【政府が奨励】フィリピンの水業界

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政府は、未整備のまま下水道開発及び安全で安定的な水供給の有効策として、官民パートナーシップの奨励を検討しています。

今回は、そんなフィリピンの水業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

首都圏の水事情、安定化へ。 Manila Water

2019年8月28日、マニラ東部の上下水道の独占運営権を所有する民間企業のManila Waterは、Angatダムが通常のレベルに達したためマニラ首都圏の水事情は安定し、大幅に改善されたと発表した。

国立水資源委員会(NWRB)は本発表を受けて大都市への配分を増やすと決定した。Manila Waterはまた、600万人の顧客の99%が1平方インチあたり7ポンドの圧力で中断のないサービスを享受していると主張した。

2019年の乾季に発生した深刻な水不足によって、 NWRBは首都圏上下水道システムの水供給を削減し、マニラ間で配分を分割していた。これにより首都圏の人々の生活に大打撃を与えていた。水道サービスが中断されたままの地域は、9月頃に正常化する見込み。

8,800万L/日の排水処理機能!Mayniladの下水道

2019年9月4日、民間企業であり、マニラ東部の上下水道の独占運営権を所有するMaynilad Water Servicesは、顧客への下水道サービスの提供を促進することを目的に、ラピニャス市に30キロメートルの下水道ラインを設置するため60億ペソ以上を投資する方針を固めた。

本プロジェクトは2019年3月に建設が開始され、2021年に完成予定。この下水道システムにより、市内の20のバランガイで約60万人が排出した廃水を収集し、適切な処理のためにラスピニャス水再生施設に運ぶことが可能になると見込まれている。

この下水道システムは、環境天然資源省(DENR)が制定した水質ガイドラインおよび2016年の一般排水基準(DAO 2016-08)に準拠するように設計されている。これは、同社最大の下水処理場であり、1日あたり約8,800万リットルの廃水処理機能を有することになる。

既に数カ国で導入、AQUAVISTA™Plantとは?

2018年12月6日、国内のマニラ・セブに拠点を有するVeolia Water Technologiesは、下水道網や処理プラントを含む廃水システム全体の最適化を組み込んだ、完全なデジタルプラントソリューションであるAQUAVISTA™Plantを発売すると発表した。

AQUAVISTA™Plantは、エネルギーと化学物質のリアルタイム自動最適化、排水処理プラントと下水道ネットワークの生物学的および油圧容量の強化などに重点を置いて設計された。

AQUAVISTA™ Plantは現在数カ国で導入されており、すでに数百の廃水処理プラントに接続されている。最適化を組み合わせることで、廃水処理プラントと下水道ネットワークが1つの統合された処理システムとして機能し、環境と処理コストを最大限に活用できる。

K Water、首都圏上下水道システムで提携

2018年10月4日、韓国の公営会社でありサンミゲル・コーポレーションと共同事業を行うK Waterは、 マニラ首都圏の全体的な水セキュリティと廃水管理システムを改善するために、Asia Water Council (AWC)とともにメトロポリタン上下水道システム(MWSS)との関係を強化した。

K-WaterはMWSSが所有するAngatダムの強化と改造を支援した経緯がある。 Angatダムは「ビッグワン」の1つであり、マニラ首都圏と近隣の州の水の必要量の96%を供給している。

AWCは100を超えるメンバーで構成され、世界26か国以上を代表する組織。本提携によりフィリピンの水産業にサービスを提供するMWSS-AWC-K-Water Institute / Academyの設立など、将来の共同プロジェクトが実施される予定。

2018

海外展開を進め業績好調、Manila Water

Manila Waterはマニラ東部地域の水道管理企業として1997年に設立、フィリピンの一大財閥アヤラ・コーポレーションの傘下にある。

2018年上半期の同社業績は好調で、純利益が前年比で10%増の35.5億ペソを達成した。これは、23市 1,400㎢のエリアをカバーするManila Concessionと、シンガポールに拠点を置く子会社 Manila Water Asia Pacific の業績を要因とするもの。

2018年8月8日の発表によると、同社は、ニュー・クラーク市におけるプロジェクトの入札準備を進めている。受注の暁には30年の独占運営権を得る、CAPEXで100億ペソ相当の巨大プロジェクトである。また、同社は既存のベトナム子会社に新たにタイとインドネシアの企業を買収。これらの業績もおおむね好調で、今後さらなる海外展開が期待される。

ボラカイ島の汚染解決に向けて

Manila Water の子会社である Boracay Island Water Company は、ボラカイ島最大の水道会社である。同社は、2017年に観光インフラおよび企業誘致庁によって承認された排水マスタープランを加速させている。

2016年に完成した Manoc下水処理場ともう1ヶ所の施設を繋ぎ合わせるシステムを完成させたことで、1日あたり平均870万リットルの排水処理を行なうことが可能となっている。

2018年4月26日、環境汚染に端を発してドュテルテ大統領が定めた法令によって、元の美しい観光地へ戻すためにボラカイ島は一時閉鎖した。同社は海洋生物にとって安全で、厳しい環境基準に準拠した施設で浄化を進めている。

philippines-water(フィリピン 水)

マニラ西部の水事業を独占、Maynilad Water

Maynilad Water は1997年に、政府管轄の下でマニラ西部地域を管理する水道事業社として設立。その後2度の運営権委譲を経て、2007年に再民営化を行い現在に至る。

再民営化以降、同エリアの下水道カバレッジを広げるために約140億ペソの投資を行ない、15の新たな下水処理場を建設、既存設備の修繕、バキュームトラックの新規調達、総延長27.5kmの下水パイプ敷設などに充ててきた。

2007年時点で6%であった下水道カバレッジは2018年6月時点で16%にまで上昇。現在建設中の下水処理場群が完成する2020年には、26%になる見込みである。

水道事業を司る政府機関、MWSS

The Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS) は民間の国内水道事業を司る政府機関である。Manila Water と Maynilad Water は、MWSSから水道運営権を引き受けている。

2017年12月、同機関のサービスエリア (メトロ・マニラ、カビーテ市、リーザル市) を対象とした年次フォーラムをフィリピン国立大学で開催した。地方自治体、NGOその他が出席、2018年に控える水道料金の改定などをテーマに協議した。

また2018年1月25日には、バングラディシュの政府代表団がフィリピンを訪れた。フィリピンの都市衛生管理をベンチマークとしてMWSSから学ぶ目的での訪比であった。

まとめ

フィリピンでは、水道供給に関する正式な法規制が未整備のままであることや、政府に未申請の事業者が多数存在するなどの課題があります。今後は、政府の政策を中心に同国の動きをみることで、ビジネスを成功に導けるのではないでしょうか。

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