国内の急激な人口増加に伴い、娯楽・エンタメ業界も年々発展している中国。
ホテル業界では、内資・外資ともに台頭していますが、なかには業績が芳しくない企業も…
今回は、そんな中国のホテル業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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目次
中国 華住、初の5000を超えるホテル網構築へ〜ホテル業界事情〜
中国の大手ホテルチェーン、華住グループ(ナスダック上場)は2019年第3四半期の業績を発表した。同社は期間中、合計548のホテルを新たにオープンした。さらに、ブランドのアップグレードやビジネスモデルの変更のために、10のホテルを一時的な営業停止にした。同年9月30日時点で、華住傘下のホテルの総部屋数は504414となり、前年同期比で23%の増加であった。また、建設中あるいは建設計画段階のホテル数は1736であるとしている。
RevPARは215人民元、売上高は前年同期比10.4%増の31億人民元、EBITDAは898百万人民元であった。同社によれば、2019年通期の業績は、売上高が前年比10%から12%増になるとしている。
同社CEOのJi Qi氏によれば、華住は初めて全体で5000を超えるホテル網を構築することができた。また、シンガポールにおけるホテルの開業や、ドイツのホテル最大手Deutsche Hospitalityの買収を通じて、海外市場への進出を強化しているとのこと。
出典:http://ir.huazhu.com/news-releases/news-release-details/huazhu-group-limited-reports-third-quarter-2019-financial
米マリオット、中国にJWマリオット三亜海棠湾を開業〜ホテル業界事情〜
米ホテル最大手のマリオットインターナショナルは、2019年12月30日に、中国海南省に位置する三亜・海棠湾にJWマリオットブランドのホテルを開業したと発表した。JWマリオットとしては、中国国内で18カ所目、三亜では2カ所目の開業となる。南国の自然豊かな三亜のベイエリアに新たなホテルをオープンすることで、さらなる観光客の獲得を目指す。
新ホテルは、三亜鳳凰国際空港から車で40分の距離にあり、周辺地帯には、三亜ファンタジータウン、万達シネマ、南山寺などの有名観光スポットがある。同ホテルは、三亜・海棠湾の21.8キロにおよぶ海岸線上に位置している。
総部屋数は142、ヴィラの数は18となっており、レストランや特徴的な庭園も有する。加えて、企業のミーティング、結婚式、イベント開催などの用途のための施設も提供する。
出典:https://news.marriott.com/news/2019/12/30/jw-marriott-strengthens-presence-on-chinas-holiday-island-with-opening-of-jw-marriott-sanya-haitang-bay

中国に進出の香港上海大酒店、2019年中期業績を発表〜ホテル業界事情〜
香港証券取引所に上場する香港上海大酒店は、2019年1月1日から6月30日までの6ヶ月間の業績を発表した。香港情勢の悪化、中国の経済減速や欧州の情勢不透明感が、業績を押し下げたとしている。売上高は、前年同期比2%減の2791百万香港ドル、営業利益はおおよそ3%減の610百万香港ドルであった。
個別のハイライトとしては、香港ペニンシュラホテルの収入は事業環境の悪化などが原因となり7%減、上海ペニンシュラホテルの収入は競争の激化が原因となり、15%減であった。同社の経営陣は今後の香港情勢の推移を注視するとしている。
同社は今後の業績ガイダンスにおいて、全体の売上に占める比率の大きい香港地域を中心に、慎重に見ているとしている。経営陣は、香港情勢の鎮静化や米中貿易戦争の停止によって、業績が上向くことを望んでいる。
出典:https://www.hshgroup.com/zh-hk/media/press-releases/2019/interim-results-for-the-six-months-ended-30-june-2019
米ハイアット、アンダーズ・マカオの開業計画を発表〜ホテル業界事情〜
2019年11月5日の発表によると、米高級ホテル大手のハイアットホテルコーポレーションは、中国マカオにおいて、カジノ大手のギャラクシーエンターテイメント(銀河娯楽)と共同で、アンダーズブランドのホテルを建設するとのこと。新ホテルは、2021年上半期にオープンを予定している。今回の開発計画は、ギャラクシーエンターテイメントがマカオで手掛ける統合型リゾート(IR)プロジェクトの一環であり、マカオで初めてのアンダーズホテルとなる。
アンダーズ・マカオは、700部屋、アンダーズラウンジ、バー、レストラン、最先端のフィットネスセンター、室内プールを備え、ギャラクシー・インターナショナル・コンベンションセンターに直結している。
アンダーズとは、ヒンドゥー語で「パーソナルスタイル」を意味する。アンダーズホテルは、ニューヨーク、ロンドン、上海、ソウルなどで展開されている。
出典:https://newsroom.hyatt.com/110519-Hyatt-Announces-Plans-for-Andaz-Macau
中国で大手の上海錦江資本、2019年上半期の業績を発表〜ホテル業界事情〜
中国ホテル大手の上海錦江資本は、2019年上半期の業績を発表した。売上高は前年同期比2%増の9953百万人民元、営業利益は26.1%増の1666百万元、EBITDAは38.2%増の3350百万元であった。このうち、EBITDAの急増は、新たなリース会計基準を採用したことによるものが大きい。
同社は、2019年6月30日時点で、全世界66か国で7941のホテルを管理または所有しており、そのうち、中国国内のホテル数は6680にのぼる。また、同社は上海錦江飯店や和平飯店などのランドマーク物件も保有している。
同社は現在、ホテル事業を中心ビジネスとしながらも多角化を進めており、2019年上半期に企業名称を「上海錦江国際酒店」から「上海錦江資本」へ改名している。同社はホテル事業の他に、その周辺産業である食品・レストラン、物流、旅行代理店業務なども手掛ける。
出典:http://www.jinjianghotels.com.cn/UploadFiles/C_200620190830002.PDF
まとめ:中国のホテル業界事情
中国の娯楽・エンタメ業界は、経済発展・人口急増とともに成長が見られます。
ホテル業界は内資・外資ともに大手企業が存在感を見せます。アフターコロナ時代の今後の動向にも注目が集まります!