タイのバイクの輸出台数を見てみると、直近の2019年2月、3月は、ここ5年で最高値の2015年始めを上回る台数を記録しており、右肩上がりの傾向が伺えます。
今回は、そんなタイのバイク業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2020
タイのThai Yamaha Motor、eコマース市場に参入〜バイク業界事情〜
2020年2月24日、オートバイを製造・販売する大手企業のThai Yamaha Motorは、販路拡大を目的にeコマースプラットフォームであるShopeeと提携してeコマース市場に参入したと発表した。
製品購入のライフスタイルが変化する顧客ニーズに応えるため、業務提携契約を締結して販売チャネルを拡大した。これにより、ヤマハはタイのeコマース市場に参入した最初のオートバイメーカーブランドとなった。
このパートナーシップは、Shopeeの製品ポートフォリオを強化して、eコマースアプリケーションを使用する傾向が年々高まっていることを強調する。また、2020年に65周年を迎えたヤマハは、オートバイ技術の開発を継続する。
Royal Enfield、タイ全土にネットワークを拡大〜バイク業界事情〜
2020年5月24日、世界最古のバイクメーカーおよび中型モペットバイクの世界的リーダーであるRoyal Enfieldは、顧客のアクセスを容易にするため、タイ全土を網羅するディストリビューターネットワークの拡大を発表した。
同社は2019年4月から2020年4月の1年間で11店舗を展開した。現在、タイ全土に専門店14店舗、サービスセンター12店舗、合計26店舗を展開している。さらに、ロードサイド・アシスタンスなどオートバイの所有コストを削減するための取り組みも開始している。
Royal Enfieldは、アジア太平洋地域で2018年から2019年に64店舗を展開し、2019年から2020年には96店舗に拡大した。今後もタイを含む様々な国で、年間を通じて継続的にネットワークの拡大に注力していく方針である。

タイで自動車業界大手のMBK Group、金融事業の収益増加
2020年5月18日、 MBK Groupは2020年第1四半期の業績を発表した。2020年第1四半期の営業収益は、前年同期比7%減の2,528百万バーツ、株主に帰属する純利益は、前年同期比62%減となる181百万バーツと大幅減少した。
前年同期比でグループの全体的な業績が低下する中、金融事業による収益は、前年同期比10%増となる56百万バーツに増加した。これは、貸付ポートフォリオの継続的な成長に伴い、オートバイ事業のレンタル購入が37百万バーツ増加したことが寄与した。
その他の事業収益は、自動車およびオートバイのオークション事業に従事するApple Auto Auction(Thailand)の株式を追加取得した結果、前年同期比7,250%増となる145百万バーツに大幅増収した。
出典:https://investor.mbkgroup.co.th/download.html
タイのA.P. Hondaの2020年の取り組みとは?〜バイク業界事情〜
2020年1月30日、タイの二輪車販売会社であるA.P.Hondaは、2019年の二輪車販売台数が前年比2%減となる137万台に達し、31年連続で首位を記録したと発表した。これにより、A.P.Hondaはタイのオートバイ業界での地位を堅持する。
2019年のタイの二輪車販売台数は、前年比3%減となる174万台に達した。A.P.Hondaは2020年のタイの二輪車市場の市場規模が約170万台になると予測し、2020年の販売目標を前年から微減の135万台に定めた。
さらに同社は、国立キングモンクット工科大学トンブリ校と共同で電動バイクの開発に取り組んでいると発表した。製品の完成後、モバイルアプリを介して電動バイク「PCX Electric」の利用が開始される予定である。
BMW Groupタイ支社、 生産ネットワークの強化を継続〜バイク業界事情〜
2019年12月18日、 BMW Group Manufacturing Thailandは「BMW R 1250 GS」オートバイをインドに輸出したと発表した。インドとのパートナーシップは自由貿易協定に基づいており、BMWネットワーク内の工場間の生産能力をさらに拡張する。
2018年9月以降、同社は「BMW Motorrad」バイクの機能強化に続き、アジアに新しいアドベンチャーバイクの輸出を開始した。さらに「BMW X5」の中国への輸出は、BMWの世界的なネットワークであるラヨーン県のタイ工場の成功を強調した。
現在、BMW Groupは世界15か国に31の生産および組立ネットワークを持っている。また、東南アジアで競争力を高めるため生産戦略を改善した。BMW Thailandは、BMWの世界的な生産ネットワークを強化し続けるとのことだ。
出典:https://www.bmw.co.th/en_TH/topics/fascination-bmw/all-news/2019/18-12-19.html
2019
タイでバイク業界大手のGPXが日本進出?
2019年1月5日の発表によると、タイのバイクメーカーGPXは海外戦略の一つとして日本への輸出販売を開始した。これまでマレーシアやインドネシアなどの東南アジアを中心に販路を拡大してきたが、2018年10月に日本総代理店GPXジャパンを設立し、2019年より日本での輸入販売をスタートする。
GPXは現在バイクメーカーとなっているが、もともとバギーやオフロードバイクの製造を行っていた。2015年ごろからバイクのラインアップを拡充し、現在はタイ国内における販売台数がホンダ、ヤマハに次いで第3位となっている。
GPXジャパンは、日本でLEGEND150S、Gentleman200、DEMON150GRの3モデルの販売を開始する。GPXは全モデルがタイのGPXの工場で生産、研究および開発される。
タイAP Honda Co.,Ltd.がEVを発表、まずはインフラ開発から〜バイク業界事情〜
2019年6月11日の発表によると、HONDAのタイ事業を行っているAP Honda Co.,Ltd.は世界に先立って電動バイクPCX Electricの製品発表を行った。電池の充電ステーション設置などのインフラ準備のために販売には至っていない。
AP Honda Co.,Ltd.はKing Mongkut’s University(KMUTT)と共同でユーザーの行動調査を開始し、タイのユーザーにより相応しい仕様やインフラ形式、充電ステーションに関連したアプリケーション開発を行う。
KMUTT大学は、環境保全に加えエネルギー効率と持続可能性の研究に注力し、戦略的計画「KMUTT:Sustainable University for Sustainable Development Goals(SDGs)2030」も標榜しており、電動バイクの普及を目指している。

タイで売上好調、限定車も発売!ROYAL ENFIELD〜バイク業界事情〜
2019年8月9日、インドのバイクメーカー、ROYAL ENFIELDは限定モデル「Royal Enfield Bullet Trials Works Replica 500 」をタイ市場向けに投入すると発表した。タイ国内への割り当ては210台のみの販売となる。
Royal Enfield Bullet Trials Works Replica 500の排気量は499ccで予約のみの販売となり、売価は19万1,500バーツとなる。Royal Enfield Bulletは1932年に生産が始まったモデルで、世界で最も長く生産されている二輪モデルという。
ROYAL ENFIELDのタイにおける今年1~7月の販売台数は前年同期比25%増の1,207台となり、年内に2,500台の販売目標を持つ。2016年の進出以来売り上げ台数が大きくなり、限定車を投入する流れとなった。
タイにタイヤ工場を建設、Continental〜バイク業界事情〜
2019年7月17日の発表によると、自動車部品大手の独Continentalはタイ中部のラヨーン県にオートバイ用タイヤ工場を建設する。欧州、米国、アジア、南米で需要の拡大が続いていることから、グローバルレベルでの生産量増加を目指しタイへ工場建設を行う。
工場建設のための投資額は2600万ユーロとなり、2021年の操業を目指す。Continentalは2019年3月に自動車用タイヤ工場を同じくタイのラヨーンに建設し、さらにバイク用タイヤ工場はすぐ近くに併設される。
ラヨーン工場では新たに100以上の製品が生産される予定となり、主にアジア各地へ発送される主な製品はラジアルタイヤとなる。通常価格、低価格帯製品の生産が行われる予定。
まとめ:タイのバイク業界
タイでは、バイクの生産台数の約8割が国内で消費されており、バイクは国民の足になっています。そんな中、同国のバイク業界は今後も多くのビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。