【国内輸送強化】インドネシアの海運業界

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海外への航路開拓よりも国内への流通の基盤を整えることで赤字経済を回復させる動きが見られるインドネシア海運業界。東南アジアへの動きはあるのでしょうか?

今回は、そんなインドネシアの海運業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

15.7百万米ドル分の契約確保、 Pelita Samudera

インドネシア証券市場に上場する海運会社PT Pelita Samudera Shipping Tbk(PSSI)は2019年7月22日、ホームページで石炭輸送の長期契約15.7百万米ドル分を確保したことを報じた。

最初の契約はPT Jembayan Muarabara(年間4百万トンの石炭を産出)との2年間の契約延長である。東カリマンタンで操業する浮遊積載装置からの石炭を積み替え、タグとバージで、インドネシアで最も大きな発電プラントのある東ジャワ地域に石炭を運ぶという内容。

二つ目の契約はPT Ganda Alam Makmur(石炭採掘会社)と共同で事業を行う韓国のLGインターナショナルとの1年間の延長契約。東カリマンタンにて、タグとバージで石炭輸送する仕事で最低1.3百万トンの輸送が保証されている。

Pelayaran Tamarin Samudra、プルタミナと契約

インドネシア証券取引所に上場するPT Pelayaran Tamarin Samudra Tbk(オフショア支援船のレンタルサービスの分野で急成長している会社)は2019年5月22日、PertaminaとのAWB(積み替えの宿泊施設作業船)契約について明らかにした。

海運業界の競争はかなり厳しいが、ビジネスチャンスは依然として開かれており、その1つが石油とガスのセクターである。 PT Pelayaran Tamarin Samudera(TAMU)は2022年5月17日まで、2,164億ルピアでプルタミナとAWB契約に調印したばかりである。

上場海運会社の1社としてTAMUは、100万米ドルの純利益を生み出すまで新しい契約を獲得する戦略を継続して行くとしている。

伸びる石炭船需要、TPMAの今年の戦略とは

インドネシア証券市場に上場する海運会社PT Trans Power Marine Tbk(TPMA)は2019年5月29日、成長目標を達成するために新たに船を買う準備ができていると発表した。

TPMAの2019年度の業績目標は、2018年の実績から20%成長することである。TPMAは2019年度の設備投資額として1.5億米ドルの予算を計上している。会社のパフォーマンスを最大化するように中古のタグ船とパージ船を6セット買う予定である。

今年の初めにすでに1セットを購入済なので、下期に残りを購入する予定である。市場の需要も変化するので、早急に実行する必要がある。石炭船の需要はすでに非常に大きくなっており、需要の伸びは30%にも達している。

IDX過去最大の新株発行?TRAMの増資

インドネシアの上場海運会社PT Trada Alam Minera Tbk(TRAM)は2019年4月7日、ホームページ上で増資を行うことを発表した。

TRAMは、最大1,000億株の新株発行または会社の発行済全額払込済資本金の201.43%に達する資本金で増資を行う予定である。今回の増資の新株発行量は、インドネシア証券取引所(IDX)にとって過去最大となる可能性がある。

TRAMの経営陣は、発行済株式数が増加することによる、株式の流動性の高まりを期待して、インドネシア証券取引所に増資を正式に通知した。増資により得られた資金は、開発あるいは会社の拡張と、会社と子会社の債務返済に充てる予定である。また、TRAMは株主の承認を得るため2019年7月5日に臨時株主総会を開催する予定である。

2018

Tol Laut 政策で国内の海運輸送を増強へ

2014年にインドネシアのジョコウィ大統領が提唱した「Tol Laut (海運を活用して国内西部と東部の経済格差・生活必需品価格の格差を是正し、海洋国家インドネシアの発展を図る政策) 」は、現在具体的な実施のフェーズにある。

2014年時点での、モノの価格に占める物流コストの割合はインドネシアが25.7%、タイが13.2%、ミャンマーが13%、シンガポールが8.1%と、近隣国と比較して非常に高かった。Tol Laut が目指したのは、物流コストの低下による生活必需品価格の引き下げである。

2018年に政府が進める主な Tol Laut の取り組みは、①ルートをこれまでの13航路から15航路に増やす ②牛肉価格安定化のため、家畜運搬船を5隻増やす ③ Tol Laut用の船舶を100隻増やす の3点であり、これらに従って海運業界も国内輸送の船舶増強に動いている。

サムドラ・インドネシアが新造のコンテナ船2隻を投入

サムドラ・インドネシアが2隻のコンテナ船を新たに投入した。建造を請け負ったのは、中国系シンガポール造船会社の Jingjiang Nanyang Shipbuilding。2018年2月と3月に、シンガポールで引き渡しが行われた。

2隻の設計・仕様は共通で、投資金額は1,700万米ドル (約19億円) 。また、コンテナ積載能力は20フィートコンテナ600個。シンガポール、マレーシア、インドとの国際航路で運用を開始し、登録手続きが完了次第、1隻はインドネシア国内での運行に移行する予定。 

それぞれシナール・プニダとシナール・パロポと名付けられているが、「インドネシアをつなぐ」という会社のビジョンに基づき、船名にはインドネシアの地名が含まれている。プニダはバリに近い島、パロポは南スラウェシの地名。インドネシアの島々を結ぶ Tol Laut プログラムでの活躍が期待される。

indonesia-shipping(インドネシア 海運)

経営再建中のベルリン・ラジュ・タンカー、国内輸送強化で業績回復

2015年11月の株主総会で承認された計画に基づいて経営再建中のベルリン・ラジュ・タンカー社は、2017年決算書の中で前年からの業績回復を報告した。

売上高は約2,524万米ドルで、前年より499万米ドルの増収(約20%増)であった。営業利益は約133万米ドルの赤字に終わったが、前年からは204万米ドルの赤字削減を実現した。今後は、営業利益の黒字化が大きな課題である。

①競争の激しくない国内と、比較的安定している近隣の東南アジア市場で重点を置き、②ステンレス製タンクで船体が二重構造という自社船の強みを活かせる、収益性のよい化学品の輸送にシフトしたことが 2017年のハイライトであった。化学品セクターの売上は2,135万米ドルと、前年より1,042万米ドル増加した。

トラダ・アラム・ミネラ、石炭会社買収で増収増益

昨年は新株発行による増資で東カリマンタンの石炭会社を買収、10月には従来のトラダ・マリティムから新社名に変更したトラダ・アラム・ミネラ社が、2018年1月~6月期の中間決算を発表した

事業買収を受けて、売上高は約9,362万米ドルと、前年同時期より8,312万米ドルの増収に。営業利益は約919万ドルで、同じく556万米ドルの増益となった。売上高のうち、従来からの海運事業は1,110万米ドル。前年より61万米ドル (約6%) の増収だった。

今回の石炭会社買収は、石炭産業の成長性を見込んだだけでなく、石炭の国内搬送に必要なタグボートやバージの需要取り込みによる海運事業へのシナジー効果も念頭にあった。今後海運事業がどれだけ伸びるか、目が離せないところだ。

まとめ

比較的安定している東南アジア諸国へ市場を求めていき経済回復を図る動きが見られています。インドネシア政府も協力していき国内への流通整備をしていく姿勢は今後も続くと思われます。

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