないという新しい証拠を示すこととなった。

NRF、バイオ合成研究プログラムを強化

シンガポール国立研究財団(NRF)は2018年1月8日、高度な科学技術を必要とするバイオテクノロジー分野の発展のために、総合科学研究開発(R&D)プログラムを開始した。合成生物学の分野を充実させ、当分野における専門性をより向上させる方針である。

このプログラムによって生み出される研究成果は、臨床現場および工業用に使用される予定で、シンガポールにおける合成生物学の総合的開発を目指す。合成生物学とは、天然産物を人工的に生産するための微生物学系の応用分野で、高コストで低い生産性という側面を持つことで知られてきた。

NRFは、合成生物学R&Dプログラムに5年間で2,500万ドルの初期投資を開始する予定だ。資金は海外の専門家や研究者、政府機関および業界関係者との議論で特定された3つの研究課題へあてられる。

2018

シンガポール初の事業を行う企業、ロシュ社

シンガポールはグローバル展開を図る企業にとって要となる地域であり、バイオ医療分野で今後さらなる成長が見込める

たとえば、科学技術研究庁(A * STAR) は世界トップレベルの大学や地元大学の学生へ奨学金を提供するなど人材育成に注力している。また、シンガポールでは研究機関、研究所、公立病院の相互連携も容易であり、世界の企業を魅了する要因となっている

そのひとつ、スイスのロシュ・グループは、100以上の国々で事業展開している世界的な製薬・ヘルスケア企業だ。特にがん治療や移植治療に使用される医薬品の分野で世界を牽引。神経科学や自己免疫疾患、ウイルス学などの分野でも活躍している。

2009年11月、研究開発地域トアスバイオメディカルパーク (Tuas Biomedical Park)にアジア太平洋生物製剤製造拠点を開設。シンガポールでは初となる高付加価値のバイオ医薬品の製造に取り組んでいる

ロシュ社のシンガポール拠点では、組換DNA技術を使用した生物学的製剤を生産するという、シンガポール初の事業が行われている。世界中から結集された専門知識とロシュ社の臨床開発における知識が組み合わさり、アジア地域で病気や生物学の研究を進展させる拠点となっている

地元企業を支援する官民連携プロジェクト

シンガポール政府は、積極的に世界中の有力企業や研究者を誘致しているが、もちろん地元のバイオテクノロジー企業の育成にも取り組んでいる。

そんな中、バイオメディカルサイエンス研究開発地域のひとつ、バイオポリス (Biopolis)に官民パートナーシップが誕生した

シンガポール科学技術研究庁 (A * STAR)に含まれるシンガポールゲノム研究所は、地元企業と提携しゲノム配列解読のための新しい研究施設を設立すると発表した。連携した地元企業はゲノムサービスの有力企業、Novogeneとバイオテクノロジー企業のAITbiotechだ。

両企業は、がん治療に利用する次世代シークエンシングの新たな活用法を開発するため、ゲノム配列の解読に努める。「人類に大きな利益をもたらす研究を行っていきたい」と関係者は語る。

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バイオテクノロジー分野で成功するまでの経緯

ノーベル賞受賞者でシンガポール科学技術研究庁(A * STAR)の元主任研究官Dr. Sydney Brenner教授は、1983年にシンガポールを訪問。当時のリー・クアン・ユー首相とDr. Sydneyの2人が、シンガポールの生存をかけてバイオテクノロジーの開発拠点を構築すると決意したのだった。

それから30年。シンガポールは世界の名だたる企業が拠点を構えるまでに発展し、地元企業も大きく成長した。免疫療法の開発に特化したシンガポールのバイオテクノロジー企業ASLANファーマシューティカルズは、台北証券取引所の公開株式にて募集の29倍を上回る応募があった。

ASLAN Pharmaceuticalsの株式公開(IPO)公募価格は、NT$68.92で公開株式数は2,602,000株。同社は、IPOによって約US$3,300万を調達することに成功した。

これらの実績は国を挙げた努力が実を結んだ証であり、今後のさらなる成長に期待がかかる。

まとめ

積極的な政府の取り組みにより、大きな発展を遂げたシンガポールの製薬・バイオテクノロジー産業。

研究開発・事業展開しやすい環境が整っていることが、世界中の企業にとって大きな魅力になっています。日本企業にとっても理想的な進出先なのではないでしょうか。

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