台湾の法律事務所業界は、理律法律事務所や萬國法律事務所などローカル大手がM&A・知的財産分野で存在感を示す一方、日系の西村あさひ、外資のベーカーマッケンジーも展開する市場です。台湾の主要企業は国際案件対応の強化を進めています。
今回は、そんな台湾の法律事務所業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社の最新情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
台湾の主要法律事務所企業9選〜ローカル編〜
TIPLO Attorneys-at-Law (ティプロ)
TIPLO Attorneys-at-Law(台灣國際專利法律事務所)は、1965年に創立者の林敏生弁護士らを中心に、特許・商標の権利化を核とする知的財産権業務代理を目的として設立された事務所である。台湾における知財専門の先駆的存在として知られる。
知的財産権を中心に据えたフルサービス型の総合法律事務所として発展し、弁護士・弁理士に加えて特許技術者や翻訳担当を含む数百名規模の陣容を擁する。日本語に堪能な弁護士・弁理士・技術者を多数抱える点が大きな特徴である。
日系企業の台湾進出や現地での権利保護を長年支援してきた実績を持ち、出願・審査対応から訴訟・ライセンスまで一貫したサービスを提供している。日本企業からの信頼が厚い。
2026年時点でも、知財を軸としながら投資・企業法務まで幅広く対応する総合事務所として、台湾の知的財産分野を牽引する存在であり続けている。日本語対応体制の厚みは際立っている。
出典:https://www.tiplo.com.tw/jp/index.aspx
Lee and Li (リーアンドリー)
Lee and Li(理律法律事務所)は、1953年に李澤民弁護士が台北に事務所を構えたことに始まる、台湾で最も歴史が長く最大規模を誇る総合法律事務所である。1970年に中国語名を「理律」と定めた。
本部を台北市忠孝東路に置き、上海・北京・東京にも提携拠点を持つ。全所員は850名を超え、パートナー・シニア顧問70名以上、国内外弁護士約250名、弁理士・特許代理人140名以上を擁する台湾最大級の陣容である。
金融・資本市場、コーポレート・投資、日本業務、訴訟・紛争解決、特許・科学技術、商標・著作権の6分野を柱とし、あらゆる企業法務を一貫して扱える総合力を強みとする。日本企業向けの専門チームも備える。
2026年時点でも規模・実績の両面で台湾法曹界を代表する存在であり、大型M&Aやクロスボーダー案件で中心的な役割を担い続けている。
出典:https://www.leeandli.com/TW
Formosa Transnational (フォルモサトランスナショナル)
Formosa Transnational(萬國法律事務所)は、1974年に范光群・陳傳岳・黃柏夫・賴浩敏の四弁護士が共同で設立した台湾を代表する総合法律事務所である。伝統的な商工業から国際的な市場競争・経済案件まで幅広く対応してきた。
経験豊富な弁護士と各分野の専門家を擁し、中小企業から国際的大企業まで国内外の顧客に高水準のリーガルサービスを提供している。企業法務・訴訟・知的財産・金融など総合的な取扱分野を持つ。
財団法人萬國法律基金會を設立するなど公益活動にも積極的で、司法改革や憲政改革、国家資産管理といった社会的テーマにも継続して関与し、社会各界からの信頼を集めている。
2026年時点でも、公益への関与と高い専門性を両立させた老舗事務所として、台湾の法曹界で確固たる地位を保っている。長年培った信用が最大の資産である。
出典:https://www.taiwanlaw.com/
Tsar & Tsai Law Firm (ツァー・ツァイ)
Tsar & Tsai Law Firm(常在國際專利法律事務所)は、1965年に蔡六乘弁護士と蔡中曾弁護士の親子によって台北で開業された、台湾でも最大級の歴史を持つ総合法律事務所である。国際色の強い業務基盤を早くから築いてきた。
業務分野は国際投資、企業法務、技術移転、バンキング、ファイナンス、M&A、税務、証券、公正取引、不動産、知的財産権、国際訴訟・仲裁など多岐にわたり、幅広い専門領域を一つの事務所で扱える。
クライアントごとにオーダーメイドのリーガルサービスを提供する姿勢を掲げ、複雑な戦略策定から日常的な法律相談まで、依頼者が抱える問題の解決を手厚く支援している。
2026年時点でも、外資・国際案件に強い老舗事務所として台湾市場で存在感を保ち、クロスボーダー投資やM&Aの分野で有力な選択肢であり続けている。
出典:https://www.tsartsai.com.tw/
Brain Trust International Law Firm (ブレイントラストインターナショナル)
Brain Trust International Law Firm(群勝國際法律事務所)は、1995年に設立された国際商取引と訴訟に軸足を置く法律事務所である。台北市松山区に拠点を置き、国境を越えた紛争解決に強みを持つことで知られる。
国際的な紛争や国内訴訟の解決に長けた国際弁護士チームを擁し、代表を務めるHung Ou Yang(歐陽宏)弁護士のもとで、多国籍企業から中小企業、個人まで幅広い顧客層に対応している。
取扱分野は国際訴訟、企業の内部調査、コンプライアンス、コンサルティングなどに及び、製造・サービス・テクノロジー産業のクライアントを多く抱える。The Legal 500やAsialawからも評価を得ている。
2026年時点でも、国際訴訟・紛争解決に特化したブティック型の国際事務所として、台湾で独自の地位を築いている。専門特化型の強みが評価されている。
出典:https://www.btlaw.com.tw/
Formosa Brothers Attorneys-at-Law (フォルモサ・ブラザーズ)
Formosa Brothers Attorneys-at-Law(寰瀛法律事務所)は、1997年に設立された台湾屈指の総合法律事務所である。設立以来積み上げてきた評判と専門的基盤を強みに、訴訟・非訴訟の双方で豊富な実績を持つ。
知識・経験・能力を備えた法律専門家集団を擁し、専門分野横断のチーム編成によって、顧客のニーズに応じた包括的なサービスを提供している。時代の動向に即応する体制づくりを重視している。
国際的な法律事務所連盟であるAlly LawおよびCathay Associatesの会員であり、海外の事務所と長年協力してグローバル案件に対応してきた点が特徴である。現地市場の開拓にも積極的である。
2026年時点でも、国内基盤と国際ネットワークを併せ持つ総合事務所として、クロスボーダー案件を含む幅広い分野で台湾企業・外資企業を支援し続けている。
出典:https://www.fblaw.com.tw/
LCS & Partners (エルシーエス)
LCS & Partners(LCS協合國際法律事務所)は、1998年の設立以来、M&A、資本市場、投資・融資を出発点に業務領域を拡大してきた台湾の有力法律事務所である。国内案件と外国関連案件の双方を扱う。
企業財務、M&A、資本市場、公正取引、労働、知的財産権、技術法、信託、税制、不動産、証券化、エネルギー、融資、仲裁・訴訟、破産・再編など、極めて広範な分野に対応できる一流のチームを擁している。
エネルギーやプロジェクトファイナンス、プライベート・エクイティ、ベンチャーキャピタルといった専門性の高い分野にも早くから取り組み、台湾市場で確かな実績を築いてきた。
2026年時点でも、金融・投資分野に強みを持つフルサービス事務所として、洋上風力をはじめとするエネルギー案件やクロスボーダー投資で存在感を発揮している。
出典:https://www.lcs.com.tw/
Lin & Partners (リン・パートナーズ)
Lin & Partners(恆業法律事務所)は、2009年に設立された企業買収・金融・紛争解決などを手掛ける法律事務所である。民事・商事・金融・刑事にわたる知識と、長年にわたって蓄積してきた専門的経験を強みとする。
航空法、エネルギー法、電子商取引、電子バンキング、インターネット、ブロックチェーン、フィンテック、通信といったハイテク法務分野に早くから注力し、IT人材を組み込んだ体制で高い付加価値を提供している。
設立以来、世界的な弁護士評価機関であるChambers Asia-Pacificから最高水準の法律事務所の一つとして継続的に評価を受けており、新興分野での専門性が国際的にも認知されている。
2026年時点でも、金融・テクノロジー法務に強い中堅事務所として、規制対応や新技術関連の案件でクライアントを支援し続けている。専門特化の姿勢が特色である。
出典:https://www.linandpartners.com.tw/
Chien Yeh Law Offices (チエンイェロウオフィス)
Chien Yeh Law Offices(建業法律事務所)は、1973年に法学博士のZeng Shixiong(曾世雄)弁護士によって設立された法律事務所である。会計事務所も併設し、法務と会計の双方のサービスを一体で提供する点に特徴がある。
創業以来、事業範囲を拡大し続け、現在では総従業員数が100名近くに達している。台北と台中の2拠点にサービスオフィスを構え、企業法務を中心に幅広い案件を扱っている。
米国・日本・中国本土をはじめ、欧州やアジア各国の主要な法律事務所と緊密な協力関係を築いており、世界各地のネットワークと組み合わせた国際的なリーガルサービス網を形成している。
2026年時点でも、法務と会計を横断する総合力を武器に、国内外の企業のクロスボーダー取引や進出支援を担う事務所として事業を継続している。二拠点体制で中部地域にも対応する。
出典:https://www.chienyeh.com.tw/
台湾の主要法律事務所企業3選〜日系編〜
Kuroda Law Offices (クロダロウオフィス)
Kuroda Law Offices(黑田日本外國法事務律師事務所)は、日本の黒田法律事務所および黒田特許事務所を母体とする外国法事務律師事務所である。母体は1995年の設立以来、豊富な経験と法律知識を背景にグローバルなリーガルサービスを提供してきた。
2009年6月に台湾に黑田日本外國法事務律師事務所を開設し、台湾企業および在台湾日系企業のクライアントに対し、知的財産権、投資、金融などの分野でサービスを提供している。
2013年には事業拡大に伴い、オフィスを台北市の中心である中山区に移転した。日本語に堪能な弁護士やスタッフが常駐し、必要に応じて中国や外国の法律事務所・特許事務所と連携している。
2026年時点でも、日台間の知財・投資案件を橋渡しする日系事務所として、日本企業の台湾ビジネスを法務・知財の両面から支援し続けている。日本語対応の手厚さが強みである。
出典:https://www.kuroda-law.gr.jp/tw/
Nishimura & Asahi (ニシムラ・アサヒ)
Nishimura & Asahi(西村あさひ法律事務所)は、1966年設立の西村法律事務所を源流とし、度重なる統合を経て日本最大級の規模へと発展した総合法律事務所である。企業法務・金融・国際案件などで豊富な実績を持つ。
2020年4月に台湾事務所「Nishimura & Asahi Taiwan Co.(西村あさひ法律事務所台湾)」を開設した。日本の大手法律事務所として初めて台湾に拠点を構えたことで注目を集めた。
台湾拠点は張勝傑弁護士(台北常駐)と孫櫻茜弁護士(東京常駐)が共同代表を務め、日系企業の台湾投資、日台企業間の提携、M&A、紛争解決、東南アジアへのクロスボーダー案件などを扱っている。
2026年時点でも、日台をつなぐ橋渡し役として東南アジアも視野に入れた案件対応を進めており、日本企業にとって台湾進出の有力な相談先であり続けている。
出典:https://www.nishimura.com/ja/offices/taipei.html
Cast Global Group (キャストグローバルグループ)
Cast Global Group(キャストグローバルグループ、旧A.I.グローバル)は、台湾進出時の会社設立・認可取得といったビジネスインフラの構築から、進出後の現地における法律トラブルの予防・解決まで、台湾での総合的なサポートを提供するグループである。
弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、中小企業診断士、司法書士、行政書士、社会保険労務士など多様な専門資格を持つメンバーが有機的に結びつき、法律に関わる各種ソリューションをワンストップで提供する体制を築いている。
グループの拠点は国内22拠点・海外8拠点に及び、国内企業の海外進出や海外企業の日本進出、投資家の海外投資をアジア中心に支援している。台北にも拠点を構える。
2026年時点でも、士業横断型のワンストップ支援を強みに、日系企業の台湾ビジネスを設立から運営まで一貫して支える存在であり続けている。
出典:https://www.forcustomer.com/cn/taipeioffice/
台湾の主要法律事務所企業3選〜外資編〜
Baker McKenzie (ベーカーマッケンジー)
Baker McKenzie(ベーカーマッケンジー)は、1949年にRussell BakerとJohn McKenzieによって米国シカゴで設立された、世界最大級の国際法律事務所である。40か国以上に多数のオフィスを構え、数千名規模の弁護士を擁する。
60を超える国籍の専門家が多数の言語に対応し、多くの弁護士が本国以外で法務サービスに従事している。国境を越えた企業法務・M&A・税務・知的財産などを世界規模で扱う体制を強みとする。
台湾では現地拠点を通じてクロスボーダー案件に対応しており、M&Aや資本市場、規制対応などで国際的なネットワークを生かしたサービスを提供している。日本でも1995年から特定共同事業を展開してきた。
2026年時点でも、グローバルな統合ネットワークを背景に、台湾に進出する多国籍企業や台湾企業の海外展開を支援する有力な選択肢であり続けている。
出典:https://www.bakermckenzie.com/en/locations/asia-pacific/taiwan
K&L Gates (ケーアンドエルゲイツ)
K&L Gates(ケーアンドエルゲイツ)は、米国を発祥とし、世界五大陸に拠点を展開する大規模な国際法律事務所である。アジア、オーストラリア、欧州、中東、南米に国際オフィスを持ち、幅広い分野で法務サービスを提供している。
台北オフィスは台北市敦化南路に構えられ、Jacqueline Fu(傅祖聲)弁護士がマネージング・パートナーを務める。M&A、資本市場、コーポレート、知的財産、エネルギー・インフラ、訴訟・紛争解決などを主要分野とする。
台湾企業の海外初上場やバイオ企業のNASDAQ上場、フィンテック企業の規制サンドボックス参入支援など、先進的な案件で実績を積み上げてきた。Chambers GlobalやLegal 500でも高い評価を受けている。
2026年時点でも、M&Aと資本市場を強みとする外資系事務所として、台湾のクロスボーダー案件で中心的な役割を担い続けている。
出典:https://www.klgates.com/Taipei
Jones Day (ジョーンズデイ)
Jones Day(ジョーンズデイ)は、1893年に米国クリーブランドで設立され、ワシントンD.C.に拠点を置く国際的な大手法律事務所である。世界各地に40を超えるオフィスを構え、2,500名を超える弁護士を擁する。
単一のパートナーシップとして一体運営される点を特徴とし、企業法務、M&A、訴訟、規制対応など幅広い分野を世界規模で扱う。米国内でも有数の規模を誇る事務所として知られる。
1989年に東京オフィスを開設し、日本におけるインバウンド取引や国内事業を支援するとともに、アウトバウンドやクロスボーダー案件にも対応してきた。台湾関連の国際案件にもグローバル体制で関与している。
2026年時点でも、統合されたグローバルネットワークを背景に、台湾に関わる多国籍企業のクロスボーダー取引や紛争案件を支援する有力な国際事務所であり続けている。
出典:https://www.jonesday.com/
FAQ
台湾の主要法律事務所についての基本情報は何ですか?
台湾の主要法律事務所は、ローカル企業、日系企業、外資系企業向けにサービスを提供している国内外の事務所を含み、多岐にわたる法的支援を行っています。
台湾の法律事務所の中で特に著名な企業はどれですか?
台湾の著名な法律事務所には、TIPLO Attorneys-at-Law、理律法律事務所、萬國法律事務所、常在國際專利法律事務所などがあります。
外資系企業に対して人気のある台湾の法律事務所はどこですか?
外資系企業にとって人気のある事務所には、Baker McKenzie、K&L Gates、Jones Dayなどの国際的な法律事務所があり、グローバルなサポートを提供しています。
日系企業向けの台湾の法律事務所にはどのような特徴がありますか?
日系企業向けの法律事務所は、日本語対応や日本の法律事情に詳しい弁護士が在籍し、投資、知的財産権、会社設立などのサービスを提供しています。

