【介護需要が激増】シンガポールの介護業界事情

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急速な高齢化に伴い、介護サービスの需要が高まっているシンガポール。従来の家族介護に代わり、介護施設や介護士に任せる家庭も増えています。

今回はそんなシンガポールの少子高齢化対策について、最新情報をお届けします!高齢化が加速するシンガポールの介護業界事情とは?

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2020年 シンガポールの介護(医療・介護)業界

シンガポールで障害を持った高齢者の金銭的サポート〜介護業界動向〜

シンガポールでは、障害を持った高齢者を金銭的にサポートするプログラムが主に二つある。

MediSave Care Schemeは2020年10月1日に開始され、シンガポール市民と重度の障害を持つ永住者は、MediSaveアカウントと配偶者のMediSaveアカウントの両方から毎月最大200ドルを引き出すことができる。引き出しは、要介護者の費用を賄うために使用可能である。

2つ目は、CareShield Lifeである。2020年10月1日に開始された。重度の障害を発症した人は、残りの生涯にわたって少なくとも毎月600ドルの支払いを受けることができる。

出典: A Guide to Financial Assistance Schemes for Persons with Disabilities – The Care Issue (jaga-me.com)

シンガポールのHomage、インフォコムから資金調達〜介護業界動向〜

シンガポールとマレーシアでオンデマンド介護サービスを提供する Homage は、ヘルスケアテクノロジーとサービスソリューションの提供を行う日本企業インフォコムから戦略的出資を受けたことを明らかにした。

今回の提携により、インフォコムと Homage は、日本および東南アジア地域における両社のサービス・ソリューションの拡大に向けて協力していく予定。

インフォコムは、ヘルスケアテクノロジー、ビジネスソリューション、サービスを提供する大手企業であり、ケアマネジメントと人材派遣のプラットフォームでは13,000以上の施設をカバーし、健康・高齢者介護分野でのネットワークを有している。また同社は、臨床サービスや医薬品情報システム、病院向けの放射線・医療用画像ソリューション、デジタルヘルスケアソリューションなどを提供している。

出典: https://www.infocom.co.jp/ja/news/news2020091501.html

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シンガポールの高齢者ケアの投資額 〜介護業界動向〜

シンガポール政府は、高齢者の医療ニーズに対してより大きな安心を与えるために、新たに141億ドルを投資した。

これには2020年までに島全体に高齢者向けコミュニティネットワークを拡大することが含まれる。政府は、高齢者の医療ニーズに応えるために、2015年以降、3,600のデイケア施設、2,600の在宅介護施設、3,700の介護施設を追加した。シルバー世代のニーズに応えるために、2023年までにさらに多くの高齢者介護施設の建設と高齢者介護サービスを開始予定。

また、2021年以降の高齢労働者に対するCPF拠出金の引き上げを通じて、すべてのシンガポール国民が十分な退職を行えるように準備している。これはCPF特別口座に支払われる。CPF拠出率は、60歳から65歳のシンガポール人では16.5%から18.5%に、65歳から70歳のシンガポール人では12.5%から14%に増加する。

出典:https://www.gov.sg/article/caring-for-our-seniors

シンガポールの高齢者向けプログラム〜介護業界動向〜

シンガポールの高齢者向け支援プログラムの代表的なものとして次の2つがある。Senior Group Homes (SGH) は、HDB賃貸アパートの資格があり、家族のサポートがほとんどまたはまったくない低所得の高齢者に対応している。 これは、高齢者が共同テナントと独立して生活できる支援型生活モデルであり、シニアアクティビティセンター(SAC)やSACクラスターサポートなどのコミュニティベースのサービスによってサポートされている。

2つ目のSheltered Homesは、家族の支援がほとんどまたはまったくなく、長期の宿泊施設を必要としている低所得の高齢者を対象としている。対象者はMSF認可のシェルタードホームに滞在できる。社会福祉機関は、社会的孤立を防ぐために、高齢者が日常の活動に有意義に関与し、支援されることを保証するプログラムを運営している。

このほかにBefriending Services, Counselling Services, Senior Activity Centres and Senior Activity Centresなどの支援もある。

出典:https://www.msf.gov.sg/policies/Helping-the-Needy-and-Vulnerable/Supporting-Vulnerable-Elderly/Pages/Services-and-Programmes-for-Elderly.aspx

シンガポールのSenior Activity Centres〜介護業界動向〜

HDB賃貸アパートのボイドデッキに位置するシニアアクティビティセンターは、高齢者に暖かく親しみやすい環境を作り出すドロップインセンターである。ここでは、高齢者が地域社会で適所に高齢化するのを助けるために、さまざまなレクリエーション活動および支援サービスを提供している。

センターは以下のサービスを提供している。

・レクリエーションおよび社会活動

・在宅高齢者のモニタリング

・緊急警報への対応

提供されるサービスは、日常生活動作の支援が必要で、家族のサポートがほとんどまたはまったくない60歳以上の人には無料。日常生活動作は、高齢者の自立度を測定し、洗濯や着脱衣、移動、食事などのセルフケア活動を目指している。

出典:https://www.healthhub.sg/a-z/medical-and-care-facilities/8/senior_activity_centre

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2019年 シンガポールの介護(医療・介護)業界

シンガポールでオンデマンド在宅介護プラットフォームの提供へ〜介護業界動向〜

2019年9月30日の発表によると、シンガポールのデジタルヘルスケアを提供する企業WhiteCoat社とHomage社が協業でオンデマンドの在宅介護サービスプラットフォームの提供を開始する。

このシステムを通じて高齢者は家に居ながらも、医師や医療従事者などのプロフェッショナルに医療相談を出来るようになる。また、介護をする側にとっても、毎日の高齢者による健康相談から解放されることになり、時間の有効活用が見込まれる。

電話での診療が必要な患者には朝8:00から深夜24:00まで経験豊かな専門医が対応する。また、WhiteCoat社はGrabともパートナーシップを結び、治療が必要な患者を電話での診療を終えた90分以内に病院へ搬送出来るような仕組みを考案した。

出典: https://www.homage.sg/care-connect/pressroom/press-release/whitecoat-and-homage-launch-pilot-telehealth-programme-to-provide-chronic-disease-management-to-elderly-patients/

介護サービス付住居を強化、シンガポールのMOHとMND〜介護業界動向〜

2019年3月19日の発表によると、MOH(Ministry of Health)はMND(Ministry of National Development)と高齢者向けの家事手伝いや24時間救急対応が出来る、介護ケア付の公共住宅の提供実現に向けて協力しているとのこと。

また、今後訪れる高齢化社会に向けた準備として、MOHは今後2年間で介護士など介護する側の支援強化を目的としたアクションプランも実行する。財政支援や柔軟性のある職場環境を提供していきたい方針で、適度な休息を取りながら業務に当たれるよう、サポートしていく。

介護ケア付の公共住宅には居住者同士が交流出来るようなコミュニケーションスペースや共通のダイニングルームなどの完備を想定している。今後、MOHとMNDは高齢者、介護関係者、高齢者支援のプロ達と対話を重ね、実現に向けての方向性を確認、共有していく。

出典: https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/assisted-living-with-care-services-in-the-pipeline-(the-straits-times-7-march-2019-pb8)

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シンガポールでヘルスケア業界従業員のスキルアップ支援〜介護業界動向〜

National University Hospital System’s(※)の建国記念日記念式典でThe Labour Movement’s Healthcare Academyは今後15,000人の医療従事者のスキルアップと共に厳しい労働環境の改善、精神衛生の向上などを盛り込んだ複数の同意書にサインをした。この式典は医療従事者の労働組合(HSEU)との共同開催。

The Labour Movement’s Healthcare Academyは今後、初となる企業向けの研修委員会を創生し、介護業界を牽引する企業など公共医療を提供する企業の労働環境の改善を行う。

また、従来にも増して医療のデジタライゼーションなど変化が激しい環境において、医療従事者の精神衛生の向上にも注力していく。

(※)シンガポール国立大学とMinistry of Health(MOH) Holdingsとのジョイントベンチャー。複数の病院、医療専門機関などを運営している。The National University Hospital(NUH、シンガポール国立大学付属病院)が最大機関。

出典: https://ntuchealth.sg/wordpress/wp-content/uploads/2019/09/Media-Release-Healthcare-Academy-CTCs_29Aug-11am.pdf

シンガポールSGHにて、人類の老化は止められる?〜介護業界動向〜

2019年4月12・13日にSingapore General Hospital (SGH)にて、 今年で23回目となるAnnual Scientific Meeting (ASM)が開催された。全体講演では老化について研究をしている、世界的に有名な教授であるブライアン・ケネディ氏が「Preventive Medicine in an Ageing Society(高齢化社会における予防医学)」について講演を行なった。

ケネディ教授はアメリカ、カリフォルニア州にあるBuck Institute for Research on Agingの教授であり、シンガポール国立大学医学部の名誉教授でもある。講演の中では、人類の老化を測定し、老化を減速させる方法が既に少しずつ判明していることが伝えられた。

この講演以外にもMinistry of Healthが特に高齢者支援において、医療機関や専門家のみならず、他のコミュニティも巻き込んでいくように伝えていることから、高齢化社会や高齢者支援についての講演やディスカッションが行われた。

出典: https://www.singhealth.com.sg/news/research/can-ageing-in-humans-be-halted-or-slowed-down

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2018年 シンガポールの介護(医療・介護)業界

シンガポールTCILの放課後アクティビティセンターとは?〜介護業界動向〜

TOUCH Centre for Independent Living (TCIL)は2018年7月3日、放課後アクティビティセンターを正式にオープンした。施設では軽度から中等度の知的障害(ID)のある18歳以上の成人へのケアに関する研修プログラムなどが実施される予定。

Bukit Merah に位置するTCILは、シンガポール西部のハンディキャップを抱える住民の要請によって設立され、IDを持つ聴覚障害者へサービスを提供している。センターは最大42人を収容でき、現在20名が入居している。

TCILでは認知機能低下の予防を目的とする様々なイベントやアクティビティが提供されており、利用者が将来的に自立した生活を送れるよう工夫がなされている。

訪問看護強化を図る、シンガポールのSingHealth〜介護業界動向〜

2018年4月6日の発表によると、SingHealthは地域包括ケア体制の構築・強化に向けた取り組みの一環として、シニアアクティビティセンター内に8つのコミュニティ介護支援窓口を設置した。支援窓口は高齢者が健康を維持し、安心して暮らしを営むことができるよう設置されたもので、シンガポール中央病院(SGH)とチャンギ総合病院(CGH)で勤務する介護士・看護師が日常生活が困難な高齢者にヘルスケアサービスを提供する。

SingHealth コミュニティ介護支援窓口は同社パートナーと共同で設立されたもので、シンガポール南東部および東部に位置するSAC(Senior Activity Centre)に戦略的に配置されており、複数の慢性疾患を併せ持つ高齢者が自宅で過ごせるようにしている。新規ポストは、慢性疾患管理、老人医学、腫瘍学、緩和ケアなどの専門分野で医療研修を受けた介護士・看護師によって構成される。

2018年3月31日までに、260人以上の高齢者が健康上の理由でSingHealth コミュニティ介護支援窓口を訪れている。

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ヘルスケア部門の人材強化、シンガポール保健省〜介護業界動向〜

2018年現在約130人の地域看護師が多様なニーズに対応したケアを提供している状況を踏まえ、シンガポール保健省 (MOH)は2019年末までに地域看護師の数を200人に増やす方針を示した。また、看護・ケア業界で働くために必要な技能を身につける就職前研修に向けて、以下の内容を含む人材育成プログラムを公開した。

シンガポール国立大学 (NUS)看護学部は、大学院課程において新たにパートタイムおよびモジュラー単位制のシステムを導入した。臨床上の意思決定や慢性疾患の管理・ケアなど、各地域で要請が多いニーズに対応するための実践スキルを学ぶことができるプログラムを提供する。

また、技術教育機構 (ITE)は2018年4月、治療支援スタッフを対象にリハビリテーションケアのための最新技術が学べるディプロマプログラムを開設した。MOHは看護師らによる研修会やアドバイザリー審議会の立ち上げなどを行うことでヘルスケア部門の強化にあたる予定。

シンガポールのNUS、介護需要に応える看護師養成コースを設立〜介護業界動向〜

高齢化に伴う介護・看護ケア業界の慢性的な人手不足を改善するため、シンガポール国立大学(NUS) 看護学部は2年間の看護学位プログラムを開始する。理学士号(看護学)プログラムは、保健省(MOH)と労働力開発庁(Workforce Singapore)が提供する〈登録看護師への専門転換プログラム (Professional Conversion Programme for Registered Nurses)〉のもとで実施される。

プログラムの履修生には卒業までの2年間、受講料74,500シンガポールドル(SGD)が免除され、月額2,170SGDから2,520SGDのトレーニング手当を受領することができる。さらに、卒業時には2,000SGDのキャリア移行ボーナスが、卒業生の雇用主には正規看護師1人当たり18,000SGDの実地訓練補助金が付与されるなど多種の手当てが用意されている。

NUSは「プログラム期間は2年のみだが、学生へは集中的かつ徹底的な研修が提供される。看護師や医療専門職と同様、医療現場で即戦力となるような人材を育成したい」とコメントしている。

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