【地理的優位性生かす】タイの空運業界

thai-airshipping

タイは航空貨物輸送量が世界的に見ても多く、今後は大メコン圏のハブとして活躍するとの見通しがたっています。今後のタイ空運業界の活躍とは?

今回は、そんなタイの空運業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

大幅赤字の2018年、タイ航空

タイフラッグシップエアーのタイ国際航空は、2018年損益が115億6900万バーツ(約400億円)の赤字となったことを発表した。収益は前年比3.1%の増加だったが、運営コストの増加による赤字が大幅に拡大した。

赤字の要因として、進むバーツ高の進行により、中国人をはじめとする外国人旅行客の大幅減少、格安航空会社(LCC)との競争激化による運賃の低下、主に中東の国際間緊張による迂回ルートの使用などが挙げられた。

一方、積極的な見通しとして、原油安による燃料コストの削減を挙げることができる。さらに、食品の廃棄などを減らしてコスト削減に取り組むほか、デジタルマーケティングを強化し、旅行保険やレンタカーなど関連サービスの販売を強化すると改善策を発表している。

高い成長が期待!航空機保全事業とは?

今後、東南アジア、特にASEAN諸国の航空機市場が拡大することを受けて、航空機保全(MRO)事業の高い成長が期待されており、タイは東部経済回廊(EEC)地域における同産業への投資を政府レベルで進めている。

タイの主要空港であるスワナプームとドンムアンの処理能力は限界に達しているとされ、第3の空港としてEEC内のウタパオ国際空港の拡張工事を行い、MRO事業に不可欠なインフラ整備を前年比130%の予算を投じて行う。

さらに「航空都市(Aerotropolis)」構想として、航空人材訓練センターの設置をはじめとする包括的な事業展開を計画する。

急拡大するタイの空港利用者数

タイ航空公社(Airports of Thailand AOT)によると、タイ国内外からの旅行客の増加に比例して、タイの空港離着陸回数は年平均約8%で増加している。主要6空港の2018年の航空機合計離着陸回数は約90万回となった。

首都バンコクのスワンナプーム空港とドンムアン空港で航空機離発着陸回数の75%を占めている。海外からの観光客は首都バンコクに到着後、さらに国内線での移動を行うために増加しているとみられている。

国際便の増加と比例して国内線の離着陸回数も増加しており、これはタイ国内で運行されている格安航空会社(LCC)5社による事業拡大によよって、タイ市民の移動手段として航空機が一般的になっていることを示している。

新空港建設!?タイの空港事業

タイ民間航空機構(Civil Aviation Authority of Thailand CAAT)によると、現在タイ国内に38か所の空港があり、うち12か所が国際空港として運用されている。

現在、主要6国際空港といわれるスワンナプーム、ドンムアン、チェンマイ、ハトヤイ、プーケット、チェンライの空港で年間利用者数が1億4000万人を超え、特に首都バンコクのスワンナプーム、ドンムアン空港だけで利用者が1億人を超えている。

現在タイ国内の多くの空港で拡張工事が進められ、さらに新空港の建設も計画されている。特に北部チェンマイ、南部リゾート地プーケットには第二空港の建設が予定されており、首都バンコクにも新空港建設用の用地取得計画が進められている。

2018

大メコン圏の航空輸送ハブとなるためのカギは?

タイの東部経済回廊事務局 (Eastern Economic Corridor Office:EECO) によれば、タイはその地理的優位性から、物流業界で年間2.8%と大きな成長が期待されている。

今後は、インランド・デポ (ICD:内陸保税拠点) や鉄道輸送網との連携、近代的なロジスティック施設 (IDC:国際物流センター)、 コールドチェーン物流などの整備が課題となる。

さらに、MRO と呼ばれる航空機の保守・修理・オーバーホールにおいてアジア地域で増加するナローボディ機体に焦点を当てることや、航空輸送のスピード感が必須となる高付加価値ビジネス向けに空港周辺地域を開発することが、大メコン圏(GMS)の「航空輸送ハブ」としてタイが持つ可能性を最大限に発揮することに繋がると期待されている。

Asia Air Cargo Summit 2018が開催

2018年1月、タイ空港公社 (AOT) 主催による Asia Air Cargo Summit 2018が行われた。スワンナプーム空港、ドンムアン空港など6つのタイの主要空港での貨物・郵便物取扱量は2017年度に前年比11.89%増の157万tとなり、航空輸送業界が持つその成長可能性から、AOT は同サミットの開催に至った。

この世界クラスのサミットでは各航空会社、空港のシニア・マネジメント層から160人以上が出席し、航空貨物の管理に関する知見の交換が行われた。

スワンナプーム空港の航空貨物輸送量は世界の上位30位以内 (21位)にランクインしており、年間170万tの処理能力は年間300万tまで拡大する可能性を秘めている。

thai-airshipping(タイ 空運)

DIPによるタイ航空輸送業界の先行き予想

タイ商務省知的財産局 (DIP) によると、世界で運行中の航空機22,510機のうち6,350機が、航空機総数では世界で45,240機のうち16,970機がアジアに存在するという。その割合が裏付けるように、アジア地域での成長率は167%と、世界平均の101%と比較して大変高い数値をみせている。今後の新たな航空機需要に関しても、世界全体で2016年から2035年に予測される39,620機のうち15,130機をアジアが占める。

タイにおいても東西経済回廊政策に連動して、特別経済開発区付近の国際空港の輸送貨物量が増加しており、この傾向はこれからも続くと見込まれている。

また、タイの新たな経済政策「Thailand4.0」で今後の航空輸送産業がフォーカスする対象として 1) 航空機部品の製造、2) 複合材料からなるタイヤとカーボンファイバー製部品、3)  航空機のMRO (保守・修理・オーバーホール) の3点が挙げられている。

航空輸送の需要増加と「空の渋滞」

タイのロジスティクス企業 DACHSERによると、同社の航空輸送インフラは取扱量・便数の両面で引き続き改善傾向にあるという。既存顧客からのニーズ増加を要因に、2017年の空運取扱量は前年比で21%増加した。

危険物や高付加価値商品、ライフ・サイエンス製品や健康製品といった取り扱い商品のバラエティを広げるために、温度管理基準の順守や直送航路の確保、一部(あるいは完全)チャーター便の利用を行ってきた。

また、国際航空運送協会 (IATA) が2018年の航空貨物需要は前年比で5%の増加になると予測していることにも触れつつ、航空輸送業界自体の課題として「空の渋滞」を挙げ、特に主要な航路では枠自体の不足と料金の高騰を指摘している。

One-North、無人航空機の試験地に

シンガポール交通省 (MOT)、民間航空局 (CAAS) および JTC は、都市環境における革新的なUAS (無人航空機システム) 技術の商業利用に関する試験地域として One-North を指定した。

JTC の計画によれば、200ヘクタールのビジネスパークである One-North は、UAS のテストに理想的な場所とされている。低層ビルから高層ビル、さらには公園のような公共空間など様々なタイプの建物・空間が混在している。また、新興企業・技術者・研究機関の活発なコミュニティが存在する環境が、最新の技術をテストするのに最適であると判断された。

承認を受けたオペレーターと研究者は、One-North で安全性とセキュリティを損なうことなくトライアルを行うことができる。CAAS はUASが持つ潜在的なポテンシャルを追及するため、参加企業との協力を今後進めていく。

関連記事

  1. malaysia-trainbus

    【より便利な公共交通機関へ】台湾の鉄道・バス業界

  2. 【輸送需要、増加中】タイの陸運業界

  3. 【国内生産で需要に応える】マレーシアのバイク業界

  4. philippines-landtransport

    【流通システムの円滑化】成長が続くフィリピンの陸運業界

  5. 【今注目の自動車は?】タイの自動車業界

  6. 【コンドミニアムの開発ラッシュ!】 タイの不動産デベロッパー業界

  7. 【比較的小さな市場】マレーシアの自動車業界

  8. philippines-trainbus

    【路線拡大へのインフラ投資】中国の鉄道・バス業界

ABOUT US

BIZLABマガジンは、東南アジア・中華圏で販路を拡大したい経営者、経営幹部、海外担当者向けに、役立つ情報を提供している専門メディアです。個別相談・調査サービス「BIZLAB」が運営しています。くわしくはこちら

人気記事

  1. singapore-private-banker
  2. singapore-pharmacy
  3. singapore-cosmetics
  4. malasya-fashion
  5. indonesia-supermarket
PAGE TOP