【目が離せない!】世界をリードするシンガポールの水業界

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降雨の貯蔵量や主要な河川が乏しいシンガポールは、政府主導で水の安定確保に向けた活動を推進しており、最先端テクノロジーを導入した下水処理施設の建設や、国際水週間等の啓発運動も積極的に主催しています。

今回は、そんなシンガポールの水業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!持続可能な政策措置に期待が集まる水業界では、どのようなトレンドが生まれているのでしょうか?

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2019

Hyfluxの経営再編について

シンガポールに本拠地を置く水処理大手のHyfluxは債務超過に陥っており、経営を再編している過程にある。同社は2019年8月下旬における各社報道に対するコメントをリリースした。それによると、UAEの大手ユーティリティ会社Uticoが、Hyfluxを救済する内容に合意し調印したと報道していた。

しかしながら、Hyfluxは書面によるコメントにて、これを否定している。Uticoとの契約の最終段階にあるものの、最終的な調整を行っている段階であり、未だ合意には至っていないと明確に述べている。

さらにHyfluxは、同社やシンガポール取引所(SGX)などを通じた報道に注視してほしいと呼びかけている。

CITIC、収益50%減。要因は?

中国に本拠地を置き、シンガポール取引所(SGX)にも上場している水処理大手Citic Envirotech(CITIC)は、2019年7月24日、上半期決算を発表した。それによると、上半期の収益は275百万米ドルにとどまり、前年同期比の550百万USDから50%の減収となった。さらに、上半期における純利益は19百万USDとなり、前年同期85百万USDから77%もの減益となった。

減収減益の主な原因として、エンジニアリングビジネスと膜技術のセールスの低迷を挙げており、それぞれ29.8%および44.7%の減収が影響していると述べている。

一方、マクロ経済環境の低迷にもかかわらず、同社は中国の第13次5か年計画で述べられているように、業界は十分に援助されると楽観視している。CITICは、持続可能な廃棄物管理メカニズムを導入するための政府計画に牽引されて、このビジネスが今後の主要な収益となると予測している。

世界最大!セラミック膜による浄化施設とは?

2019年8月29日、シンガポールの水道局にあたるPUBは、世界最大のセラミック膜システム(水を濾過し浄水するシステム)を収容するChoa Chu Kang Waterworks(CCKWW)に、最新式の水処理プラントの導入を発表した。

これは、PUBの長期的なR&D(研究開発)投資からの成果であり、10年以上にわたるセラミック膜技術への取り組みの結果である。

セラミック膜技術は、膜技術の最新のブレークスルーの1つである。必要な土地面積が小さいのでエネルギー効率が高く、さらに、寿命が長いためコスト効率が高くなる。セラミック膜は耐久性があり、20年間持続できると予想されている。また、セラミック膜を使用することで、水分損失が5%から1%に大幅に削減されるメリットがある。

STとPUB、水管理のR&D協働へ

2019年6月7日の発表によると、グローバルテクノロジー・エンジニアリンググループであるST Engineering(ST)は、National Water Agency(Public Utilities Board、PUB)と覚書(MoU)に署名し、PUBのインテリジェント水管理システムと運用を強化するため、デジタルテクノロジーの開発および活用を強化することで合意した。

このMoUは、今後5年間で両カウンターパーティの知識と専門知識の交換、相互支援、共同プロジェクトの実施を対象としている。

PUBは水道システム管理の専門知識を提供する。また、STはデジタル技術とエンジニアリングシステムの専門知識と経験を提供することで、PUBの水道インフラストラクチャとシステムのオペレーティングシステムの開発と実装を調査することになる。

2018

Hyflux、裁判所管理のもとで債務整理を開始

シンガポールを代表する水処理大手企業の Hyflux は、同国の会社法に則り、高等裁判所の管理下で債務と事業の整理をすることとなった。Hyfluxはシンガポール取引所の上場銘柄であったが、5月21日に取引中止となっている。

近年、シンガポールの電力価格は低迷している。同社の資金繰り悪化の要因として、売電事業用発電設備を併設する水処理施設の収益が落ち込んだことが原因であると考えられている。

Hyfluxはこの申請により、債権者からの資産差し押さえを実行されることなく6ヶ月の債務支払猶予期間を得ることができる。同社は流動資産の減少が懸念されているが、現在進行中のオマーンでの事業が軌道に乗ればと、現金ショートの事態は回避できるのではないかと考えられている。

CITIC Envirotech、成長続き売上2倍に

膜技術を使った淡水化、汚水処理およびリサイクルのリーディングカンパニーである CITIC Envirotech (CEL) は、2018年第2四半期における売上・利益が2倍以上の増加であったことを発表した。同社は過去3年連続で売上・純利益を更新している。

CEL の当期純利益は、エンジニアリング部門と膜システム部門が売上に貢献し、前年同期比125%増の4,350万シンガポールドル、売上高は136.1%増の2億9,100万シンガポールドルとなった。

また2018年上半期の純利益は、前年同期比134.1%増の8,530万シンガポールドル、売上は134.7%増の5億5,500万シンガポールドルとなった。

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PUB、水フォーラムでロードマップを発表

シンガポール公益事業庁 (PUB) は、7月11日、同国の全水系をデジタル化して運用性を高め、将来の水需要を満たすための「SMART PUB Roadmap」を発表した。

これは、よりよい水質管理・ネットワーク改善・顧客との関係性強化・作業プロセスの改善を実現するデジタルソリューションへの継続投資の一環である。

PUBは水需要の増加、運営コストの上昇、人員の制約、気候変動などの新たな課題に直面しているが、デジタルソリューションとスマートテクノロジーの活用で生産性・安全性・セキュリティを強化している。これは同国の水資源管理における重要な柱である。

SgWX、水ビジネス加速のハブとなるか?

シンガポールの水産業発展の促進を目的として、Singapore Water Exchange (SgWX) が開設された。

同施設は、スタートアップ、技術を持った企業、SI、投資家、マーケットアドバイザー等がコラボレーションして出来上がるエコシステムの形成を目指している。それぞれの強みと潜在的なシナジー効果を活用して、水産業の革新と事業成長を押し進める機会の提供を目論んでいる。

シンガポールおよび近隣地域で水ビジネスの機会を模索する企業を支援するため、SgWXではバーチャルオフィスやコワーキングスペースの提供も予定されている。

まとめ

1960年代からの隣国マレーシアとの水問題に始まり、自国の水供給対策に取り組んできたシンガポール。それから4 0年を経た今、再生水や淡水化などの分野で世界のリーダーとして活躍できるまでに成長しました。今後もシンガポールのさらなる水対策に目が離せません。今後の堅実な成長が期待されるシンガポールは、海外事業展開先として理想的な選択肢なのではないでしょうか?

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