【ECの好影響】タイのアパレル業界

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スマートフォンやインターネットの急速な拡大を受け、タイのアパレル業界では、オンラインショッピング市場が盛況で、参入企業数と顧客を伸ばし続けています。

今回は、そんなタイのファッション業界に関する最新情報をお届けします!

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2020

スタートアップのPomelo、5200万ドルを調達

タイのスタートアップ企業、Pomeloは東南アジアを中心にSPA(製造小売り)型ビジネスを展開し、自社の通販サイトを主な販路とする。タイとシンガポールでは実店舗でも販売を行う。

2019年9月12日の発表によると、同社はアジアでの事業拡大のほか、ビッグデータや人工知能(AI)などの技術開発を行うため、タイ小売最大手Central Groupや香港のベンチャーキャピタル(VC)などから計5200万ドルを調達した。

Pomeloによるとスタートアップが事業成長を拡大させる段階である「Series C」での資金調達を行い、中国ネット通販大手の京東集団(JDドットコム)や衣料品通販サイト大手ZOZO系の投資会社から受けた出資は総額8300万ドルに到達したとのこと。

タイで要注目のスニーカーブランドが誕生

世界の縫製工場からブランド発祥地への成長を目指す、タイで要注目のスニーカーブランド「DUST OFF SHOES」が誕生した。

スニーカーフリークの4人のタイ人によって立ち上げられた「DUST OFF SHOES」の製品のデザインは、1970年代のスポーツシューズからインスパイアされており、生産もバルカナイズ製法などといったクラシックな手法を選択している。

履き心地の面でも優れ、現地の若者から人気を集めている。同社は普遍的でクラシカルかつ、オリジナリティの光る商品を開発している。海外での販売も視野に入れ、価格は12,500円(税別)となるとのこと。

Lenzing Group、世界最大のリヨセル工場建設

オーストリアの大手セルロースメーカー、Lenzing Groupは2020年末までにタイのPrachinburi地区のIndustrial Park 304にリヨセル繊維TENCELの工場を新設する計画を発表した。

Lenzing Groupはタイ投資委員会(BOI)から支援を受けている。工場建設は2019年秋に開始、稼働開始は2021年末を予定しており、工場の生産能力は年産10万トン、投資額は約4億ユーロとなり、世界最大のリヨセル繊維工場となる。

今回の新工場建設については、同グループが展開する「sCore TEN」戦略の一環であり、リヨセル繊維など特殊繊維のシェアを拡大、気候変動対策のためのCO2排出量の少ない持続可能なバイオエネルギーの供給といった面で優れていることなどを選択の理由として挙げている。

Thanulux社、ビッグデータの管理ソフトウェア開発

Saha Group傘下のアパレルメーカーThanulux Plcは、ドイツの人気シャツブランドOlympの輸入を初めてタイ国内で行い、顧客基盤を拡大した。

2019年8月20日の発表によると、同社はヨーロッパやアジアの多くの国際的なファストファッションブランドをタイ国内で販売し、アパレルメーカーのトータルファッションソリューションプロバイダーへの転換を試みている。

同社は2000万タイバーツを費やし、管理効率を高めるためにビッグデータの管理ソフトウェアを開発した。生産基地をミャンマー、ベトナム、インドネシアに設置することで、タイバーツ高に対応している。

2019

ICC、海外事業とオンライン販売の強化へ

タイの消費財大手サハ・グループ傘下で衣類、靴、コスメティック、消費財を販売するICCインターナショナルは1月8日、利益率の改善を図ることを目的として、海外事業とオンライン販売事業の強化に取り組む方針を固めた。

近年、アパレル業界の概況として、タイ国内の消費者の購入額が伸び悩んでいる点や、リアル店舗よりもオンライン上の電子商取引市場が活況である点が指摘されており、今回の戦略もそれらのトレンドを加味したもの。

オンライン販売事業では自社ウェブサイトのほか、eマーケットプレイス(電子市場)における販売品目を増やす。昨年の売上高に占める比率は百貨店が80%で、オンラインは5%にとどまったものの、2020年までには10%に拡大する計画を示している。

PTT、プラスチックを再利用した繊維製造業への投資を拡張

タイに本拠地を置く投資会社Saha Pathana Inter-Holding Plc(SPI)は、プラスチック廃棄物を再利用した繊維製品の製造を拡張することを目的として、石油精製のPTT Global Chemical PLC(GC)と協力することを発表した。

両社は繊維製品の基準を国際レベルに向上させることに焦点を当て、タイの廃棄物削減の課題に高い基準を設ける一方で、環境への影響が少ないとされる製品の開発に注力する。

GCは今回の協業について、「画期的な技術を組み入れることで、石油化学事業とプラスチック樹脂の製造にイノベーションをもたらすことができる」としており、また世界中の環境ビジネスの趨勢に呼応しつつ、高い潜在力を持ったタイ企業のビジネスを後押しできる可能性があると述べた。

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「ZOZOTOWN」、タイ市場への展開を開始

ファッション通販「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイは2018年7月3日、自社ブランド「ZOZO」を取り扱う海外向けサイトhttps://zozo.comを開設した。

ZOZOはタイなど72の国と地域で合計10万人にTシャツとジーンズを無償でプレゼントするキャンペーンを行い、海外での知名度とブランド力の強化を図っている。

ZOZOは日本でも注目を浴びた、体型サイズを自動的に採寸できるシステム、〈ZOZOSUITS〉をタイ市場でも導入しており、アプリでの注文や決済手段の選択肢を広げるなどの戦略を採用することで顧客層の拡大を図っている。

スポーツウェアの受注高が過去最高に

タイアパレル協会によると、スポーツウェア市場では世界の有名スポーツチームなどからの発注がタイに集まったことで「製造が間に合わない状態」となっていることがわかった。さらに、アパレル市場全体で2018年は過去最高の受注高となることが見込まれており、2019年においても成長の加速が予想されている。

スポーツウェアの製造枚数は1億枚以上となり、輸出額では450億バーツにものぼる。イングランドの有名サッカーチームのスポーツウェアなどもライセンス製造しており、1着3~4000バーツのものも「即日売り切れ状態」にあるという。

世界的に活躍するチームがタイでのユニフォーム製造を選ぶ要因として、タイ製の生地の素材や縫製の丁寧さに定評があり、また期日通りの納品が守られているなどが挙げられる。タイではブランドのコピー商品が一斉摘発されており、本物志向が強まっている。今後は各社とも東南アジア周辺国での製造・販売を拡大させ、受注増に対応する構えだ。

2018

世界の有名メーカーが群雄割拠、タイのデニム市場

タイではデニム製品が広く受け入れられており、国際的ブランドLevi’s、Lee、 Wrangler、Dieselなどのプレーヤーが参入している。

日本のプレミアムジーンズブランドであるSamurai JeansやMOMOTRO Jeansもファッション小売のPRONTOが代理店となってタイ市場に参入、その他にタイの国産ジーンズブランドMcも人気がある。

消費者のデニム販売チャネルはCENTRAL PLAZA、The Mall、ROBINSONなどの大型ショッピングモールが最も多く、タイ国内で44支店を展開するROBINSONでは「ROBINSON JEANS」と題して著名ジーンズブランドを一挙に束ねた販促イベントも行なっている。

UNIQULOタイ、東南アジア初の路面店舗オープン

タイUNIQLOは、バンコク東部パタナカン通り沿いに東南アジア初となる路面店舗をオープンさせた。これまではショッピングモール内のテナント店舗のみであったが、郊外のファミリー客層の取り込みを狙っている。

店舗面積は1,440㎡で、日本のUNIQLO大型店舗の敷地面積およそ1,650㎡とほぼ同サイズとなる。大型の駐車場も完備する路面店舗は、日本における成功の礎を築いたのみならず韓国や台湾でも成功を収めており、タイにおいても新規顧客層の開拓になることを期待している。

Thai-fashion2(タイ 洋服)

タイアパレル業界の最新統計

2017年7月31日現在、全国のアパレル企業は1,797社、うち1,284社が株式会社である。市場規模は102億バーツ、その81%の82億6,800万バーツを株式会社が占める。

2017年の新規登記企業数は211社(金額ベースで2億8,100万バーツ)、前年同時期の153件と比較して264%の増加となった。やはりそのほとんどは中小企業であり、政府は中小企業向けのビジネス支援策を強化している。

地域別では、北部83社 1億1,600万バーツ、東部161社 3億7,600万バーツ、西部30社 3,500万バーツ、南部 142社 3億3,200万バーツ、バンコク周辺が1,381社 93億5,600万バーツと、バンコクへの一点集中が明らかである。

タイは生産拠点として今後も生き残れるか?

2016年のタイアパレル業界への投資額は、102億1,700万バーツであった。国内投資が55億5,800万バーツ、海外企業による投資が46億5,900万バーツで、国別ではシンガポールが最大の10億6,000万バーツ、次いで日本の7億4,300万バーツ、イタリアの4億7,900万バーツ、オーストラリアの3億4,600万バーツ、その他20億3,000万バーツとなっている。 

輸出額については緩やかな減少が見られたが、外国企業がタイの近隣諸国へ生産拠点を移したことが要因のひとつと思われる。例えば対アメリカでは前年比で6.95%減少した(2016年)が、これはベトナムとカンボジアからの対米輸出が増えたことと連動している。一方で中国市場向けの既製服輸出は増加が見込まれる。

タイが「世界の縫製工場」を脱するには

タイ工業省が主導する産業開発戦略の下、タイのファッション業界はIndustriy 4.0(第四次産業革命)に焦点を当て、イノベーションを通じた価値創造に注力することで、5年以内に繊維、アパレル、宝石、革製品の各産業の市場規模全体を1兆バーツまで成長させ、そしてASEANのファッションハブになることを目標においている。

タイのアパレル市場は緩やかな縮小傾向にあり、それを食い止める1つの方法がファッションデザイナーの育成である。タイが世界の縫製工場で留まったままになるか、ファッションリーダーとして業界を牽引する立場になれるかどうかは非常に重要なファクターである。政府主導で「Fashion Designer Creation(FDC)」と呼ばれるイベントを毎年開催しているのもその一環である。

まとめ

デニム市場が活発なだけではなく、日本企業ユニクロもタイへの規模拡大に向けて新たな動きを示しています。首都バンコク一点集型と言われるアパレル業界は今後タイ全土ではどのような動きを見せるのでしょうか?またデザイナー育成に向けての今後のタイファッション業界の動きから目が離せないですね。

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