今回は、インドネシアの証券業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて主要12選ついてお届けしていきます!
それぞれのの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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インドネシアの主要証券会社3選〜ローカル企業編〜
PT Mandiri Sekuritas(マンディリ証券)
2000年に設立されたインドネシアの民間証券会社。筆頭株主は国有銀行のPT Bank Mandiri (Persero) Tbkで 99,99%を保有する。2011年オンライ株式取引アプリMOSTを導入。2019年12月末現在、全国に13支店、20駐在員事務所と合計33カ所のセールスネットワークがある。
マンディリ証券のe-トレーディングシステムはMOST online。パソコンで使えるMOST Webとモバイル端末で使えるMOST mobileがある。取引手数料は買いが0.18%で売りが0.28%で、1日の最低手数料は5,000ルピア。2021年2月15日~21日の間、デイトレード(同日売買)を行う人たち向けに手数料を12%値引きする特別プロモーションが行われた。e-トレードを行う新規顧客の獲得とデイトレードをする既存顧客を増やすことで取引頻度を上げるのが狙い。
マンディリ証券の2019年の売上高は9,928億ルピア(約74.4億円)。2020年IDX株売買金額:357兆ルピア(前年比107%)で前年の第1位から第2位へ。
出典: https://hots.miraeasset.co.id/
PT Indo Premier Sekuritas(インド・プレミエール証券)
2002年に設立されたインドネシアの民間証券会社。筆頭株主はPT Indo Premier Capitalで 99.98%を保有する。
2005年、初めてIPOの主幹事会社を務める。国内有数のタイヤメーカーの1つであるPT Multistrada Arah SaranaTbkの株式のIPOを1,700億IDRで引き受ける。2007年eTradingの「IPOT」をスタート。投資家に透明性が高く、迅速かつ安価な方法で株式取引を行えるサービスを提供。さらに、2007年にインドネシアで最初の株式ETFを開始。インドネシア証券取引所に上場されているLQ45インデックスの株式に基づくインドネシアで最初の上場投資信託(ETF)としてETF-LQ45Xを発売。2008年には最初のグローバル規模のIPOとしてPT Indika EnergyTbkの3兆ルピアのIPOの引受人となる。さらに、「IPOT」を機能強化するため、「IPOTnews」「IPOTplan」「IPOTfund」を追加。
2020年IDX株売買金額:222兆ルピア(前年比168%)で前年の第10位から第3位へ躍進。
出典: https://www.indopremier.com/
PT Sinarmas Sekuritas(シナールマス証券)
1988年に設立されたインドネシアの証券会社。設立時の名称はPT Sinarmas Ekagraha Money Changerで、業容は、外国為替取引、旅行者の小切手、およびその他の外貨での証券を扱う会社。1989年にPT Sinarmas Ekagrahaに社名変更。さらに1995年に現在のPT Sinarmas Sekuritasに社名を変更。引受人およびブローカーディラーのライセンスは1992年に取得。現在の筆頭株主はPT Sinar Mas Multiarthaで99.99%を保有する。
シナールマス証券は、エクイティーファイナンスの分野では、最も活発な20の証券ブローカーの1つであり、取引額が最も高い30の証券ブローカーの1つになっている。また、企業ファイナンスの分野では、株式、債券、デリバティブ商品などの証券の整理、再構築、引受を行う引受会社として、IPO(株式公開)やHMETD(新株予約権無償割り当て)を取り扱う。
2020年IDX株売買金額:90兆ルピア(前年比81%)で前年の第12位から第14位へ後退。
出典: https://www.sinarmassekuritas.co.id/
インドネシアの主要証券会社〜日系企業編〜
PT BNI Sekuritas(BNI証券)
1995年に設立されたインドネシアの証券会社。設立当初、国有銀行PT Bank Negara Indonesia(Persero)Tbkが99.85%を保有する子会社として設立され、株式取引、債務証券取引、投資銀行業務、資産管理を含む資本市場に従事。2011年、SBI証券株式会社の戦略的投資を受け入れ、現在、PT Bank Negara Indonesia(Persero)Tbkが75%、SBIファイナンシャルサービス㈱が25%を保有。
BNI証券ではオンライン株式取引システムを開発することで、顧客の付加価値を高めようと、2009年BNI証券はオンライン株取引プラットフォームesmartを導入。その後も改良を加え続け、現在はデスクトップと携帯電話の両方で使える。さらに、2019年オンライントレーディングシステムBIONSを導入。BIONSはWebとAndoroidベースのモバイル対応システムで、株式、投資信託、債券の売買ができる。
2020年IDX株売買金額:89兆ルピア(前年比106%)で前年の第18位から第15位へ躍進。
出典: https://www.bnisekuritas.co.id/
インドネシアの主要証券会社8選〜外資企業編〜
PT Mirae Asset Sekuritas Indonesia(ミラエ・アセット証券インドネシア)
2002年に設立されたインドネシアの民間証券会社。設立時の名称はPT Monas Buana Securities。2003年にe-トレーディングをスタート。2007年韓国のDaewoo証券が株式の19.9%を取得。2010年モバイルトレーディングシステム(MTS)を導入。2012年新株式チャートシステムHOTSを導入。2013年にiPad用のMTSを導入。同年、韓国のDaewoo証券が株式の80%を取得し、支配株主となる。2015年韓国のMirae AssetがDaewoo証券から株式を買い取り支配株主となり、社名をMirae Assets Sekuritasに変更。
Marae Assetの強みは、簡単で強力なトレーディングプラットフォームとパソコン用のアプリHOTSとモバイル端末用のNEO HOTSが使え、取引手数料はフラットレートで買いが0.15%、売りが0.25%と低くて誰に対しても公平だというところ。
2019年売上高:1,936億ルピア(約14.5億円)。2020年IDX株売買金額:409兆ルピア(前年比199%)で前年の第2位から第1位へ。
出典: https://sekuritas.miraeasset.co.id/
PT CGS-CIMB Sekuritas Indonesia(CGS-CIMBインドネシア証券)
1992年に事業許可を取得したインドネシアの証券会社。主要株主は、中国のチャイナギャラクシー証券株式会社(CGS)の完全子会社であるチャイナギャラクシーインターナショナルファイナンシャル株式会社とマレーシアのCIMBグループSdn Bhd。以前からPT CIMB Sekuritas Indonesiaで親しまれてきたが、現在は大株主2社の社名を入れてPT CGS-CIMB Sekuritas Indonesiaという社名である。
大株主2社の20か国以上のグループオフィス、支店、パートナーとインドネシア国内の主要都市に広がる支店網がビジネスネットワークの基盤となっている。お客様との直接の接点となるInvestment Galleryは、バンテン州1カ所、西ジャワ州1カ所、首都ジャカルタ3か所、中部ジャワ州1カ所、東ジャワ州1カ所、ジョグジャカルタ特別州1カ所と全国に8カ所展開している。
2020年IDX株売買金額:208兆ルピア(前年比105%)で前年の第3位から第5位へ後退。
出典: https://www.cgs-cimb.co.id/
PT Maybank Kim Eng Sekuritas(メイバンク・キムエン証券)
1990年に設立されたインドネシアの民間証券会社。マレーシア最大の商業銀行Maybank傘下のインドネシア法人。
小売および機関投資家の両方のローカルおよび国際的なクライアントにあらゆる種類の仲介サービスを提供している。また、さまざまな資本市場取引の顧問および引受人としての役割も果たしている。現在、インドネシアには5つの支店があり、3つはジャカルタ、もう2つは主要都市のスマランとスラバヤにある。さらにスマトラとカリマンタンに新しい支店を開設する計画がある。お客様により良いサービスを提供するために、近年、Maybankグループの子会社であるPT Bank Maybank Indonesia Tbkとの共同作業を強化している。アルファ東南アジアからの表彰は、2014年から2017年まではベストインスティテューショナルブローカーに、2019年にはベストリテールブローカーに選ばれた。
2020年IDX株売買金額:208兆ルピア(前年比105%)で前年の第9位から第6位へ躍進。
出典: https://www.maybank-ke.com/global-presence/indonesia/https://www.idx.co.id/
PT Credit Suisse Sekuritas Indonesia(クレディスイス証券インドネシア)
1997年駐在員事務所としての免許を取得しインドネシアに進出した証券会社。2002年には、PT Credit Suisse First Boston Indonesiaを設立。2005年社名をPT Credit Suisse Securities Indonesiaに変更。2007年インドネシア証券取引所から会員資格を取得。2017年社名を現在のPT Credit Suisse Sekuritas Indonesiaに変更。
現在、従業員の中でライセンスを保有している人員は合計24名。主なところでは、取締役:3名、セールス&ディーリング:6名、調査担当:5名、インベストメント・バンキング:5名。PT Credit Suisse Securities Indonesiaが公表している経営指標は、2017年のアセット総額が1.9兆ルピア(約143億円)。2017年売上高:2,584億ルピア(約19.4億円)。売上高の内訳は、仲介手数料が1,431億ルピア(構成比:55%)で、保険料が1,153億ルピア(構成比:45%)となっている。
2020年IDX株売買金額:200兆ルピア(前年比123%)で前年の第6位から第7位へ後退。
PT CLSA Sekuritas Indonesia(CLSA証券インドネシア)
1990年にジャカルタで設立されたインドネシアの民間証券会社。設立時の名称はPT Dian Adyasecurita。設立後1990年後半で合弁の外国投資会社となり社名はPT Credit Lyonnais Capital Indonesia に変更された。1992年には、証券および引受会社として運営するライセンスを取得。2000年、社名がPT CLSA Indonesiaに変更され、2016年に現在のPT CLSA Sekuritas Indonesiaになった。
親会社のCLSAは1986年に香港で設立され日本を含めグローバルに展開している。CLSAでは、国内外の機関投資家に株式調査、販売、取引、執行サービスを提供。また、資本市場へのアクセス、リストラ、戦略的投資機会の追求を求める企業、保険会社、投資家にアドバイスを提供。商品、消費者、金融機関、不動産、タワーインフラストラクチャを含むすべてのセクターにわたって、重要な資金調達に取り組み、画期的な取引を実行。
2020年IDX株売買金額:165兆ルピア(前年比106%)で前年の第7位から第8位へ後退。
出典: https://www.clsa.com/indonesia/
PT Macquarie Sekuritas Indonesia(マッカリア証券インドネシア)
1990年に設立されたインドネシアの民間証券会社。1992年に株式引受および仲介活動の認可を受け営業を開始。筆頭株主はオーストラリアのMACQUARIE SECURITIES (AUSTRALIA) LIMITED.が株式の99%を保有している。
親会社のMACQUARIEグループは資産管理、小売およびビジネスバンキング、ウェルスマネジメント、リースおよび資産ファイナンス、市場アクセス、商品取引、再生可能物開発、専門家による助言、資金調達、元本投資を世界31の市場で事業展開するグローバルな金融サービスグループで、事業の多様性は、強力な資本ポジションと強固なリスク管理で51年にわたる途切れることのない収益性を維持している。インドネシアでは、2020年のアセット総額が1.3兆ルピア(前年比:154%)、売上高は1,226億ルピア(前年比:76%)純利益は700億ルピア(前年比:94%)。
2020年IDX株売買金額:163兆ルピア(前年比107%)で前年の第8位から第9位へ後退。
出典: https://www.macquarie.com/au/en/disclosures/pt-macquarie-sekuritas-indonesia.html
PT RHB Sekuritas Indonesia(RHB証券インドネシア)
1990年に設立されたインドネシアの民間証券会社。設立時の名称PT OSK Nusadana Securities Indonesia。2008年、OSK Investment Bank(OSKIB)に買収される。2012年、RHB Capital Berhadに買収され、2013年、RHB Investment Bank(RHBIB)傘下に加わる。現在の筆頭株主はRHB Investment Bank Berhadで99%を保有している。
RHB Investment Bankはマレーシアに本社を置く大手金融サービスプロバイダーのRHB Bankingグループの一部であり、ASEAN地域のマーケットリーダーの1つである。OSKIBとRHBIBが合併後は、香港アジアに100以上のオフィスネットワークを持つ、マレーシア最大の投資銀行会社、さらには、ASEAN最大の投資銀行会社になる。
RHB証券は、証券会社の中でMKBD(正味調整回転資本)の値がトップクラスにあることが信頼性につながっている。2020年IDX株売買金額:101兆ルピア(前年比118%)で前年の第16位から第12位へ躍進。
出典: https://rhbtradesmart.co.id/about-us/overview-rhb-sekuritas
PT Philips Sekuritas Indonesia(フィリップス証券インドネシア)
1994年に設立されたインドネシアの証券会社。設立当初の名称はPT Philindo Santana Perkasa。2003年、現在のPT Phillip Securities Indonesiaに変更した。現在の筆頭株主はシンガポールのPHILLIP BROKERAGE PTE LTDで95%を保有している。Phillipグループは300億米ドルを超える資産と100万を超える顧客を抱えるアジアを代表する金融機関グループの1つで、日本を含む世界15か国に展開。また、尼フィリップ証券はインドネシア全国に33支店のセールスネットワークを形成している。
2003年、尼フィリップ証券はインドネシアの市場ニーズに基づいて開発した電子システムPOEMSを導入。2015年には60社を超えるインドネシアの証券会社の中でInvestor Magazineが開催する「Best Online Trading 2015」でBest Online賞を受賞したインドネシアの証券会社の一つとなった。
2020年IDX株売買金額:94兆ルピア(前年比175%)で前年の第25位から第13位へ躍進。
出典: https://www.phillip.co.id/ https://www.idx.co.id/
インドネシア在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。