【旅客向けのサービス改善】中国の空運業界

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中国最大手の航空会社がアライアンスを脱退し自社ブランドを高めることや国際線乗り継ぎの大幅な効率化など、需要の増えつつある旅客空運のサービス改善が積極的に行われています。

今回は、そんな中国の空運業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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2021年 中国の空運(運輸・物流)業界

中国東方航空、中国民航初のELBを導入〜空運業界動向〜

2021年6月10日の発表によると、上海に本社を構え、750台以上の機材を有する中国東方航空は、中国民間航空初のELBを導入した。この電子フライトレコーダーは東方航空のボーイング777で正式に使用された。

これにより、紙のフライトレコーダーが撤廃され、航空会社の情報化、運行品質の向上と二酸化炭素排出量削減に大きく貢献することとなった。

同社は今後全ての機材にELBを導入することを計画しており、これが実現すれば、人件費や紙代など合わせて年間2000万元程度の削減に繋がる見込みである。

出典:http://www.ceair.com/about/dhxw/202106/t20210610_18231.html

中国の海南航空、デジタル化運行を推進〜空運業界動向〜

国内外の路線1,800本を運行している海南航空は、デジタル化を推進している。同社は第14次5カ年計画のプロジェクトの一環として、海口で最初のB737飛行機飛行全段階デジタル管制サービスのハードウェア設備の実装に成功した。

AIDでリアルタイムに取得した機上設備パラメータ、空港移動地図(Airport Moving Map)、強化航空写真の正確な位置姿勢表示、補助場面の滑走誘導などの機能を実現した。

これによりフライトの安全運行と運行効率を大幅に向上させることができるようになった。

出典:https://www.hnair.com/guanyuhaihang/hhdt/hhxw/202106/t20210625_48246.html

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中国南方航空、手荷物サービスをアップグレード〜空運業界動向〜

広州に本社をもち、中央政府管理の三大航空グループの一つである中国南方航空は手荷物サービスをアップグレードした。委託荷物が機材に搭載された際、詰め換えの際、到着した際の3タイミングで同社アプリ、wechat公式アカウント、ミニプログラムから通知が自動で届く。

今回は、付き添いのいない老人・子供、ビジネスクラス、ゴールド・シルバークラスの乗客を対象に実施された。

次の段階として、大連、吉林、海口、三亜の4か所で同システムのオンライン化を進める予定である。

出典:https://www.csair.com/cn/about/news/news/2021/1fa54dhhhru12.shtml

中国の吉祥航空、デジタルの活用で紛失品回収量を向上〜空運業界動向〜

上海均瑶グループの子会社である吉祥航空は、デジタルの活用で紛失品回収量を向上させた。同社はアプリの「wechatミニプログラム紛失品検索モジュール」を通じて、落とし物を紛失者の元へ返す手助けを行った。

紛失品回収率は前年同期比15%以上、貴重な遺留品回収率は同20%以上向上した。

吉祥航空公式アプリは現在、食事の申し込み・購入、精算証明書の申し込み、異常手荷物の申し立て、コロナ対策の問合せなどの機能サービスも提供している。

出典:http://www.juneyaoair.com/pages/About/news_detail.aspx?NewsID=545

中国の深圳航空、子供の単独フライト支援サービスを提供〜空運業界動向〜

215機の機体を保有する深圳航空は、コロナ渦における子供の単独フライト支援サービスの提供を開始した。

付き添いのいない子供たちに安心して搭乗してもらえるよう、使い捨て手袋、アルコール消毒剤、お菓子が入った袋を手渡している。

地上手続きの際は他者との接触を極力避けるようサポートを行い、機内食は子供向けのセットを提供する。同サービスを受けるには、出発前日までに電話、wechatなどから申し込みを行う必要がある。2021年の夏シーズンには2,343人が利用予定である。

出典:https://www.shenzhenair.com/szair_B2C/getCateMsgList.action?channel=1#

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2020年 中国の空運(運輸・物流)業界

中国の南方航空、スカイチームより脱退〜空運業界動向〜

中国空運最大手の中国南方航空は、2019年12月一杯で航空連合「スカイチーム」を脱退し、2020年1月1日からは所属しないことを発表した。スカイチームに加盟する航空会社は、米デルタエアライン、エアフランス、大韓航空などがある。脱退後もスカイチーム所属企業との通常の業務協力は継続する。

同社は、ロイヤリティプログラム及びサービスブランドの更新を行い、2020年1月1日より、「SkyPriority」に代わって新たに「南航優享CZ Priority」を提供する。新プログラムでは、ゴールド・シルバー会員などの以前の待遇は全て引き継がれ、引き続き優先サービスを受けることができる。

同社は近年、スカイチームに所属しない航空会社との連携も強化している。これらの提携先は、アメリカンエアライン、ブリティッシュ航空、カタール航空、日本航空などである。

出典:https://www1.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/2019/1224/2019122400559_c.pdf

中国の深セン航空、国際線乗り継ぎの歩行距離を70%短縮〜空運業界動向〜

2019年10月24日、深セン航空は国際輸送に対して新たな乗り継ぎプロセスを開始した。現在まで、このサービスは既に深セン・ロンドンと、深セン・プノンペンの便で実施されており、将来は全ての国際路線へ搭載する予定である。

これまでには、国際便の乗客が深セン空港で乗り換える時に、複数のセキュリティチェックと迂回なルートが必要とされており、長い時間がかかった。

この新しい乗り換えプロセスが実施された後、乗客の移動距離は70%以上短縮され、徒歩時間が約10分間節約できるようになった。

出典:http://www.shenzhenair.com/szair_B2C/getCateMsgList.action?channel=1

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中国民航局、史上最大規模の空域調整を実施〜空運業界動向〜

2019年10月10日、中国民航局は、全国範囲での空域、飛行ルート、空港滑走路、飛行手順などに関し、史上最大規模の調整を行ったと発表した。調整の理由としては、主に北京大興国際空港の開設のためである。

今回は合計200以上のルート及び4,000以上の飛行ルートが調整され、新たな空域運用環境が形成された。

空域調整範囲としては、東から西に1,350キロメートル、北から南に2,200キロメートルと、幅広く含まれていた。新たに追加されたルートは約4,700キロメートルであり、約5,300便が調整されていた。今回の空域調整に応じるように、全国合計で29ヵ所の民生空港も飛行手順の調整を実施した。

出典:http://www.caacnews.com.cn/1/3/201910/t20191010_1282631.htmlC

中国で物流大手の順豊、B747による航空輸送を開始〜空運業界動向〜

物流大手の順豊は、2019年9月15日に、中国の無錫、経由地の重慶、ドイツのフランクフルトを結ぶ空輸をはじめて行った。同社にとっては、十数年来ではじめてのヨーロッパと中国を結ぶ貨物空輸である。新路線の就航によって、中国の商品が欧州の消費者に届くのに必要な時間を大幅に縮小でき、中国ブランドの欧州進出をサポートすることができる。

「無錫-重慶-フランクフルト・ハーン-無錫」の飛行ルートでは、全ての場所で貨物の積み入れが可能であり、飛行距離は9540kmに及ぶ。効率的な輸送が可能なB747を用いて、週3便、一週間で300万トンの輸送を実現する。同社によれば、華東、華西、欧州地域の物流が活性化することで、一帯一路のもとでの貿易戦略の実現にもつながるとしている。

順豊は、1993年、広東省順徳で設立された。2016年には中国A株市場に上場した。

出典:https://www.sf-express.com/cn/sc/news/detail/Best-BA-Campaign-00003/

中国の東方航空、2018年の収益前年比で13%増加〜空運業界動向〜

2019年3月29日、東方航空は「2018年パフォーマンスレポート」を発表した。年間営業利益は1,149.3億元であり、前年比で13%増加し、史上最高業績になった。営業キャッシュフローは223.38億元であり、前年比で14.13%増加した。

2018年の安全飛行時間は220.6万時間であり、事故発生率に関しては10年間で「0」であった。輸送された乗客の数は1.21億人であり、前年比で9.4%増加した。フライトの時間厳守率は80.6%であり、前年比で8.6%増加した。旅客負荷率が82.3%に達し、前年比で1.23%増加した。

2018年末までに東方航空は、合計692機の飛行機を運航している。飛行ルートは世界で175の国と地域に面し、1,150の目的地に到達していた。

出典:http://www.ceair.com/about/dhxw/201904/t20190418_7316.htmlC

まとめ:中国の空運業界

航空乗降客数は年々増加しサービスの改善が積極的に行われていた中で、コロナの影響により今年は大幅な減少が見込まれます。また 輸送総回転量 に関しては4社で8割以上のシェアを占めていますが、各社が2割前後と大きな差はありません。旅客が減少しているいま、物流が大きく業績に影響してくるでしょう。

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