【郊外にもインフラ整備を】フィリピンの鉄道・バス業界

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フィリピンの交通インフラ事情をみてみると、交通網はマニラ首都圏をはじめとする都市部に集中していることから、郊外の輸送インフラが未発達であり、今後の取り組む課題として注目されています。

今回は、そんなフィリピンの鉄道・バス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

Philippine National Railways、運行列車車両を強化

国内で最も広範囲な鉄道システムを運営する国営会社であるPhilippine National Railways (PNR)は、 全国の鉄道網全体で接続性を高め、より良いサービスを実現するために、ドゥテルテ政権が終了するまでに国の運行列車の車両数を5倍以上に強化することを計画している。

2016年時点で221だった運行列車車両の車両数は、2022年までに1,200台以上に成長することを目標に定めていると述べた。現在までに369台の車両の注文が既に完了している。

2022年までにPNRクラークフェーズ1プロジェクトが完了し、完全に稼働すると、マニラからブラカンまでの移動時間が1時間30分から35分に短縮され、毎日30万人の乗客にサービスを提供できると見込まれている。

Light Rail Transit Authority、学生無料乗車!?

2019年7月1日、運輸省(DOTr)はマニラ圏の通勤通学に利用されるLRT-2ラインなどを運営をする公営会社Light Rail Transit Authority (LRTA)のLRT-2を含む、MRT-3とPNRの運行ラインにて学生が特定のスケジュールで無料乗車できることを発表した。

既に実施されたパイロットランでは、合計5,000人の学生が無料乗車の恩恵を受けた。 パイロットランの場合、学生はIDを提示するだけで無料乗車が可能。

ただし学生はDOTr、MRT-3、およびLRTAのWebサイトにオンラインで登録して、「Student Free Ride」IDを取得する必要がある。

Yanson Group、家族の確執でグループ会社の崩壊か

Bachelor Express、Rural Transit of Mindanao、VallacarTransit Incorporatedなど7つのバス運営子会社を有する同国最大規模のバス会社であるYanson Groupは、 家族の確執により役員が交代され、運営子会社の危機に瀕している。

長期にわたる家族の確執の結果、Vallacar Transit Inc.(VTI)、Bachelor Express Inc.、Rural Transit Mindanao Inc.、Sugbo Transit Express Inc.、およびMindanao Star Business Transit Inc.の社長であったレオレイ・ヤンソンは、買収という形で兄のロイ・ヤンソンから追い出された。

ヤンソン家の4人のメンバーが役員会議でクーデターを実施し、セレスライナーやその他のビサヤとミンダナオを拠点とする国内最大のバス輸送グループを支配した。 これらの企業は、ヤンソングループのバス会社の一部であり、全国で推定4,800台のバスを保有し、約18,000人の従業員を雇用している。

PDEA、Holy Week期間に薬物検査を実施

フィリピン麻薬取締局(PDEA)は、フィリピンの大型休暇であるHolyWeek期間において、バスの運転手とバスターミナルにおいて突然の強制的な薬物検査を実施した。

バスの運転手の間では、仕事の性質上、違法薬物の使用が広く行われていると考えられている。彼らは、特に長距離や一晩運転している場合、覚醒状態を維持するため、危険な薬物を使用する環境におかれやすい。

薬物検査を受けた1,691人のドライバーのうち、15人、つまり0.88%が違法薬物の使用に対して陽性であることが判明した。また合計4,469台のバス、三輪車、UV Express、タクシー、およびジープニーのドライバーが薬物検査に参加し、50台または1.12%が薬物使用に対して陽性であった。

2018

2022年完成を目指す国家鉄道プロジェクト

ドュテルテ内閣が推進する政策である「Build Build Build 」は、インフラ整備による国の経済成長を目指している。国家予算 8.4兆ペソを投資し、2022年までにGDPを7.4%増加させることが期待されている。

同政策の中で、すでに建設作業が開始したミンダナオ鉄道プロジェクトは、2022年までの完了を目指している。完成すれば全長830キロになり、ダバオ市とタグム市を直接結ぶことができるため、注目を集めている。

2018年7月22日、ADB (アジア開発銀行) と JICA が共同で融資を行った、マララス市とクラーク空港を鉄道で結ぶプロジェクトが発表された。この計画も2022年までの完成を目指しており、都市開発を進めることで経済成長を促進したい考えだ。

ルソン島最大級の鉄道網:Philippines National Railways

フィリピン政府が運営に携わる Philippines National Railways は、ルソン島内最大級の鉄道網を運営している。元々は全797kmの路線を走行していたが、火山活動の活発化やその他自然災害の影響で、一部走行不可の区間が発生している。

同社は DMU (Diesel Electric Multiple Unit) という新しい鉄道システムを 約4億8,500万ペソで導入すると発表した。このプロジェクトは試行期間を経たのち、2019年を目処に導入を目指す。

また5月18日には、North-South Commuter Railway (NSCR) プロジェクトを公表した。マロロス市とツツバン市を結ぶ南北通勤電車計画(全長38km) で、JICAとフィリピン政府が協働で進める事業。このプロジェクトによるメトロ・マニラ内の交通渋滞緩和が期待されている。

philippines-trainbus(フィリピン 鉄道バス)

近代都市鉄道の確立を目指す:LRT

Light Rail Transit Authority は、1980年7月に大統領令 No.603に基づいて設立、その後は経営を民間企業に委託された。2020年までの近代都市鉄道システム確立を目標としている。

2018年1月17日、同社はフィリピン政府管轄の技術開発・教育局TESDA が取り組む TESDA認定プログラムに参加し、列車運転に関する認証を受けた。トレーニングの内容は管理センターとの通信、緊急事態の対応などが含まれ、計243時間のクラスを受講する必要がある。

また7月9日には、LRTに関するプロジェクトを発表。その中で主となるのは、LRTの改修計画。フィリピン政府主導の下、2020年までに鉄道システムの入れ替えを実施する。

ケソン市とパサイ市の行き来を支える:MRT

Metro Rail Transit Corporation は LRT と同様、その経営を民間企業に委託した鉄道会社で、2000年から MRT3 の運営にあたっている。この鉄道はケソン市とパサイ市を繋ぐもので、全長16.9km、13駅で構成されている。

2018年1月9日、フィリピン国土交通省は日本の国際協力機関であるJICAと協働で MRT3 の改良プロジェクトを発表した。今後3年かけてプロジェクトの完成を目指す。

また、フィリピン国土交通省が7月23日に発行したレポートによると、出勤ラッシュ時に MRT3 の利用者が交通手段をバスに変更するだけで270,858人の時間を節約できることが明らかに。これを受けてMRT3は特別バスを運行、平日午前6時から午前9時30分まで利用できるサービスを開始した。

まとめ

政府は、郊外への交通網拡張を図っており、今後は長らく課題であった交通部門へ民間企業の参入が相次ぐと予想されています。このような状況の中で、フィリピンの鉄道・バス業界は今後も多くのビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。

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