【政府の活発な動き】タイのネット通販業界

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タイ政府はネット通販を積極的に推し進めていますが、消費者であるタイ国民はそのことについてどう考えているのでしょうか?

今回は、そんなタイのネット通販業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2020

LINE、買い物代行ECサービスを開始

2019年8月6日、LINEは、LINE CONVERGE2019内で、タイにおける買い物代行や電子商取引(EC)のサービスを始めると発表した。「LINEでの生活」をテーマに掲げ、アプリ上で使える生活関連サービスを拡充する。

2019年内にスタートした食品や日用品の買い物代行サービス「LINE Glossary」は、タイ国内ではすでにコンビニエンスストアで実施されている。今後はスーパーをさらなる対象として市場を拡大する。

アプリ上でのモノの売買を支援する「LINEショッピング」機能についても現在準備を進めており、売り手と買い手がチャットでやり取りを行い、画面上で銀行口座への振り込みが簡単に確認できるようにするなど、タイの消費者に合わせたサービスを展開する。

Central Group、スマホ決済Dolfin e-Walletを発表

2019年9月10日の発表によると、小売大手のCentral Groupは、中国EC大手の京東社と共にスマホ決済「Dolfin e-Wallet」を開発した。Dolfin e-WalletはQRコード決済によるモバイルデジタル決済アプリとなっており、タイ国内で使用される。

金融大手のBangkok BankやKasikorn Bankが協力するほか、タイの金融機関の統一決済システム「Prompt Pay」にも接続することで、Central Groupの百貨店をはじめとする国内約3,000店舗での支払いが可能となる。

急増するタイ国内のモバイルバンキングは、EC市場規模のうち約4割がソーシャルコマースによるものとなっており、約6割(18億ドル)がトランザクションによるP2P決済が行われている。

レントラックス、越境EC向けサービス開始

2019年2月27日の発表によると、レントラックスの海外事業所で、タイにてダイレクトマーケティング事業・越境EC支援事業を展開するBEARISONE CO., LTD.は「越境EC向け成果報酬型インフルエンサーマーケティングサービス」を開始した。

インフルエンサーを活用した成果報酬型のマーケティングサービスを2,000名以上のインフルエンサーに対して提案し、越境EC商品を成果報酬(アフィリエイト)型で投稿・宣伝できるようになる。

レントラックスとBEARISONEは、双方の顧客に対し「越境EC一括支援(フルフィルメント)サービス」及び「完全成果報酬型広告サービス」の運用ノウハウと海外拠点ネットワークとの連携によって、広告主によるグローバルな販路拡大と売上増加を目指す。

PIALA、輸入請負販売代行の会社を設立

2019年8月30日の発表によると、多くのタイ人から支持され、継続的な成長を続ける株式会社PIALAは、タイでの越境EC事業に伴う輸入請負販売代行等を行うCHANNEL J (THAILAND) Co., Ltd.を設立し、事業を開始する。

動画メディアのみならず、ビューティ&ヘルス及び食品におけるEコマースや通販事業をトータルで支援できる体制の構築を行い、新サービスを開発し逐次リリースする予定も発表した。

タイでのオンライン及びオフラインのマーケティングサービスや、インフルエンサーによるプロモーション、KPI 保証型のサービスも行い、越境ECとして通販事業でビューティ&ヘルス領域におけるマーケティング No.1 企業となることを目標とする。

2019

ETDA、中小企業の台頭際立つ

タイ政府機関ETDA(Electronic Transactions Development Agency)の発表によると、2017年のタイ国内における電子商取引(EC)市場の規模は2兆8120バーツに達しており、前年比成長率8%を達成した。

B2B、B2C、B2Gセクターは共に成長を続けており、特にB2Bセクターにおける売上高は1000億バーツ(約3500億円)以上を計上している。また、EC業界の大きな特徴として、革新的なアイディアを備えた中小企業やスタートアップ企業が市場成長を牽引していることが明らかになった。

ASEAN諸国の中でも、タイのEC業界における市場規模は最大級を誇るが、対人口比の市場規模ではシンガポール、マレーシアに続く3位となっており、今後は各企業による利益率向上に向けた取り組みが重視されている。

ソーシャルコマースの人気上昇中

タイ保険委員会事務局(Office of Insurance Commission; OIC)が発表した、タイEC市場に関する統計情報によると、AmazonやAlibabaなど著名な多国籍企業によるタイ市場への直接的な参入は未だ事例がないものの、LAZADAの買収によって実質的にAlibabaが参入していることが指摘された。

現在タイのEC市場ではLAZADA、ShopeeなどのE-マーケットプレイスが全体の35%を占めており、Central、BigCのようなE-リテールが25%、ソーシャルコマースと呼ばれるFacebookやLINEによる事業が40%と最大の割合を占めている。

E-マーケットプレイス部門では引き続き堅調な成長が見られ、特にLAZADAは他のE-マーケットプレイス部門におけるプレイヤーの2倍以上の売上を計上する一方で、物流業界の成長も促進するなど、産業全体に対して大きなインパクトを持つ重要な企業へと成長している。

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独自のスタイルで進化を遂げるタイEC市場

タイのEC市場は、ソーシャルコマースと呼ばれる、FacebookやLINEなど多くのユーザーを抱える大手SNS企業が展開するEC事業が、市場全体の約40%と最大のシェアを占めるなど、個人間のSNS上のやり取りに着目した独自のスタイルで発展を続けている。

SNSアプリを展開するLINEがタイ国内で提供するサービスLINE@は、ビジネス向けのアカウントとして運営されており、Facebookとも連動して個人が特定のSNSサイトから手軽に商品を購入する仕組みが導入されている。

SNS上における商品取り引きのための主なコミュニケーション手段は、チャットや電話機能が挙げられ、交渉成立後の配送手段としてLINE MANというバイクタクシーなどを手配できるアプリが用意されているなど、デジタルとアナログが融合した独自の形態で進化を続けている。

一強状態のAlibaba傘下、LAZADA

タイのE-マーケットプレイスにおいて、Alibaba傘下のLAZADAが引き続き一強状態となっており、ひと月あたりのウェブサイト訪問者数は約4000万人に上るなど、E-マーケットプレイス業界のシェア第二位であるShoppeeの1500万人と大きく差を付けている。

グローバルSNSアカウントのフォロワー数はLINEが2000万、Facebookは2500万であるが、そのほとんどはタイ国内のアカウントであり、人口比率(タイ全国で約7000万人)を考慮すると、大きなシェアを占めていることがわかる。

LAZADAはタイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンを含む東南アジアで最大のE-マーケットプレイス市場を有しており、タイ国内の小売業者からもタイ国外への貿易の足掛かりとしてLAZADA内での出店を試みる動きが見られる。

2018

タイ、国を挙げてeコマース社会の構築支援

タイ政府は、デジタル経済社会省が中心的役割を果たす「eコマース社会」の構築目標を掲げた。地方の業者やインターネットをあまり活用していない業者を対象として、POSシステムやeコマース店舗の導入に対する支援を6,000~12,000バーツ行なう。

2018年から商務省と工業省も参加し、国内10,000ヶ所でのPOSシステム導入を積極的に進める予定。プロジェクトは5つのフェーズに分かれており、現在の段階はフェーズ2にあたる。2019〜2021年のフェーズ3~5においては全国29,800ヶ所の設置を目標としている。 

政府主催の大規模eコマースイベント開催

電子取引開発局 (ETDA)は2017年11月24~26日、Queen Sirikit National Convention Center(QSNCC)にて「Thailand e-commerce Week 2017」と題するイベントを1億5300万バーツの費用をかけて開催した。小売業者、ロジスティック関係者など7,066名がこのイベントに参加した。

ロジスティック系企業 Kerry, タイ郵便公社, Lalamove 他
電子取引関連企業 Thai commercial Bank , PayPal 他

2017年度のタイeコマース市場の最終取引額は2.8兆バーツ規模になると予想され、2018年度にはさらに10%の成長が期待されている。

thai-e-commerce(タイ ネット通販)

Pricezaによるeコマースのトレンド発表

タイのショッピングサーチエンジンであるPricezaは「Priceza E-Commerce Awards 2017」というイベントを開催し、同年のeコマースおけるトレンドを発表するとともに、同社サービスのユーザー10,000名以上の投票に基づく企業の表彰を行なった。

主な受賞者

 ブランド部門: Apple, Samsung

  マーケットプレイス部門: LAZADA, Shopee

  ファッション部門: LookSi,  Konvy

また今後のeコマースの展望に関しては、現状タイに不足している「e-paymant」について、QRコード支払のような電子決済システムが公的な支援も受けて発展し、店舗にとってもコスト削減になると述べられた。

タイ人のオンライン取引に見る傾向(1)

タイの商務省流通事業開発局(DBD)によれば、タイ国民のオンライン取引における傾向は以下の通り。

消費者のツールはスマートフォンが圧倒的に多い。ほとんどの消費者はPCではなく、スマートフォンやタブレット機器で価格比較や商品検索を行なっている。これは携帯キャリア会社にとって大きなビジネスチャンスであり、スマートフォンの対応アプリ開発は消費者にアクセスする1つの手段である。

消費者は自分の求めるものを斜め読みしかしないeコマースサイトを閲覧する際、消費者の滞在時間は短く自らの求める情報しか読まないため、サイト作成においてはトピックのわかりやすさ、商品の訴求力の高さが求められる。

タイ人のオンライン取引に見る傾向(2)

1.消費者の猜疑心はいまだに大きい。

タイでは未だにオンライン取引での「商品未着」「商品破損」「期日遅れ」といった詐欺行為やクレームが頻発しており、消費者がeコマースサイトに対して全幅の信頼を寄せているとは言い難い。

2.電子支払に対する不安感。

支払いに関しても、電子支払には抵抗感が強い。クレジットカードさえ所持していない消費者が多く、銀行振り込みや支払票によるコンビニ支払いがい   まだに主流となっているのが現状である

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