シンガポールの銀行業界は、DBS・OCBC・UOBという世界屈指の地場3大銀行が市場を牽引する、東南アジア随一の金融ハブです。外資系グローバル銀行も集積し、12社の主要プレイヤーがデジタルバンキングと資産運用サービスの拡充で競争を繰り広げています。
今回は、そんなシンガポールの銀行業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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シンガポールの主要銀行企業3選〜ローカル編〜
DBS Bank Ltd(DBSバンク)
DBSバンクは1968年にシンガポール政府系開発銀行として設立され、現在は東南アジア最大の銀行として知られる。SGXに上場し、テマセク・ホールディングスが筆頭株主として約29%を保有する。
消費者向けバンキングから企業・法人金融・投資銀行・資産管理・資本市場業務まで包括的な金融サービスを提供しており、シンガポール国内外でリテール・コーポレート双方の顧客に対応する。グローバルには18か国以上に拠点を持ち、特にグレーター・チャイナ・インド・東南アジアへの事業展開を強化してきた。
2024年にはAIと先進分析技術を活用した営業効率化と不正検知強化を推進し、デジタルバンキングにおいて業界をリードするポジションを維持した。デジタルバンク部門ではDBS DigiBank Indiaやインドネシア事業の拡大が続いている。
自己資本比率(CET1)は15.2%と健全な水準を維持しており、東南アジアを代表する国際的な金融グループとしての地位を確立している。
出典:https://www.dbs.com/
Oversea-Chinese Banking Corporation Ltd(OCBCバンク)
オーバーシー・チャイニーズ・バンキング・コーポレーション(OCBC)は1912年に設立されたシンガポール第2位の地場銀行であり、SGXに上場する。2024年12月期の連結純利益は前年比8%増の75億9,000万SGDとなり、3年連続で過去最高益を更新した。
事業はシンガポールを中心にマレーシア・インドネシア・中国・香港など19か国以上に拠点を展開する。グレーター・チャイナ市場では長年の実績と強固なネットワークを持ち、クロスボーダー・ウェルスマネジメントで競合との差別化を図っている。子会社のバンク・オブ・シンガポールはプライベート・バンキングのアジア有数の拠点として知られる。
2024年には中国系富裕層顧客の獲得において成果を上げ、デジタルバンキングにおけるAI活用の強化と、シンガポール政府主導のネット・ゼロ移行への融資支援(グリーンファイナンス)においても積極的な取り組みを展開している。
シンガポール最大級の地場銀行グループとして、地域金融の安定と発展に重要な役割を果たしている。
出典:https://www.ocbc.com/
United Overseas Bank Ltd(UOBバンク)
ユナイテッド・オーバーシーズ・バンク(UOB)は1935年に設立されたシンガポール第3位の地場銀行であり、SGXに上場する。ウィー一族が創業し、ウィー・エー・キャット現会長一族が主要株主として経営に関与している。2024年12月期の連結純利益は前年比6%増の60億5,000万SGDに達した。
シンガポールを本拠として東南アジア6か国(マレーシア・インドネシア・タイ・ベトナム・ミャンマー)と中国・香港・日本などグローバルに展開し、リテール・SME・コーポレート・インベストメントバンキングの各セグメントで事業を行う。
2024年にはASEAN市場でのデジタルバンキング機能の強化として、UOBモバイルアプリのリニューアルと24時間AI-chatbotサービスの拡充を行った。サステナブル・ファイナンス関連貸出の拡大も推進しており、シンガポール政府のグリーン計画に沿った融資ポートフォリオの再編が進んでいる。
東南アジア全域での強固な地盤と安定した収益基盤を持つシンガポールを代表する地場銀行グループである。
出典:https://www.uobgroup.com/
シンガポールの主要銀行企業3選〜日系編〜
MUFG Bank, Ltd. Singapore Branch(三菱UFJ銀行シンガポール支店)
三菱UFJ銀行シンガポール支店はMUFG Bank, Ltd.のシンガポール拠点であり、1957年に営業を開始した。2013年にはシンガポールをアジア・オセアニア地域本部として位置づけ、南アジア・東南アジア・オセアニアの13か国をカバーする地域統括拠点として機能している。
ホールセール・バンキングを主軸とし、法人・投資銀行業務(グローバルコーポレートバンキング、日系企業向けサービス、グローバルマーケッツ)を提供するほか、貿易金融・キャッシュマネジメント・プロジェクトファイナンスにおいて幅広いクライアントをサポートしている。
2024年にはASEAN法人顧客向けキャッシュマネジメントプラットフォームの機能拡充を実施し、グリーンファイナンスおよびサステナビリティ連動ローンの組成においても積極的に取り組んでいる。
MASの認可を受けた完全銀行ライセンス保有行として、三菱UFJフィナンシャル・グループの強固な財務基盤を背景にシンガポールの国際金融市場で重要な役割を担っている。
出典:https://www.bk.mufg.jp/global/globalnetwork/asiaoceania/singapore.html
Sumitomo Mitsui Banking Corporation Singapore Branch(三井住友銀行シンガポール支店)
三井住友銀行(SMBC)シンガポール支店は三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)傘下の三井住友銀行のシンガポール拠点であり、1963年に営業を開始した。2008年にはシンガポールをアジア太平洋地域の中核拠点に位置づけ、地域統括ハブとして機能している。
ホールセール・バンキングを主事業とし、法人金融・プロジェクトファイナンス・貿易金融・資金管理・シンジケートローンの組成において幅広いクライアントに対応する。日系企業の東南アジア進出支援においてもグループの顧客基盤を活かしたサービスを提供している。
2024年にはアジアのサステナブル・ファイナンス市場でグリーンボンドおよびサステナビリティ連動ローンの組成で積極的な実績を積み上げた。SMBCシンガポールオープン(ゴルフトーナメント)のスポンサーとしてブランド認知度の向上にも取り組んでいる。
MASの認可を受けた完全銀行ライセンス保有行として、SMFGのグローバル金融ネットワークを通じてシンガポール市場での存在感を維持している。
出典:https://www.smbc.co.jp/asia/singapore/
Mizuho Bank, Ltd. Singapore Branch(みずほ銀行シンガポール支店)
みずほ銀行シンガポール支店はみずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ銀行のシンガポール拠点であり、前身行の一つが1974年にシンガポールへの拠点を開設して50年以上の歴史を持つ。2023年4月にはアジア太平洋地域統括拠点としてのシンガポールの役割をさらに強化している。
みずほ銀行シンガポールは完全銀行ライセンスを保有し、2,000社超の法人顧客と1,000人超のスタッフを擁する。法人・投資銀行サービスを中核に、貿易金融・資金管理・プロジェクトファイナンス・財務に関する包括的なホールセール・バンキングサービスを提供している。
2024年7月のシンガポール拠点50周年を記念し、みずほシンガポール財団を設立してテマセク・トラストと連携したUS$100万規模の社会貢献基金を創設するなど、地域コミュニティへの貢献にも積極的に取り組んでいる。
みずほグループのアジア・オセアニア地域(東アジアを除く)の地域統括拠点として、シンガポールの国際金融市場における重要な役割を担っている。
出典:https://www.mizuhogroup.com/asia-pacific/singapore
シンガポールの主要銀行企業6選〜外資編〜
Citibank Singapore Ltd(シティバンク・シンガポール)
シティバンク・シンガポールはシティグループ(米国NYSE上場)のシンガポール法人であり、1902年にシンガポールに拠点を開設した120年以上の歴史を持つ外資系銀行の最古参である。
富裕層向けウェルスマネジメント(Citigold・Citigold Private Client)においては、グローバルな運用商品ラインナップと24か国以上での口座連携機能が国際的な移動の多い高所得者層に支持されている。コーポレートバンキング部門では多国籍企業のAPAC本社向けの法人ファイナンス・外為・デリバティブサービスを提供している。
2024年のシティグループ全体では組織改革が継続中であり、シンガポール拠点においてもテクノロジー投資の重点化とオペレーション効率化が進められた。AIを活用した与信審査・不正検知・顧客サービス自動化の強化に取り組んでいる。
120年超の歴史とグローバルネットワークを強みに、シンガポールの外資系銀行市場で最大級の存在感を維持している。
出典:https://www.citibank.com.sg/
Standard Chartered Singapore(スタンダード・チャータード・シンガポール)
スタンダード・チャータード・シンガポールはロンドン証券取引所に上場するスタンダード・チャータードplcのシンガポール法人であり、1858年にシンガポールに拠点を開設した168年以上の歴史を持つ。
アジア・アフリカ・中東・南アジアを主な事業地盤とする独自のグローバル戦略が特徴であり、シンガポールはその商業的中心地として機能する。ウェルスマネジメント部門(Priority Banking・Private Banking)では国際ポートフォリオへのアクセスとクロスボーダー資産管理サービスが富裕層に支持されている。
2024年には「Fit for Growth」戦略のもとコスト効率化と収益性向上を継続し、シンガポール拠点での法人金融・トレードファイナンス・外国為替業務の収益が安定成長を示した。フィンテック連携の強化とデジタルバンキング機能の拡充によりリテール顧客のデジタル移行を促進している。
168年以上の歴史とアジア市場への深い理解を背景に、シンガポールの外資系銀行市場での確固たる地位を維持している。
出典:https://www.sc.com/sg/
HSBC Singapore(HSBCシンガポール)
HSBCシンガポールはロンドン・香港両証券取引所に上場するHSBCホールディングスplcのシンガポール法人であり、1877年にシンガポールに支店を開設した140年以上の歴史を持つ。
シンガポールには多くの海外移住者(エクスパット)が居住することから、HSBC PremierおよびHSBC Jade(超富裕層向け)サービスが高い需要を持ち、英国・香港・中国との資産連携機能が特に評価されている。法人部門ではグローバル・トレードファイナンスやシンジケート・ローンにおいて幅広いクライアントに対応している。
2024年にはアジア富裕層向けのウェルスマネジメント強化を戦略的最優先事項とし、シンガポール拠点でのプライベートバンキング人員拡充と投資商品ラインナップの拡大を実施した。グリーンボンド・ソーシャルボンドの組成・流通業務でアジア市場をリードしている。
世界最大級の銀行グループとしての財務基盤とグローバルネットワークを武器に、シンガポールの外資系銀行市場での存在感を維持している。
出典:https://www.hsbc.com.sg/
JPMorgan Chase Bank, N.A. Singapore Branch(JPモルガン・チェース・バンク・シンガポール)
JPモルガン・チェース・バンクシンガポール拠点はニューヨーク証券取引所上場のJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーのシンガポール拠点であり、1964年に事業を開始した。アジア太平洋地域のグローバル法人・投資銀行業務の主要ハブとして位置づけられている。
MASの認可を受けた完全銀行ライセンス保有行として、法人・投資銀行(M&A・引受・融資)、商業銀行、資産管理、プライベートバンキングの包括的なサービスを提供する。現地の企業・機関・多国籍企業・政府・個人顧客向けに業界横断的な金融商品とサービスを展開している。
2024年にはアジア太平洋市場での投資銀行業務強化とプライベートバンキングの顧客基盤拡大を推進した。シンガポールをアジア太平洋地域の事業拡大の戦略的中核として位置づけ、テクノロジー・フィンテック分野への投資も継続している。
JPモルガン・チェースの2024年グループ純利益は584億米ドルで過去最高を記録しており、その財務基盤を背景にシンガポール市場での存在感を維持している。
出典:https://www.jpmorgan.com/SG/en/about-us
Maybank Singapore(メイバンク・シンガポール)
メイバンク・シンガポールはクアラルンプール証券取引所(Bursa Malaysia)に上場するMalayan Banking Berhad(Maybank)のシンガポール法人であり、マレーシア最大・東南アジア有数の規模を誇る銀行グループの一員として個人向けバンキング・SME融資・コーポレートバンキング・イスラム金融サービスを提供する。
Maybankグループはシンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・タイ等東南アジア全域に展開し、イスラム金融部門(Maybank Islamic)では東南アジア最大規模のシャリア準拠金融商品を提供する。
2024年にはデジタルバンキング・プラットフォームのMaybank2Uアプリをアップグレードし、モバイルバンキング機能の拡充を実施した。ESG融資ポートフォリオの拡大と中小企業向けグリーン・トランジション・ローン商品の提供を進めている。
東南アジア全域での存在感とイスラム金融の専門性を背景に、シンガポール市場で独自のポジションを確立している。
出典:https://www.maybank.com/en/singapore.page
Bank of China Singapore(中国銀行シンガポール)
中国銀行シンガポールは香港証券取引所および上海証券取引所に上場する中国銀行(Bank of China)のシンガポール法人であり、1936年にシンガポールへの拠点を開設した80年以上の歴史を持つ。
シンガポールにおいては人民元のオフショア決済・交換・運用サービスの提供において外資系銀行として高い競争力を持ち、中国との貿易・投資に関わる多国籍企業および中国系地場企業への金融サービス提供に強みを持つ。
2024年には中国の一帯一路(BRI)関連プロジェクトへの融資サポートをシンガポールを通じて継続的に提供した。個人向けデジタルバンキングサービスでも機能拡充が進んでおり、中国語・英語の二言語対応アプリによるモバイルバンキング利用率が上昇傾向にある。
人民元国際化とBRI推進という中国政府の政策方針を背景に、シンガポールの外資系銀行市場で独自のポジションを維持している。
出典:https://www.bankofchina.com/sg/
FAQ
シンガポールの主要銀行とは何ですか?
シンガポールの主要銀行は、国内外の11行で構成されており、それにはローカル、日系、外資系銀行が含まれています。これらの銀行は、企業情報や事業内容においてシンガポールの金融業界の中心的な役割を果たしています。
UOB Bankの特徴と評価は何ですか?
UOB Bankはアジア太平洋を中心に展開する大手銀行で、世界のトップ銀行の一つとして評価されています。2021年時点で総資産は4,590億シンガポールドル、純利益は41億シンガポールドルであり、顧客預金額も多いです。ムーディーズやS&Pなどの格付け機関から高い評価を受けています。
シンガポールの銀行で最も安全とされる銀行はどれですか?
OCBC Bankは、シンガポール最古の銀行の一つで、世界で最も安全な銀行トップ50に毎年ランクインしています。財政基盤が強固であり、長い歴史と信頼性に基づいて高く評価されています。
POSB Bankの歴史と役割は何ですか?
POSB Bankはシンガポール最古の銀行で、1877年に設立されました。もともとは郵便局の貯蓄銀行として低所得者向けの銀行サービスを提供し、後にDBSに買収されました。現在も多くの支店とATMを運営し、シンガポールの庶民の銀行として重要な役割を果たしています。
シンガポールにおける日系銀行の主要なプレイヤーはどこですか?
シンガポールにおける日系銀行の主要プレイヤーには、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3行があります。これらの銀行は、法人や投資銀行のサービスを提供し、アジア太平洋地域で積極的に展開しています。

