日本企業も含め、世界一位の広告会社をもつイギリス企業と積極的に提携や合併を繰り返し規模拡大を狙うインドネシア広告業界。今後の展望とは?
今回は、そんなインドネシアの広告業界に関する最新情報をお届けします。
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2020年 インドネシアの広告業界
インドネシアで広告業界大手のIdealights、今後のマーケティングトレンドを予測
インドネシアのクリエイティブ・デジタル・エージェンシーIdealightsIndonesiaは、2020年3月12日、ホームページにデジタル・マーケティングの今後のトレンドに関する予測を載せた。
2020年に消費活動、新技術と業界のトレンドにどんな変化が起こるか?下記が挙げられている。
①Snackable video content(短くわかりやすいビデオコンテンツ)、②音声アシスタント、③デジタル・マーケティング変革、④包括的マーケティング、⑤モバイル顧客体験、⑥ブランド透明性、⑦大規模パーソナライゼーション、⑧検索の視覚化、⑨データ駆動型マーケティング、⑩クリエイティブ主導のキャンペーン。これから始まるマーケティングの新たな10年に優位性を保つためにも必要なことだとしている。
出典:https://www.idealightsindonesia.com/articles/digital-marketing-trends-for-2020
インドネシアのStar Pacific、自社メディアの相乗効果を図る〜広告業界事情〜
インドネシアのメディア企業PT Star PacificTbk(LPLI)は、2019年6月21日の株主総会のために準備された2018年のアニュアルレポートの中で2019年の戦略を述べている。
現在、LPLIのコアとなるメディアは全国紙の新聞:Investor DailyとVoice Updateの2紙。また、InvestorMagazine、Globe Asia、ThePeakの3誌の雑誌とberitasatu.com、thejakartaglobe.comの2つのポータルがある。いずれもそれぞれのセグメントのマーケットリーダーであり、世界中からオンラインでアクセスされるようになってきている。
同社は印刷媒体のメディアとオンラインメディアの相乗効果で、すべての利害関係者の価値を高め、事業の効率性、収益性を確保していきたいとしている。

インドネシアの博報堂ネットワーク、5部門で金賞受賞〜広告業界事情〜
2019年11月1日、博報堂はグローバルホームページで、博報堂ネットワークインドネシア(HNI)が、2019年度Marketing Interactive’sAgency of the Year賞の5部門で金賞を受賞したことを発表した。
授賞式は2019年10月24日、インターコンチネンタル・ジャカルタ・ポンドックインダーホテルで行われた。今回NHIは、①総合代理店部門、②コンテント・マーケティング代理店部門、③クリエイティブ代理店部門、④イベント・マーケティング代理店部門、⑤経験豊富なマーケティング代理店部門の5部門で金賞を受賞した。
受賞者の選考は、blibli、tokopedia、Johnson&johnson、P&G、Nestleなどインドネシアで著名な企業29社の選考委員によって行われた。
出典:https://www.hakuhodo-global.com/news/hakuhodo-network-indonesia-wins-network-agency-of-the-year.html
Mullenloweグループインドネシア、新社長就任〜広告業界事情〜
ロンドンに本拠を置き、グローバルに展開する広告代理店、Mullenloweグループのインドネシア法人MullenLowegroupIndonesiaは2020年3月17日、ホームページで新社長の就任を発表した。
新社長に就任するのは、David Lukas氏で、2012年、マレンロウ・グループ・インドネシアの子会社であるRisa Indonesiaに社長として採用された。Riseは、広告・ブランディングからデジタル・コンサルタントまでフルレンジのサービスをマクドナルド、サンプライドやファーストメディアに提供している。
ここで、クリエイティブの指揮を執って実績を上げてきたルーカス氏は、新鮮で斬新なアプローチでミューレングループを前進させ、その将来を成長へと導くことが期待されている。
インドネシアで広告業界牽引のFortune、インフルエンサーの7つの利点を紹介
インドネシアの広告代理店、FORTUNE INDONESIAは、2020年1月23日のホームページに「インフルエンサーマーケティングがブランドプロモーションを後押しする7つの理由」という記事を掲載した。
7つとは、①インフルエンサーは宣伝することなくブランドを宣伝する。②インフルエンサーが付けるハッシュタグは発見性を高める。③インフルエンサーはSEO(検索エンジン最適化)を改善する。
④インフルエンサーはブランドが消費者の信頼とロイヤリティーを獲得することを助ける。⑤インフルエンサーはバイラル(口コミが広がる)になる可能性を高める。⑥ブランドの評判を維持するのに役立つ。⑦インフルエンサーによりブランドのコンテンツが豊富になる。
2019年 インドネシアの広告業界
インドネシアで広告業界最大手のFurtuna、口コミの重要性を語る
インドネシアの広告代理店Fortunaは2018年10月21日、ホームページでインフルエンサーマーケティングの七つの活用方法を紹介した。
Fortuna社は、インフルエンサーマーケティングにおいて最も重要な要素として、口コミによるコミュニケーション戦略を挙げ、次の7つの活用法を紹介している。
七つの活用方法とは、①インフルエンサーによる間接的な宣伝、②ハッシュタグの積極的な使用、③検索エンジンの最適化、④消費者の信頼とロイヤリティーの獲得、⑤トレンドの加速、⑥ブランドの名声維持、⑦文字や画像だけでなく、動画や音声など多様な宣伝広告を通じたマーケティングに関するもの。
インドネシアで広告業界大手のDwi Sapta、メディア関連の賞を受賞
インドネシアの広告代理店Dwi Saptaグループは2018年6月5日、ホームページ上でメディア業界における6つの賞を受賞したことを報告した。Dwi Sapta Groupは2017年1月25日、Dentsu Aegis Network(DAN)と合併しており、インドネシアで第2位の広告代理店として地位を確立している。今回同社は複数のテレビ局から賞を受賞した。
MNC Media Groupからは、RCTIより2017年トップ3広告代理店賞を受賞、Global TVより2017年トップ2現地広告代理店賞を受賞、MNC TVより2017年トップ1現地広告代理店賞を受賞した。
VIVA Groupからは、ANTVより2017年トップ3広告代理店賞と2017年トップ3スポンサーシップ賞を受賞。TV ONEより2017年No.1広告代理店賞を受賞した。

インドネシアのStar Pacific、包括損出により株価暴落〜広告業界事情〜
インドネシアの広告代理店グループStar Pacificは2019年5月、同社ホームページ上に、2018年における財務情報等を盛り込んだアニュアルレポートを掲載した。
Star Pacificは傘下にLippo Merdia Jasaなどの広告代理店、マスメディアのMulti Media Interaktif、Jakarta Global Mediaなどの出版社を持つインドネシア株式市場に上場する持ち株会社。
2016年から3年間の総資産総額推移は、2016年2兆1,077億ルピア、2017年1兆6,496ルピア、2018年1兆3,117ルピアと年々減少している。主な要因は、年度ごとの包括損失、2017年-4,433億ルピア、2018年-3,257億ルピアである。これにより、StarPacificの株価は2017年Q1終値は214ルピアに対し2018年Q4終値は107ルピアと半減している。
インドネシアで広告業界大手のmilestone、ブランド認知度向上のための戦略
2003年に創業したインドネシアの広告代理店milestoneは2019年3月13日、同社が運営するブログ上で、ブランド認知度向上をテーマとして取り上げ、重要なポイントとなる5つの点について紹介した。
今回取り上げられたのは、①ブランドのターゲット市場を知るための事前調査、②一貫したブランドイメージを産み出すためのブランド担当者の育成、③消費者の目を引くコンテンツ、④印象的な商品を飾るロゴやパッケージ、製品のキャッチコピー、⑤充実したアフターサービスの5点。
特に、製品に対する悪いイメージはインターネットを通じ短期間で拡散されやすく、素早い対応がブランドを守るための最善策となる。これらの手順は非常にシンプルだが、消費者に愛される商品を産み出す上で非常に効果的であると紹介している。
2018年 インドネシアの広告業界
広告業界大手のWPPインドネシア、Group Mと提携で尼進出
WPP は、イギリスのロンドンに本拠地を置く世界第1位の広告代理店グループである。同社は Mindshare、MediaCom、Wavemaker、Essence などからなる世界有数のメディア投資会社 GroupM と密接に協力している。GroupM との事業は、WPP全体の収入の約50%、19億ドル以上を占めている。
WPPはグローバルデータ企業 Essence の事業拡大を強化するとしているが、その計画通り Essence は今年1月にアジア太平洋地域でジャカルタを含む4つのオフィスを新設済み。Google や Friesland Fampina、Financial Times などを顧客にもち、データ・サイエンス、メディアを駆使する広告代理店がインドネシアにおいてもそのビジネス拡大を目論む。
広告業界大手の電通、インドネシア企業買収でデジタルマーケティング強化
日本最大手の広告代理店である電通は、2017年12月5日にインドネシアのデジタル・パフォーマンス・エージェンシーである Valuklik社の買収を発表した。
Valuklik は2012年に設立され、SEM、SEO、ソーシャルメディア、プログラム・メディア、などのデジタルメディア関連サービスを提供。インドネシアにおけるデジタル業界を牽引する企業として成長を続けている。国内外のインターネットビジネス業界で多数のプロバイダと強固なパートナーシップを構築しており、顧客あるいは業界内での評価は高い。
買収後、Valuklik はデジタルマーケティングの領域で強みを持つ iProspect Indonesia と合併の後、iProspect Valuklik にブランドを変更してビジネスを続けている。

Microadインドネシア、ファッション業界のマーケティングを支援〜広告業界事情〜
Microad Indonesia はジャカルタを拠点としてデジタルマーケディング事業を行う企業で、2007年に日本で設立された MicroAD の支社である。
同社は、ファッション分野の教育機関である MKLAV のデジタルマーケディングを支援している。MKLAV はファッション愛好家や業界の新規参入者にファッションの魅力を伝え、専門知識を教育することを目的に活動している。
Microad Indonesia は、インドネシアのファッション業界におけるデジタル・ブランディングとマーケティングがいかに重要かという点を、これまで様々な国内外のブランドの広告に携わった実体験として認識している。今回の支援プログラムでは、ソーシャルメディアを活用したマーケディング戦略の提案が行われた。
Fourtuneインドネシア、長年の企業活動に対する表彰を受ける〜広告業界事情〜
Fourtune Indonesia は、インドネシア広告代理店業界の大手で、かつ国内で唯一、インドネシア証券取引所に上場する企業である。
同社は、MIX Marketing Magazine が開催した「Ecorun プログラム」というイベントで「The Most Experimental Brand Activation Award 2017」を受賞した。このプログラムは、インドネシアにおける生物多様性の保全をテーマとして Pertamina社の支援のもとに実施されている。
今回の受賞理由としては、Fourtune Indonesia が過去45年にわたってインドネシアおよび外国資本の企業による生物多様性保全に関する活動に多く関わってきたことが評価された。
まとめ:インドネシアの広告業界
他業界とパートナーシップを組むことで新サービス提供が可能になり顧客満足につながっていきます。日本を始め国外の企業との連携は新しいアイディア作成につながっていくため、今後も海外企業がインドネシアに進出していくといいですね。