【水質向上のためには】インドネシアの水業界

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小規模コミュニティに対する社会保障が不十分で、下水道の普及の遅れが深刻な問題となっているインドネシア

今回は、そんなインドネシアの水業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

水道普及率100%達成なるか?理想と現実

2019年1月17日、インドネシア国通信情報省はホームページに公共事業公共住宅(PUPR)大臣の談話を掲載した。

大臣は、きれいな水と衛生へのアクセスは人間の基本的なニーズであり、100%のアクセス達成を図らなければならないと決意を述べた。

しかし、依然としてきれいな水と衛生設備を適正に確保することは困難な状況にある。ジャカルタではきれいな水を供給できている地域は全体の60%に過ぎず、残り40%の地域ではきれいな水へのアクセスがまだできていない。そのため、DKIジャカルタ州政府の官営企業であるPamJayaが、ジャカルタ北部および西部地域を優先してきれいな水にアクセスできるようにすると、すでに約束していることも明らかにされた。

PALYJA、公共の場に水飲み場設置推進

ジャカルタの水道事業者PT PAM Lyonnaise Jaya (PALYJA)は、2019年3月22日の世界ウォーターデーに北ジャカルタの二つの公立小学校03と04に水飲み場を設置した。

この水飲み場の設置は、今年の世界ウォーターデーのテーマ「誰も置き去りにしない」に基づき、すべての学生と教師にすぐに飲める衛生的な水を一年中提供することを目的としている。

2018年からPALYJAが取り組んできた公共の場での水飲み場設置プログラムは、すでにアズハルモスク、国立博物館、カディジャイスラム学校、MRT Blok Mステーション、MRT Dukuh Atasステーションで完了している。現在、Istiqlal Mosqueなどの場所で水飲み場の設置準備が進行中である。

飲料水のハラル政策を打ち出す、Aetra

2019年5月2日、インドネシアの水供給会社PT Aetra Air Jakarta(Aetra)はハラル政策に取り組むことを発表した。

Aetraはインドネシア共和国保健大臣の規制492 / MENKES / PER / IV / 2010に基づく品質で、ブアラン水処理プラントとプラゴデゥン水処理プラント、さらにチリンチン供給センターでハラル認証を取得し、安定的に健康、安全そしてハラルな飲料水を生産することを約束した。

飲料水製造のハラル保証に関しては、①使用するすべての成分を保証する②全製造工程と製品を保証する③継続的なハラル勉強会で従業員をトレーニングする④ハラル保証システムを持続可能にするための改善を積み重ねる。という方針を明らかにして取り組むことを表明した。

低い漏水率の理由とは? Adhya Tirta Batam

バタム島の浄水供給会社PT Adhya Tirta Batam(ATB)は2019年8月5日、同社ホームページ上で、漏水率を低減する取り組みについて発表した。現在の実績は16.6%。目標は15%以下にすることである。

水道行政を担当する公共事業・公共住宅省の飲料水供給システム改善機関(BPPSPAM)によると、全国の平均漏水量は2015年が32.5%、2017年が32.8%、2018年が33.2%と毎年増加しており、BPPSPAMの目標である20%未満を大幅に上回っている。

現在、ATBでは、浄水分配システムの60〜70%をデジタルシステムで制御し、バタム島の重要ポイントに自動化機器が何百か所にもわたって設置されている。さらに、漏れ発見チームが毎日きめ細かい対応をしていることで、全国で最も低い漏水率を達成している。

2018

水道普及率向上には民間の投資が鍵となる

BPPSPAM (飲料水供給システム推進協会) の会長バンバン・スディアトモ氏は、同国の水道普及率向上には民間の協力が鍵だと語った。インドネシアの水道普及率は2017年時点で約72%で、100%を達成するにはおよそ254兆ルピア (約1.9兆円) の投資が必要になる。

国家予算でそのすべてを賄うことは不可能であるため、民間からの投資が必要になる。地域水道会社と民間によるSPAM (飲料水供給システム)の発達が鍵を握る。

現在、東ジャワ州ウンブランSPAM、西ジャワ州ジャティサリSPAMとランプン州バンダールランプンSPAMはすでに稼働している。中部ジャワ州西スマランSPAM、西ジャワ州ジャチリウフールSPAMと東ジャワ州グレシックSPAMは交渉中。バンテン州カリアンSPAMは準備段階にある。

PALYJA、乾季の供給水量制限を利用者に通知

PALYJA (PAM Lyonnaise Jaya) は2018年8月8日、乾季を原因として主水源であるクルクット川の水位が下がりアンモニア濃度が上がったため、処理能力に合わせて供給水量の削減を行なうことを、41の地域に居住する利用者に通知した。

南ジャカルタにあるチランダック水処理場の処理能力は通常400LPS (リットル/秒) だが、上昇したアンモニア濃度を法定レベルまで下げるには250LPSに処理スピードを落とす必要がある。

PALYJAでは、水に空気を吹き込むプロセスでアンモニア濃度を減らす努力を継続しつつ、病院やその他緊急に水を必要とするところへは給水車での対応を行なった。

indonesia-water(インドネシア 水)

Aetra、貯水槽建設でアジア大会2018を支援

Aetra Air Jakartaは、東ジャカルタのスンテルプルマイに直径20m・高さ10mの貯水槽を建設している。貯水量は約2,500㎥で、圧力ポンプを使い、アジア大会2018の選手村が建設されたクマロヤンも含む周辺7地区に給水を行なった。

97本のアンカーで補強された土台の上にノックダウン組み立て方式の貯水槽が設置される。従来は地中に埋設する方式が取られていたが、今回は地上式の新技術が採用されている。

この貯水槽は7月末に完成し、アジア大会2018の開催時には選手やチームにへの水供給を支えた。これは、国を挙げて行われる大会の成功を同社として支援しようとの取り組みであった。

Moya、Acuaticoを傘下に収め供給能力を拡大

Moya Holdings (Moya Indonesiaの親会社) は、2017年のアニュアルレポートの中で、2017年の売上が132百万シンガポールドル (約107億円)で、前年比で381%の増収であったことを明らかにした。

増収の要因は2点あり、1つはAcuaticoグループを傘下に収めたこと。Moya社はこれにより、Aetra Air Jakarta・Aetra Tangerang・Acuatico Air Indonesia の3社合計で約11,500LPS(リットル/秒)の水処理能力を手に入れた。もう1点は、Moya Indonesia自身の水処理能力を900LPS引き上げたこと。

これによりグループ全体の水処理能力は約14,000LPSとなり、ジャカルタ地域の300万人と、50万以上の顧客へ水を供給する規模に成長している。

まとめ

インドネシアの地方自治体が管轄する水道の質や整備は、公共衛生インフラへの投資額が少なく、周辺諸国と比較しても、その脆弱さが目立っています。特に都市部での水問題が深刻な同国では、水業界はまだまだ成長の余地が多くのこされているのではないでしょうか。

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