マレーシアには公的な医療保険、介護保険は存在せず、社会保険制度といえるものは、退職者の所得確保制度である従業員積立基金(EPF)、及び従業員社会保障制度(SOCSO)に限られます。
今回は、そんなマレーシアの保険業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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目次
2021年 マレーシアの保険(金融・法人サービス)業界
マレーシアのHLAがオンラインでカスタマイズ商品発表〜保険業界動向〜
ホンレオングループ傘下のホンレオン・アシュアランスは、オンラインプラットフォーム「HLA Touch」で、年間保険料5リンギットから利用できる「HLA Stackable」を発表した。
COVID-19の流行は、デジタル化や非接触型取引を急速に普及させるきっかけになった。これを受け、顧客ニーズの変化から不測の事態が発生しても、誰もが手ごろな価格で簡単に利用できる保険を整備した。
HLA Stackableは生命保険だけでなく、事故による高度障害保険や入院保障などをカスタマイズできる。また、必要な時に保障範囲を広げることも可能であり、顧客はニーズに応じて柔軟に生命保険と組み合わせることができる。
出典:https://www.hla.com.my/CMS/News-Admin/Press-Release/2020/Hong-Leong-Assurance-Introduces-HLA-Stackable/Press-Release_HLA-Stackable-EN.aspx
マレーシア初のサイバー保険提供開始〜保険業界動向〜
アライアンスバンクとチューリッヒマレーシアは、サイバー犯罪による経済的損失からマレーシア人を守るため、マレーシア初のサイバー保険「Z-ALLIANCE CYBER PROTECT」を発表した。
同商品は、オンラインでの個人情報の盗難、恐喝、詐欺などによる金銭的損失から消費者を保護する。また、マルウェアに感染したパソコンの復旧費用や、商品・サービス未着に起因する不正取引の損失を補償する。契約は1日当たり0.31リンギットの価格で提供される。
アライアンスバンクのグループCEOは、COVID-19流行時に多くの消費者がオンラインで必需品を購入しており、個人向けサイバー保険は顧客をサイバー犯罪の被害から守るためのタイムリーなソリューションであると述べている。
出典:https://www.zurich.com.my/en/about-zurich/zurich-in-the-news/2020/2020-11-02

マレーシアにも展開するAIAがデジタル保険プランを発表 〜保険業界動向〜
生命保険と金融サービスを提供するAIAの子会社であるAIAジェネラルは、デジタル消費を行う顧客向けに初のデジタル保険プラン「AIA Online Shield」を発表した。
この保険プランは、事故、COVID-19、デング熱を範囲とし、給付や保険期間を柔軟に選択できる。事故による死亡の場合は最大5万リンギット、COVID-19とデング熱の場合は最大1.2万リンギットが保障される。「AIA Online Shield」は、大手オンラインショッピング・プラットフォームであるショッピーの12.12セール・キャンペーンに合わせてデジタル・デビューする。
新商品実現において、同社はZA Tech Globalと提携し、シンプルでありながら専門性の高い損害保険商品を開発しており、多くのデジタルプラットフォームとの提携を目指している。
出典:https://www.aia.com.my/en/about-aia/media-centre/press-releases/2020/aia-general-berhad-launches-innovative-digital-general-insurance-initiative.html
アリアンツとPOSマレーシアが提携 〜保険業界動向〜
保険・金融サービスを提供するアリアンツライフインシュアランスはPOSマレーシアと提携し、全てのマレーシア国民が手頃で利用しやすい生命保険プラン「Pos LifeCare」を発表した。
当該プランでは、死亡と高度障害を保障し、事故による死亡・障害、及びデング熱やCOVID-19感染による死亡についても追加の保険料が支払われる。また、デング熱で入院した場合も現金が給付される。保険は、毎年更新が可能な団体定期生命保険となっている。
アリアンツライフのジョセフ・グロスCEOは、本パートナーシップは、都市部と農村部の両方において、すべてのマレーシア人へ生命保険プランを提供することを目的としていると述べている。
出典:https://www.allianz.com.my/allianz-life-pos-malaysia-introduce-pos-lifecare-insurance-plan
マレーシアにおいてCOVID-19ワクチン基金で顧客支援 〜保険業界動向〜
保険大手のグレートイースタンは、COVID-19の予防接種プログラムの展開に伴い、顧客支援を行うためにCOVID-19ワクチン基金に総額100万リンギットを拠出することを発表した。
この基金では、COVID-19ワクチンの接種後14日以内に副作用による入院が発生した場合、1日あたり200リンギット(最大7日間)の入院費を顧客に給付する。また、接種後に副作用による入院から30日以内に死亡した場合、1万リンギットの一時金が支払われる。対象は、グレートイースタンライフアシュランス、グレートイースタンラジェネラルインシュアランス、そしてグレートイースタンタカフルの顧客となっている。
同社のダトー・コーCEOは、当該基金は同社が進める様々なCOVID-19対応の一つであるとしている。
出典:https://www.greateasternlife.com/content/dam/great-eastern/my/homepage/about-us/media-centre/news-and-press-releases/media-releases/2021/great-eastern-pledges-rm1million-covid-19-vaccine-fund.pdf
まとめ:マレーシアの保険業界
COVID-19の流行は、デジタル化や非接触型取引を急速に普及させるきっかけになり、これを受けて、顧客ニーズの変化から不測の事態が発生しても、誰もが手ごろな価格で簡単に利用できる保険の整備が重要となっています。