台湾では現在5つの大陸と海運で繋がっており、最近になって通関の制限を新たに設定することや、海運に関するスペシャリストを招いたセミナーを開くなど、経済発展における重要な位置づけであることがうかがえます。
今回は、そんな台湾の海運業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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目次
貨物の通関を容易に!台湾港湾会社が海上特別区域の設定〜海運業界動向〜
2019年11月15日、台湾港湾会社が政府の海上政策を実施するため、台湾南部の電子商取引消費者市場にサービスを提供し、高雄港での海上急行貨物の通関、倉庫保管、流通として、海上特別区域を設置し、高雄港に輸出入倉庫を置くことを計画している。
高雄港支所は、海上特別区域設立後の利点として、「貨物通関時間とコストを削減」「中国本土の航空および海運産業の発展を促進」「便利で安全な特急貨物通関環境」などを挙げている。
高雄港は台湾最大の国際港である。5つの大陸と繋がっており、300を超えるルートがある。海上特別区域の設定により更なる経済発展を促進することが期待されている。
台湾港湾局、海運業界の新たなビジネスチャンスを狙う
2019年5月22日、交通部の港湾局はフィリピン、ベトナム、インド、インドネシアの政府および学界のエリートを招き、市場情報、海運動向、物流開発、その他の情報と分析を共有する国際セミナーを開催すると発表した。
セミナーのテーマは、業界の動向を理解し、多様なビジネスチャンスを発掘すること。100人以上の学界エリートが参加し、アジア、ニュージーランド、オーストラリアとの緊密な協力関係の確立に努めるだけでなく、台湾のビジネスマンが多様なビジネスチャンスを発掘できる機会を目指す。
港湾局の副局長は「台湾の貿易国上位15カ国のうち、7カ国はアジア太平洋地域の諸国であった。二国間貿易総額は1,000億米ドルを超えている」と述べ、アジア太平洋地域におけるさらなる台湾の新しい役割を生み出すための政策であると述べている。

台湾港湾公司、サービス品質向上のための人材育成〜海運業界動向〜
2019年5月22日の発表によると、台湾港湾公司は、港とその周辺の地域の海域における船舶の安全性を改善するため、船舶交通サービス(VTS)オペレーター向けのトレーニングを実施。国際商業港サービス品質を強化するために研修を行っている。
船舶交通サービス(VTS)は港での船の順序を維持することに加えて、隣接する海域の監視や海上救助などの機能も実行が可能である。
既存の港湾保安管理士に専門的なトレーニングを提供することに加えて、大学の3年生が参加する港湾会社のインターンシップでもトレーニングを行う「産学連携計画」を実施している。
台湾の澎湖県、観光客を増やすための対策とは?〜海運業界動向〜
澎湖県(ポンフー)は、台湾の南西に位置する大小90余りの島嶼からなる澎湖諸島から構成されている。交通部は澎湖県の観光業の促進と、交通の便を改善するため、台湾港湾会社と港湾局に対して「航路計画」や「港湾建設」などの積極的な支援を求めた。
高品質な海洋サービスを提供し、島巡り観光の促進や、国際クラスの豪華客船クルーズの停留場所として大きな港を建設する予定である。
港湾局は2018年、澎湖県が行政相から1億1500万元の予算を得れるように協力した。港湾局は海上に優しい環境改善に引き続き取り組み、澎湖県の政府と協力し、島々のバリアフリー施設の展開の促進も考えている。
台湾港務会社、大阪市港湾局と覚書を締結〜海運業界動向〜
2019年3月19日、台湾港務会社(TIPC)と大阪市港湾局はパートナーシップに関する覚書を締結した。これにより両港の交流が強化されることが期待されている。
日本の国際貿易港の一つである大阪港は、クルーズ観光産業とウォーターフロント施設が成熟する都市である。一方、台湾は豊かな観光資源に恵まれており、特にTIPCの管理している基隆港、高雄港は北東アジア航路における人気の高い寄港地である。
TIPCの呉宗栄会長は、「今回の覚書の締結はアジアで重要な港湾と都市の提携の始まりであり、両者が有利な資源を生かし、ウィンウィンの目標を達成したい」と述べている。
まとめ:台湾の海運業界
海運では貨物に関して大きく着目されますが、実は国際商港の旅客数も年々増加しています。特に日本とは近いこともあり、総旅客数の15%ほどが日台間の利用で用いられています。今後は観光における海運のニーズも上がっていくでしょう。