【アジアの金融ハブ】シンガポールの銀行業界

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「スマートネーション」構想に向けた政策が次々と国民の生活に反映され始めているシンガポール。決済方法の変化もその例外ではありません。インターネットバンキングに始まり、銀行間の電子送金費用の無償化(当日送金も無料)、キャッシュレスなど次々と新しい仕組みが開発されています。

今回は、そんなシンガポールの銀行業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

目次

2020年 シンガポールの銀行業界

銀行業界大手のMUFG、シンガポールのGrabに7憶600万USドルを投資

三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は、GrabHoldings Inc.に対し、次世代の特注金融サービスを共同で開発するために最大7億600万ドルを投資する契約を発表した。これにより、MUFGは東南アジア地域での金融包摂を後押しすることができる。

GrabはMUFGに「First Choice Bank」ステータスを付与し、シンガポールのパートナー銀行として契約している。両社は金融のニーズによりよく応えるため、顧客の声を反映したサービスを提供し、Grabのユーザー、ドライバーパートナー、マーチャントパートナーのニーズを捉えた、革新的な金融システムを共同開発する。

過去7年間で、Grabは配車アプリから食品や小包の配達、デジタル決済、ホテル予約など複数のサービスを提供するスーパーアプリへと成長した。なお、2018年にはGrab Financial Groupを立ち上げ、フィンテックプラットフォームとして、支払い・送金サービス、マイクロレンディング、マイクロ保険サービスをGrabユーザー、ドライバーパートナー、マーチャントパートナーに提供している。

出典:https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2020/pdf/news-20200225-002_en.pdf

シンガポールで銀行業界大手のUOB、中小企業支援のため40億ドルの融資を承認

国内のローカル銀行のUOBは、政府がローンのリスクシェア率を90%に高めたことを受け、一時的なブリッジローンプログラム(TBLP)に基づき、40億Sドルの融資を承認したことを発表した。

これはCOVID-19により打撃を受けている、建設、小売、ホスピタリティ業界の中小企業が対象となっている。UOBは、クライアントが必要としている資金を低金利でアクセスできるようにするために、シンガポール金融庁(MAS)やSGD Facility for Enterprise Singapore(ESG)とも協力している。

資金が可能な限り迅速に支払われるように、UOBはローン全体をデジタル化した。クライアントは約1週間で資金を受け取るための申請プロセスを完了することができる。

出典:https://www.uobgroup.com/web-resources/uobgroup/pdf/newsroom/2020/UOB-Temporary-Bridging-Loan-Programme.pdf

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シンガポールで銀行業界牽引のDBS、国内で新卒2000人以上を雇用予定

シンガポールの政府系大手銀行のDBSは今年、国内で2000人以上の新規採用を予定していることを発表した。このうちの1,000人以上は、新卒者採用者と経験豊富な専門家向けのより専門的な役割を担当する人が占めている。

また、DBSはコロナウイルスの影響で出勤ができない場合でも、1万2千人の社員に対して給与を全額支給を公約している。サーキットブレーカー時はe-learningを有効活用し、個々のスキルを向上させるよう促進している。

毎年開催されいているインターンシッププログラムも継続予定で400人以上を対象に実施する。他にも南洋工科大学のビジネススクールと協力し、将来の銀行業界のリーダーを育成するためのプログラムなども行っており、雇用創出に貢献している。

出典:https://www.dbs.com/newsroom/DBS_to_hire_over_2000_people_in_Singapore_this_year_committed_to_creating_and_protecting_jobs_amid_pandemic

シンガポールのOCBC Bank、デジタル決済を強化〜銀行業界事情〜

OCBC Bankは2020年1月にGoogleと提携し、最新のGooglePayアプリを導入。OCBCの顧客は、シンガポールで初めてGoogle Payの拡張機能を使用して、アカウント間のPayNow資金送金を行うことができる。このサービスは現在テスト段階にあり、OCBCの一部の顧客は銀行口座をリンクしてデジタル決済を行うことができる。

PayNowは、顧客の銀行口座間で直接シームレスなデジタル決済を可能にする。シンガポール銀行協会の数値によると、2019年の上半期には46億ドル相当に及ぶ2,800万回ものPayNow取引が行われた。シンガポール政府も、eペイメントにさらに力を入れるようシンガポール人に呼びかけている。

iOSとAndroidの両方のデバイスでGoogle Payが有効になっているため、Google PayとPayNow統合のリリースは、シンガポールでのPayNowの採用と使用に大きな影響を与えるだろう。

出典:https://www.ocbc.com/group/media/release/2019/ocbc-partners-google-to-enable-digital-payments-leveraging-paynow.html

シンガポールで銀行業界大手のBOS、データイノベーションのチーフを任命

Bank of SingaporeはCeline Le Cotonnec氏をデータイノベーションのチーフに任命したと発表。これにより、分析と革新的なテクノロジーを活用してクライアントに質の高いインサイトを提供し、デジタル変革プログラムの一環としてビジネス効率を最適化することが可能になる。

実際に、クライアントのリスク分析などのプロセスでデータ、人工知能、機械学習を利用することにより、40%以上の時間の節約につながり、従業員がより価値の高い活動に時間を費やすことができたというデータが出ている。

Le Cotonnec氏は、アジアにおけるビジネス変革とデータ分析の分野で15年以上の経験を積んでいる。彼女は前職のAXA InsuranceSingaporeで、データ分析と人工知能の実用に尽力し、顧客エクスペリエンスを強化し、データイノベーションオフィサーとして新しい収益を生み出した経歴がある。

出典:https://www.bankofsingapore.com/media-releases/2020/bank-of-singapore-appoints-chief-data-and-innovation-officer.html

2019年 シンガポールの銀行業界

シンガポールで銀行業界大手のBOS、欧州ウェルスマネジメントをローンチ

大手金融サービスグループ、OCBC Bankのプライベートバンキング部門、バンク・オブ・シンガポール(BOS)は、2019年4月3日、資産管理子会社であるBOS ウェルス・マネジメント・ヨーロッパ S.A.(BOSWM)を正式に立ち上げたと発表。BOSのヨーロッパにおける金融サービス事業を展開する。

同社はヨーロッパでのプレゼンスを高め、新たな成長段階を模索する。BOSは今後5年間で24%の収益増加を見込んでいる。

BOSは、「ヨーロッパは我が社の事業において、非常に重要なセグメントを占める地域だ。ロンドンとルクセンブルクという主要な金融拠点にBOSWMを設立したことで、この地域の超富裕層および富裕層を中心に金融サービスを提供し、市場シェア獲得を進めていきたい」とコメントしている。

シンガポールのOCBC、MyInfoと金融サービスを拡大〜銀行業界事情〜

OCBC Bank(OCBC)は、2019年5月15日、すべてのシンガポール国籍保持者および永住者に対し、既存の口座がなくても、顧客が利用したい主要な金融商品に対する即時承認と即時利用が提供できるようになったことを報告した。

OCBCは国内のデータリポジトリ(データベース)のMyInfoとOCBC独自のリアルタイムデジタルKYC(本人確認サービス)を活用し、顧客は支店にてクレジットカード、デビットカード、個人ローン、銀行口座などを申請し、それらを即座に利用することが可能となった。

OCBCは、MyInfoとOCBCのデジタルKYCプロセスを活用して、顧客が即座に新しい銀行口座を開設できるようになった初の銀行となった。

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シンガポールで銀行業界大手のUOB、Mastercardとメタルカードを発行

2019年5月28日、UOBはMastercardと提携し、アジア太平洋地域初となる中小企業(SMEs)向けのメタルカード、UOB レガル・ビジネス・メタルカードを発行したと発表した。

UOBとMastercardは、中小企業の上級幹部に対して、コマーシャルカードがどのように活用されているかを詳細に検討した。調査結果によると、4人に3人の中小企業の上級管理職は、四半期に2回出張し、ビジネス関連の旅行に月平均4,800ドルを費やしているということが判明した。回答者はまた、ゴルフや顧客との食事などに月平均2,300ドルを費やしている結果となった。

これらの調査結果を踏まえ、 UOB レガル・ビジネス・メタルカードは、一般的なクレジットカードでは利用できない空港でのラウンジやゴルフ場などの包括的な旅行特典を提供できるようデザインされている。

シンガポールのMAS、AFFとフィンテックに関する協働で合意〜銀行業界事情〜

シンガポール金融管理局(MAS)とアジア太平洋金融先物取引調査研究所 (AFF)は、フィンテック分野における学術交流、情報共有および研究協力を促進するためのフィンテック協力合意書に署名した。

これは、シンガポールと中国のビジネス界、学界、シンクタンクの間のさらなるコラボレーションを促進することを目的としている。この協定のもと、シンガポールと中国の金融機関の間で、フィンテックを積極的に活用することで顧客へ付加価値を提供するため、より広い分野にわたり協力関係を促進することを確認した。

「今回の署名は、シンガポールと中国のフィンテックに関するより緊密なパートナーシップ関係に向けた大きな一歩である。両国において、より活気に満ちた世界規模のフィンテックを育成するため、中国におけるフィンテックコミュニティとの知識共有及び金融分野に関する深い協力を期待している」とMASはコメントしている。

2018年 シンガポールの銀行業界

シンガポールで世界初の統一決済QRコード「SGQR」とは?〜銀行業界事情〜

2018年9月17日、シンガポール・クイック・レスポンス・コード(SGQR)が正式に開始された。複数の決済QRコードを1つのSGQRにまとめることができるため、消費者と販売者の双方にとってモバイル決済がこれまで以上にシンプルとなる。SGQRは、PayNow、NETS、GrabPay、Liquid Pay、Singtel DASHなど27の決済手段で導入され、今後6ヶ月にわたり徐々に普及が進められる予定である。

SGQRは消費者にとって、簡単かつ迅速で、安全な決済方法ある。「Pick」、「Scan」、「Pay」の3ステップで支払いを完了することができる。

販売者は、複数のQRコードを統合し、SGQRラベルを1つだけ表示すればよいこととなる。このため、店頭での消費者の混乱を軽減でき、支払処理が迅速となる。また、SGQRは専用端末を必要としないので、様々な電子決済を取り入れるよりも安価な方法となる。

ブランドバリュー前年比20%増!6年連続トップを維持、シンガポールのDBS〜銀行業界事情〜

「トップ100シンガポールブランド」レポートによると、DBS銀行のブランド価値は65億米ドルとなり、シンガポールで6年連続のトップブランドを維持した。

DBS銀行のブランド価値は2017年から前年比20.3増となる11億米ドルに達した。これは、シンガポールのトップ100ブランドの平均ブランド成長率の9%の2倍であり、シンガポールのトップ10ブランド全体の45%以上のブランド価値向上に寄与した。

DBS銀行は、「今年は設立50周年の年でもある。6年連続でシンガポールを代表するブランドとなり、2度目の世界一のデジタルバンクと認知されたことは名誉なことである」とコメントしている。

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シンガポール銀行、SMBC信託銀行との提携に向け書面契約へ〜銀行業界事情〜

2018年5月21日のプレスリリースによると、シンガポール銀行とSMBC信託銀行は、日本の顧客に向けたグローバルな投資機会の提供と、多様なポートフォリオの構築を目的としたパートナーシップを結ぶことに合意(了解覚書; MoU)した。

同MoUにより、日本の超高所得および純資産を保有する投資家の間でシンガポール銀行の知名度を大幅に向上させることがねらい。2017年におけるこの投資家セグメントの年率成長率は19%と高く、運用資産残高(AUM)の成長が堅調である。

シンガポール銀行は格付け会社Moody‘sによる評価がAa1と高い。また、SMBC投資信託は、同社のリサーチおよびコンサルティング、オープンアーキテクチャ製品プラットフォームを用いた幅広く革新的な投資ソリューションを高く評価している。

シンガポールで銀行業界牽引のHSBC、新支店立ち上げで新たな段階へ

HSBC銀行は、シンガポールの中心地、Raffles Placeでリテールバンキング部門を正式に立ち上げた。これはHSBC支店内での財務アドバイザリー活動の拡大に焦点を当てたものである。より広義には新たな3カ年計画の一環として、消費者およびホールセール・バンキング事業全体でシンガポールへの投資を増やすことを意図している。

HSBCによると、多くの顧客は既にオンラインおよびモバイルバンキングプラットフォームを活用しているが、同社は人と人のコミュニケーションをより重視する。対面を通じたやりとりが資産アドバイスや投資計画、および資産保護において生きるという考えを示している。

HSBCは支店新設をシンガポールにおけるプレゼンス向上を目指した中期戦略計画の起点に置いている。同国が担う、ASEANのマクロ経済と経済開発をリードする役割を後押しする考えだ。

まとめ:シンガポールの銀行業界

政府、銀行ともに積極的に新たなテクノロジーを取り入れるシンガポール。アジア有数の金融ハブ、シンガポールの銀行業界では今後も大きなビジネスチャンスを期待できるのではないでしょうか?

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