インドネシアでは大統領令によりアルコールを含有する酒類産業が制限されています。
今回は、そんなインドネシアの酒類業界に関する最新情報をお届けします。
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2021年 インドネシアの酒類(飲食・食品メーカー)業界
インドネシアで業界大手のMulti Bintang、マルチベバレッジ企業へと変革
インドネシアでNo.1のビール生産販売会社PT Multi Bintang Indonesia Tbk(MLBI)の2019年売上高は3兆7,114億ルピアで前年比103.8%と増収であった。
ビールの生産量はほぼ横ばいであったが、ノンアルコール飲料の販売が2桁成長したため、全体で3.8%の増収が確保できた。とりわけBintangZero(ノンアルコールビール)とBintangRadler 0.0(ノンアルコールフルーツジュース)の販売が好調に推移した。
ビール市場全体では、ラガー、プレミアムラガー、ノンアルコールビールのシェアを拡大。さらに非アルコール系飲料では、サイダーなどの新しいカテゴリーが着実に成長しており、ビールメーカーからマルチビバレッジ企業への変革が進められている。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/3df1049f2f_c3d1e5fa31.pdf
インドネシアで業界大手のDelta、ビール物品税率15.4%増で減収
インドネシアでビールを生産販売するPT Delta Djakarta Tbkの2019年売上高は8,271億ルピアで、前年比92.6%と減収であった。
減収の要因は、年初にビールの物品税率が15.4%引き上げられたことに対応するため2020年8月から製品価格に転嫁したことで、需要の収縮を引き起こすことになったため。
2019年の販売促進施策は、外人観光客にも人気のあるジャカルタ、バニュワンギ(東ジャワ州)、フローレスとクパン(東ヌサ・トゥンガラ州)、マナド(北スラウェシ州)、トベロ(マルク諸島)、タニンバル(タニンバル諸島)に新しいディストリビューターを開設し、アウトレットを整備した。また、主要市場の自由貿易地域であるバタムでの販売強化を図った。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/cfc176c0f0_a0bbebbc46.pdf

インドネシアのStark Beerの特徴とは? 〜酒類業界動向〜
インドネシアでStark Beerを作るPT Lovina Beach Breweryは、2021年1月15日に「愛情を込めて作ったビール」と題してスタークビールをアピールした。
一般的な市販の瓶ビールは低温殺菌されている。ボトルにある程度の温度の温水スプレーがかけられ、バクテリアを殺し、ビールに残っている酵母が成長するのを防いでいる。そんな中、同社は温水スプレーの工程をスキップし、低温殺菌をしていない。
それでも安全性を担保できるように、ビールを常に新鮮に保つため継続的に冷し、可能な限り製造日に近い状態で消費する努力をしている。冷たく保たれた状態で買ったことを確認して、「味を愛し、愛を味わって下さい。」と締めくくっている。
出典: https://www.facebook.com/StarkBeer/photos/a.2225463404162454/4973542619354505
インドネシアのBALIHAI、オクトーバーフェスタ限定パック発売〜酒類業界動向〜
インドネシアでビールを生産するPT Bali Hai Brewery Indonesiaは2020年9月2日、バリハイオクトーバーフェストパックを限定で販売することを報じた。
オクトーバーフェストとは1810年から毎年10月の第1日曜日になるまでの2週間にドイツのミュンヘンで開催されるフェスティバルで、ドイツ中の醸造所が参加する祭典。大きなビアホールができ、世界中から何万人ものビール愛好家が集まる。
このオクトーバーフェストの開催時期に合わせて、バリハイプレミアムグラスを付けてBALIHAI Premium、DRAFT Beer、DIABRO、PANTER Blackを詰め合わせた限定パックをBliBliのオフィシャルストアで限定販売するという取り組みである。
出典: https://balihaibeer.com/news/celebrate-oktoberfest/
インドネシアのHattenwines、ワイン作りの卓越性を目指す〜酒類業界動向〜
HATTEN WINESのブランドで、インドネシアでワインを作るワイナリーPT ARPAN BALI UTAMAは2020年12月10日、インスタグラムに新年を迎えるにあたっての抱負を載せた。
「新しい年の始まりの準備ができたら、心をリフレッシュし、ハッテンシリーズの最高級ワインで精神を充電してください」とお願いした。
続いて、ハッテンの新年に向けての抱負として、ギリシャの哲学家プラトンの言葉を借りて、「The beginning is the most important part of the work.:はじまりは労働の最も重要な部分である。」より「26年前に事業を始めた時と同じように、新しい希望を持って新年を迎え、ワイン作りの卓越性を目指して努力しています」で締めくくった。
出典: https://www.instagram.com/p/CInE0XNHekL/
まとめ:インドネシアの酒類業界
インドネシアの人口は2億6千万人以上ですが、お酒を飲むことを宗教的に禁じられているイスラム教徒が80%以上を占めているため、実際にお酒を飲む人口は極めて少ないと言われています。そのため、インドネシアを訪れる外国人観光客の人数によってお酒の輸入量や現地での生産量が増えることになります。