【最新】シンガポールにおける保育サービスの全貌

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共働き世帯の多いシンガポールでは、保育施設の拡充が急ピッチで進められています。要保育児童数の増加に応じて、保育所数も右肩上がりに。

今回は、そんなシンガポールの保育サービス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2020

急成長企業TOP50に選出された幼稚園とは?

2019年現在国内で急成長を遂げている国内企業TOP50社が選出された。 MindChamps PreSchool Ltd (MindChamps) が保育園・幼稚園を運営する企業として唯一ランクインした。

MindChampsは2008年に設立し、世界的にもレベルの高いシンガポールの保育業界で他社としのぎを削ってきた。2017年にはシンガポール証券取引所のメインボード市場にも上場している。

これに対し、創業者でCEOのDavid Chiem氏は、「これは約20年にわたる同社の堅実な研究と施策の実行結果に過ぎず、今後も更なるプログラムを児童、教師(保育士)双方に提供していく」と述べた。現在、MindChampsは世界的にも有名なプレスクールとなり、シンガポールのみならず、オーストラリア、アブダビ、ドゥバイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマーで展開しており、今後中国とマレーシアでも事業展開予定。  

特別支援が必要な児童に向けての政府の対応とは?

教育省(Ministry of Education(MOE))の年次総会で教育副大臣であるIndranee Rajah氏から特別支援が必要な児童に向けての今後の政府の対応が報告された。これによると現在シンガポール国籍の5−6歳の児童は全員プレスクール(保育園・保育園)に通うことになっているが、特別支援が必要な児童についても例外無くプレスクールに通わせ、 KidSTARTや他の支援を通じて一般の児童と同じ機会を提供したい意向だ。

政府としては特別支援が必要な児童の中でも適応可能な児童については普通学校に進学し、必要に応じてサポートをすることが理想的だと言う。困難な場合は特別学校へ進学することになるが、この場合も定期的に普通学校と現在行われてるような定期交流を積極的に行い、双方の理解を促すことが望ましいとしている。

最終的には卒業後、社会で活躍することが求められるので、教育機関と社会、カウンセラーなどがより連携してインターンシップの機会提供など、生徒の社会進出を支援していく必要がある。 

G7会議、教育格差についての事例共有

シンガポールの教育大臣がアルゼンチン、エストニアの教育大臣と共にG7会議に招聘された。この中で、社会課題となっている家庭の収入格差によって生じる教育格差について、シンガポール国内の事例を共有する。

シンガポールでは、プレスクール(保育園・幼稚園)での初期教育を通じ、個々の能力を最大限に成長させることが、その後の児童の成長に繋がるとし、収入格差によって能力開発に上限を持たせるのでは無く、初期教育の段階で底上げし、生徒に自信をつけることが大切だと研究結果などからも把握している。

また、集まった10カ国の大臣で教育機関でのいじめ問題についても公式な報告書を発表し、あらゆるいじめを撲滅させ、生徒への敬意を怠らず、学校が誰に対しても安全で生徒を迎い入れる体制が整った開かれる場所になることを改めて確認した。

低所得世帯児童の保育支援に向けたリサーチ開始

シンガポール最大の労働組合で保育園や幼稚園を運営する「NTUC First Campus(NFC)」が国立教育学院(National Institute of Education (NIE))と共に低所得層の世帯(月収3,500SGD以下)に向けてのホリスティックな教育支援について3年間のリサーチを開始する。

両社が共同でリサーチを行うのは今回が初めて。リサーチの結果により、保育機関や政府が今後どのように社会課題となっている低所得層の支援を行なっていけば良いのか方向性を示すことができ、ゲームチェンジャーとなるだろうと期待されている。

NFCは現在70名の保育士並びに児童保育のプロフェッショナルを抱え、Child Support Modelという独自の低所得者層向けのホリスティックな教育支援活動を行っている。既に15,000名の利益受益者がおり、2019年は730万SGDを投じ3,000名を支援する見込み。

2019

PCF、今後5年間で15,000以上の施設を提供

PAPコミュニティ財団(The PAP Community Foundation, PCF)は2018年9月9日、今後5年間をかけて大規模な保育施設を建設し、既存の保育施設の設備をアップグレードすることで、15,000ヶ所以上の幼児向け施設においてのプレゼンスを高める意向を示した。

PCF Sparkletotsは過去3年間において子育てセンターと乳児ケアセンターを約10,000か所新設したという実績を持っており、さらに今後5年間にわたり15,000の施設を追加する方針。PCFは国内最大規模の未就学児のための施設であるSparkletotsを運営しており、2018年現在国内に360ヶ所以上のSparkletotsセンターを有している。

PCFは「共働き世帯が安心して仕事に取り組めるよう、託児サービスを充実させていきたい。ひいては、家族間における信頼関係の向上や出生率の改善など社会的なテーマにも積極的にかかわっていく」とコメントしている。

バカロレア初等教育プログラムの候補校となったのは?

イートンハウス・インターナショナルスクール・オーチャード校は2018年9月7日、同校が初等教育プログラム(PYP)教育機関として認定を受けるためのプロセスの一環として、正式に国際バカロレアPYPの候補校となったことを明らかにした。

PYPは知識詰め込み型の教育ではなく、探究心を育てることを目的としたIBL(Inquiry Based Learning)を中心としており、22世紀の社会を視野に入れた、ただ知識が豊富だけでなくバランスの取れた「学力」を備えた学生の輩出を試みている。

イートンハウス・国際エデュケーショングループはシンガポールに本社を置き、世界11か国100の教育施設で15,000人以上の子どもたちへ質の高い教育サービスを提供している。近年ではアジア全域で革新的な教育を提供する国際教育機関として名高い。

中国進出の方針を固める、MindChamps

2018年11月18日の発表によると、未就学児向け教育機関の運営事業に携わるMindChampsは中国進出の方針を固めた。現在は北京に位置する教育機関で提供されている就学前教育事業を引き継ぐことについて協議が進められている。具体的な教育機関名は明かされなかったものの、3~4ヶ所の教育機関と協議中であり、今後間もなく具体的な内容について発表があるとされる。

MindChampsによると、2018年11月現在北京においては約30,000の未就学児向け教育機関が存在すると推計されており、北京への進出をもってグローバル展開への足がかりとする方針だ。11月18日にMindChampsが北京で開催したシンポジウムでは、北京における未就学児向け教育市場において5%のシェアを獲得することを目指すことについて言及がなされた。

MindChampsは現在、シンガポール、オーストラリア、アラブ首長国連邦、フィリピン、ベトナム、ミャンマーの各国に100校に上るチャイルドケア施設を展開しており、そのうち40施設をシンガポールに有している。

未就学児童向け学校の半数がSPARK認可を取得

2018年10月現在、国内880施設(全施設の50%)の未就学児童向け教育機関が幼児教育開発局(Early Childhood Development Agency; ECDA)によってSPARK認定を受けており、昨年の770施設より40%以上の増加が見られた。

SPARKは幼児教育プログラムの質を評価し継続的に向上させるためのベンチマークであり、保護者が保育サービス施設の質を判断する際の客観的な指標となっている。

SPARKがこれまでスポットを当ててきたのは4~6歳までの就学前教育プログラムであったが、同国における就学前教育ニーズの高まりとともに今後0~3歳まで拡張される予定。次回のSPARK評価時期を見据えサービス改善に取り組む。

2018

就業前保育施設に関する新ECDC法案の概要

シンガポール政府は2017年2月、国内の就学前教育の質を高める一つの施策として、新たな共通ライセンス基準に関わる新・幼児発達センター (Early Child Development Center: ECDC)法案を通過させた。詳細規則が定められたのち、2018年より運用される見通しだ。

この法案は、2013年に設立された監督機関、Early Child Development Agency(ECDA)の機能を強化するもの。現在保育施設と幼稚園は異なる法と規制の下で管理されているが、これからはより一貫した基準に統一される。

同社は今後も戦略的な買収を行い、事業拡大を続ける見通し。1998年に撤退したインドネシアにおいても新たなパートナーとなる企業と相互連携を図り、再参入を試みる方針を示している。

既存の施設につき、保育施設は新法案下でのライセンスを付与される。一方で、幼稚園は最大1年の新基準の浸透・理解を深める期間を設け、ライセンス取得までECDAから各施設へのサポートが行われる。

実績のあるセンターは最大3年間(以前は最大2年)のライセンスを取得する。また、更新時には認定基準を保っていることを示さなければならない。

また、全ての職員はECDAの承認を受ける必要があり、職員の質の安定に繋がる。保育施設・幼稚園での業務に不適格と認定された者は当該施設での労働を許可されない。

保育施設・幼稚園の運営基準に関しても、たとえば施設の閉鎖に際して子どもや家族の混乱を最小限に抑える方法など、明確なガイドの整備が行われる。

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2020年までに幼児施設と教育者の大幅増実現へ

2017年の予算発表によると、2020年までに国内の幼児ケア施設数を8,000以上に増やすとの目標が掲げられている。

これに伴い、幼児教育の監督機関であるECDAは2017年3月末からトレーニングプログラムを試行。新たに1,000名以上の幼児教育者を確保することを目的としている。

プログラムの候補者選定では学歴よりも本人の能力や適正を重視。経験豊富な指導者の下で、OJT中心のコーチングを受けさせ、実践的な知識をつけさせる。

これは同時に、ベテラン幼児教育者の職責を広げ、施設内のスタッフチームでの指導的役割を担わせる機会を与えることにも繋がる。

同時に、幼児教育者育成プログラム(Professional Development Programme :PDP) の刷新も行われた。ECDAの審査に合格した者は、3年間のカリキュラムに参加。当該施設での勤務継続とマイルストーンの達成を条件に、合計1万2000SGD(約96万6300円)のインセンティブも獲得できる。

バイリンガル教育にかかる費用(1)インターナショナルスクールの場合

シンガポールで子どもにバイリンガル教育を受けさせる場合、年額いくらかかるのか。インターナショナルスクールとローカルスクールに分けてみていく。

以下の表は、バイリンガル教育やホリスティック教育を掲げて幼児教育を展開しているEtonHouseを例にとった、インターナショナル幼稚園で必要な教育費用。

【表1】Eton Houseの保育費(単位SGD)

年額は下記の4倍で、その他諸費用等を含めれば日本円で約250万円/年が必要となる。

バイリンガル教育にかかる費用(2)ローカルスクールの場合

以下の表は、労組会議を母体に持つ大規模企業グループNTUCが運営する、ローカル幼稚園で必要な教育費用。


【表2】ローカル幼稚園の保育費(単位SGD)

外国人がローカルスクールを希望する場合、シンガポール人のような政府助成金もなく割高になる。幼稚園児の場合、諸費用等を含めて日本円で約100万円/年が必要となる。

まとめ

政府主導で保育サービスの質・量の向上が目指されているシンガポール。少子化が叫ばれている一方で、共働き夫婦の増加や所得の向上により、保育児童数は増えています。需給ギャップがある今こそ、新規参入のチャンスではないでしょうか。

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