【今求められる弁護士は?】シンガポールの法律事務所業界

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クロス-ボーダービジネスに関連する分野の深い知見を持つ弁護士の需要が高まっており、優秀な人材を戦略的に囲って雇用する法律事務所も多いシンガポール。

今回は、そんなシンガポールの法律事務所業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

目次

2020年 シンガポールの法律事務所業界

シンガポールのWong Partnership、スタートアップ企業を支援〜法律事務所業界事情〜

Wong Partnershipは、Enterprise Singaporeと協力し、Startup SGが提供する、スタートアップピッチングコンテストであるSLINGSHOT 2019にスポンサーとして招待された。 SLINGSHOTは、トップ100の グローバルテックスタートアップをシンガポールに招待し、様々なアイ デアを提案するもの。

同社はスタートアップエコシステムの成長を促進する取り組みの一環として、同社のFinTech・ベンチャーキャピタルパートナーは、多くの技術系スタートアップに法的アドバイスとガイダンスを提供してきた。

さらに、同社はWPGrow-VIMA Document Generatorなどのさまざまなイニシアチブを通じて新興企業を支援し続けている。スタートアップは、ドキュメントの自動化を通じて、法的支援により効率的かつ効果的にアクセス可能となった。

シンガポールのBaker McKenzie、Co2排出削減目標を発表〜法律事務所業界事情〜

外資系大手法律事務所のBaker Mckenzieは、今後10年間で世界の炭素 排出量を大幅に削減する計画を発表した。この削減は、同社の広範な持続可能性戦略の一部であり、国連の持続可能な開発目標への支援であ る。

以下3つを実行する予定だと発表。①エネルギー消費によるCo2排出量を2030年までに92%削減する。(2019年をベースラインとする)②2021年までに、ビジネス出張からの排出量を削減するための戦略と目 標を策定する。③2020年に始まるカーボンディスクロージャープロジェクトで排出量を報告する。

2017年、同社はB-Greenを立ち上げた。これは、世界中のオフィスが 業務を「グリーン化」するのを支援するために設計されたプログラム で、各オフィスが従うべきロードマップと、環境パフォーマンスの測 定、評価、段階的な改善に役立つツールとガイダンスを提供している。

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Rajah & Tannシンガポール、ブルネイデスク設立〜法律事務所業界事情〜

ローカルの主要法律事務所であるRajah & Tannは、ブルネイに新たにデスクを設立すると発表した。これにより、商法の範囲をカバーした、信頼できる法的なアドバイスを必要とするクライアントのニーズを満た していく。

今回のブルネイデスク開設により、同社はアセアン10か国を網羅することになる。ブルネイデスクは特にインフラや工事、複雑な商事紛争などの国際仲裁的な役割を果たしていくとしている。

ブルネイはここ5、6年で経済が多様化しており、アウトバウンドの法律業務需要が高まると予想されている。デスク新設により、より一層ロー カル事情に精通した、ブルネイの弁護士との協力関係を維持していく方針だ。

シンガポールのNASGとBayfront Lawが提携〜法律事務所業界事情〜

日系法律事務所のNishimura & Asahi(NASG)は、Bayfront Lawとのパートナーシップを発表した。Bayfront Lawは、2017年に営業を開始 し、12人のシンガポール人弁護士を擁している。民間および公共の合併や買収、資本市場、投資ファンド、企業および商業、訴訟および仲裁に対応している。

今回のパートナーシップは、シンガポールで日本法の実務に取り組む最初の正式な法律同盟である。NASGがBayfront Lawと統合されたチームとして機能し、ワンストッププラットフォームとして、シンガポール・ 日本、および国際法を網羅したアドバイスを提供することができる。

特に国境を越えたM&A、および国際仲裁法的サービスを強化していく予定だ。この提携により、NASGの弁護士がBayfront Lawのシンガポールの弁護士と緊密に協力して、クライアントに効率的な法的サービスを提供できるようになる。

シンガポールのDentonsとeClerx、戦略的パートナーシップを提携〜法律事務所業界事情〜

世界最大の法律事務所であるDentonsは、金融市場のビジネスプロセス管理リーダーであるeClerx Marketsとの戦略的パートナーシップを発表 した。Dentonsの法的専門知識と、eClerxの独自技術と運用専門知識、 およびAIベースのドキュメントのデジタル化と機械学習ソリューションに関する知識を組み合わせることが可能となる。

このパートナーシップにより、ドキュメントのデジタル化、データ抽出、顧客への働きかけ、交渉、金融サービスにおける法的専門知識などの様々なニーズを満たす強力なエンドtoエンドソリューションが実現す る。

金融機関が一連の規制の変更に直面し続けているが、DentonsとeClerx のパートナーシップにより、クライアントは費用対効果の高い法的処理サービスを受け、利益を上げることができる。

2019年 シンガポールの法律事務所業界

書類の効率的管理を推進、シンガポールのWongPartnership〜法律事務所業界事情〜

2019年3月8日、WongPartnership LLP (WongPartnership)は、Litera Microsystemsの文書レビューソリューション技術を採用することで、顧客への法的サービスの提供を強化すると発表した。

これらの技術には、文書レビューソフトウェアや、ワークフローを改善する文書校正および文書比較ソフトウェアツールがある。このソリューション技術により、弁護士やスタッフは文書を効率的に作成・校正できる。さらに、バージョンやファイル形式が異なるものを検出して生産性を高めることが可能となる。

WongPartnershipは、「2017年に人工知能技術を採用して以来、文書ワークフローにテクノロジーを積極的に活用する方法を模索し続けてきた。 Litera Microsystemsの技術は、法務の重要な側面に焦点を当てることで効率を上げ、最終的には顧客へのサービス向上に還元されることになる」とコメントしている。

シンガポールで法律事務所業界大手のDrew&Napier、著作権に関する法整備についての問題点とは?

法律事務所のDrew&Napierは、著作権の管理、特に著作権侵害についての問題点を指摘している。多くの国では正式な著作権登録や記録システムが存在しない。公的所有権の記録や公的記録の欠如、法的な枠組み外での解決の見込みが不明確であることなどの問題点が多く存在している。

シンガポールにも著作権登録は存在せず、一部の実務家や知的財産権所有者は、そのような登録なしでは、著作権の譲渡やライセンスの正式な登録・記録ができないため、早期の法整備を希望していると言われている。

Drew&Napierは「正式な著作権登録や記録システムの欠如は、商標や特許などの他の知的財産権と比較した場合、著作権の管理および利用において多くの課題を引き起こす」と指摘している。

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シンガポール国内での業務拡大を計画、MorganLewisStamford〜法律事務所業界事情〜

2019年2月11日、MorganLewisStamfordは、企業弁護士を新たな取締役として加え、金融問題などに関して企業をサポートする体制を引き続き拡大させると発表。コーポレートファイナンス、資本市場、上場および非上場企業のM&A、買収などに関する業務を充実させる予定である。

MorganLewisは、2015年に評価の高かった法律事務所StamfordLaw Corporationとの合併によりMorganLewisStamfordとなり、 さらにLuk&Partnersと提携して香港事務所を開設することでアジアでのプレゼンスを高めてきた。北京、上海および東京にも進出することで、これまで以上にクロスボーダーの案件が増加する見込みがあるため、企業買収やコーポレートファイナンスなどの業務を拡張させている。

同社はこれまでも企業向けアドバイザリーの専門家や破産・再編の専門家を採用し、業務を拡張させていた。

環境法制に関するチームを立ち上げ、シンガポールで法律事務所業界大手のShookLin&Bok

2019年1月11日、ShookLin&Bok LLPは、環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する業務の開始を発表した。この業務を開始するにあたり、新たにパートナーを迎え入れ、チームを設立している。

ESG関連業務では、幅広い分野の業務や業界にわたる専門性を持ったスペシャリストが業務を遂行する。さらに、クロスボーダー案件においても豊富な経験を持つ弁護士で構成された学際的なチームによってサポートされる。そのため、チームは企業が必要とする幅広い環境規制、取引業務などに関するアドバイスを提供することが可能となる。具体的には、グリーンプロジェクトを支援するグリーンファイナンス/投資、商取引における環境リスクの管理、環境監査とデューデリジェンスの支援、環境関連の方針とガイドラインの起草とレビューがある。

持続可能な社会を目指すためには、ESGへの配慮がビジネス戦略の不可欠な要素になり、もはやビジネスを行う上での必要な要素のひとつであると企業は認識するようになってきている。

2018年 シンガポールの法律事務所業界

規制・コンプライアンスのコンサルティングを開始、シンガポールで法律事務所業界牽引のAllen&Gledhill

Allen&Gledhillは、ビジネスを円滑に進める上で規制の遵守が必要不可欠であるという現状を踏まえ、同社がメイン顧客とする会社組織に向けて、現地の規制や複雑な国際的規則に関する情報提供・支援を開始した。

同社は実用的で効果的なシステムを構築するため、新しいコンサルティング部門である企業コンプライアンス事業部(AGRC)を新たに設立した。現地の法規制などに関するサポートを行うことでさらなる市場拡大を狙う。

同社の共同社長クリスチャン・オン氏は「今回の新事業部立ち上げは、クライアントが法規制等への対策を円滑に行い経営管理におけるリスクを埋めることを最大の目的に据えている」と話している。

建築法の認定専門家数が国内最多、シンガポールで法律事務所業界大手のWong Partnership

シンガポールの法定機関であるSingapore Academy of Law(SAL)は法律年(Legal Year)の開始に伴い、選抜された24名の実務家の中から6名のパートナーが新たに建築建設法の認定専門家に任命されたことを発表した。

シンガポールに本拠地を置きASEANや中東で法律事務所を展開するWong Partnershipは、シンガポール国内において最も多くの建設業法の認定専門家を擁する会社となった。

シンガポールにおける法律専門家認定制度において認定を受けるには委員会へその分野における専門性を証明する必要があり、厳格な審査を経なければならない。同制度は専門職業分野において必要なスキルと知識を有する法律実践者を選定し、法律業界および一般市民に対し信頼できる情報を提供することを目的としている。

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いち早く業務にテクノロジーを導入、シンガポールで法律事務所業界大手のRajah & Tann

シンガポール政府はFuture Law Innovation Programme(FLIP)と名付けられたプログラムの一環として、シンガポール国内で活動する法律事務所に対してテクノロジーの積極的な導入を促している。

いち早くこの試みに参加したのは東南アジア最大級の法律事務所Rajah&Tann。近年は人工知能の導入にも重点をおいており、法律サービス全体の増強を狙っている。企業買収におけるデューデリジェンス案件を扱う際には、膨大な書類の整理・検査および比較検討を人工知能を用いて作業の効率化を図った。

同社はさらにクライアントサーバーを立ち上げ、今年後半には、法的文書、連絡文書、作業草案、請求書などのすべての顧客に関する書類をワンストップで管理するという。2018年3月に導入したRajah&Tann Technologiesという新技術により、事務所体制の再構築、特に裁判所・顧客・同僚間のコミュニケーションを円滑にし、業界全域に及ぶ改革を目指す。

キャピタルマーケット部門を強化、シンガポールで法律事務所業界牽引のRHTLaw Taylor Wessing

金融から教育、福祉まで多様な案件を扱う国際法律事務所RHTLaw Taylor Wessingは、キャピタルマーケットの実務パートナーおよび共同責任者として、Yang Eu Jin氏の任命を発表した。

同社はキャピタルマーケットにおける業務をより一層の確立していく方針を示している。

Eu Jin氏は、シンガポール証券取引所(SGX)に上場している会社の法務部門の責任者であり、弁護士として20年の経験を積んでいる。同氏は、コーポレート・ファイナンスおよび資本市場業務に関する専門的知識を持つ広範な企業法および証券法関連業務をカバーしており、多くの国内外の企業に対して上場および上場後の企業活動およびSGXでの資金調達活動を行ってきた。社内からは期待の声があがっている。

まとめ:シンガポールの法律事務所業界

今後はフィンテックやEC(電子商取引)、eバンキングなど新時代のテクノロジーに関する専門知識を備えた人材の需要が高まっていくと予想されています。シンガポール国内に地域統括拠点を持つ企業が増加し、法律事務所の担う役割が大きくなっている今、法律事務所業界には大きなビジネスチャンスを期待できるのではないでしょうか?

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