【介護需要が激増】シンガポールの少子高齢化対策・介護事情

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急速な高齢化に伴い、介護サービスの需要が高まっているシンガポール。従来の家族介護に代わり、介護施設や介護士に任せる家庭も増えています。

今回はそんなシンガポールの少子高齢化対策について、最新情報をお届けします!高齢化が加速するシンガポールの少子高齢化対策・介護事情とは?

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目次

2020

シンガポールでオンデマンド在宅介護プラットフォームの提供へ〜少子高齢化対策・介護事情〜

2019年9月30日の発表によると、シンガポールのデジタルヘルスケアを提供する企業WhiteCoat社とHomage社が協業でオンデマンドの在宅介護サービスプラットフォームの提供を開始する。

このシステムを通じて高齢者は家に居ながらも、医師や医療従事者などのプロフェッショナルに医療相談を出来るようになる。また、介護をする側にとっても、毎日の高齢者による健康相談から解放されることになり、時間の有効活用が見込まれる。

電話での診療が必要な患者には朝8:00から深夜24:00まで経験豊かな専門医が対応する。また、WhiteCoat社はGrabともパートナーシップを結び、治療が必要な患者を電話での診療を終えた90分以内に病院へ搬送出来るような仕組みを考案した。

介護サービス付住居を強化、シンガポールのMOHとMND〜少子高齢化対策・介護事情〜

2019年3月19日の発表によると、MOH(Ministry of Health)はMND(Ministry of National Development)と高齢者向けの家事手伝いや24時間救急対応が出来る、介護ケア付の公共住宅の提供実現に向けて協力しているとのこと。

また、今後訪れる高齢化社会に向けた準備として、MOHは今後2年間で介護士など介護する側の支援強化を目的としたアクションプランも実行する。財政支援や柔軟性のある職場環境を提供していきたい方針で、適度な休息を取りながら業務に当たれるよう、サポートしていく。

介護ケア付の公共住宅には居住者同士が交流出来るようなコミュニケーションスペースや共通のダイニングルームなどの完備を想定している。今後、MOHとMNDは高齢者、介護関係者、高齢者支援のプロ達と対話を重ね、実現に向けての方向性を確認、共有していく。

シンガポールでヘルスケア業界従業員のスキルアップ支援〜少子高齢化対策・介護事情〜

National University Hospital System’s(※)の建国記念日記念式典でThe Labour Movement’s Healthcare Academyは今後15,000人の医療従事者のスキルアップと共に厳しい労働環境の改善、精神衛生の向上などを盛り込んだ複数の同意書にサインをした。この式典は医療従事者の労働組合(HSEU)との共同開催。

The Labour Movement’s Healthcare Academyは今後、初となる企業向けの研修委員会を創生し、介護業界を牽引する企業など公共医療を提供する企業の労働環境の改善を行う。

また、従来にも増して医療のデジタライゼーションなど変化が激しい環境において、医療従事者の精神衛生の向上にも注力していく。

(※)シンガポール国立大学とMinistry of Health(MOH) Holdingsとのジョイントベンチャー。複数の病院、医療専門機関などを運営している。The National University Hospital(NUH、シンガポール国立大学付属病院)が最大機関。

シンガポールSGHにて、人類の老化は止められる?〜少子高齢化対策・介護事情〜

2019年4月12・13日にSingapore General Hospital (SGH)にて、 今年で23回目となるAnnual Scientific Meeting (ASM)が開催された。全体講演では老化について研究をしている、世界的に有名な教授であるブライアン・ケネディ氏が「Preventive Medicine in an Ageing Society(高齢化社会における予防医学)」について講演を行なった。

ケネディ教授はアメリカ、カリフォルニア州にあるBuck Institute for Research on Agingの教授であり、シンガポール国立大学医学部の名誉教授でもある。講演の中では、人類の老化を測定し、老化を減速させる方法が既に少しずつ判明していることが伝えられた。

この講演以外にもMinistry of Healthが特に高齢者支援において、医療機関や専門家のみならず、他のコミュニティも巻き込んでいくように伝えていることから、高齢化社会や高齢者支援についての講演やディスカッションが行われた。

2019

シンガポールTCILの放課後アクティビティセンターとは?〜少子高齢化対策・介護事情〜

TOUCH Centre for Independent Living (TCIL)は2018年7月3日、放課後アクティビティセンターを正式にオープンした。施設では軽度から中等度の知的障害(ID)のある18歳以上の成人へのケアに関する研修プログラムなどが実施される予定。

Bukit Merah に位置するTCILは、シンガポール西部のハンディキャップを抱える住民の要請によって設立され、IDを持つ聴覚障害者へサービスを提供している。センターは最大42人を収容でき、現在20名が入居している。

TCILでは認知機能低下の予防を目的とする様々なイベントやアクティビティが提供されており、利用者が将来的に自立した生活を送れるよう工夫がなされている。

訪問看護強化を図る、シンガポールのSingHealth〜少子高齢化対策・介護事情〜

2018年4月6日の発表によると、SingHealthは地域包括ケア体制の構築・強化に向けた取り組みの一環として、シニアアクティビティセンター内に8つのコミュニティ介護支援窓口を設置した。支援窓口は高齢者が健康を維持し、安心して暮らしを営むことができるよう設置されたもので、シンガポール中央病院(SGH)とチャンギ総合病院(CGH)で勤務する介護士・看護師が日常生活が困難な高齢者にヘルスケアサービスを提供する。

SingHealth コミュニティ介護支援窓口は同社パートナーと共同で設立されたもので、シンガポール南東部および東部に位置するSAC(Senior Activity Centre)に戦略的に配置されており、複数の慢性疾患を併せ持つ高齢者が自宅で過ごせるようにしている。新規ポストは、慢性疾患管理、老人医学、腫瘍学、緩和ケアなどの専門分野で医療研修を受けた介護士・看護師によって構成される。

2018年3月31日までに、260人以上の高齢者が健康上の理由でSingHealth コミュニティ介護支援窓口を訪れている。

ヘルスケア部門の人材強化、シンガポール保健省〜少子高齢化対策・介護事情〜

2018年現在約130人の地域看護師が多様なニーズに対応したケアを提供している状況を踏まえ、シンガポール保健省 (MOH)は2019年末までに地域看護師の数を200人に増やす方針を示した。また、看護・ケア業界で働くために必要な技能を身につける就職前研修に向けて、以下の内容を含む人材育成プログラムを公開した。

シンガポール国立大学 (NUS)看護学部は、大学院課程において新たにパートタイムおよびモジュラー単位制のシステムを導入した。臨床上の意思決定や慢性疾患の管理・ケアなど、各地域で要請が多いニーズに対応するための実践スキルを学ぶことができるプログラムを提供する。

また、技術教育機構 (ITE)は2018年4月、治療支援スタッフを対象にリハビリテーションケアのための最新技術が学べるディプロマプログラムを開設した。MOHは看護師らによる研修会やアドバイザリー審議会の立ち上げなどを行うことでヘルスケア部門の強化にあたる予定。

シンガポールのNUS、介護需要に応える看護師養成コースを設立〜少子高齢化対策・介護事情〜

高齢化に伴う介護・看護ケア業界の慢性的な人手不足を改善するため、シンガポール国立大学(NUS) 看護学部は2年間の看護学位プログラムを開始する。理学士号(看護学)プログラムは、保健省(MOH)と労働力開発庁(Workforce Singapore)が提供する〈登録看護師への専門転換プログラム (Professional Conversion Programme for Registered Nurses)〉のもとで実施される。

プログラムの履修生には卒業までの2年間、受講料74,500シンガポールドル(SGD)が免除され、月額2,170SGDから2,520SGDのトレーニング手当を受領することができる。さらに、卒業時には2,000SGDのキャリア移行ボーナスが、卒業生の雇用主には正規看護師1人当たり18,000SGDの実地訓練補助金が付与されるなど多種の手当てが用意されている。

NUSは「プログラム期間は2年のみだが、学生へは集中的かつ徹底的な研修が提供される。看護師や医療専門職と同様、医療現場で即戦力となるような人材を育成したい」とコメントしている。

2018

シンガポールの人口構成〜少子高齢化対策・介護事情〜

日本と同じように、シンガポールでも少子高齢化が年々加速している。直近3年間の人口構成推移は以下の通り。

【表1】シンガポールの人口構成推移

表1の高齢者依存率は、100人の15-64歳に何人の65歳以上人口が配分されるかを示している。出生率が毎年減少する一方で、高齢者依存率の増加が見受けられる

少子化に悩むシンガポール〜少子高齢化対策・介護事情〜

一人あたりの女性が出産する子供の数が、すでに1.24人(日本は1.46人/2015)まで減少しているシンガポール。出産を促進するため、現金のボーナス制度やシンガポール国籍として生まれた子どもに対する学費援助等を行っている。以下はその支援金額。

【表2】各家庭における新生児支援金額

2015年より補助金が増額。3人目以降は1万SGDが支給され、子どもを持つことに対する家庭の負担が減るよう試みられている。

シンガポールにおける厳しい高齢者補助の実情〜少子高齢化対策・介護事情〜

下記の表は高齢者を対象とした3ヶ月ごとの支給額と実際にかかる費用である。

【表3】高齢者への補助金支給額および諸介護用品にかかる費用

この支援は以下の条件に当てはまる場合のみ適用される。

  1. 年金基金への積立金が55歳までにS$70,000以下または個人事業主の場合、45歳から54歳までの間に年間の手取給与がS$22,800以下であること。
  2. HDB (政府管轄の公団住宅) に居住しており、一番高いレベルの住宅タイプを所有していないこと。
  3. 自己もしくは、配偶者が5部屋より大きな不動産もしくは、プライベートの不動産を所有していないこと。
  4. 家計全体の収入がS$1,100未満であること。

シンガポールの介護サービス内容〜少子高齢化対策・介護事情〜

少子高齢化により、2010年代に入って介護ビジネスが増加傾向にある

たとえば、2012年に設立した介護サービスを取り扱うShenCAREの事業内容は以下の通り。

  • 訪問介護
  • 看護士の派遣サービス
  • 注入療法
  • 理学療法
  • 作業療法
  • 言語障害治療
  • 予防衛生ケアー
  • 中国伝統医学療法 (TMC)

他にも、イベントや自由に交流ができる場の提供、各種送迎、家事代行なども行っている。

携帯を使用した移動可能なサービスや、情報提供などテクノロジー技術も取り入れている。

シンガポールにおける介護需要増加と学生の育成プログラム〜少子高齢化対策・介護事情〜

人口構成が急激に変化しているシンガポールでは、少子高齢化に備えた労働人口の確保が叫ばれている。

シンガポールのポリテクニック (高等専門学校のような教育機関)のひとつ、ナンヤンポリテクニック (Nang Yang Polytechnic) と全国労働組合会議 (NTUC)傘下にあるNTUCヘルスは、保健医療および地域ケア分野の人材育成の覚書を締結した。

この覚書は、ナンヤンポリテクニックの在籍者がNTUCヘルスの歯科医院、薬局、老人ホーム、ケアセンター、在宅ケアサービス、シニアアクティビティ&ウェルネスセンターなどでインターンシップを行えるようにしたもの。

また、NTUCヘルスは奨学金やスポンサーシップの機会を提供し、カリキュラムの開発、研究開発や製品設計するためのサポートも提供していく。

インターンシップを通じて国のニーズの高まりに対応するための医療サービスを経験し、生涯のスキルを身に付ける事を目的としている。

まとめ:シンガポールの少子高齢化対策・介護事情

高齢化社会に突入し、介護サービスや高齢化対策の拡充が急務となっているシンガポール。少子高齢国家として経験の長い日本の介護サービスが参入する絶好のチャンスではないでしょうか

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