【自社で製造販売】フィリピンのドラッグストア業界

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医薬品の製造を海外に頼っている傾向の強いフィリピン国内では自社で医薬品を製造販売することで商品の低価格化を図っています。

今回は、そんなフィリピンのドラッグストア業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2020

ShopeeやLAZADAでの医薬品販売を停止

2019年6月17日の発表によると、食品医薬品局(FDA)は、オンラインショッピングのプラットフォームであるShopee PhilippinesおよびLazada Philippinesに対し、 代理店から適切な営業許可証が確保されるまで医薬品の販売を停止するように命じた。

FDAのこの動きは、医薬品のオンライン販売に関連する重大なリスクについて消費者に警告する最近の勧告に関連している。インターネット経由で薬を購入すると、深刻な健康リスクを引き起こす可能性があることを注意喚起している。

オンラインで購入した薬には有効成分が含まれていない可能性がある。そのため、FDAは販売者が実際の住所を持ち、かつ既存のFDA認可薬局またはBoticaを所有している場合にのみ、オンライン注文サービスを許可すると述べた。

AC Health、医薬品サプライチェーンへの投資

2019年11月12日の発表によると、主にジェネリック医薬品を取り扱うドラッグストアチェーン、Generikaを展開しているAC Healthは、IE MedicaとMedEthixを通して製薬サプライ・チェーンに投資することを決定した。

IE Medicaは国内の主要な医薬品の輸入業者の1つであり、 MedEthixはその関連流通会社である。ジェネリック医薬品や革新的な薬物送達システムを含む幅広い医薬品の輸入と流通を目的として、2006年と2009年にそれぞれVasantとMonaliza Salianによって設立された。

IE MedicaおよびMedEthixへの投資により、AC Healthは医薬品ポートフォリオを垂直統合し、800を超えるGenerikaと70のFamilyDOCプライマリケアクリニックのネットワークのサプライチェーンを強化する。2022年にオープンする癌専門病院で、より手頃な価格の医薬品を提供できる予定。

Mercury Drug、消費者の信頼と信用を証明

長い歴史を持つ、フィリピン最大のドラッグストアチェーンであるMercury Drugは、 2019 Reader‘s Digest Trusted Brands調査のPharmacy / Drugstore Categoryで、プラチナの信頼できるブランドに選出された。同賞を受賞するのは4年連続となる。

プラチナの賞を受賞するためには、信頼性、品質、価値、顧客ニーズの理解、イノベーション、社会的責任の属性に関する調査で、他のブランドを大きく上回る必要がある。この結果で、同社に対する消費者の信頼と信用を証明した。

Reader‘s Digestは香港、台湾、マレーシア、フィリピン、シンガポールの企業を対象に調査を行っている。21年間にわたる研究により、アジアの消費者にとってのブランドとの関連性と目的を維持するために、信頼できるブランドがどのような機能を有する必要があるかを分析している。

TGPのジェネリック医薬品についての見解

フィリピン全土に出店している最大手のドラッグストアであるThe Generics Pharmacy(TGP)は、自社ホームページにてジェネリック医薬品に関する消費者の不安を取り除くべく、医薬品に関しての説明と見解を示している。

いわゆるブランド薬でいえば、パラセタモールはフィリピンで人気のあるどこでも入手可能な薬の一般名である。このような一般的な家庭用医薬品に関しては、ブランド名は純粋にマーケティング目的のためのものである。

ジェネリック医薬品は、人気のあるブランド医薬品の単なる非ブランド版であるため、広告費がかからない分安価である。そのため、薬に関しては、価格が有効性を決定するとは限らないと覚えておくことが重要である。

2019

Generika、BotiCARDとパートナーシップ提携

大手ジェネリック薬局のGenerika は、災害時におけるBotiCARD 会員(CARD MRI)に対する医薬品の迅速な配布を目的に、BotiCARDとパートナーシップ提携をした。

BotiCARDは、マイクロファイナンス、マイクロインシュランス、教育、そしてヘルスケアアクティビティを通じた貧困撲滅を目的とする21のグループから成る企業である。パートナーシップの提携により、 500万人以上のCARD MRIへの災害対応を大幅に増加させる。

災害対応プログラムは、BotiCARDが提供する全国のCARD MRIに対する社会開発イニシアチブの1つである。BotiCARDとGenerikaは企業の社会的責任(CSR)についてのビジョンを共有しており、パートナーシップ提携が社会に大きな影響を与えることが期待される。

Southstar Drug、障がい者採用プログラムが好評

大手ドラッグストアチェーンSouthstarが2016年からUnilab Foundation財団と共同で実施している障がい者の採用プログラムについて、障がい者が独立し生産活動に携わるという点で大きな可能性を秘めているとして高い評価を受けた。

プログラムにより雇用が決まれば障がい者は試用社員として業務をスタートする。そして評価プロセスに合格すると正社員契約に切り替わる可能性がある。現在に至るまで20人以上の障がい者従業員がプログラムに参加しており、そのうち5人は本社に配属され、その他にも支店勤務の機会が付与されている。

障がい者を雇用することで従業員に新たな発見や気づきをもたらし顧客獲得につなげる。経営陣は障がい者採用プログラムを通じて総合的に顧客サービスにおいて著しい改善が見られたことを報告した。

Watsons、女性のためのウェルネスキャンペーンを実施

3月1日~8日にわたる女性の健康週間や3月8日の国際女性デーに向けて、大手ドラッグストア企業Watsonsは女性のためのウェルネスキャンペーンを実施した。同イベントは “BE RADIANT”キャンペーンと名づけられ、女性のウェルネス・ヘルスケア需要に応えた製品を提供する。

キャンペーンでは女性セレブリティ・インフルエンサーを起用。期間中にInstagramで“BE RADIANT”のテーマに沿った情報を共有したり、フォロワーに影響を与えるストーリーを共有した。さらにキャンペーン強化のために、女性向けウェルネスイベントにゲストとして登壇した。

キャンペーンの裾野を広げるため、SMモール各店舗にてイベントを同時開催した。 Watsonsで取り扱うBelo、Cosmo、Mosbeau、Capsinesis、Watsons Genericsなどのブランドが、イベント中に無料相談、ウェルネスサービス、特別割引、プロモーションを提供した。

PHARMEXCIL、比市場での医薬品事業拡大へ

インドの医薬品輸出促進協議会(PHARMEXCIL)が率いる23社の代表団が、フィリピンの流通業者とパートナー企業のためにミニエキスポと独占的なビジネスマッチングセッションを開催した。

PHARMEXCILはインド市場における医薬品の販売・輸出の促進を目的としてインド政府の下に設立された業界団体。PHARMEXCILはフィリピンを手頃な価格で質の高い医薬品のニーズが拡大する可能性がある市場として位置づけている。

この一連のイベント、「India Biz Connect:」は、PHARMEXCILとマニラのインド大使館、フィリピンの貿易産業省、およびフィリピン商工会議所の支援を受けて開催された。イベントを通して潜在的なビジネスマッチングを発掘する機会となることが期待される。

2018

フィリピンにおけるヘルスケアの問題点

ドゥテルテ大統領が2022年までに国民のためのヘルスケア向上を目的とした政策を発表した。フィリピン国内で抱える問題として毎年150万人もの人々が高い医薬品やヘルスケアの影響を受け貧困層に陥る可能性があると指摘されている。貧困層に生まれた子供は5歳に満たないで死亡する可能性が裕福な家庭に生まれた子供より約3倍高いとされている。

公共病院におけるサービスの質が低いと指摘されており、国民からの不信感が根強く残っている。例えば長い時間待たされることや、病院内のアメ二ティーグッズの欠乏、診察履歴がきちんと保管されていないこと、病室に対する人口密度が高いため十分なヘルスケアを施されないことが問題視されている。

ジェネリック法やその他の薬剤に関する法案によりジェネリック薬品は公共病院などで安価に購入できるが、知名度は低くドラッグストア等で処方されるのを好む傾向にある。

医薬品業界の展望

2017年6月時点での医薬品輸入額は全体で約1億6千万ドル。人口増加につれ医薬製品の輸入が増加、ASEANの中でも医薬品業界のマーケットは大きく拡大すると予想される。

他の産業と比較し、医薬品はかなり輸入品に依存。輸入品の増加により医薬品の価格が上昇しており、政府の対応は追いついていないのが現状。今後は地元の医薬品製造業を援助し、国内生産を増やすことが求められる。

Philippines-drugstore(フィリピン 薬局)

フィリピン・ドラッグストアの現状

現在フィリピンのドラッグストア市場を圧巻しているのはMercury Drugで約60%のマーケットを占有している。それに対してThe Generics Pharmacy(TGP) Generika両方合わせて約30%をそれぞれシェアしており、残りの約10%をWastonsとローカルのドラッグストアが占める割合となっている。

それぞれの企業が毎年1%のマーケットを拡大するために50店舗以上ドラッグストアを新規オープンし、ルソン島から外れた別な地域での新規開拓するといった企業努力がみられる。(ルソン島は首都マニラを含む)

今後、競合他社はドラッグストアを新規に出店するだけでなく、自社ブランドの医薬品を製造販売するといったブランド戦略を展開していくだろうと予想される。それによって医薬品の価格を下げ、中・低所得者を取り込む事業が必要になる。

競合他社の戦略:The Generics Pharmacy (TGP)

世界保健機関によればMercury Drug が販売している薬はアジアの中で日本に次いで高いと報告されている。それにより80%もの国民が薬を購入するために一度は諦めたことがあると回答した。

そこでライバル企業であるThe Generics Pharmacy(TGP) は対抗すべく、フランチャイズのコンサルタント企業と協働で、できる限り安い資本で運営できる新しいフランチャイズ店進出に努めた。

フランチャイズ使用料、運営用の資本、初期投資を含む金額約P700,000(140万円)という低価格で提供することで店舗数を伸ばしていった。また大胆にライバル企業の店舗横に新しい店舗を設置することで、顧客取り込みを図った。

まとめ

高額な医薬輸入品は貧困に苦しむ国民にとっては悩みの種であり、それだけでなく公共病院のサービスの質の低下は患者にとって厳しい問題として挙げられます。そうした中で国内製造の医薬品がメジャーになれば国民の生活の手助けになるのではないでしょうか?

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