タイの証券業界は、バンコク証券取引所(SET)を中心に個人投資家と機関投資家の両方が活発に取引する市場です。フィナンシア・サイラスやクルンタイ・エックスプリングなど14社が、オンライン取引の利便性向上と投資情報サービスの充実で顧客獲得を競っています。
今回は、そんなタイの証券業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!
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タイの主要証券企業7選〜ローカル編〜
Finansia Syrus Securities(フィナンシア・サイラス証券)
Finansia Syrus Securities(フィナンシア・サイラス証券、FSS)は、SETに上場するタイの独立系証券会社である。2018年11月にIPO(発行価格5.20バーツ)により上場し、SETの正規会員として証券市場に参加している。
証券・デリバティブブローカレッジ、投資銀行、プロプライエタリートレーディングの3事業セグメントで運営しており、個人・機関投資家・外国人投資家向けの株式・デリバティブ取引サービスを提供する。投資信託・債券の取り扱いおよびM&Aアドバイザリーなどの投資銀行サービスも行う。
グローバルトレーディングデスクを通じた国際取引も対応しており、外国人投資家の取引窓口としての機能も担う。2025年のタイ株式市場見通しレポートやSCC関連の調査レポートを公表するなど、リサーチ機能の強化も進めている。
2026年5月時点においてFSSはタイSECの規制下で独立系証券会社としての地位を維持し、タイ証券業界の主要プレイヤーとして安定した運営を継続している。
出典:https://www.finansia.co.th/
Krungthai XSpring Securities(クルンタイ・エックスプリング証券)
Krungthai XSpring Securities(クルンタイ・エックスプリング証券、KTX)は、国有系クルンタイ銀行(KTB)とXspring Capital PCLの合弁証券会社である。前身のKrungthai Zmico Securities(KTZ)から2022年4月に現社名へリブランドし、SETの正規会員として事業を継続している。
主要サービスはリテール・オンラインブローキング(国内株式・デリバティブ)、機関投資家向けブローキング、インベストメントバンキング、リサーチ、プライベートファンド管理等である。クルンタイ銀行グループの顧客基盤とXspringのフィンテック技術を融合したサービスを展開している。
2025年においてもオンライン取引プラットフォームの整備とリサーチ強化により、個人・機関投資家双方の顧客基盤拡大を推進している。銀行グループとの連携強化が進展しており、証券サービスの深化と効率化が図られている。
2026年5月時点においてKTXはクルンタイ銀行グループの証券部門として、タイ証券業界の中堅プレイヤーとして存在感を維持している。
出典:https://www.krungthaixspring.com/
AIRA Securities(エーアイアールエー証券)
AIRA Securities(エーアイアールエー証券)は、タイの金融複合体AIRA Capital Public Company Limited(SET上場:AIRA)の傘下に置く中核証券子会社である。タイSECおよびSETに登録された正規証券会社として、証券・デリバティブブローキング、インベストメントバンキング(M&A、引受、財務諮問)、資産管理などの多様な金融サービスを提供する。
AIRA Capitalグループは10の子会社と2つの関連会社を擁し、証券・投資ビジネス、アドバイザリー・投資銀行、ファクタリング、賃貸・サービス、不動産開発の各セグメントで事業を展開する。投資方針として金融セクターへの投資を75%以上維持する方針を掲げている。
2025年3月末時点の直近12か月収益は約3,290万米ドル(約11億バーツ相当)であり、中規模の証券会社として適切な収益規模での営業を継続している。
2026年5月時点においてAIRA SecuritiesはタイSECの監督下で規制準拠を徹底し、タイ証券業界の中堅プレイヤーとして活動を継続している。
出典:https://www.aira.co.th/
Tisco Securities(ティスコ証券)
Tisco Securities(ティスコ証券)は、TISCO Financial Group Public Company Limited(SET上場:TISCO)の証券子会社であり、タイ証券市場においてリテール・機関投資家・外国人投資家向けの幅広い証券サービスを提供している。1969年に設立されたTISCOグループの一員として長年の市場実績を有する。
主要サービスは株式・デリバティブブローキング、投資信託・ETFの仲介、債券、外国株式、インベストメントバンキング、リサーチ分析である。豊富な経験を持つマーケティングオフィサーとリサーチ部門が顧客の投資判断を支援する。
SETから「最優秀ブローカレッジサービス(リテール部門)」賞を受賞しており、顧客はキャッシュバランスとクレジットライン口座から選択可能で、プライベートサービスとインターネット取引の双方が提供される。
2026年5月時点においてTisco SecuritiesはTISCOグループの資産運用・プライベートバンキング機能との連携により、個人富裕層から機関投資家まで対応する主要証券会社としての地位を確立している。
出典:https://www.tiscosec.com/
Kasikorn Securities(カシコン証券)
Kasikorn Securities(カシコン証券)は、タイ国内2位の民間商業銀行Kasikorn Bank(KBank)グループの証券子会社であり、タイSECの登録を受けた正規証券会社である。KBankが持つ1,400か所超の国内外ネットワークと連携し、個人・法人顧客に対して包括的な投資サービスを提供している。
主力デジタルプラットフォームの「KS Trade」は、SETSMART・ASPEN・Trademan等のプロ向けツールを統合した国内外株式取引一体型プラットフォームである。「Streaming」モバイルアプリはリアルタイム情報とスマートショートカット取引機能を備える。
証券取引・デリバティブ・投資信託の各サービスに加え、証券研究部門による市場レポートや投資アドバイザリーも充実している。KBankのモバイルバンキング「K PLUS」との連携により大規模な既存顧客基盤へのアクセスが可能である。
2026年5月時点においてKasikorn SecuritiesはKBankの強力な顧客基盤を活かし、タイ証券業界における主要ブローカーとして顧客基盤の拡大を継続している。
出典:https://www.kasikornsecurities.com/
InnovestX Securities(イノベストエックス証券)
InnovestX Securities(イノベストエックス証券)は、旧SCB Securities(SCBS)からリブランドし、SCBXグループの投資フラッグシップ企業として誕生したデジタル投資プラットフォームである。タイで唯一、証券業とデジタル資産ブローキングの双方のライセンスを保有し、国内外株式・投資信託・債券・デジタル資産を一つのアプリで取引できる総合型投資プラットフォームとして機能している。
投資家基盤は2025年時点で100万人超を突破しており、タイ最大規模の証券アプリの一つとして位置づけられる。2025年8月には中国市場への分散投資向け新シリーズのデポジタリー・レシート(DR23)5銘柄を設定・上場した。
SCBXグループの「Future of Finance Reimagined」コンセプトのもと、AIを活用した投資情報提供や個人向けポートフォリオアドバイスなど、次世代フィナンシャルサービスの確立を目指している。
2026年5月時点においてInnovestXはタイのデジタル投資市場において独自のポジションを確立しており、タイ証券業界のイノベーターとして注目を集めている。
出典:https://www.innovestx.co.th/
Bualuang Securities(ブアルアン証券)
Bualuang Securities(ブアルアン証券、BLS)は、タイ最大の民間商業銀行Bangkok Bank(BBL)が99.91%を保有する証券子会社であり、SET上場企業(BLS)である。ブローキング・投資銀行・ファンド管理・リサーチの各サービスを一体提供する総合証券会社として機能する。
完全子会社のBangkok Capital Asset Management(BCAP)を通じて投資信託・ETF・企業年金・プライベートファンドの管理業務も行う。2024年12月末時点の株主資本は8,752億バーツで、TRISレーティングは「AA」を維持している。
2025年はFinanceAsia Achievement Awardsを受賞するなど、サービス品質の高さが内外で評価されている。Bangkok Bankとの強固な連携により法人・個人の幅広い顧客層への深いリーチを持つ。
2026年5月時点においてBualuang SecuritiesはBangkok Bankグループの証券・投資部門の要として、タイ証券業界における主要プレイヤーとしての地位を確立している。
出典:https://www.bualuang.co.th/
タイの主要証券企業2選〜日系編〜
SBI Thai Online Securities(SBIタイオンライン証券)
SBI Thai Online Securities(SBIタイオンライン証券、SBITO)は、SBI Holdings(日本)の完全子会社としてタイのバンコクに設置されたオンライン証券ブローカーであり、タイSEC登録・SETメンバー(SBITO)として活動している。SBIグループはタイにおいてもデジタルファーストのブローキングモデルを展開する。
主要サービスはSET・TFEX(タイ先物取引所)での株式・デリバティブ取引のオンラインブローキングのほか、米国株式への投資アクセスも提供している。個人投資家向けの低コスト・高利便性のオンライン取引を強みとし、タイのデジタルネイティブな投資家層への普及を図っている。
2026年時点の年間収益は約1,840万米ドルと公開情報が示しており、中規模の証券会社として安定した事業継続を実現している。SBIグループのアジア戦略においてタイは東南アジア進出の一拠点として位置づけられている。
2026年5月時点においてSBI Thai Online SecuritiesはタイにおけるSBIグループの日系オンライン証券として引き続き営業を継続している。
出典:https://www.sbito.co.th/
Daiwa Securities Thailand(大和証券タイランド)
Daiwa Securities Thailand(大和証券タイランド)は、1902年創業の日本の大手証券グループ大和証券グループ(Daiwa Securities Group Inc.)がタイ・バンコクに設置する事業拠点である。バンコクのAll Seasons Place(M. Thai Tower 18階)に事務所を構え、法人向けサービスを提供している。
大和グループは東南アジアでのM&Aアドバイザリー業務を「DC Advisory」ブランドで展開しており、タイにおいてはタイ系戦略投資家との合弁によりDC Advisory Thailandを設立し、クロスボーダーのM&Aアドバイザリーサービスを提供している。
2025年の大和証券グループ統合報告書はタイをASEAN戦略の重要市場と位置づけており、日本・タイ間のクロスボーダー投資案件や日系企業のM&A支援でグローバルネットワークを活用している。
2026年5月時点において、Daiwa Securities Thailandはタイにおける日系投資銀行・アドバイザリーサービスの提供拠点として、タイの主要日系金融グループの一角を担っている。
出典:https://www.daiwa-grp.jp/english/
タイの主要証券企業5選〜外資編〜
CGS International Securities Thailand(CGSインターナショナル証券タイランド)
CGS International Securities Thailand(CGSインターナショナル証券タイランド、CGSI)は、中国国営のChina Galaxy Securities(中国银河证券)が2023年12月に100%取得し、旧CGS-CIMB Securities Thailandからリブランドして誕生した外資系証券会社である。タイで唯一の中国政府系完全所有証券会社として独自のポジションを持つ。
China Galaxy SecuritiesはCIMB Groupから2018〜2023年に段階的に株式を取得し完全子会社化した。同社は中国第2位の証券会社であり、500か所超の中国国内支店を持つ。
主要サービスは株式・デリバティブブローキング、インベストメントバンキング、リサーチ等であり、タイ国内での法人・機関投資家業務とクロスボーダーの中国関連案件を強みとする。リブランドは中国とASEAN間の投資機会強化を目的としている。
2026年5月時点においてCGSIはタイにおける中国系証券グループの主要拠点として機能しており、中国・タイ間のクロスボーダー投資案件で独自の役割を担っている。
出典:https://www.cgsi.co.th/
KGI Securities Thailand(KGI証券タイランド)
KGI Securities Thailand(KGI証券タイランド)は、台湾の中國信託商業銀行グループ傘下のKGI Securities(凱基證券)がタイで展開する外資系証券会社であり、SETに上場している(KGI)。証券・デリバティブブローキング、インベストメントバンキング、証券ディーリング、資産管理の4事業セグメントで事業を展開する。
株式・デリバティブブローキング、引受業務、証券貸借、投資信託の販売、財務アドバイザリーなどの多様なサービスを提供しており、機関投資家・外国人投資家向けサービスで強固な地位を持つ。主な収益源は証券ディーリングセグメントである。
2025年9月末時点の直近12か月収益は約1億600万米ドル(約3,770億バーツ相当)で、外資系証券会社の中では規模が大きく業界内での存在感を示している。KGIグループの東南アジア戦略においてタイは重要市場の一つである。
2026年5月時点においてKGI Securities Thailandは台湾系外資証券の主要プレイヤーとして、タイのSEC・SET監督下で継続的に業務を展開している。
出典:https://www.kgi.co.th/
Maybank Securities Thailand(メイバンク証券タイランド)
Maybank Securities Thailand(メイバンク証券タイランド、MST)は、マレーシアの大手金融グループMaybankの証券子会社であり、旧Maybank Kim Eng Securities Thailand PCLから2021年11月に現社名へ変更した。SETに上場(MST)するマレーシア系外資証券会社である。
リブランドはESGファーストの企業姿勢の強化を目的として実施された。株式・デリバティブブローキング、投資銀行(引受・M&A)、外国株式取引、リサーチなどを包括的に提供する。
2025年1月には旧ウェブサイト(maybank-ke.co.th)を閉鎖し新ウェブサイト(maybank.co.th/securities)への移行を完了した。ASEAN域内のクロスボーダー投資支援においても存在感を示している。
2026年5月時点においてMaybank Securities ThailandはMaybankグループのタイ証券事業拠点として安定的に運営されており、マレーシア系外資証券の主要存在として地位を維持している。
出典:https://www.maybank.co.th/securities/en
UOB Kay Hian Securities Thailand(UOBケイヒアン証券タイランド)
UOB Kay Hian Securities Thailand(UOBケイヒアン証券タイランド、UOBKH)は、シンガポールのUOB-Kay Hian Holdings Limitedの子会社として1998年に設立された外資系証券会社であり、SETに上場している。証券・デリバティブブローキング、財務アドバイザリー、投資ビジネスの3事業セグメントで事業を展開する。
主要サービスは株式・デリバティブブローキング、証券ディーリング・引受、証券貸借、投資アドバイザリーであり、法人・個人の幅広い顧客層に対応している。2025年7月末時点の株価は5.35バーツ、市場時価総額は約26億9,000万バーツ、従業員数220名規模の経営体制を維持している。
UOB Kay Hian HoldingsはシンガポールのUOBグループ系の投資銀行・証券グループであり、東南アジア全域に展開するリージョナルなネットワークを持つ。タイのSEC・SETの監督下で規制準拠を維持している。
2026年5月時点においてUOBKHはシンガポール系外資証券会社としてタイの主要証券業界の一角を占め、安定した事業運営を継続している。
出典:https://www.uobkayhian.co.th/
Phillip Securities Thailand(フィリップ証券タイランド)
Phillip Securities Thailand(フィリップ証券タイランド、PST)は、シンガポールの独立系金融グループPhillip Capital Groupがタイに展開する外資系証券会社であり、SETメンバー(番号34)として登録されている。1998年に参入し、26年超の営業実績を持つ。
2008年にタイで初めて外国株ブローキングサービスを開始した先駆者として、NYSE・Nasdaq・東京証券取引所など主要国際市場へのアクセスを提供している。国内SET・TFEXのブローキングと並行して2,000以上の国際金融商品の取引も可能で、最低5万バーツから開始できる。
独自開発の「POEMS 2.0」プラットフォームはあらゆるデバイスで利用可能なマルチマーケット対応の取引システムであり、24時間対応のタイ語サポートチームが顧客を支援している。
2026年5月時点においてPhillip Securities Thailandはタイにおけるグローバルアクセスのリーディングブローカーとして顧客基盤を維持しており、タイSECの監督下で規制準拠を徹底している。
出典:https://www.phillip.co.th/
FAQ
タイの証券業界に関する主要企業は?
タイの証券業界にはローカル企業、日系企業、外資企業の合計で主要9社が存在し、それぞれが独自の事業内容と特徴を持っています。詳細な情報は業界地図の資料をご参照ください。
タイ証券会社の中で特に注目される企業はどれですか?
Finansia Syrus Securitiesは個人向けの大手証券ブローカーとして知られ、デジタル化や海外企業との連携に積極的です。Krungthai Zmico Securitiesはフルサービスの証券企業であり、豊富な法人サービスとM&Aのサポートを提供しています。
タイの証券会社で日本人が利用しやすい企業はどこですか?
日本人向けにサービスを充実させているのは、Krungthai Zmico SecuritiesとSBI Thai Online Securitiesです。特にSBI Thaiは日本語対応と低手数料を特徴としています。
外資系証券会社にはどのような特徴がありますか?
外資系証券会社はアジア地域に広いネットワークと高度な分析力を持ち、多国籍の市場にアクセスできる点が特徴であり、CGS-CIMB SecuritiesやUOB Kay Hian Securitiesなどが代表例です。
タイの証券業界において今後の展望は何ですか?
デジタル化の進展や海外市場との連携拡大、また日本を含めた外資企業の積極的な参入が期待されており、より多彩なサービスとグローバルな展望が広がる見込みです。

