キャッシュレス決済やデビットカード導入により支払い方法が変わってきています。効率的なキャッシュレス決済は今後も拡大していくのでしょうか?
今回は、そんなタイの銀行業界に焦点を当て、主要銀行14選ついてお届けしていきます!
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タイの主要銀行9選〜ローカル企業編〜
Kasikorn Bank (カシコン・バンク)
1945年にタイ農民銀行として創業した。総資産は3兆614億バーツとタイで4位の規模を持つ大手銀行。2020年末時点の総預金額は2兆3,450億バーツ。2020年の売上高は前年比3.5%減の1,548億バーツ、純利益は前年比24%減の295億バーツであった。
タイ国内の支店数は862店舗ある。海外支店はASEAN諸国を始め、中国、日本などを含む8か国に17拠点が存在。
生命保険大手のMuang Thai Life Assurance PCLと提携し、同社の保険商品を取り扱っている。SCBと同様、デジタル化に力を入れており、モバイルバンキングアプリ”K Plus”の利便性が高いとして利用者に高評価を受けている。同アプリで資産管理や保険の申し込み、ネットショッピング等が可能である。
出典: https://www.kasikornbank.com/th/personal
Siam Commercial Bank (サイアム・コマーシャル・バンク)
1907年に創業の、タイで最初に設立された銀行である。タイ王室と深い関わりを持ち、タイ国王が全株式の23%を所有する筆頭株主である。総資産は3兆2,804億バーツとタイで2位の規模を持つ大手銀行。2020年末時点の総預金額は2兆4,205億バーツ。2020年の売上高は前年比13%減の1,447億バーツ、純利益は前年比33%減の272億バーツであった。
タイ国内の支店数は849店舗ある。海外支店はASEAN諸国を始め、中国、香港などを含む7か国に8拠点が存在。
デジタル化に力を入れており、インターネットバンキング、モバイルバンキングでの取り扱いサービスも多い。2020年にはフードデリバリーアプリ”Robinhood”の提供を開始した。同アプリでは中小の飲食店の支援を目的に、加盟店への手数料や配送料を無料にしている他、ローンの申し込みも簡単に行うことができるようになっている。
出典: https://www.scb.co.th/th/home.html
Krung Thai Bank (クルン・タイ・バンク)
1966年に創業した、タイ王国の財務省直轄の国営商業銀行である。タイ政府が全株式の55%を所有している。総資産は3兆2,270億バーツとタイで3位の規模を持つ大手銀行。2020年末時点の総預金額は2兆4,632億バーツ。2020年の売上高は前年比2.7%減の1,222億バーツ、純利益は前年比43%減の167億バーツであった。
タイ国内の支店数は981店舗あり、バンコク銀行に続き2位。海外支店はASEAN諸国を始め、インド、イギリス、アメリカなどを含む8か国に9拠点が存在。
グループ会社にクレジットカード大手のKTC(Krung Thai Card)や証券会社のKrungthai ZMICO Securities、生命保険のKrungthai-AXAなどがあり、それぞれ高品質なサービスを展開している。
出典: https://krungthai.com/
Bangkok Bank(バンコク・バンク)
1944年に創業した。総資産は3兆3,850億バーツとタイで1位、ASEANでも6位の規模を誇る大手銀行。2020年末時点の総預金額は2兆8,109億バーツ。2020年の売上高は前年比11%減の1,187億バーツ、純利益は前年比52%減の172億バーツであった。
法人向け融資を得意とし、タイ国内に240のビジネスセンターとビジネスデスクを構える。法人顧客を中心に口座数はタイ国内に1,700万口座以上、支店は1,128店舗ある。海外支店もASEAN諸国を始め、日本や中国、イギリス、アメリカなどを含む14か国に330拠点を持っている。
日本企業、日本人向けのサービスも充実しており、日本語ウェブサイトもある。個人向けのサービスとしては預貯金、クレジットカード、住宅ローン、ネットバンキングなど一般的な金融機関のサービスを網羅している。
2020年5月にインドネシアのPT Bank Permata Tbkを買収した。これはタイの銀行による最大規模の国際買収案件であり、タイ銀行の中での国際的な存在感をさらに強化することとなった。
出典: https://www.bangkokbank.com/
Bank of Ayudhya(バンク・オブ・アユタヤ)
1945年にバンコク北郊のアユタヤ県に創業した。2013年に日本の三菱UFJ銀行の傘下となり、2015年に三菱UFJ銀行のバンコク支店が統合された。総資産は2兆6,094億バーツでタイでは5位の規模を持つ。2020年末時点の総預金額は1兆8,345億バーツ。2020年の売上高は前年比5.8%減の1,140億バーツ、純利益は前年比30%減の230億バーツであった。
タイ国内の支店数は666店舗ある。海外支店はラオス、ミャンマーに存在。
三菱UFJ銀行の傘下であるため、日本企業との取引が多く、日本人向けのサービスも充実している。日本語のコールセンターがある他、バンコクの主要ショッピングモールには日本語デスクが存在し、口座開設、投資信託、クレジットカード申し込み、オートローンなども日本語で対応している。
出典: https://www.krungsri.com/th/personal
TMB Thanachart Bank (ティーエムビー・タナチャート・バンク)
2019年に資産規模7位のTMB銀行が同6位のThanachart銀行を買収し、経営機能の統合を進めている。総資産は1兆8,083億バーツでタイで6位の規模を持つ。2020年末時点の総預金額は1兆3,734億バーツ。2020年の売上高は688億バーツ、純利益は101億バーツであった。(金額はThanachart銀行分を含む。)
タイ国内の支店数は計732店舗あるが、旧TMB銀行と旧Thanachart銀行の支店で立地の重複が見られる他、銀行業界のデジタル化の流れを受け、支店数削減が計画されている。海外ではラオスにも支店がある。
旧Thanachart銀行の強みであるオートローン事業の強化と、バンカシュアランス商品(銀行+保険)や投資信託商品などの提供を通じて顧客の様々なニーズに答えることを目指している。
出典: https://www.tmbbank.com/home, https://www.thanachartbank.co.th/TbankCMSFrontend/defaulten.aspx
Kiatnakin Phatra Bank(キアットナーキン・パトラ・バンク)
1971年に創業した財閥系銀行。総資産は3,634億バーツで、2020年末時点の総預金額は2,515億バーツ。タイ証券取引所SETにも上場しており、タイの主要株価指数のSET 50 Indexにも含まれている。2020年の売上高は前年比8.7%増の208億バーツ、純利益は前年比14%減の51億バーツであった。タイ国内の支店数は計66店舗である。
2012年にKiatnakin BankとPhatra Capitalが合併してできた経緯がある。現在は銀行のKiatnakin Phatra Bank PCL、投資会社KKP Capital PCL、投資信託会社Kiatnakin Phatra Securities PCL、資産管理会社Kiatnakin Phatra Asset Management Co.,Ltdにそれぞれの社名とロゴを設定している。
出典: https://bank.kkpfg.com/th/home
Land and Houses Bank(ランド・アンド・ハウス・バンク)
2004年にタイ証券取引所SET上場企業の不動産開発大手Land & Houses PCLの傘下として設立された。同社グループ会社間での株式の持ち合いを経て、2016年にLH Financial Group PCLが99.99%の株式を取得し同社傘下となって以降、現在に至る。総資産は2,400億バーツで、2020年末時点の総預金額は1,827億バーツ。2020年の売上高は前年比2.0%減の77億バーツ、純利益は前年比36%減の21億バーツであった。タイ国内の支店数は計109店舗である。
銀行としては法人向け、中小企業(SME)向け、個人向けの各サービスを網羅している。個人向けでは通常の預貯金、保険販売(生命保険、火災保険、健康保険)、資産管理などに加えて不動産取引も行う。
出典: https://www.lhbank.co.th/Home/Index
Government Savings Bank (ガバメント・セービングス・バンク)
1913年にラマ6世により政府の貯蓄事務所として設立、1947年にラマ9世により現在の形態となった政府系の貯蓄銀行。タイ財務省の監督下に置かれている。タイ国民の幸せのために国の資産を守り、タイの社会を発展させていくことを目的としている。 l
国民のための個人ローンや投資信託、保険といったサービスを提供している。また、口座に入金しておくと通常の預金金利の他、月1回の宝くじのチャンスがあり、当選すると預金額が増える。口座への入金額が大きくなるにしたがって宝くじに当選する確率も高まる。
出典: https://www.gsb.or.th/personal/personals/
タイの主要銀行2選〜日系企業編〜
三井住友銀行(ミツイスミトモギンコウ)
日本のメガバンク三井住友銀行のタイ支店。首都バンコクと東部チョンブリに2つの拠点がある。タイでの歴史は1952年から60年以上に渡り、法人取引を中心にアジアの重要拠点として成長してきた。総資産は785億バーツで、2020年末時点の総預金額は217億バーツ。
また2005年にグループ会社のSMBCコンシューマーファイナンスがプロミスタイランドを設立し、消費者金融事業も行なっている。同社の2020年3月度の営業貸付金残高は301億円であった。
2018年にはタイの国家科学技術・イノベーション政策局(STI)と投資誘致に向けた覚書を締結した。同機関との提携は金融機関として初。三井住友銀行はタイ政府が開発を推進する経済特区である東部経済回廊(EEC)などに投資を促し、STIは三井住友銀行の顧客企業に研究者やエンジニアなどの人材を紹介するなどして協力する。
出典: https://www.smbc.co.jp/
みずほ銀行 (ミズホギンコウ)
日本のメガバンクみずほ銀行のタイ支店。首都バンコクと東部ラヨーンに2つの拠点がある。タイには日系企業も多く進出しているため、同社にとって重要戦略マーケットの一つとしている。
タイでは他機関や他行との協力により事業を進める姿勢が見られる。2018年3月には東部経済回廊(EEC)事務局と、企業の投資誘致に関する業務協力覚書を締結した。タイへの投資を検討する企業への情報提供やサポートを行っている。
2006年からはTISCO銀行と金融サービスでの業務提携を結び、情報交換や顧客の紹介などを行ってきた。2020年7月からは同行の親会社TISCOファイナンシャルグループとの業務提携契約を締結し、証券業務分野やアセットマネジメント分野でも協業することで顧客の多様なニーズに応えようとしている。
出典: https://www.mizuhobank.co.jp/index.html
タイの主要銀行3選〜外資企業編〜
CIMB (シーアイエムビー)
1998年、金融機関開発基金(FDIF)を主要株主に前身のBank Thai PCLとして設立された。2008年にマレーシアのCIMB BNk Berhadが筆頭株主となりCIMBのグループとなった。タイ証券取引所SETにも上場している。総資産は4,072億バーツで、2020年末時点の総預金額は1,942億バーツ。2020年の売上高は前年比5.5%増の149億バーツ、純利益は前年比14%減の13億バーツであった。
タイ国内の支店数は計58店舗である。海外支店は本社のあるマレーシアを中心にASEANに669支店、さらに香港、中国、韓国、インド、イギリス、アメリカにもある。
デジタル化を進めることにより、同社の重要マーケットであるASEANでの存在感をより高めようとしている。
出典: https://www.cimbthai.com/th/personal/home.html
Tisco Bank (ティスコ・バンク)
タイで最初の投資銀行として設立されたアメリカ系銀行。タイ証券取引所SETにも上場している。総資産は2,650億バーツで、2020年末時点の総預金額は2,049億バーツ。2020年の売上高は前年比2.7%減の189億バーツ、純利益は前年比17%減の61億バーツであった。タイ国内の支店数は計57店舗である。
個人向け(リテール)、法人向け(コーポレート)、資産管理の3つの事業分野を持つ。特に投資銀行としてのバックグラウンドを活かした資産管理が強みであり、アメリカの証券取引所、東京証券取引所など主要市場での国際投資も手掛ける。
出典: https://www.tisco.co.th/th/personal.html
UOB (ユナイテッド・オーバーシーズ・バンク)
シンガポールに本社を置く外資系銀行。タイでは設立から39年の歴史を持つ。総資産は6,323億バーツで、2020年末時点の総預金額は4,915億バーツ。2020年の売上高は前年比7.7%減の46億バーツ、純利益は前年比64%減の17億バーツであった。
タイ国内の支店数は計146店舗である。海外支店はASEANを中心に中国、日本などの東アジアや、フランス、イギリス、アメリカといった欧米を含む19か国に500店舗以上が存在する。
アジア市場における80年以上の経験から同市場の商習慣を理解しており、法人向け、個人向け、資産管理などでニーズに応えた幅広いサービスを展開している。
出典: https://www.uob.co.th/personal-en/index.page

バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。

