【今求められる弁護士は?】シンガポールの法律事務所業界

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クロス-ボーダービジネスに関連する分野の深い知見を持つ弁護士の需要が高まっており、優秀な人材を戦略的に囲って雇用する法律事務所も多いシンガポール。

今回は、そんなシンガポールの法律事務所業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

書類の効率的管理を推進、WongPartnership

2019年3月8日、WongPartnership LLP (WongPartnership)は、Litera Microsystemsの文書レビューソリューション技術を採用することで、顧客への法的サービスの提供を強化すると発表した。

これらの技術には、文書レビューソフトウェアや、ワークフローを改善する文書校正および文書比較ソフトウェアツールがある。このソリューション技術により、弁護士やスタッフは文書を効率的に作成・校正できる。さらに、バージョンやファイル形式が異なるものを検出して生産性を高めることが可能となる。

WongPartnershipは、「2017年に人工知能技術を採用して以来、文書ワークフローにテクノロジーを積極的に活用する方法を模索し続けてきた。 Litera Microsystemsの技術は、法務の重要な側面に焦点を当てることで効率を上げ、最終的には顧客へのサービス向上に還元されることになる」とコメントしている。

著作権に関する法整備についての問題点とは?

法律事務所のDrew&Napierは、著作権の管理、特に著作権侵害についての問題点を指摘している。多くの国では正式な著作権登録や記録システムが存在しない。公的所有権の記録や公的記録の欠如、法的な枠組み外での解決の見込みが不明確であることなどの問題点が多く存在している。

シンガポールにも著作権登録は存在せず、一部の実務家や知的財産権所有者は、そのような登録なしでは、著作権の譲渡やライセンスの正式な登録・記録ができないため、早期の法整備を希望していると言われている。

Drew&Napierは「正式な著作権登録や記録システムの欠如は、商標や特許などの他の知的財産権と比較した場合、著作権の管理および利用において多くの課題を引き起こす」と指摘している。

国内での業務拡大を計画、MorganLewisStamford

2019年2月11日、MorganLewisStamfordは、企業弁護士を新たな取締役として加え、金融問題などに関して企業をサポートする体制を引き続き拡大させると発表。コーポレートファイナンス、資本市場、上場および非上場企業のM&A、買収などに関する業務を充実させる予定である。

MorganLewisは、2015年に評価の高かった法律事務所StamfordLaw Corporationとの合併によりMorganLewisStamfordとなり、 さらにLuk&Partnersと提携して香港事務所を開設することでアジアでのプレゼンスを高めてきた。北京、上海および東京にも進出することで、これまで以上にクロスボーダーの案件が増加する見込みがあるため、企業買収やコーポレートファイナンスなどの業務を拡張させている。

同社はこれまでも企業向けアドバイザリーの専門家や破産・再編の専門家を採用し、業務を拡張させていた。

環境法制に関するチームを立ち上げ、ShookLin&Bok

2019年1月11日、ShookLin&Bok LLPは、環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する業務の開始を発表した。この業務を開始するにあたり、新たにパートナーを迎え入れ、チームを設立している。

ESG関連業務では、幅広い分野の業務や業界にわたる専門性を持ったスペシャリストが業務を遂行する。さらに、クロスボーダー案件においても豊富な経験を持つ弁護士で構成された学際的なチームによってサポートされる。そのため、チームは企業が必要とする幅広い環境規制、取引業務などに関するアドバイスを提供することが可能となる。具体的には、グリーンプロジェクトを支援するグリーンファイナンス/投資、商取引における環境リスクの管理、環境監査とデューデリジェンスの支援、環境関連の方針とガイドラインの起草とレビューがある。

持続可能な社会を目指すためには、ESGへの配慮がビジネス戦略の不可欠な要素になり、もはやビジネスを行う上での必要な要素のひとつであると企業は認識するようになってきている。

2018

規制・コンプライアンスのコンサルティングを開始、Allen&Gledhill

Allen&Gledhillは、ビジネスを円滑に進める上で規制の遵守が必要不可欠であるという現状を踏まえ、同社がメイン顧客とする会社組織に向けて、現地の規制や複雑な国際的規則に関する情報提供・支援を開始した。

同社は実用的で効果的なシステムを構築するため、新しいコンサルティング部門である企業コンプライアンス事業部(AGRC)を新たに設立した。現地の法規制などに関するサポートを行うことでさらなる市場拡大を狙う。

同社の共同社長クリスチャン・オン氏は「今回の新事業部立ち上げは、クライアントが法規制等への対策を円滑に行い経営管理におけるリスクを埋めることを最大の目的に据えている」と話している。

建築法の認定専門家数が国内最多、Wong Partnership

シンガポールの法定機関であるSingapore Academy of Law(SAL)は法律年(Legal Year)の開始に伴い、選抜された24名の実務家の中から6名のパートナーが新たに建築建設法の認定専門家に任命されたことを発表した。

シンガポールに本拠地を置きASEANや中東で法律事務所を展開するWong Partnershipは、シンガポール国内において最も多くの建設業法の認定専門家を擁する会社となった。

シンガポールにおける法律専門家認定制度において認定を受けるには委員会へその分野における専門性を証明する必要があり、厳格な審査を経なければならない。同制度は専門職業分野において必要なスキルと知識を有する法律実践者を選定し、法律業界および一般市民に対し信頼できる情報を提供することを目的としている。

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いち早く業務にテクノロジーを導入、Rajah & Tann

シンガポール政府はFuture Law Innovation Programme(FLIP)と名付けられたプログラムの一環として、シンガポール国内で活動する法律事務所に対してテクノロジーの積極的な導入を促している。

いち早くこの試みに参加したのは東南アジア最大級の法律事務所Rajah&Tann。近年は人工知能の導入にも重点をおいており、法律サービス全体の増強を狙っている。企業買収におけるデューデリジェンス案件を扱う際には、膨大な書類の整理・検査および比較検討を人工知能を用いて作業の効率化を図った。

同社はさらにクライアントサーバーを立ち上げ、今年後半には、法的文書、連絡文書、作業草案、請求書などのすべての顧客に関する書類をワンストップで管理するという。2018年3月に導入したRajah&Tann Technologiesという新技術により、事務所体制の再構築、特に裁判所・顧客・同僚間のコミュニケーションを円滑にし、業界全域に及ぶ改革を目指す。

キャピタルマーケット部門を強化、RHTLaw Taylor Wessing

金融から教育、福祉まで多様な案件を扱う国際法律事務所RHTLaw Taylor Wessingは、キャピタルマーケットの実務パートナーおよび共同責任者として、Yang Eu Jin氏の任命を発表した。

同社はキャピタルマーケットにおける業務をより一層の確立していく方針を示している。

Eu Jin氏は、シンガポール証券取引所(SGX)に上場している会社の法務部門の責任者であり、弁護士として20年の経験を積んでいる。同氏は、コーポレート・ファイナンスおよび資本市場業務に関する専門的知識を持つ広範な企業法および証券法関連業務をカバーしており、多くの国内外の企業に対して上場および上場後の企業活動およびSGXでの資金調達活動を行ってきた。社内からは期待の声があがっている。

まとめ

今後はフィンテックやEC(電子商取引)、eバンキングなど新時代のテクノロジーに関する専門知識を備えた人材の需要が高まっていくと予想されています。シンガポール国内に地域統括拠点を持つ企業が増加し、法律事務所の担う役割が大きくなっている今、法律事務所業界には大きなビジネスチャンスを期待できるのではないでしょうか?

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