【輸入に頼る】シンガポールの食品卸業界

オフィス街やショッピングモール、住宅街などいたるところで飲食店が設置されているシンガポールでは、消費されている食品の約9割が輸入品となっています。

今回は、そんなシンガポールの食品卸売業界に関する最新情報をお届けします!

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2020

青果大手SunMoon、中国本土への事業拡張を目指す 

SunMoonはシンガポールで1983年に設立した。青果物と凍結フルーツ、ナッツ、ジュースなどの加工食品、315種類以上の製品を提供している。中国とシンガポールで事業展開し、製品を中国、インドネシア、タイ、オーストラリア、ブラジル、中東、ヨーロッパなどに輸出している。

2018/19通期決算を踏まえた今後の戦略は以下の通り。①今後は中国市場に注力し、中国でのSunMoonブランド価値を高めたい。 ②中国以外の市場を拡大し、SunMoonのブランドエコシステムにディストリビューターネットワークを構築する。東南アジア市場に注力し、より良い流通体制を確立していく。

中国での事業会社Yiguoの優れた生鮮食品調達能力と世界中のサプライヤーとの価格交渉力を活用して、東南アジア市場で製品を販売していくとしている。

ヨシムラ・フード・ホールディングス、新会社設立

2019年4月15日の発表によると、ヨシムラ・フード・ホールディングスは海外子会社の管理統括及び成長支援を目的に100%子会社YOSHIMURA FOOD HOLDINGS ASIA PTE. LTD. を設立した。資本金は4,561万SGD予定で取締役2名及び子会社の取締役1名を派遣する。

同社は2017年12月にシンガポールで日本食(寿司等)を製造し、大手スーパーにて販売を行う JSTT SINGAPORE PTE. LTD.の株式を取得した。2018年9月には、シンガポールを中心としたアジア地域で水産品の卸売りを行うSIN HIN FROZEN FOOD PRIVATE LIMITEDの株式を取得し、シンガポールを中心としたアジア地域において事業を拡大してきた。

同社は今後も市場の成長が予想されるアジア地域において、さらなる事業拡大を目指し、効率化と統括会社を設立することにした。引き続き事業を拡大することで、将来的には海外市場への上場を目指す。

政府が食品卸関連の年間データを公表 

シンガポールの国内卸売売上高について、2019年第3四半期は前年同期と対比すると10.4%減少した。 石油を除くと、国内卸売売上高は12.3%減少した。 シンガポールの海外卸売売上高は、2019年第3四半期の前年同期と比較して10.2%減少した。 石油を除くと、海外卸売売上高は5.9%減少した。

食品飲料・タバコのカテゴリでは、2019年第3四半期の国内卸売売上高は前年同期と対比して0.1%減少、海外卸売売上高は前年同期と対比し1.7%減少した。

Olam International、グループ組織改編を発表 

2020年1月20日の発表によると、シンガポールに拠点を置く食品総合商社、Olam Internationalは食品原料とグローバルアグリビジネスに焦点を当てた2つの新しい事業グループOFIとOGAに事業編成する。

ポートフォリオを簡素化し、焦点を明確にし、投資家が潜在的なカーブアウトまたはIPOを介して2つの多様なテーマに参加し、収益性の高い成長を加速できるようにする。

Olam Food Ingredients(OFI)は、消費者が愛する健康的で贅沢な製品を楽しめるように、持続可能で自然な付加価値のある食品と原料を提供する。一方で、Olam Global Agri(OGA)は、高まる需要とタンパク質ベースの食事へのシフトに対応するために食品、飼料、繊維を供給するアジアとアフリカの主要企業になる。

2019

Hanwellの2018年の業績は?

食品卸大手のHanwell Holdingsは、2018年における総収益について、2017年度比8.09%増の、501.55百万SGDとなったことを発表した。増収の要因として、主に包装事業(Tat Seng Group)の需要の増加が寄与し、シンガポールと中国の両部門で成長が見られた。

さらに、マレーシアの小売事業は、積極的な販売促進や、さまざまな販売チャネルとの密接な協力などが要因となり、増収を達成することとなった。

2018年度の小売事業は、前年同期比5.11%の増収を記録したものの、同部門の売上総利益は0.59%の低い成長となった。この分野では、原材料のコストが回復の兆しを見せていないことから、当面の利益率の改善は見込めないと予測している。世界経済は全般的に低成長傾向にあるため、現在の消費者心理の低迷が購買に影響を及ぼしているといえる。

DKSH、Auric Pacific、シンガポール事業部門を買収

スイスに本拠地を置き、アジア地域を中心に包括的な事業をサポートする企業、DKSHは、2018年12月21日、シンガポールとマレーシアでAuric Pacific(Auric)の消費財流通事業を1億6000万スイスフラン(2億2200万SGD)で買収すると発表した。

Auricは、食品製造業など、さまざまな消費者事業に携わる投資持株会社であり、Food JunctionフードコートやDelifranceカフェを所有している。DKSHは今後、利益率の高いフードサービス事業への投資比率を高め、アジアの消費財業界におけるプレゼンスを拡大する予定である。

Auricの流通事業は、シンガポールやマレーシアで急速に変化を見せる消費財市場における企業の拡大を支援している。同社の投資ポートフォリオは150以上のブランドを含み、ホテル、レストラン、カフェのフードサービスなどを保有している。Auricはシンガポールとマレーシアの約4,400の顧客に製品を配布しており、Auricの消費財流通事業は、約1億8,500万フランの純売上高を生み出し、その営業利益は約1,400万フランとなっている。

MOH、トランス脂肪酸の使用を全面禁止へ

保健省(MOH)は2019年3月7日、人工トランス脂肪酸の主な供給源である部分硬化油(PHO)の全面禁止を計画していると発表した。シンガポールで販売されている油脂は現在、2013年に設定された上限の下で最大2パーセントのトランス脂肪酸を含むことが許可されており、この動きにより、シンガポール国民の1日平均トランス脂肪酸摂取量は2010年の2.1gから昨年1gに減少している。トランス脂肪酸の使用規制は、麺やクッキーなどの包装食品にも適用される。

トランス脂肪酸は、天然または工業原料に由来する不飽和脂肪酸である。世界保健機関(WHO)によると、天然のトランス脂肪酸は牛や羊に由来しているが、工業的に生産されたトランス脂肪酸や人工トランス脂肪酸は植物油に水素を加える工業プロセスで生成されるものである。これによって液体を固体に変換し、部分的に水素化された油を生成する。

トランス脂肪酸はLDLコレステロールを増加させ、心疾患のリスクを高めると言われており、世界保健機関(WHO)が1日1%未満の摂取量に控えることを勧告するなど、国際的な注目も高まっている。トランス脂肪酸はマーガリンだけでなく、パンやケーキなどにも含有される。

政府、農産物輸出入のハブ機能を強化へ

農産物・家畜庁(AVA)は、2019年2月13日、保健科学庁 (HAS)および国家環境庁 (NEA)が管轄するすべての食品関連機能について、新法令の下で統合され、シンガポール食品管理庁(SFA)となることを発表した。SFAによるすべての行政活動は今後、環境水資源省 (MEWR)の下に監督・統制される。

これと並行して、AVAの食料部門以外の動植物関連の行政機能はすべて、国家開発省 (MND)の下に置かれる国立公園局 (Nparks)へと移管される。NParksは、動物と植物の保全のみならず、シンガポールにおける生態系管理において主導的な機関となる。

SFAは、農場から食卓まで、食品に関連するすべての問題に対する規制監督を強化し、シンガポールの食品安全体制をさらに強化する計画である。この動きはまた、食品業界とのより良いパートナーシップを促進し、ビジネスに優しい規制を発展させることが期待されている。政府は、食品に関する機関を統合することによって輸出入食品に対する規制を一本化し、食品のハブ機能を発展させる計画である。

2018

「Tasty Singapore」ブランドでインドネシアへ

インドネシアのスーパーマーケット内で「Tasty Singapore Food」と名付けられたコーナーが設置された。これは2018年1月16日から開始された試みで、12の食品製造業者が共通のブランド「Tasty Singapore」を冠し、Senayan City、Plaza Indonesia、Grand Indonesia などインドネシアの有名モール内にあるスーパーマーケット10ヶ所で専用のコーナーを利用する。

その中には高級志向のスーパーマーケットであるFoodHall、AEON、Diamond、Farmers Marketも含まれている。今回の試みは SFMA(Singapore FoodManufactures’ Association) の協力の下、行われたものである。

マレーシアからの輸入規制、食用油にも適用

シンガポール農食品・獣医庁(AVA:Agri-Food and Veterinary Authority)は2013年以降、マレーシア保健省(MOH)とともに規制強化プログラム(ERSP)を運用。その一環として、伝統的な菓子であるクエ(kueh)、粉ミルク、乳児用シリアル、調理済み米製品、その他食品(nasi lemak・ roti prata、lontong など)に関する規制を行ってきた。

これらの製品については、MOHの認可を受けた工場で製造されたものでなければシンガポールに輸入できない。2018年6月1日からは、食用油に関する規制も新たに追加される。

そのため、マレーシアからシンガポールへの製品輸入を行っている企業は、マレーシアのMOHから発行された食用油の認可証を仕入先経由で入手の上、シンガポール側で提出する必要がある。

singapore-wholesale

粉ミルクの価格高騰続き、政府が規制変更で対応

シンガポールでは現在、乳児をもつ親たちの間で粉ミルクの価格高騰への不安が高まっている。この問題に対し、保健省(MOH)をはじめとするシンガポール政府機関は、粉ミルクの広告・ラベルおよび輸入に関するガイドラインを変更することで、市場での価格競争を促すと発表した。

広告やラベルについては、栄養面・健康面に関する断定的な主張等の表示を禁止する。これにより、各社が過当なマーケティング活動に充てる費用を抑制させ、ひいては販売価格の低下に結びつくことが期待される。

また、シンガポールの病院に対しては母乳育児へのサポートを強化するよう促した。間接的にではあるが、粉ミルクの価格高騰からの影響を緩和することを目指す。

添加物・保存料に関する規制変更

シンガポール農食品・獣医庁(AVA:Agri-Food and Veterinary Authority)は、添加物・保存料に関する規制の変更を発表した。新たな添加物として、乳化剤である加水分解レシチン、アミド化ペクチンが認可された。また、カルシウムL-メチル葉酸塩、ビタミンK1とK2の源であるフィロキノンとメナキノンも使用可能となった。

さらに、キャビアと腹子の保存料として、安息香酸とソルビン酸がそれぞれ2,000ppm、1,000ppmまで認可された。またスクラロースが「cheese-based preparations」カテゴリーにおいて500ppmまで承認された。

一方で、パラオキシ安息香酸プロピルとソジオオキシ安息香酸プロピルは健康への悪影響防止のために認可リストから削除されることとなった。

まとめ

近年の国内農業部門ではハイテク自動化が急速に進み、葉野菜の生産や販売事業に力を注いでいます。しかし、国土全体に占める農用地は1%以下で供給が頭打ちになっている状態です。まだまだビジネスの可能性が残されている食品分野には、大きなビジネスチャンスが眠っているのではないでしょうか?

シンガポールの食品卸業界が一目でわかる!ビズラボオリジナル業界地図

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