日系のトイレタリーブランドは、市場で独自のポジションを確立しており、今後も売上増大が期待されています。
今回は、そんなシンガポールのトイレタリー・日用品業界に関する最新ニュースをお届け!シンガポールトイレタリー・日用品業界の今に迫ります。
読了時間の目安:5分
[toc]
2021年 シンガポールのトイレタリー・日用品(製造)業界
ユニ・チャーム、画期的なおむつを発売〜トイレタリー・日用品業界動向〜
ユニ・チャームは、近年降水量が増えていることから、After COVID-19におけるデング熱の拡大が懸念されているマレーシア・シンガポールにおいて、デングウイルスを媒介する蚊をおむつに寄せつけない、世界初アンチモスカプセル搭載の紙おむつ「MamyPoko Extra Dry Protect」を、2020年9~10月に発売した。
同社は、クアラルンプールで、デング熱の危険性や予防策について専門医とのパネルセッションの実施や、“デング熱から子を守る宣言”を「MamyPoko」の動画を通して発信し、デング熱拡大防止に取り組んでいる。
今回の発売により、SDGsで定めた17の目標のうち「3.すべての人に健康と福祉を」「12.つくる責任つかう責任」の2つに貢献できると同社は考えている。同社は商品やサービスの提供といった事業活動を通じて、SDGsの目標達成に貢献することを目指している。
出典:http://www.unicharm.co.jp/company/news/2020/1214706_13534.html
Colgate-Palmolive、最も革新的な企業に選出〜トイレタリー・日用品業界動向〜
歯磨き粉で有名なColgate-Palmoliveは、Fast Companyの2021年の世界で最も革新的な企業のリストに選ばれた。これは、リサイクル可能なプラスチックチューブを開発し、このテクノロジーをサードパーティとオープンに共有したことによる。
Fast Companyの権威ある年次表彰は、業界を変革し、社会を形成し、ビジネスと文化の両方に大きな影響を与えている組織を称えるものである。
同社は2021年2月、”Keep”を発売。これは、アルミニウム製のハンドルと交換可能なブラシヘッドを備え、同じサイズのColgate歯ブラシよりもプラスチックが80%少ない歯ブラシである。今後も革新的な変化を求め、さまざまな製品を開発していく。
出典: https://investor.colgatepalmolive.com/news-releases/news-release-details/colgate-palmolive-honored-one-fast-companys-most-innovative

Unileverのサステナビリティプラン〜トイレタリー・日用品業界動向〜
ユニリーバは、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランの導入から10周年を迎えた。アラン・ジョープ最高経営責任者(CEO)は、80億人の人々のために「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」というコミットメントを強化するとともに、新型コロナウイルスの感染が広がる中でも、社会的不平等と気候変動という危機が軽視されることのないよう、協力してアクションを起こしていくことを呼びかけた。
ユニリーバは毎年、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランの目標に対する進捗状況を報告してきた。その成果として、健康・衛生にかかわるプログラムを通じて13億人の人々にリーチし、消費者の製品使用1回あたりの廃棄物量を32%削減。また、世界中のすべての工場で埋め立て廃棄物ゼロを達成した。
他にも自社工場からの温室効果ガスの排出量を50%削減し、世界中のすべての工場で、電力系統から購入する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えた。今後もパッケージや廃棄物、ジェンダー平等、人権、気候変動やインクルーシブな社会などの重要な課題に取り組んでいく。
出典:https://www.unilever.com.sg/news/press-releases/2020/unilever-celebrates-10-years-of-the-sustainable-living-plan.html
LIONが長期の戦略的フレームワークを発表〜トイレタリー・日用品業界動向〜
ライオンは、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続けるため、中長期経営戦略フレーム「Vision2030」を策定した。具体的な戦略では、「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」のもと、サステナビリティ重要課題への取組みと3つの成長戦略を相乗的に推進する。
3つの成長戦略では①4つの提供価値領域における成長加速②成長に向けた事業基盤への変革③変革を実現するダイナミズムの創出を掲げる。
またサステナビリティ重要課題への取組み強化では、「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として、成長戦略の推進との相乗的な取組みを強化する。これらの戦略の推進により、30年の目指す業績イメージとして、連結売上高6000億円水準(海外事業の構成比50%程度)、事業利益500億円水準、ROIC8~12%、ROE10~14%、EBITDAマージン10~14%を掲げる。
出典:https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/7483/20210212_1.pdf
Kimberly-Clark、Softexを買収〜トイレタリー・日用品業界動向〜
米キンバリー・クラークは、ソフテックス・インドネシアを12億ドルで買収することで合意したと発表した。おむつやパーソナルケア製品の巨大な市場でシェア拡大を目指す。
マイク・スー会長兼最高経営責任者(CEO)は買収について「新興国市場への関与を深める成長戦略の一環」とコメント。インドネシアでは年間500万人の新生児が誕生し、紙おむつ市場は16億米ドル規模で世界第6位だという。同社は今回の買収により、インドネシアのみならず東南アジアでの大きな存在感を示せると強調した。
インドネシア2位のおむつメーカーであるSoftexは、売り上げの約80%をおむつから得ている。昨年の純売上高は4億2000万ドルで、生理用品なども手掛ける。
出典:https://investor.kimberly-clark.com/news-releases/news-release-details/kimberly-clark-acquire-softex-indonesia-significantly-expanding
まとめ:シンガポールのトイレタリー・日用品業界
多くのトイレタリー企業が重要な事業展開先として選ぶシンガポール。良好なビジネス環境や成長するアジア市場の重要地域であることなどがポイントとなっているようです。トレンドに敏感な消費者や優秀な人材が揃っている点で、日本企業にとっても進出しやすいのではないでしょうか?