【著しい成長を遂げる】ベトナム食品卸業界の最新動向

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ベトナムの食品卸業界は成長を続けており、売上の増加も著しく上がっています。その動きに対し国内だけではなく海外からも期待されています。今後の成長と課題とは?

今回は、そんなベトナムの食品卸業界に焦点を当てて、最新の業界情報をお届けします。

読了時間の目安:5分

2020

健康食品の輸入に必要な証明書が明らかに

2019年7月17日、ベトナム保健省は、健康食品の生産・経営における適正製造規範(GMP:Good Manufacturing Practice)に関する通達18/2019/TT-BYT号を公布、即日施行した。

健康食品の輸入の際には、GMP証明書またはそれに相当する証明書の提出が義務付けられているが(2019年7月12日記事参照)、通達18号では、その証明書および発給機関の詳細が明らかになった。

具体的には、生産国の国家機関等で発給される証明書(健康食品の生産施設に対してのGMP証明書など)が必要となる。こうした証明書が発行されない国については、ベトナム保険省専門家評議会を設立、検査をおこなう。

日本産りんご、輸入条件緩和へ

日本の農林水産省は2019年12月13日、日本産リンゴをベトナムが輸入する際の植物検疫条件が12月15日から変更となり、栽培時の袋掛けが免除となったと発表した。併せて同省は、15日からベトナム産ライチ生果実の日本への輸出が解禁されたことも発表した。

日本産のりんご生果実については、ベトナムが侵入を警戒する病害虫が日本国内で発生していることから、収穫までの袋かけ等の一定の植物検疫条件を満たしたもの以外はこれまで輸出することができなかった。

輸出に取り組みやすい条件について、ベトナムの植物検疫当局と技術的協議を積み重ねた結果、袋かけの代わりに低温処理を行うことでりんご生果実を輸出できるようになった。

食肉ブランド、著しい成長! Masanグループの今後

2020年1月22日、Masanグループは2019年の決算を発表した。収益は前年比2.2%減となったものの、第4四半期の収益は前年比、前四半期比でそれぞれ15.0%、20.0%の増加となった。

食肉ブランドのMEATDeliは著しい成長を遂げており、2019年12月、総売り上げは1,000億VNDに達した。また、Vincommerceの買収により、中期戦略は着々と進みつつある。

Vincommerce社の買収については賛否両論があるが、同社の近代的な小売プラットフォームにMasanグループの製品供給を組み合わせることが他社との差別化につながるとMasanグループ考えている。

ハラル対応の小売店舗をオープン! SATRA

2019年12月25日の発表によると、SATRAはイスラム教徒の顧客にサービスを提供するために、ホーチミン市にハラルの基準に対応した製品を取り扱う、Satrafoods Halalをオープンした。

同店は、ベンタイン市場の西門の向かいに位置する。同エリアにはイスラム教徒の顧客も利用できるようなハラル対応の食品を取り扱う店舗が多く出店している。

ハラル対応の商品であることを示すためには、ホーチミン市のイスラム教徒コミュニティの代表委員会によって「合法」および「使用許可」を意味するHALAL認定を取得する必要がある。こうした認証を明示することで、イスラム教の顧客も安心して買い物ができるようになっている。

2019

Binh Dien卸売市場、成長のカギはサービスに

タイの学生らは3月4日、ホーチミン市に位置するBinh Dien卸売市場を訪問した。学生らによると、タイにも同様の市場を見かけることができるものの、Binh Dien市場は自国の市場と比べ優れている点が多いとのことだ。

例えば、タイ(バンコク)の市場は内陸に位置していることから、商品の輸送手段が陸路に限定されるが、Binh Dien市場はBen Luc川に近いため、水路での輸送も可能である。

また、Binh Dien市場はサービスを向上させることで、その付加価値を高めている。飲食店等に向けた同社加工食製品の提供や飲食スペースの設置など、ツーリズムスポットとして観光客などの消費者層を取り込んでいく意向だ。

大手食品卸会社SATRA、人材育成に注視

SATRAでは人材育成を重要なプログラムとして捉え、長年にわたり人材育成に取り組んでいる。同社は経験豊富な人材はビジネスを成功させる上で明暗を分け、ビジネスの基盤となる要素であると考えている。

同社は自社の成長に必要なスキルを持つ人材を確保するため、2016年末より自社オフィス内に研修センターを設立している。これは2015年−2020年にわたる中期計画を達成する上で、不可欠な要素と位置付けられている。

2018年には同社の販売網は著しい拡大を遂げており、人材育成を担う研修センターが新スタッフにスキルや専門性を指導する上で大きな役割を果たした。

エジプトへコメ品目の輸出が増加

商工省輸出入局は3月26日、エジプト政府(供給省商品供給総局)よりコメの調達に関する入札依頼通知を受け取ったことを報告した。最小入札量は20,000(±10%)トンに及ぶ。

2018年に収穫されたコメが入札対象となっており、入札価格はエジプトに位置する港におけるCIF(運賃・保険料込み)条件のもとで行われる。また、コメ品目の仕様等については、エジプトの技術基準を満たすことが求められる。

納品は2回のステージに分けて行われ、1回目は2019年6月1日から15日、2回目は2019年6月16日から30日となる。ベトナム商工省は同ビジネスを同社にとって大きなチャンスであると捉えており、長期的に安定した国際関係を構築するためにも、品質の保証された安全なコメを納入する意向を示している。

ベトナム産青果物、輸出が軟調

ベトナム統計総局によると、2019年1、2月の野菜、果物の輸出額は、5億8500万米ドルとなり、2018年同期比で約9.9%減少となった。

特に減少しているのは輸出額の7割以上を占める主要輸出先、中国本土への輸出である。同輸出額は昨年同期比で14.7%減少しており、特に2月は減少幅が大きく、前年同期比34.7%減少した。

中国市場への輸出は様々なリスクが付きまとう一方で、今後もしばらくはベトナムにとって主要輸出先になる見込みだ。ベトナムの生産者が安定した販売先を確保するためには、高品質な商品を生産することで付加価値を高めたり、中国向けの包装を採用したりするなどの工夫が求められる。

2018

SATRA、新ブランドの有機米をリリース

SATRAは2018年4月10日、「Nàng Huong organic rice」という新ブランドの有機米をリリースした。同ブランドは米国や欧州の有機基準に基づき生産されている。また、HACCP の基準も満たした、食品の安全性に配慮したブランドとなっている。

本製品はに、遺伝子組み換え品種(GMO)、化学肥料、殺虫剤や防腐剤などの使用はない。小売価格は2kgのパッケージで90,000VND(約430円)と、現地ではやや高めの設定となっている。

同社では、米商品事業を8年に渡り行なっている。 2017年には、顧客への訴求力を高めるため商品のパッケージを変更するといったマーケティングにも力を入れた。同事業は、いまや主要事業の1つになりつつある。

2017年に好調のSATRA、今後の課題は

世界のビジネス環境は2017年、消費者需要の減少、貿易保護の強化、競争の激化といった大きく複雑な変化を経験。ベトナムもその影響を受けたが、SATRAはこれらはの課題を、柔軟性と創造性でもって乗り越えてきた。

しかし、経験を豊富な人材の確保はいまだに課題として残っている。事業の鍵となる米などの商品や、輸入品の小売展開にはそのような人材がキーとなる。特に、近年の急な事業拡大が人員の不足に拍車をかけている。

2017年の第1~3四半期の輸出総額は7,646万米ドルに達した。グループ傘下のレストランやカフェには引き続きの投資が功を奏し、前年比で穏やかなペースではあるが売上が増加。2018年も引き続き順調な推移が見込めるかは、各種経営課題への対応が鍵となる。

Masan Consumer Holdings、第1四半期は78.3%の売上増

2018年4月24日、食品卸売大手の Masan Group Corporation は、 2018年第1四半期の同社のコンシュマービジネス(Masan Consumer Holdings)の売り上げが3兆5,860億VNDと、前年同期の2兆110億VNDから78.3%の増加となり、当初計画を大きく上回る見込みであることを発表した。

成長の原動力となったのは、マーケティングにより商品のブランド力やプレミアム感を強化してきたことや、調味料やコンビニエンスフード、ビールや加工肉事業の勢いが継続していること、などである。

ベトナムにおける豚肉価格の下落が事業に影響を与えていたが、供給不足による価格調整機能も見込め、 2018年第4四半期に予定している新ブランドの肉製品リリースなどで乗り切りたい考えだ。

Vietnam-wholesale(ベトナム 食品卸)

Masan Consumer、今後の成長戦略は?

2018年4月26日、Masan Group は年次総会にて2018年第1四半期(ベトナムの会計年度は1月〜12月)の業績報告と今後の戦略を発表した。加工食品を製造する、同グループの子会社「Masan Consumer」は、
各事業分野ごとの課題を下記のように捉えている。

  調味料、コンビニエンスフード:プレミア化
  飲料:ポートフォリオの拡大
  ビール:ポートフォリオの完成、全国への拡大
  加工肉:技術の習得

また社全体としての方向性は、下記のように事業対象分野の拡大やポートフォリオの調整を行い、2020年時点でも20%以上の成長を維持していきたい考えだ。

2018 2020
事業対象 キッチン 生活空間全般 全ての消費者が1つはMasan 製品を所有、を目指す。
食品:飲料のバランス 65:35 50:50
プレミア商品の割合 15% 30~50%

ベトナムのポテンシャルに賭けるCPF

タイ資本のCharoen Pokphand Foods Plc. (CPF) は、急成長する経済などを背景として、ベトナムはASEANで特にポテンシャルのある国だと捉えている。事実、2018年第1四半期のGDP成長率も7.4%に達することが期待されている。

1988年のベトナム進出以来、ベトナムは同社の成長にとって重要な役割を果たすようになった。国民の6%が生産人口であるため消費・支出は拡大の一途。また、欧州とのFTA締結を背景に輸出額も前年比20%と急増している。

「世界のキッチン」というビジョンに基づき、CPFはこれまで16ヶ国で事業を展開、今や収益の64%が海外事業によるものだ。今後も同社はベトナムをはじめ、ビジネスチャンスが大きい高い国への投資を行っていく。

まとめ

めまぐるしく成長し続けるベトナムの食品卸業界。動きが活発になる中で今後どのように発展していくのでしょうか?海外からも期待が集まる中、マーケティング分野などにも力をいれてまた新たな分野を生み出し、ベトナム国内だけでなくアジア全体の経済効果につながるといいですね。

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