【政府による制限】フィリピンのメディア業界

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外交問題も多く取り上げるメディア業界。政治的背景も考慮して伝達する必要があります。政府と民間組織の意見の食い違いとは?

今回は、そんなフィリピンのメディア業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2020

Sky Cable、COVID-19の影響で支払期間を延長/strong>

ABS-CBNの子会社であり、衛星放送市場で大きなシェアを有するSkyCableは、COVID-19の蔓延防止策である強化されたコミュニティ検疫(ECQ)の延長により、利用料金の支払いの猶予期間を延長することを決定した。

同社はまた、支払い期限の過ぎたアカウントの切断を2020年4月30日まで一時停止することにより、インターネットやケーブルテレビのサービスを継続的に利用できるようにし、情報を提供し続ける。

現在のCOVID-19の脅威下において、同社はユーザーに対して家族の安全と快適さを第一に考えるべきだという理解を示している。この困難な状況下で、家族とともに自宅で仕事や勉強をすることができる環境を提供することで、不安の一部を緩和する狙いがある。

出典:https://www.mysky.com.ph/metromanila/updates/1302/2020/04/15/bill-payment-period-re-extension

ABS-CBNのフランチャイズ更新について

Lopez Groupが所有する国内最大の商業テレビ放送事業者のABS-CBNは、フランチャイズ契約が2020年3月に満了予定であり、その更新の可否が下院の法的フランチャイズ委員会により慎重に話し合われている。

国内最古のテレビ局がフランチャイズ更新の問題を初めて経験することとなった。フランチャイズ契約はまだ議会によって更新されていないが、ホセ・カリダ事務総長が、最高裁判所に現在の放送権限を無効化するよう要請した後に危機に瀕している。

1995年3月にフィデルラモス大統領がRA 7966に署名し、ABS-CBNBroadcasting Corporationに25年間のフランチャイズが付与された。2016年の大統領選挙時に現大統領のドゥテルテの広告が放映されなかったとして怒りを買い、フランチャイズの更新に消極的であることもこの危機の一端を担っている。

出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1093666

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GMA、労働訴訟を起こした従業員の復職を命じられる

フィリピン第2位の商業テレビ放送事業者であるGMA Networkは、控訴裁判所(CA)より正社員になるために労働訴訟を起こした51人の従業員を復職させるよう命じた。

GMANetworkは、訴訟を起こした51人のうち15人が施設外でデモンストレーションを行った点と、35人の従業員は、正社員登用の申し出を拒否または返信遅延したこと、そして業績が悪かったりするという理由で単に更新されなかったと主張していた。

裁判所は、従業員がGMANetworkの正社員であると認定し、年功序列権を失うことなく復職する権利、手当を含む全額の給与、およびGMAの正社員の給与から計算されたすべての福利厚生を、実際の復職の時まで差し控えられたと発表した。

出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1094784

国内最古の雑誌Liwayway、隔週発行に

Manila Bulletin Publishing Corp.が所有しており、2022年に創立100周年を迎える、フィリピンを代表する最古の国語雑誌『Liwayway』は、その発行頻度を毎週から隔週に変更した。

2019年7月1日の後に15日に発行された最初の隔週号は、40ペソで販売された。本の価格は、2019年6月24日付けの最後の週刊号の表紙に示されている25ペソから15ペソ引き上げられた。

Liwaywayは現在約90,000部を発行し、同社の広範な流通ネットワークを通じて、メトロマニラだけでなく全国の主要都市、地方に配布されている。写真雑誌として始まり、その後はライフスタイルと文化記事だけでなく、文学としての傑作も多数掲載されている。

出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1075215

NBDB、『Share a book』イベントを実施

教育省の管理監督下にあるフィリピン政府の機関であり、国内の書籍出版業界の発展を支援しているフィリピン国立書籍開発委員会(NBDB)は、『Share a book』イベントをFacebookページ上で開催し、国内で出版されている本の知名度向上を目指す。

イベントでは参加者が主に食べ物についての本におけるお気に入りの引用と写真を用意し、自身のFacebookに#BookFiestaPH2020#ShareABookをつけてアップロードする。そしてその投稿をNBDBアカウントに送信する。

NBDBの審査の後、高評価の3つの投稿には、それぞれ2,000ペソの賞金が贈られる。料理や飲み物を含む食品に関する文学および非文学出版物の魅力の再発見と注目の機会を提供する。

出典:https://www.facebook.com/nbdb.phil/photos/a.404910570497/10158041438365498/?type=3&theater

2019

商業テレビ事業者GMA Network、VideoAces Awardsに選出

フィリピン第2位の商業テレビ放送事業者であるGMA Networkが放映するGMA Newsは、分析会社Tubular Labsによる最近のVideoAces Awardsで、オンラインビデオ視聴者数において国内トップのニュースプログラムとして選出された。

分析会社の調査によると、2018年にGMA NewsがFacebookで視聴数12億、YouTubeで11億、そしてInstagramで81億を得て、ソーシャルビデオの第1位のローカルメディアクリエーターとなった。

国内で最も国際的に認められている放送ニュースプログラムとして高い評価を受けるGMA News and Public Affairsは、受賞歴のあるプログラムをオンラインで利用可能にするなど、デジタル空間でのオリジナル作品において先駆者かつ革新者として知られている。

商業テレビ最大手ABS-CBN、苦悩や成功物語を語る番組を作成

国内最大の商業テレビ放送事業者であるABS-CBNは、新しいドキュメンタリーシリーズ「#NOFILTER」の制作を開始した。有名人から普通の人々まで様々なフィリピン人の経験を深く掘り下げ、彼らの苦難や成功の物語に密着する。

「#NOFILTER」の初回エピソードは、数多くの受賞歴を誇るドキュメンタリー作家のJeff Canoyが編集を担当した。著名なシンガーソングライターのEbe Dancelの特集記事は、精神疾患に苦しんでいる人の闘いについて詳しく説明した。

ABS-CBN Newsは、この新しいドキュメンタリーシリーズ「#NoFilter」を通し、逆境に直面し、それを克服した人々の物語を特集することによりフィリピン人の人類、文化、および集団意識を高める目的がある。

出版・Webメディア企業Summit Media、ライブストリーミングアプリKumuに投資

フィリピン最大の出版・Webメディア企業であるSummit Mediaは、フィリピンのライブストリーミングアプリKumuに少数株主として出資を開始した。デジタルブランドとの相乗効果を目指す。

Kumuはフィリピン系アメリカ人のテクノプレナーRoland Rosが発案者となり2018年2月に発売され、国内で最もダウンロードされたアプリの中でランク付けされた。若年層を中心に急速に人気を得ているアプリである。

Kumuのプラットフォームでは、ユーザーが作成したライブチャットや、Quiz MoKoやPinoys Doing Stuffsなどの自社制作のインタラクティブゲームショーを展開している。アプリ上で様々な広告機会を提供し、ソーシャルメディアの経験を活かしたオンラインショッピングを活用する。

Rappler、MovePHを通じて市民行動を支援

社会的な内容を多く取扱うメディアのRapplerは、市民参加団体で世界に変化をもたらしたい人々のコミュニティを構築するMovePHを支援する。MovePHを通じて、社会的善に取り組む個人、学生団体、およびNGOのコミュニティを巻き込むことを目指す。

MovePHにはRappler Moversと呼ばれる、キャンパスジャーナリスト、青年リーダー、支持者、そしてパートナーのキャンパス出版物や学校組織からの活動家が集まる。彼らは地元の選挙報道に参加するためにRapplerの編集者と記者によって一ヶ月以上前にトレーニングが行われた。

選挙後もこれらのRappler Moversは、前向きな変化をもたらすための手段として彼らのコミュニティーを強化し続けることを約束している。彼らの目標は、持続可能な開発と国づくりに向けて協力する市民行動支援者と行動者のエコシステムの一部になることである。

2018

鋭い政治批判が人気の秘密: Rappler

ウェブサイト等のメディアを運営する Rappler は、2012年に設立。政府のメディア統制に臆しない、独自の論評や政治批判記事がローカルの人々に人気である。また、インドネシアのマーケットにも進出している。

2018年1月18日、同社はフィリピン証券取引委員会からアンチ・ダミー法を侵しているとの指摘があった。同社には米国からの出資が多く、米国側に偏った報道になるのではないかと危惧されたため。

同年4月24日、同社SEOの Maria Ressa 氏は政治批判などの記事をウェブ上に公開したことでサイバー名誉毀損訴訟の疑いがあるとされたが、対抗宣誓供述書にサイン、真っ向から争うと発表した。今後も同社には、政府によるメディア統制が盛んに繰り返されると予想される。

言論統制に対抗する組織: Center for Media Freedom and Responsibility

Center for Media Freedom and Responsibility は言論の自由、国民の民主主義を守ることを目的とした組織で、1989年にマカティー市で設立。市民革命を実現したフィリピンにおいては、言論の自由を主張することは民主主義に根差したものであるとされている。

同組織は2018年6月20日、フィリピン国内に華僑系の人々が非常に多いという事情から、中国とフィリピン間に外交問題が生じた際、報道が極端に各国の立場に別れてしまうことについて言及。今後、各ジャーナリストが公正な立場で論じているかが注目される。

また6月23日には、同組織は独自に運営するウェブサイトで、フィリピン国内で未解決のままジャーナリストが殺害された数が157人にのぼると公表。サイトを通して、言論の自由の主張と問題解決に向けた情報を配信している。

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巨大マルチメディアグループ企業:Lopez Holding Corporation

Lopez Holding Corporation は、ABS-CBN、Skycable を束ねる巨大マルチメディアグループ企業。同社は毎月 Lopez Link というプレスリリースを発行し、各グループの動向などを配信している。

2018年4月に刊行されたプレスリリースによれば、Skycable が展開する衛星放送事業の契約数が、国内500,000人を突破した。

また、同プレスリリースによると、不動産・コンドミニアム事業を展開する Rockwell グループが Skycable の超高速インターネット回線を各住居に導入すると発表。各種プランがあり、IWant TV やNetflixなどの動画サービスを370ペソと格安で視聴することができる。

フィリピンメディア業界最大手:ABS-CBN

ABS-CBN はフィリピン最大のメディア企業で、テレビ・インターネット・ラジオなどの多種多様なマスメディアを保有。また音楽・雑誌・マルチメディアといった分野にも参入し、事業を拡大している。

同社が展開する TV Plus Boxes の事業が好調で、2017年の収益は430万ペソを達成した。また同社はデジタル事業に力を入れており、同年のウェブサイト閲覧回数が36億ページで過去最高を記録した事もあって、South East Asia Spark Awards の受賞にも至った。

2018年6月14日、Lopes Holdings Corporation の株主総会が行われ、ABS-CBN 社がTV業界で競合他社を寄せつけず業界首位をキープしていること、ローカル映画事業が好調であることが言及された。また、2018年は同社にとって25周年の記念すべき年であるため、今後セレモニーが開催される予定である。

まとめ

民主主義国家であるフィリピンは言論の自由がメディア業界で提唱されています。政治的背景も考慮した上で報道することは外交問題を取り扱うメディア業界では必須事項といえます。メディア業界で今後どこまで政府が関与していくのでしょうか?

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