【お酒よりお茶】マレーシアの飲料業界

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マレーシアの2016年度の清涼飲料(ペットボトル入りドリンク等の非アルコール飲料と、お茶やコーヒー等のホットドリンクを含む)の年間消費量は、国民一人当たり28.4Lと、ASEAN6カ国中最低(最高はタイの国民一人当たり271.9L)となっています。

今回は、そんなマレーシアの飲料メーカーに関する最新情報をお届けします。

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2020

ネスレ、紙ストロー採用へ。今後の動きは?

2019年9月26日、世界最大の食品飲料メーカーであるネスレのマレーシア法人は、ミロUHT(125ml)のパッケージに使用されているストローを紙ストローへ変更することを発表した。新しいパッケージは2019年第4四半期中に展開され、年間4,000万本のプラスチックストローが削減される。

同社は、2025年までに包装を100%リサイクル或いは再利用可能とするとしており、究極的には年間2億本以上のプラスチックストロー削減を目指している。

また、同社は自社開発センターやサプライヤー、研究機関、新興企業と共に環境に優しい包装材料とシステムの共同開発を進めている。社内においても、作業現場で使い捨てプラスチックを全て廃止とし、従業員にリサイクルの重要性を教育している。

エチカ、自動販売機ソリューション会社を買収

2019年12月9日の発表によると、アサヒグループホールディングスの傘下で、マレーシア飲料メーカー大手のエチカは、シンガポールの大手自動販売機システムソリューションを提供するアドバンス・システムの買収を発表した。買収は2020年の第1四半期までに完了する予定。

この買収により、エチカは国内で1万台以上の自動販売機を所有することになる。買収完了後は、温かい飲み物や菓子製品の販売も手掛ける。

また現金だけでなく、eウオレットやクレジットカードなど複数の支払いオプションを提供することで、キャッシュレスにも対応する。更に、キャッシュレス販売のデータを取得することで購入傾向の分析を行い、消費者へのサービス向上を目指す。

eコマース事業を拡充! F&N

2020年1月9日の発表によると、飲料・食品大手のフレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)は、マレーシア国内の消費者へ利便性とアクセシビリティなどの価値を提供するため、オンラインストア『F&Nライフ』をローンチした。

消費者はこのeコマースサイトを通じて、祝祭日期間や特別な日に同社の製品を大量且つ競争力ある価格で購入することができる。さらに、製品は自宅まで配達され、製品の詳細や栄養価、ロイヤルティプログラムも提供する。

F&Nライフを記念し、1月と2月はeコマースサイト或いはモバイルアプリから購入した全製品を5%割引とし、マレーシア半島内の配送費を無料とする。また、Touch ‘n Go eWalletとの提携により、期間限定で5リンギットのキャッシュバックも提供する。

ダッチレディ、税引き前利益が大幅減

オランダの乳製品大手であるロイヤル・フリースランド・カンピーナのマレーシア法人、ダッチレディー・ミルク・インダストリーズは、2019年度第3四半期の収益が前年同期比7.5%増となる2億7,631万リンギット、9ヶ月の累計は7億8,491万リンギットを記録したと発表。

ただ、当期は原材料価格の高騰や為替変動による影響、広告・販売促進への投資、更に売上税・サービス税導入の影響から税引き前利益は前期比23.5%減となる2,520万リンギットであった。

市場は依然として不安定であり、国内外の不確実性、為替変動、規制変更の可能性がある。ただ、同社はブランド力の強さと栄養価に対するニーズの高まりもあり、長期的な見通しは明るいとしている。

2019

F&N、新製品に3,000万リンギットを投資

飲料大手のフレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)は、2019年度の資本的支出として3,000万リンギットを割り当てると発表した。この投資は新規生産ラインと既存製造ラインの能力拡大を含み、新製品やパッケージの拡張を促進する。

リム最高経営責任者は、消費者のライフスタイルが健康的な製品の消費へ重点が移っており、会社としても楽しく便利で、そして栄養価の高い製品を提供するため革新的な製品とパッケージ開発に注力していると述べている。

また、同社はマレーシア政府が甘味料に対する飲料税を発表するよりも前に、健康的な製品の開発に努力を注いでおり、同社グループの砂糖指数は2004年から34%削減している。

コカ・コーラ、礁チェックマレーシアと提携

30年前に設立された国際海岸清掃日(ICCデイ)は、ボランティアが海岸線に散らばっているごみを収集し、10年以内に海岸清掃を不要とするといった目標達成を掲げている。この活動にはこれまで1,200万人が参加し、通算1億キログラム超のごみが収集された。

この活動は、コカ・コーラの「無駄のない世界」という目標と一致しており、礁チェックマレーシアの協力を得て、マレーシアにおけるICCの取り組みを先導している。

2018年初めに発表された「無駄のない世界」ビジョンにおいて、同社は2030年までに梱包を100%回収して、リサイクルすることを支援する目標を掲げている。

カールスバーグ・マレーシア、2018年度の収益は?

カールスバーグ・ブルワリー・マレーシアは1969年に設立した醸造会社で、マレーシアとシンガポール、スリランカでビールを醸造・販売している。

同社の2018年度の収益は、前年比で14.6%増となる19億8,000万リンギットであった。その内、マレーシア国内の収益が14億1,000万リンギットで、グループ全体の7割を占めた。純利益も前年比で25.3%増となる2億7,720万リンギット、またフリー・キャッシュ・フローは前年比で7.4%増加して3億2,800万リンギットとなった。

世界的な景気低迷、消費者心理の低迷、マレーシアにおける喫煙禁止等の規制などをはじめとし、事業環境は困難を極めているが、過去2年は同社の高級ブランド販売部門が高成長を見せており、2019年もその傾向が続くと予想する。

サステナブル事業アワード受賞!ハイネケン・マレーシア

ハイネケンやタイガー、ギネスなどといったビールを醸造・販売するハイネケン・マレーシアは、サステナブル事業アワード2018年において、最優秀水管理賞など2つの賞を受賞した。

同社は2014年から2017年にかけて、ペタリンジャヤのスンゲイウェイビール工場において醸造と包装の効率改善によって無駄を削減し、水使用量を16.2%削減した。

また、同社は過去11年間でマレーシアの節水プロジェクトの推進に約850万リンギットを投資し、SPARK財団の『教育とリハビリテーションを通じた取り組み』プロジェクトにおいて河川保全などを展開してきた。更に、同社は今後3年間で250万リンギットを投資することを表明している。

2018

マレーシア産ミネラルウォーターを世界へ「SPRIZER」

創業は1989年で、マレーシア産ミネラルウォーターを提供し続けるSPRIZTER。国内3拠点での生産能力は、年間で650万リットルを誇る。

マレーシア国内のミネラルウォーター市場でシェアのおよそ40%以上を占める同社。2017年度の収益は約3.2億リンギットで、3年連続の増収となった。国内外からの需要増加に対応するため、2018年にはペラ州タイピンに新しい大型自動倉庫建設を発表。2019年までの完成を目指す。

2018年は、特に中国へのマーケティングと営業に注力する見込み。同社は上記の倉庫の他、生産工程の自動化を進め、巨大市場からのニーズに備える。

マレーシア国民の栄養摂取を支える「Nestle」

Nestle は1912年にマレーシア進出以降、もはやマレーシア国民に欠かせない存在となった「ミロ」をはじめとした食品・飲料製品を提供し続けている。

同社プレスリリースによれば、国内売上増と好調な輸出に支えられ、2017年は売上高53億リンギットと前年比で3.9%の上昇を記録。国内売上は4.1%の増加となった。SEAゲーム(Southeast Asian Games:東南アジア諸国版オリンピック)の開催に合わせてアスリートを起用した大々的なPR策を採ったこと、また組織面ではコスト管理施策と貿易投資がこの業績に貢献したとしているいる。 

2018年の旧正月期間中も、戦略的なマーケティングと効果的なプロモーションで売上増を実現。今年の見通しも楽観的なものとなっている。

Malaysia-beverages(マレーシア 飲料)

工場拡張でハラール製品の生産を強化「Coca-Cola」

マレーシアでの製品流通は1936年からと長く、現地法人は2009年に設立。現在は20製品以上を展開する Coca-Cola Bottlers (Malaysia) Sdn Bhd。

現地法人の設立翌年から、強気の投資を続けている同社。ハラール製品生産数の増加に伴い、昨年には5億リンギットの追加投資を決定。既に最大稼働率を誇るニライ工場の拡張を2020年までに完了することを発表した。マレーシア・シンガポール・ブルネイ向けのハラール製品生産ハブとしての機能を強化する。

新製品の開発にも力を入れており、今年3月には砂糖の使用量を35%カットした「コカ・コーラステビア」を市場に投入。肥満率の高いマレーシアで消費者が気にする健康志向にも対応をしている。

新規ブランドの投入策が成功「Heineken」

世界192か国で展開する Heineken。マレーシア法人は1964年に設立。マレーシアビール市場でシェアトップの Tiger Beer をはじめ、多くのヒット商品を抱える。

2017年の収益は、前年比で2.6%増の19億3,000万リンギットとなった。旧正月中のビール製品売上増と、2017年8月に投入した Apple Fox Cider の売り上げ好調が理由として挙げられている。市場投入直後から好反応が得られた同シリーズには、今後も力を入れる模様。

酒税の高いマレーシアは密輸も多く、同社にとっても悩みの種だった。しかしながら、近年はマレーシア税関の対策が功を奏していると評価。今後も同社は密輸品対策を当局と協力していく。

ブランド力強化で売上げ増を目指す「Carlsberg」

1961年にマレーシアへ進出。ビール市場では Tiger Beer と並ぶ2大トップブランドの一つ。アサヒビールも傘下に収める。

2017年の売上は、前年比5.4%増の2億9,000万リンギット。しかしながら、商用投資の増加に伴い、収益は前年比12.1%減の5,300万リンギットにとどまった。2018年は消費者心理を突くキャンペーンをいくつか投入し、主力製品以外のブランド力強化を軸に売り上げ増を目指す。

Heineken と同じく酒類の密輸に悩まされていたが、マレーシア税関の対策を好意的に捉えている。密輸ビールの減少で需要増が見込まれるマ市場の動きを見据え、強気のマーケティングと営業でブランド力を強化する見込み。

まとめ

海外のビールメーカーがマレーシアに積極的に進出しようとしている一方で密輸品問題など今後対策が必要な問題を抱えるマレーシア飲料業界。またレストラン等でのアルコール飲料の価格引き上げなど飲料業界は今後どのように対策していくのでしょうか?

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