【サービスの向上】タイの製薬・バイオテクノロジー業界

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医療政策の1つとして安価なジェネリック医薬品を重要視しコスト削減に取り組むタイ政府。

今回は、そんなタイの製薬・バイオテクノロジー業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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2019

大麻関連特許の無効命令、その目的とは?

タイでは医療用大麻の使用解禁する一方で、政府はDepartment of Intellectual Properties(特許庁:以下DIP)に対し、大麻関連特許の無効を命じる命令を出した。

特許無効の背景には、多国籍企業の大手製薬会社が大麻関連の発明に特許を早急に申請し、それによって市場で優位な立場になり、国内の患者が医療用大麻を入手することが困難になるとの懸念に基づいている。

タイの内閣総理大臣は暫定憲法 44 条(国家平和秩序維持団団長の絶対権限)を根拠に特許庁に対し外資系企業の大麻関連特許の無効を命じた。政治の不安定さが、大麻産業にも影響を及ぼしていることが露呈した。

統合失調症の需要取り込む、田辺三菱

2019年8月8日、田辺三菱製薬株式会社は、海外子会社によって申請していた統合失調症治療薬カリプラジン(一般名、治験コード:MP-214、ドパミンD3/D2受容体パーシャルアゴニスト)のタイ国内販売の承認を受けた。

タイでは田辺三菱製薬の連結子会社としてのMitsubishi Tanabe Pharma (Thailand) Co., Ltd.が医薬品販売承認取得者として、Reagila®の製品名で販売を行う。

統合失調症は精神疾患のひとつでタイの患者数は約36万人と言われており、国内での需要を見込むことができる。Mitsubishi Tanabe Pharma (Thailand) Co., Ltd.はヘルベッサーなどの循環器用剤の販売を行っており、新製品としての統合失調症治療薬の販売を行う。

14年ぶり!ヤードムの新製品を発表、 Bertram

鼻から吸引して、鼻の通りの改善、目眩い減少、気分転換、乗り物酔いい、暑さの暖和に効果的といわれる嗅ぎ薬のヤードムを製造するBertram (1958) Co., Ltd.が14年ぶりの新製品を発表した。

メンソールやペパーミント、クローブ、ショウノウ、レモングラス、ボルネオール、ターメリック、ユーカリ、コショウ、オレンジピール、アニス、ベルガモットなどが主な成分となっている。タイでは医薬部外品扱いとなり気軽に使用できるが、日本をはじめ海外では医薬品扱いとされる。

新製品はBertram (1958) Co., Ltd.の「Peppermint Field」ブランドインヘラーの新製品「Black INHALER」でパッケージも黒を基調とし、若者にファッションアイテムとして訴求するとする。

TCELSによるライフサイエンス事業支援

タイ科学技術省生命科学研究所TCELS(Thailand Center of Excellence for Life Sciences)はタイ国内にライフサイエンス、製薬、メディカルフード、バイオ産業企業の誘致を促進している。

特にタイ国内の規制は、バイオテクノロジー経済を後押しするために外資系企業の誘致を優先するように改革されてきており、開発と臨床前研究分野においてFDA(タイ国食品医薬品承認局)審査の優遇措置も取り決められている。

ただし現状はバイオ医薬品産業と再生医療分野ではタイ国内で数社のみが参加する状況であり、外国企業を誘致し、タイ国内の産業として発展させる目標のもと、スタートアップ企業のサポートも含め官主導で事業支援が行われている。

2018

タイ石油公社、がん治療薬で製薬業界に参入

タイ石油公社 (PTT)は2018年1月27日、製薬事業への参入の方針を示し、タイで初となるがん治療薬の製造工場を建設する計画を発表した。PTTは現在、事業の多角化を進めており、化学産業事業や工場建設の専門知識をプロジェクトに活用する予定。

保健省管轄下で医薬品を製造供給するタイ国営製薬公社 (GPO)と共同で工場を建設し、高齢化の進むタイの健康維持産業内で医薬品の輸入を減らし、高度医薬品を製造する産業の育成を図る。

プロジェクトの投資額は約10億バーツ (約34億7000万円)に上る。商業生産はPTTがバンコクの東に位置するラヨン県に所有する工業用地で2025年までの着工が予定されている。

富士製薬ブランド、医薬品販売事業を開始

富士製薬株式会社は2012年10月にタイ最大の医薬品受託製造企業である OLIC 社を子会社化して以降、注射剤製造棟の建設とともに主力注射剤の製造移管を進め、日本市場向け製造をすすめるとともに、タイ王国内における当該製品の販売に向け承認取得を進めていた。

2018年6月5の発表によると、製薬企業の営業・マーケティング受託事業を展開するAPO PLUS STATION (THAILAND) CO.,LTD.と、タイ王国における自社ブランドの医薬品販売支援業務のプランニングを開始した。

富士製薬はタイ王国における医薬情報の収集から提供までを含む営業活動を外部委託し、主力注射剤の承認を取得次第、タイ市場での販売を開始する。特に、婦人科領域においても同社ブランド医薬品の販売準備を進めている。

thai-medicine-manufacture(タイ 製薬)

APAC、天然物創薬に関するコンソーシアムが発足

日本とタイ、台湾が参加したアジア製薬団体連携会議 (APAC)天然物創薬コンソーシアムが2018年10月12日に発足した。参加した3カ国は、生物多様性条約のアクセスと利益配分を定めた名古屋議定書を遵守する。

APACはすでにアジアにおける天然物の創薬活用を推進するガイドラインを今年4月に策定しており、主にタイが保有する豊富な天然資源を活用しアジア発の創薬を実現するための共創メカニズムの構築を目指す。天然物創薬によって革新的な新薬を創出していくとの覚書に調印した。

発足初期は日本とタイ、台湾が窓口機関となるが、今後はマレーシアも加盟する見通しとなっている。各国における製薬工業協会の加盟会社からの加盟を募り、11月末までに参画企業を決定、12月より運用開始が予定されている。

国家科学技術開発庁、バイオ製油所を開発

タイアルコール・パブリック・カンパニー・リミテッドと、国家科学技術開発庁 (NSTDA)はバイオ製油所の開発に関する協力協定を締結し、バイオ技術面でタイ東部経済回廊イノベーション (EECi)実現に向けた後押しをする。

両機関は今後タイの民間航空関連産業と宇宙技術開発に関する技術革新拠点であるEECiの研究・開発・投資呼び込みに向けたネットワークの構築において、重要な役割を果たすと説明。また、タイアルコール・パブリック・カンパニー・リミテッドは航空燃料の開発として宇宙技術開発を担当する。

タイ政府は高い国際競争力を確保することを目的として、バイオマスまたは農業残留物による科学技術研究を担う人材育成や技術革新、プロトタイプ製品の生産を精力的に進める方針。

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