近年、大型の買収や急速な店舗拡大などが行われ、中国全土に広がり見せつつあるショッピングモール。また内陸部の開発に伴い、多数の有名ブランドが内陸部に初出店をしています。
今回は、そんな中国の百貨店・ショッピングセンター業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2020年 中国の百貨店・ショッピングセンター業界
中国 成都遠洋太古100%再生可能エネルギー電力供給へ〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
1866年に上海に進出し、現在北京、広州などで5つのショッピングモールを含めた総合プロジェクトを運営している太古グループの1つである成都遠洋太古が、100%再生可能エネルギー電力供給を実現させた。
開業以来、同社はエネルギー効率を改善するためにさまざまな技術と省エネ対策を研究している。今回、天然資源が豊富な四川省の特性を十分に活かし、周辺地域の人々の仕事と生活の質を改善することに成功した。
現在は、炭素削減目標の達成に向けてさらに一歩前進し、2060年までに炭素の中立性を達成するという中国政府の公約に対応できるように尽力している。
出典:https://www.swirepacific.com/sc/media/presseach.php?f=p201020.htm
中国の王府井グループが免税店を設立〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
2020年7月8日の発表によると、中国初の百貨店として北京百貨店を開業し、現在28都市に47か所の百貨店を展開する王府井グループは、免税店を設立した。
この免税店の運営範囲には、日用品、自動車、医療機器(I・II限定)、家電製品、衣料品、電子製品、宝石、手工芸品、医薬品の小売り、食品の販売、タバコの小売りなどが含まれる。
近年、中国の市場経済の継続的な発展と免税政策のさらなる自由化により、中国の免税市場は大きな発展の可能性を秘めている。免税店設立への投資は、会社の戦略的開発の方向性に沿っており、事業の拡大を目指している。
出典:https://www.wfj.com.cn/news/newsdetail?id=554

正大、中国の健康科学と未来のテクノロジー産業の牽引へ〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
中国最大の外資系企業であり、上海に2002年に正大広場を開店させた正大グループは、「21世紀中国最優秀ビジネスモデル賞」の選考において、「中国ベストビジネスモデルイノベーションアワード」を受賞した。
このイベントでは、専門家や学者、コンサルティング、起業家サービス、不動産、教育など様々な分野のビジネスリーダーが参加し、世界の経済状況、資本市場投資戦略、ブランドイノベーション、モデルイノベーション、ビジネスに焦点を当てた。
同社は「グリーンヘルス」と「技術革新」をメインテーマとしており、業界の発展動向を鋭敏に捉え、健康科学と未来のテクノロジー産業を牽引していくつもりである。
出典はこちら
中国の凯德グループ、ビジネス変革のフレームワークを発表〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
1994年に中国に進出し、42の都市で200以上のプロジェクトを管理している凯德グループは、上場20周年を迎え、ビジネス変革のフレームワーク「次の20年」を発表した。
このフレームワークは、「人材の構築」、「持続可能な開発」、「デジタル戦略」の3つのコア原則に基づいており、凯德グループがこの劇的な変化の時代に繁栄し続けることを約束したものである。
同社はグローバルな不動産会社になるというビジョンを掲げており、グローバル市場でのファンド管理と宿泊施設ビジネスプラットフォームによるグローバル展開に引き続き投資していくとした。
出典:https://www.capitaland.com/cn/zh/newsroom/CapitaLand-20th-anniversary.html2
中国の国貿商城、都市のイメージ向上などに貢献〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
国際貿易センター内のショッピングモールである国貿商城は、第18回チャイナショッピングアライアンスチャイナショッピングセンター国際フォーラムにて、「チャイナショッピングアライアンス2020シティサービスプロモーションアワード」を受賞した。 テーマは「新しい消費とサービスの質と能力の向上—ビジネス+産業+金融+」であり、中国のショッピングモールの分野で最大の業界年次サミットである。 この賞は、国貿商城が都市のイメージの向上、社会開発、サービスの向上に貢献したことを表彰するものであり、今後の更なる発展が期待されている。
出典:http://www.cwtc.com/detail/2216.html
2019年 中国の百貨店・ショッピングセンター業界
百貨店・ショッピングセンター業界大手のWanda、中国で拡大の勢い。世界記録を樹立!
2019年11月29日、300店目のWandaプラザが湖北省咸寧市にオープンした。過去20年間で、Wandaプラザは全国188都市に展開し、合計130万人の雇用を創出した。
Wanda Groupは、2000年より商業センターの建設と運営を開始した。1店舗目から100店舗目までのWandaプラザの建設は15年間かかった一方、100店舗目から300店舗目までの建設はわずか5年間となった。2019年末までに、323のWandaプラザがオープンする予定であり、出店のペースは世界のビジネス史の記録を樹立したようである。
統計によると、Wanda Groupの11年連続の新規雇用は、その年の中国の総新規雇用の1%を超えたとのことである。さらに、2016年以来、Wandaは毎年約50のWandaプラザを開設し、その年の中国の新規雇用総数の約1.5%を占めていたとのことである。また、Wandaプラザの従業員のうち大学生が35%以上を占めていた。
出典:http://www.wandaplazas.com/2019/company_1202/1829.html
上海でショッピングモール所有の株式、中国の三林印象城が買収へ〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
ストレイツ・トレーディング(シンガポール)、ARAアセットマネジメント(シンガポール)、投資ファンドのICBCI(中国系)の3社は共同で、上海市浦東に位置するショッピングモールを所有する企業の株式を全て買収することを発表した。買収総額は、2.42十億人民元である。
該当物件は、上海市浦東地区に位置する三林印象城。3キロ圏内に40万人の潜在顧客を抱えたモールは、複数の交通手段によるアクセスも良好である。2018年の第4四半期に開業し、現在は91.3%のテナント入居率をもつ。
買収に参画するARAアセットマネジメントは、香港の巨大財閥の創始者である李嘉誠が立ち上げに携わった、不動産の資産管理会社である。また、ICBCIは、中国国有の大手銀行である中国工商銀行傘下の投資ファンドである。
出典:http://straitstrading.listedcompany.com/newsroom/20191217_185921_S20_1408OU502ILAXWYD.1.pdf

顧客を中国の実店舗からアプリへ、イオンアプリ〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
2019年12月26日、イオン中国投資有限公司は、広東省深センに位置するイオンスタイル東湖店において、イオンアプリによるサービスを開始すると発表した。東湖店を皮切りに、全国で導入を拡大する見通しだ。
イオンアプリを使えば、衣食住に関わる商品や、TOPVALUなどのイオンプライベートブランドの商品をQRコードで簡単に購入したり、商品の配送依頼ができるようになる。特に、食品の場合は、効率的な流通過程や迅速な配達によって、消費者に新鮮な商品を届けることが可能になる。実店舗によるオフラインチャネルとアプリによるオンラインチャネルの結合を試みた新たな取り組みである
イオンスタイル東湖店は14万人のイオン会員を保有しており、顧客の流れを実店舗からアプリへと誘導する役目を担う。現段階では、店舗におけるアプリの宣伝などを通じて、顧客のアプリ使用を促している。
出典:http://www.aeonchina.com.cn/2019/operation/品质生活-抢鲜送达-永旺在深试点上线自有app/
中国の新城控股、相次いでショッピングセンターを開業〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
新城控股(seazen)は、2019年11月に相次いで「吾悦広場」ブランドのショッピングモールを開業している。同年11月8日に天津南、淮北にて、11月15日に陝西漢中、11月月末には桂林にて新規のショッピングモールを開業する。
同年11月15日時点で、同社は2019年で11箇所目の開業を終え、55のショッピングモールを所有することになる。最終的に累計開業数を64とする目標を掲げている。
今回新規に開業した漢中吾悦広場は、300あまりの国内外の著名ブランドを誘致した。そのうち、65のブランドは初めて陝西省に進出することとなり、124のブランドは漢中に初進出することとなる。Kidswant、多美奇、海底撈、ラネージュなどの著名ブランドを誘致することで、漢中地域のランドマークとなることを目指している。
出典:http://www.seazen.com.cn/news/news-details-1194.html
まとめ:中国の百貨店・ショッピングセンター業界
ECサイトの躍動により実地店舗の必要性が疑問視される日本とは異なり、中国の百貨店業界はまだまだ成長段階にあります。内陸部などの開発地域に合わせた出店が成功のカギになるのではないでしょうか。