地理的に近い東南アジア諸国やオセアニアを中心に、国民の海外旅行が盛んなシンガポール。訪星観光客数の増加も合わさって、旅行業界は今後も好調な成長が期待されています。
今回は、そんなシンガポールの旅行業界に関する業界情報をお届けします。今アツい旅行業界について知るなら、以下の記事を要チェック!
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目次
2020年 シンガポールの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
シンガポール航空が大規模な運航縮小を実施〜旅行業界事情〜
シンガポール航空はコロナウイルスの影響で、4月の終わりまで約96%のフライトを運休すると発表した。これにより、航空旅行の需要が崩壊し、旅客収入が大幅に減少した。
現在、設備投資と運用コストを削減するために積極的に対策を講じている。例えば、今後の納入予定の航空機の支払い延期や経営陣の給与引き下げ、自発的無休休暇制度などが挙げられる。
差し迫ったキャッシュフロー要件を満たすため、与信枠を利用し、将来の資金調達要件について金融機関と協議している。厳しい国境管理がいつ解除されるかを考えると、いつ通常のサービスを再開できるかは不明である
出典:https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/media-centre/press-release/article/?q=en_UK/2020/January-March/ne0620-200323
シンガポール観光庁、観光業界の支援策を発表〜旅行業界事情〜
2020年2月2日、シンガポール観光庁は、ホテルや旅行代理店、旅行ガイドなどに対し、ライセンス料を免除すると発表した。毎年360万人ほどいた中国人観光客の減少により、観光業は大ダメージを受けている。
さらにコロナウイルス感染の疑いがある、または確認された症例に宿泊施設を提供したホテルは、清掃と消毒の費用を支援すると発表。第三者の専門家によるクリーニング料金を最大50%をカバーし、症例が確認されたホテルごとに20,000ドルを上限としている。
感染の疑いがあるホテルの場合、施設ごとに10,000ドル。これは、シンガポールでコロナウイルス感染の最初の症例が検出された1月23日まで遡る。申し込みは2月10日から4月30日までで、その後観光庁は状況を評価して、さらにサポートが必要かどうかを確認する。

シンガポールの旅行トレンド〜旅行業界事情〜
イギリスの大手旅行サイトSkyscannerが2020年のアジア太平洋の旅行トレンドレポートを発表した。このレポートによると、日々の忙しい毎日から少し離れて休暇を取る、スロートラベルがシンガポール人の間で主流となっていることがわかった。
シンガポール人の約19%が時間をかけてひとつの町だけを隅から隅まで旅する自由な旅を求めている。スロートラベルの旅行先として今注目されているのは、ブダペスト、高松、チェンマイ、サイパンなどである。
またショートトリップ人気となっている。2019年には5人に1人が3-7日の近場の旅行に出ている。ショートトリップの魅力は、職場や家族を犠牲にせずに楽しめるという点である。バンコク、マニラ、ソウル、クアラルンプール、台北など近隣のアジアに行く人が増えている。
出典:https://www.skyscanner.com.sg/company-news/singaporeans-seeking-slow-travel-and-micro-escapes
シンガポールのITBAsiaとACTE、3年間の協力を表明〜旅行業界事情〜
アジアのリーディング旅行貿易ショーを実施しているITB Asiaと世界的BtoB旅行リーダーのAssociation of Corporate Travel Executive(ACTE)が戦略的パートナーになる件で、覚書にサインした。2020-2023年の3年を期間としている。
この締結により、両社はビジネスパートナーとして旅行業界の知識や経験をシェアし、経営を強化していく。例えば、ACTEは100以上の国に展開しているため、ITB Asiaが開催するイベントに他国から質の高いバイヤーや法人旅行マネージャーを紹介することができる。
さらに、ACTEにとってはITB Asiaのイベントを通じて様々なバイヤーや旅行業界のリーダーとのネットワークを広げることができる。このパートナーシップにより、グローバル法人旅行コミュニティーの教育・研究のシェアも実現でき、両社にとってWin-Winの契約となっている。
JAL、シンガポールで新たにパッケージ旅行予約システムを開始〜旅行業界事情〜
2019年1月24日の発表によると、JALグループの子会社であるJALPAKは、シンガポールでWebにてパッケージ旅行の予約ができる新システムを開始した。顧客はフライトとホテルをワンクリックで予約することができる。
シンガポールは近年急速な経済成長を遂げていることから、旅行の機会も増えると見込まれている。新しい予約システムの導入により、JALPAKは国内外問わず幅広い経験を活かすことができると注目されている。
オンラインで日本-シンガポールの往復チケットと約5000ものホテルオプションを選択できる。パッケージには旅行保険も備わっているので安心。JAL PAKのサポートデスクが24時間対応可能なため、不明点も相談しやすい。
出典:https://press.jal.co.jp/en/release/201901/005031.html
2019年 シンガポールの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
Alibaba、シンガポール政府と提携して中国人観光客を誘致へ〜旅行業界事情〜
電子商取引において中国最大手のAlibabaは中国からシンガポールへの中国人観光客誘致に関する覚書(MOU)を政府と交わしたと4月16日に発表した。この提携は3年間の予定である。
このMOUにより、決済システムのAlipay、旅行サービスのFliggy、動画配信サービスのYouku、クラウドサービスのAlibaba CloudなどのAlibabaシステムの主要ビジネスユニットと協力して、中国人旅行者の旅全体を通じて消費動向などに関する考察を獲得することが可能となる。
最初のコラボレーションは、「Passion Made Possible Privileges」キャンペーンで始まる。シンガポール入国前までのリサーチや到着後のお勧め観光地や商品紹介など、中国人をターゲットにした企画となる。この3年間のキャンペーンで、観光収入を増加させることができると考えられている。
Traveloka、シンガポール含む東南アジアからの旅行客を勧誘〜旅行業界事情〜
2019年4月16日の発表によると、Singapore Tourism Board(STB)と、旅行およびライフスタイル業界における東南アジア最大のテクノロジー企業であるTravelokaは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムからの旅行者にシンガポールへの旅行を推薦する覚書(MOC)を取り交わした。
シンガポールでの観光産業会議2019で署名されたMOCは、情報共有、マーケティングキャンペーン、コンテンツ生成の3つの広い分野をカバーしている。これはSTBとTravelokaの間の最初の戦略的パートナーシップであり、またSTBが汎東南アジアパートナーシップに署名したのは初めてのこととなった。
東南アジアはシンガポールへの観光客の重要な供給地域であり、2018年には観光収入においてインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムは上位12位に入っている。これらの5つの主要市場からの観光客は2018年の総来星数の3分の1を占め、観光収入の41.7億シンガポールドル以上の寄与をしている。

シンガポールのAsian Travels Network、旅行代理店業の免許剥奪〜旅行業界事情〜
2019年4月10日、Singapore Tourism Board(STB)は業界規制違反のため旅行代理店Asian Travels Networkの旅行ライセンスを停止したと発表した。この一時停止措置は、 Asian Travels Networkが新規旅行予約の受付を停止させることを示唆する。
旅行業務一時停止の理由は、Asian Travels Networkが会計年度末から6ヶ月以内に監査済み決算書を提出しなかったのが原因であるとされている。 監査済み決算書の提出は、旅行代理店規則に基づく要件である。
規定された期限までに監査された決算書を提出しなかったことは、「規制の下で義務付けられた最低限の財務要件を満たすための会社の能力に対する懸念を提起する」とコメントしている。疑惑のある旅行代理店に関しては断固たる対応を取ることを示しており、国内旅行業界の評判を守るために必要な行動であると注意を促している。
出典:https://www.facebook.com/atntravels/
2018年第三四半期、シンガポールへの外国人旅行者数は?〜旅行業界事情〜
2018年第三四半期までの国際訪問者到着数(IVA)は、前年同期比で7.5%増加して1,400万人の訪問者に達した。観光収入(TR)は、前年同期比1.1%増の206億シンガポールドル(SGD)に達し、観光、エンターテインメント、ゲームおよびその他のTRの増加は、ショッピング、宿泊施設および飲食の減少で相殺された。
ホテルの総客室料金は、2018年第3四半期累計で30億SGDと推定され、前年同期比で7.7%増加した。平均稼働率(AOR)は87%で、1.2ポイントの増加した。また、平均宿泊料金(ARR)は0.8%増の218SGDで、客室1室あたりの売上(RevPAR)は2.2%増の190SGDとなった。
2018年第3四半期間に関しては、IVAは前年同期比7.1%増の480万人の来場者を記録、TRは前年同期比3.1%増の72億SGDに達した。一方、ホテルの総客室収入は11億SGDと推定され、前年同期比7.3%の増加となった。
2018年 シンガポールの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
シンガポール航空2017年度純利益は148%増〜旅行業界事情〜
5月17日、シンガポール航空が2017年度版決算報告を発表した。報告によると、同年度の純利益は8.93億SGDで、昨年度と比較して148.1%の増益となった。また、旅客部門と貨物ビジネス部門における収益改善によって、営業利益は10億SGDを上回った。
連結決算においては、すべての部門で収益状況の改善がみられたため、年次ベースで9.37億SGDの伸びを見せ、6.3%増益の158.06億SGDとなった。
燃料コストの上昇傾向と競合他社の存在は引き続き懸念材料として残るものの、旅行需要自体は引き続き好調を持続すると予想されている。
出典:http://www.singaporeair.com/saar5/pdf/Investor-Relations/Financial-Results/News-Release/nr-q4fy1718.pdf
ベストエアラインにシンガポール航空が輝く〜旅行業界事情〜
トリップアドバイザー内の投票において、シンガポール航空が「2018年 世界のベスト・エアライン」第1位に選ばれた。また、同社は「ベスト・エコノミークラス(アジア地域)」など他の7カテゴリーにも選出されている。
トリップアドバイザーでのベストエアライン選定基準は、読者のレビューによる評価で、サービスの素晴らしさや品質、ブランド価値をもとに選出される。一年間にわたり集計した各航空会社へのレビューや格付けを、トリップアドバイザー独自のアルゴリズムを用いて評価する。
シンガポール航空は、今回の選出は光栄であり、スタッフによる日々の努力の賜物であること、国際的な競争力を保つようにしている結果だとコメントしている。
出典:http://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/media-centre/press-release/article/?q=en_UK/2018/April-June/ne1518-180409

シンガポール人の2017旅行トレンド〜旅行業界事情〜
スカイスキャナーが発表したシンガポール人の旅行傾向に関するレポートによると、2017年は従来人気の観光都市から離れた地域への興味が高まっている。たとえば、インドのアムリトサルやイランのテヘランが上位にランクインしている。
スカイスキャナー内での検索数を集計すると、札幌市(127%増)、沖縄(121%増)、台湾の高雄市(118%増)、ネパールのカトマンズ(106%増)といった増加率の中、アムリトサル(217%増)とテヘラン(163%増)の増加率が群を抜いた数字となっている。また、アジアの他にはローマやアテネがそれぞれ105%の増加となっている。
アイスランド旅行が人気となった昨年と比較すると、同国への興味は薄らいでいる。2016年にシンガポール人が訪れるべき都市の1つとして挙がっていたレイキャビック(325%増)は、2017年には10%の増加にとどまった。
出典:https://www.skyscanner.com.sg/press-releases/skyscanner-singapore-travel-report-2017
シンガポール・ツーリズム・アワード〜旅行業界事情〜
2018年の「Singapore Tourism Award」で、29の個人と団体が表彰を受けた。この賞は、素晴らしい観光体験の提供や優れた事業成績に対して贈られるものである。
最優秀賞は、国立公園局と Gardens by the Bay の設立者/CEOである Kiat W. Tan氏が受賞した。同氏の生涯にわたる旅行業への輝かしい功績が認められた形となった。Tan氏はシンガポールの緑化に30年以上にわたって尽力し、その情熱と揺るぎない献身度合が評価された。Gardens by the Bay の開発およびSingapore Botanic Garden の再開発を主導し、その両方ともが同国を代表する観光名所になっている。
また、日本企業である JTB と、オーチャードの巨大モール ION Orchard も観光業への貢献を認められて特別賞を受賞している。
出典:https://www.stb.gov.sg/news-and-publications/lists/newsroom/dispform.aspx?ID=752
まとめ:シンガポールの旅行業界
魅力的な観光地として多くの旅行者が訪れるシンガポール。同時にシンガポール在住者の海外旅行も盛んで、手軽に足を延ばせるアジアが人気となっているようです。観光業が好調で旅行関係サービスの需要が高い今こそ、シンガポール進出のチャンスなのではないでしょうか?