台湾では環境に対する取り組みが熱心であり、ボールペンやシャープペンシルなど使い捨てせずに何度も使える製品を好む傾向にあることから、より耐久性や使い心地のよい材料重視の製品が注目を浴びています。
今回は、そんな台湾の文房具・事務用品業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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目次
台湾で初めて製造!ボールペンのトレンドの変化とは?〜文房具・事務用品業界事情〜
60年前、台湾で初めてMITボールペンが製造され、SKBボールペンは、文具店からブランド名となった。SKBボールペンは、高雄で最もにぎやかな商業地区である塩埕商圏で初めて販売された。前身は、日本時代の緑屋文具であったが、1951年に盧火榮氏が経営を引き継ぎ、文明書局と名前を変えた。
SKBボールペンは一度30年間生産停止となったが、2012年にボールペンブームが訪れた際に生産が開始された。そのころ、ボールペンは文具としてではなく、身に着ける道具としての収集価値も出てきた。
SKB文明ボールペンを担当する取締役員の林冠宏氏は、これからのボールペンは材質重視となるだろうと語った。ボールペンはインクを取り換えるので、使い捨てしない点で環境保護の役割を担っている。SKBボールペンを入れる箱も再生紙を利用している。
Pentelと台湾印花楽がコラボ文房具を発売〜文房具・事務用品業界事情〜
2019年8月28日の発表によると、環境保護を重視する日本の文具メーカーPentelと、環境にやさしいを提唱する台湾のデザインブランドinBlooom印花楽はコラボレーションによる商品を発売した。台湾の美しいデザインで、どこか懐かしい素朴な印象も与えてくれる仕上がりとなっている。
印花楽は様々な柄の中からファンの人気が高く、かつ最も印花楽らしいものを厳選した。PentelのEnergelボールペン、Energizeシャープペン、I+3色ボールペン等の商品と組み合わた多彩なラインナップを発売。
手帳だけでなく、テストや会議、仕事中にも使っていると楽しくなるような機能性も高い見た目も楽しめる文具となっている。
【積極的な環境への配慮】台湾の百貨店・ショッピングモール業界

台湾誠品書店、世界10カ国以上の面白い文房具販売〜文房具・事務用品業界事情〜
2019年8月2日から19日に、誠品書店信義店は「理想の文具IN MY LIFE」コーナーを設け、アメリカや日本を始めとする10か国以上の面白い文具を販売した。トンボメーカーなど世界7大ブランドと協力し、2階から6階まで異なるコンセプトで空間を作った。
3階は、整理整頓されたイメージで有名なKOKUYOの東京千駄谷の「THINK OF THINGS」店舗空間をそのまま再現した。また、限定商品も販売した。ブランドデザインのオフィスデスクや陳列棚なども販売しており、消費者は持ち帰ることもできた。
「理想の文具IN MY LIFE」は、BRUTUS雑誌の表紙で人気を博したイラストチーム「山鳩舍」と協力し、得意のモノクロラインで展示空間に動物や植物など、かわいいイラストを添えた。日本の人気イラストレーターのmizutama氏を招待し、8/3、8/4にイラスト教室を開いた。
台湾ネットサイトmomo、セール実施で売上1.5倍〜文房具・事務用品業界事情〜
ショッピングサイトmomoは「新学期応援文具セール」を実施した。文具は最高78%オフで提供され、一定金額購入するとさらにクーポンをプレゼントするなどの大セールを実施し、年間文具の売上は1.5倍へ増加した。
本セールで特に好調なアイテムは鉛筆、色鉛筆、定規等の基本的な文具のセット商品。また、特殊なデザインにより正しい握り方が身につく鉛筆がベストセラーとなった。軽くて子供たちの背中を保護するランドセルも売れ行きが好調で、単月で5,000個近い量を売り上げた。
momoでは消費者の多様なニーズに応えるため、2019年の販売文具アイテムを昨年同期より3,000個近く増やした。8月上旬から8月末までの文具売上は前月比170%へ達した。
台湾三燕文具会社、カラー印刷機を導入〜文房具・事務用品業界事情〜
2019年5月6日の発表によると、三燕文具会社は顧客のカスタマイズに対応するため、精密なカラー印刷設備を導入した。この印刷機械は、色々な文具の表面に色あざやかな模様や写真をプリントすることができる。
三燕興業株式会社は、1964年に創業し、30年間自社のブランドである「COX」の学生用文具やオフィス用具を製造し続けてきた。文具市場の多様化に伴い、新しい文具を研究開発し、消費者ニーズを満足させてきた。同社は新商品の開発以外に、高品質で付加価値の高い商品を目標としている。
同社の工場は台南にあり、商品デザイン・包装デザイン・プラスチック射出成形・ブランキングプレス・特殊印刷など、先進的な生産設備と専門技術職員を有する。近年は世界各地の文具メーカーと契約し、代理販売もしている。
まとめ:台湾の文房具・事務用品業界
台湾と日本の文房具メーカーがコラボレーションする機会も多く、日本製品への注目の高さは続いています。しかしコンピューターの普及などもあり、市場規模としては年々縮小しているので、慎重な姿勢が必要になるでしょう。