【飲料業界の中心地】シンガポールの飲料業界

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シンガポールは台湾と共にアジアにおける2大拠点として飲料業界の中心地を築いています。ホットドリンクセクターにおいては、コーヒー品目が売上高の大部分を占めています。

今回は、そんなシンガポールの飲料メーカーに関する最新情報をお届けします。シンガポールの飲料業界では今、どのようなトレンドが生まれているのでしょうか?

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2020

世界初、甘味飲料の広告を全面禁止。MOHの方針

シンガポールの保健省(MOH)は2019年10月10日、糖分の高いパッケージ甘味飲料の広告を全面的に禁止する方針を発表した。甘味飲料の広告を禁止するのは、シンガポールが世界初である。広告規制の具体的な導入日程など詳細については2020年中に発表する予定で、規制を1~4年かけて導入する見通し。

甘味飲料の広告規制は、保健省が2016年から開始している糖尿病の予防対策の一環である。発表によると、広告規制だけでなく糖分の中~高程度の甘味飲料について、パッケージの前面に不健康であることを示すラベルの表示も求める。

ラベルの表示は、パックやボトル、缶入り飲料に加え、粉末飲料、発酵乳、ヨーグルト飲料も対象となる。「健康」「普通」「不健康」を、色分けで表示する。ラベルの表示が義務付けられるのは、不健康とされた飲料のみとなる。ただ、健康的と見なされた飲料は、販売促進目的でラベルをつけることは認められる。

加速する健康志向へ対応、Fraser and Neave 

1883年に創業し、11カ国で7,700人の従業員と共に飲料・食品事業を展開する、Fraser and Neave(F&N)は2019年度の統合報告書を発行した。同社の業績は好調で2019年度の売上は19億200万SGD(前年比+4%)。同社は主力事業の飲料・食品の他、印刷、醸造、不動産事業なども行う複業企業だ。

同社の主力製品100PLUSはシンガポールで一番売れているスポーツ飲料で、マレーシアの炭酸飲料市場でもトップだ。また、NUTRISOYはシンガポールで一番売れている豆乳飲料、ICE MOUNTAINは同国内のミネラルウォーターブランドとしては売上トップである。

同社の消費者は東南アジアを中心に述べ6億4千万人おり、今後はトレンドであるSDGsを意識し、より持続可能なビジネスやブランドを創出し、同地域の課題である肥満などを意識した健康に優しい商品を提供していく方針だ。

International Beverage Holdings、ミャンマーへ展開

2020年2月13日の発表によると、タイの飲料大手、Thai Beverage Public Company ltd. のシンガポールにおける完全子会社International Beverage Holdings (Singapore) Pte Ltd.がミャンマーで飲料事業を展開するInternational Beverages Trading Company Ltd.に35%出資することを決めた。

International Beverages Trading Company Ltd. はミャンマーで主にアルコール飲料を販売する大手飲料製造会社で、ミャンマーの国内ウイスキー市場の80%を占める。

この出資により、 International Beverages Trading Company Ltd. はThai Beverage Public Company ltd. の関連会社となった。 International Beverage Holdings (Singapore) Pte Ltd. はシンガポール証券取引所に上場している。

Yeo Hiap SengグループのCEOが交代 

2019年12月30日、1900年に設立したシンガポールの飲料メーカー、Yeo Hiap SengのCEO交代が発表された。2015年4月24日よりCEOをしていたMelvin Teo氏に代わり、2020年3月14日付でSamuel Koh Chee Boon氏が就任する。

Melvin Teo氏は同日付で相談役となり、2020年7月13日に退任予定だ。同氏はCEO就任時に数々の賞を受賞するなど功績を残していたが、近年別の事業に興味が沸くようになり、退任に至った。

Samuel Koh氏はコカ・コーラ、ユニリーバ、Yum!ブランドなどでの就労経験があり、直近の2017年からはコカ・コーラ社の中国本土、韓国事業のVice Presidentをしていた。それ以前は COFCO Coca-Cola Beverages LtdでのCFO経験などもあり、シンガポールでの会計士免許も保有している。

2019

F&N、PLPLの発行株式の60%を取得へ

シンガポール証券取引所に上場し、飲食料品、出版業や不動産業を手がけるコングロマリットであるFraser and Neave(F&N)は、2019年3月12日、子会社のタイムズ・パブリッシング(TPL)を通じて、プリント・ラボ(PLPL)社の発行株式の60%を取得することを、条件付きで合意したと発表した。

PLPLは、ワンストップのエンドツーエンドの印刷、イベント、ビジュアルメディアソリューションを提供するビジネスを行っている。TPLは、PLPLの事業が既存のTPLの事業を補完するものであると考えている。

売却株式は、総額2,448万シンガポールドル(SGD)となる予定であるとされる。この対価は、買収完了時に2,398万SGDが現金で支払われ、12か月後に残金である50万SGDが支払われる。

CocaColaとPepsi、プラスチックゴミの削減へ

2019年1月25日の発表によると、CocaColaとPepsiの取締役は、スイスで行われたダボス会議において、2030年までに人類、野生生物、そして海洋を汚染するプラスチック廃棄物を減らすために「大きな進歩」をもたらすことを約束した。ダボスで開催された世界経済フォーラムでは、プラスチック廃棄物が世界経済に与える影響に関するディスカッションが繰り返し行われている。

プラスチック廃材をなくすために、約30社の多国籍企業によって構成された企業連携が組まれたと発表され、 CocaColaやPepsiはそれら企業の中の2社である。この企業連携では「プラスチック廃棄物の最小化と管理および使用済みプラスチックの解決策の推進」に10億米ドルを寄付する予定である。

統計によると、毎年約800万トンのプラスチック廃材が海に投げ込まれており、プラスチック廃材が世界経済および世界環境に深刻な悪影響を与えると考えられている。

ノンアルコールビールが成長する兆し

2019年3月6日、大手飲料メーカーHeineken アジア・パシフィック・シンガポール(Heineken)は、 経済開発庁 (EDB)と提携して、2019年第3四半期までに醸造所に脱アルコール剤を導入するために380万SGDを投資する予定であることを示した。これにより、HeinekenはHeineken0.0と呼ばれるゼロアルコールビールを製造することが可能となる。

Heinekenによるノンアルコールビールは2017年に発売され、現在は世界の50以上の都市で販売されている。シンガポールにおける健康志向は上昇傾向にある一方で、リラックスタイムを確保することが困難なビジネスパーソンも多い。そのため、アルコールを含んだビールよりもノンアルコールビールのニーズが増加するのではないかと考えている。

Heinekenは昨年、Heineken 0.0の販売に支えられて、全世界で前年比7%の販売数量増加を記録した。これは、Heinekenが過去10年間で記録した最高の成長率であると言われている。シンガポールにおいて、Heinekenは3年から5年の間でHeineken 0.0の発売によって総売上が5%から10%増加するのではないかと予測している。

政府、アルコール過剰摂取に注意喚起

シンガポールにおいて、一般的に推奨されているアルコール摂取量は、男性は330mL缶ビールを1日2杯、女性は1杯に相当する量である。2017年の国民健康調査によると、18〜69歳の各世代において、人口の約2.3%がアルコール推奨値を上回るアルコールを摂取しているという報告がなされた。これは、2007年の統計から1.4%増加している。

健康促進局(HPB)は現在、若者のアルコール摂取と健康被害についての詳しい調査を進めることに注力している。HPBは教育省(MOE)と協働で、小・中学校の全生徒の学校カリキュラムに、アルコールが与える有害な影響について授業を組み入れるよう、教育機関に対する指導を行なっている。

アルコールの過剰摂取、特に大量飲酒の影響については、ライフスキルプログラムや、ポリテクニックの学生、さらには軍人のための健康関連の活動にも組み込まれている。

2018

飲料メーカー大手、飲料の糖度削減へ

日本同様、医療費が高騰の最中にあるシンガポールでは、政府が国民の健康意識を高める活動に力を入れている。低カロリーの食材を選び、野菜の摂取を増やす一方で、糖分を控え目にするよう呼び掛けている。

糖尿病予防もシンガポール保健省(MOH:Ministry of Health)が抱える課題のひとつであり、飲料品業界と連携して国民の糖分接種量削減を目指している

下記の飲料品業界7社は、2020年までにシンガポールで販売する砂糖入り飲料の糖度を12%以下に下げる事に合意した。これはシンガポール市場で現在流通している砂糖入り飲料の70%が該当し、年間あたり約30万kgの砂糖使用を減少させる見込みだ。

【保健省と合意に至った飲料メーカー7社】

  • Coca-Cola
  • F&N Foods
  • Nestle
  • PepsiCo.
  • Pokka
  • Yeo Hiap Seng
  • Malaysia Dairy Industries

Yeo’s、環境にやさしい持続可能な生産へ

シンガポールの飲料業界大手である YEO HIAP SENG LIMITEDは、ESG(Environmental, social and governance)のパフォーマンスをチェックし、環境にやさしい企業経営を目指している。

同社の定番商品のひとつ「Yeo’s Soy Bean Milk(豆乳)」の生産において、これまで大豆から出る残留物は全て破棄していたのを、環境保護やサスティナビリティの観点から有効活用。シンガポールの工場から廃棄される分は肥料に、マレーシア工場からの廃棄分は、近隣農場へ動物飼料として販売。廃棄物894tのうち、約31%がリサイクル可能となった

水使用量の削減も行っており、2020年までに現在使用している水の量のうち20%を再利用水で賄い、目標達成後はその割合をさらに10%増やす計画だ。

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Pokka、シンガポールの対がんチャリティーに貢献

シンガポールでは癌が主要な死因のひとつであり、国民の3人に1人が疾患のリスクを抱えている。ポッカ・シンガポールは「Fight Cancer Together, One Litre at a Time」と題して、同社の主力製品である Green Tea シリーズの4種を限定パッケージで販売。売上1リットルにつき0.6セントから1セントを Singapore Cancer Society へ寄付するというチャリティー運動を行った。

キャンペーンの結果、当初の寄付目標金額5万シンガポールドル(約407万円)を達成。さらに、著名人を起用したビデオを使って Facebook でも寄付金を募り、最終的に約3か月の期間で6万シンガポールドル(約488万円)超の寄付を実現した。

FRASER AND NEAVE、コア市場と新規開拓の両立を目指す

シンガポールで人気のスポーツドリンク「100PLUS」で知られるFRASER AND NEAVE社。2017年の業績は前年比でやや減少した。売上高は4.1%減の18億9,800万シンガポールドルで、税引前利益は2.8%減の1億7,400万シンガポールドルとなった。

昨年は、投資先であるベトナムの Vinamilk の株式保有割合を10.95%から18.74%まで上昇。同社のコアマーケットであるシンガポール・マレーシア・タイ市場への依存割合を下げ、同時に発展著しいベトナム市場でのマーケット獲得を目的としている。

一方、タイでは Thai Beverage とのパートナーシップで引き続きシナジー効果を得て、シンガポールでは主力ブランドへの投資もこれまで通り続ける方針だ。

まとめ

健康志向や環境への配慮といった近年の消費者傾向に向き合っているシンガポールの飲料業界。市場競争の激しい中、消費者傾向に寄り添う姿勢や新規市場開拓など、各社が様々な取り組みを行っています。こうした新たな取り組みがどのような実を結ぶのか、要注目です。

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