【絶好のビジネス環境】シンガポールの人材サービス業界

Singapore‐staff-agency

転職を支援する人材サービス企業が多く存在し、人材流動性が確保されていることにより、企業が優秀な人材を獲得しやすい環境が整備されているシンガポール。

今回は、そんなシンガポールの人材サービス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

2019

給与調査を発表、RobertWalters

2019年2月27日、人材サービス大手RobertWaltersは給与に関する調査に関して報告した。

2018年における世界的な雇用市場は好調に推移した。ほとんどの市場では、好調な経済状況と経済見通しに対して強気な雇用主によって雇用の増加が報告されている。特にバイリンガルの専門家や専門的なデジタルスキルを持つ専門家に関して、多くの市場が引き続き人材の需給が逼迫していると言える。

東南アジア地域に関しては、好調な求人状況を呈しており、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムで急成長を遂げている。これは、外国からの直接投資と多国籍企業の継続的な参入による影響が強い。対照的に、シンガポールとマレーシアでの雇用は、企業側のニーズが、少数ではあるが熟練した専門家を求めていたため、安定して推移した。

高齢社会に向けた、雇用の在り方とは?

人材サービス大手のKellyServicesによると、アジア太平洋地域の急速な高齢化は、この地域の労働力の縮小を加速させ、企業および国家の間でも、スキルを持った人材を求めた競争が今日よりもさらに激しくなると主張している。

雇用主は、今までの考え方を変える必要がある。職場文化を育むことで、年配の労働者、子育てから復職した女性、障害者など、かつて見落とされていた労働者のグループを迎え入れる必要がある。

このためには、従業員の満足のいく待遇を提供する必要に迫られる。また、企業は全従業員に多様性を受け入れることを教育し、さまざまなグループの労働者と仕事をする能力を養うためのトレーニングを提供することを推進する必要があると強調した。

5人に2人が転職検討中?レポートから分かること

2019年6月19日、人材サービス最大手のひとつであるRandstadは、シンガポールにおいて5 人に2人が今年中に雇用先を変える予定であると報告した。そのうち40%の人が「キャリアパスに限界がある」を主な理由として挙げている。

X世代(35〜54歳)は、柔軟な仕事時間(フレックスタイム制など)を導入している企業を求めている。対照的に、ミレニアル世代(25歳~34歳)の69%は、オフィスで働くことを気にしないと回答している。ミレニアル世代の3分の1は、継続的なキャリアとスキルの向上のためのトレーニングプログラムを提供している企業を求めている。

若い世代の求職者はオンラインを使用して就職先を探し、企業の評判を確認する傾向がある。また、ミレニアル世代の41%が LinkedInでも職場情報を集めている。

16.9%の純利益成長、HRnetGroup

シンガポールに本拠地を置く人材サービスHRnetGroupは、2019年5月10日、第一四半期の財務諸表を公表した。同社は過去最高となる純利益20.2百万シンガポールドル(SGD) を達成し、前年同期比で16.9%の増加となった。

今年の初めから資本市場が回復したことにより、総収益レベルは押し上げられ、投資による実現利益は110万SGD、有価証券ポートフォリオの純未実現利益は440万SGDとなっている。従業員への給与は、総人員数および販売人員数がそれぞれ5.3%増の1,123人および13.9%増の770人であるにもかかわらず、費用全体としては2.0%減少した。販売員の比率は85%と比較的安定しており、引き続き効率的な構造を維持していく予定である。

同社は引き続き積極的な企業買収の機会を伺っている。また新たなサービスのRecruitFirstを今年度にはマレーシア、上海および台北に展開することも計画されている。

2018

人材サービス企業初のSGX上場、HRnetGroup

シンガポールに本社をおき、アジア10都市で11のブランドを展開する人材サービス大手HRnetGroupは、2018年4月11日に、2017年の年次報告書を公開した。設立25周年目の節目にあたる2017年に、人材サービス企業として史上初となるシンガポール証券取引所(SGX)のメインボードに上場を果たしたことなどが大きく取り上げられている。

レポートの冒頭では同社で施行されているオーナーシップ制度の見直しを行い、22から404の新たな共同所有者を追加したことが紹介された。特に、123GROW共同所有制度はSGX上場企業の中でも独特のシステムである。同社による選考を通過した参加者は市場価格で会社の株式を購入し、3年間にわたりボーナス株式を受け取る代わりに、 事業のパフォーマンス基準を満たすことで同社への利益貢献を証明しなければならない。

同社は今後も戦略的な買収を行い、事業拡大を続ける見通し。1998年に撤退したインドネシアにおいても新たなパートナーとなる企業と相互連携を図り、再参入を試みる方針を示している。

Hays、需要の高まるIT人材に特化したチームの立ち上げ

サイバーセキュリティーやAI、仮想通貨などITを専門とするスタートアップのアジア地域における卓越したハブの1つとして、シンガポールに対する国際的な認知が広がっている。一方で、産業の拡大に伴い多くの企業で人材確保が困難であるという現状が指摘されている。

IT業界における人材流動性確保のため、Haysシンガポールは同社ニュージーランド支店出身でコンサルティング経験の豊富なRahal Kansaraを起用し、新部門となるIT契約デスクを開設した。

シンガポールにおけるIT業界では、契約社員は比較的新しい考えである。一般的に契約社員の地位は正社員よりも低いというイメージが存在するが、今回設置されたIT部門はアナリストレベルから役員レベルまで豊富な人材サービス事業を担う見通し。

Singapore‐human-resource

外国人労働者の受け入れが拡大

外国人労働者の総数は、2012年の126万8千人から2017年までに136万8千人に増加した(年平均成長率7.9%)。また、2016年には過去6年間で最高人数を記録し、合計で139万3千人の外国人労働者となった。エンプロイメントパス(EP)の発行数は、2012年の約17.3万件から2017年には約18.7万件に増加し、毎年約1.3万件のペースで発行数が伸びている。

さらに、中技能向けのパスであるS-Passは2017年に約184千件に上昇し、2012年に比べて29.5%上昇した。さらに、労働許可証(Working Permit、WP)も2012年の942千件から2017年の965千件に上昇している。総外国人労働者に占めるWPの割合は70.5%となっている。

外国人労働者増加の理由として、シンガポールに移転する企業の増加、新規事業における外国人需要の拡大、国際化、共通言語のひとつが英語であることがなどが挙げられる。

シンガポールの雇用環境は?

アジア13カ国で人材サービス事業を展開するPERSOLKELLY(PERSOLホールディングとKellyサービスのジョイントベンチャー)は2018年10月1日、シンガポール雇用環境に関する調査レポートを公開した。

同社の報告によれば、企業は従業員を個別の評価基準で評価を行う方向にシフトしつつあるという。また、従業員は個々の持つスキルや能力を企業に認知されたいと考えており、会社への貢献度や期待値を柔軟な評価基準によって判断してほしいと感じていることが調査で判明した。

労働意欲や能力、目標等が各個人にとって固有のものであることを認識している会社組織は、認識していない組織よりも従業員からより多くの利益を得られる可能性が高い。つまり、個人を一律の尺度で評価することにこだわっていては従業員からよい成果を引き出すことができない。

まとめ

失業率が低く職が探しやすい環境、解雇が容易にできる法制度、転職によるステップアップを望む労働者などの要因がシンガポールの人材流動性を高めています。このような環境の中で、人材紹介企業は多くのビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか?

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