シンガポールの主要航空会社7選〜運輸・物流業界〜

シンガポール 空運業界 業界地図

シンガポールの空運業界は、世界最高水準のチャンギ国際空港を擁し、シンガポール航空グループが国際路線をリードする、アジアの航空ハブ市場です。MRO(航空機整備)を含む7社の主要企業が、長距離路線の拡充とLCCシフトへの対応で競争力を磨いています。

今回は、そんなシンガポールの空運業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて7社の最新情報をお届けしていきます!

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目次

シンガポールの主要空運企業4選〜ローカル編〜

シンガポール航空(シンガポール エアラインズ)

Singapore Airlines(シンガポール航空、SIA)は1972年に現社名となったシンガポール最大のフラッグキャリアである。テマセク・ホールディングスが約55%を出資しSGXに上場しており、世界約35カ国・90都市以上に路線を展開している。

FY2024/25のグループ収益は過去最高の195億4,000万シンガポールドルを計上した。SIAグループ(SIA+Scoot)合計で旅客3,940万人(前年比8.1%増)を輸送し、過去最高を更新した。

客室サービスの品質や機内食は国際的に高く評価されており、Skytrax社の「World Airline Awards 2025」で複数部門上位入賞を果たした。

2025年にはJetstar Asiaの事業終了(2025年7月)に伴い、かつて同社が担っていたアジア内路線を引き継ぎ増便した。(参照:Singapore Airlines公式サイト・年次報告書FY2024/25)

出典:https://www.singaporeair.com/

スクート(スクート)

Scoot(スクート)は2011年に設立されたSIA(シンガポール航空)グループ傘下の中距離・長距離格安航空会社(LCC)であり、シンガポール・チャンギ国際空港を主要ハブとして運航している。SIAが100%出資する完全子会社で、グループの低運賃セグメントを担っている。

2025年6月時点でScootの機材は53機(A320/A321・B787・E190)から構成され、73都市以上に路線を展開している。2025年7月にJetstar Asiaが事業を終了したことで、格安航空セグメントのシンガポール発路線においてさらに存在感を高め、沖縄・ラブアン・バジョなど新路線を開設した。

2025年にAViation Week & Space Technology誌の「Value Airline of the Year 2025」を受賞するなど、LCCとして世界トップクラスの評価を獲得している。

燃費効率の高いB787-9の追加導入を進め、2025〜2026年にかけて機材数の拡大と新規路線の開設を継続している。(参照:Scoot公式サイト・SIA年次報告書FY2024/25)

出典:https://www.flyscoot.com/

ST Engineering Aerospace(STエンジニアリング・エアロスペース)

ST Engineering Aerospace(STエンジニアリング・エアロスペース)はシンガポール国防省系複合企業STエンジニアリングのAerospace部門であり、1975年にシンガポール空軍の整備支援組織として設立された。現在はMRO(整備・修理・オーバーホール)サービスを民間・軍用機の双方に提供している。

世界中で8,000人以上の認定エンジニアを擁し、航空会社・貨物キャリア・各国軍隊を含むグローバルな顧客基盤を持つ。シンガポール・チャンギ空港に隣接するエアロスペースパーク内に主要整備施設を構え、アジア太平洋最大級のMROハブとして機能している。

エンジン整備、機体修理、コンポーネントオーバーホール、改修サービスなど多岐にわたるサービスラインを有しており、B737・B777・A320・A330などの主要機種に対応する。

近年はデジタル整備・予知保全技術の導入を推進しており、MROの効率化とコスト削減に向けたイノベーションを加速させている。(参照:ST Engineering Aerospace公式サイト、2025年)

出典:https://www.stengg.com/en/aerospace/

チャンギ空港グループ(チャンギ エアポート グループ)

Changi Airport Group(チャンギ空港グループ、CAG)は2009年に設立されたシンガポール政府系企業であり、シンガポール・チャンギ国際空港(SIN)の所有・管理・開発を担う。シンガポール民間航空庁(CAAS)から分離独立した形で設立され、空港の事業運営に特化した専業組織として機能している。

チャンギ空港は2025年時点で世界100以上の航空会社が就航し、約100カ国・約190都市を結ぶアジア最大級のハブ空港のひとつである。FY2024/25のターミナル旅客数は約6,900万人超に達し、コロナ禍からの完全回復を遂げた。

T5(ターミナル5)の建設計画が進行中であり、完成時には現在の空港容量を大幅に拡張する計画である。CAGは空港運営のほかに海外の複数の空港管理・コンサルティングにも関与している。

2025年時点でJewel Changi Airportの商業施設の売上は過去最高水準で推移しており、空港内の商業収益も安定成長を続けている。(参照:Changi Airport Group公式サイト・CAAS、2025年)

出典:https://www.changiairport.com/

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シンガポールの主要空運企業3選〜外資編〜

キャセイパシフィック航空(キャセイ パシフィック)

Cathay Pacific(キャセイパシフィック航空)は1946年に香港で設立されたアジアを代表する国際航空会社であり、香港国際空港を主要ハブとして世界約70カ国・200以上の目的地に路線を展開している。香港上場企業であり、スワイア・パシフィックおよびエア・チャイナが主要株主として出資している。

シンガポール〜香港間では複数の日次便を運航しており、シンガポール発の旅客が香港経由で世界各地に乗り継ぐためのハブ機能を提供している。フレイター便(貨物専用機)によりシンガポールの輸出入貨物の航空輸送にも重要な役割を果たしている。

FY2024の総旅客数は約3,600万人で、グループ全体の収益は約1,300億香港ドルを計上した。2025年にはSkytrax社の格付けで再び5スターを獲得し、ビジネスクラス(The Business Suite)の品質が高い評価を受けている。

シンガポール発着の路線では香港経由の欧米・中東・アフリカ乗り継ぎ便を中心に高い需要を維持している。(参照:Cathay Pacific公式サイト・年次報告書2024年)

出典:https://www.cathaypacific.com/

エミレーツ航空(エミレーツ)

Emirates(エミレーツ航空)は1985年にアラブ首長国連邦・ドバイで設立されたUAE政府系フラッグキャリアであり、世界最大規模の国際航空会社のひとつである。シンガポールのチャンギ国際空港を東南アジアの重要ハブとして位置づけており、シンガポール〜ドバイを1日複数便運航している。

シンガポールを発着するエミレーツ便はビジネス・ファーストクラス需要が高く、特に中東・欧州・アフリカ方面への乗り継ぎ拠点として機能している。エミレーツが保有するA380の運航頻度は世界最多クラスであり、シンガポール路線でもA380を定期投入している。

2024/25年度のグループ収益は約370億米ドルで、旅客数は約5,700万人に達している。2025年にはチャンギ空港でのラウンジ施設をリニューアルし、プレミアム旅客向けの体験向上に取り組んでいる。

シンガポールのチャンギ空港はエミレーツのアジア太平洋地域における戦略的トランシップ拠点として今後も重要な位置を占める。(参照:Emirates公式サイト・年次報告書2024/25年)

出典:https://www.emirates.com/

エア・インディア(エア インディア)

Air India(エア・インディア)は1932年に設立されたインドのフラッグキャリアであり、2022年にタタ・グループ(Tata Sons)に民営化された。本社はムンバイ・ニューデリーを拠点とし、シンガポール〜デリー・ムンバイ・チェンナイ等の直行便を複数便運航しており、シンガポールとインド亜大陸を結ぶ主要航空リンクの一つである。

タタ・グループ傘下への移行後、サービス品質・機材更新・運航信頼性の抜本的な改革が進められている。2023〜2024年にかけてA350・B787等の新型機を大量発注し、フリート近代化を急速に推進している。

シンガポール在住のインド系コミュニティ(人口の約9%)はシンガポール最大規模の外国籍コミュニティのひとつであり、Air Indiaはこの需要を主な顧客基盤として安定した需要を維持している。

2025年にはチャンギ空港での就航路線・便数をさらに拡大し、インド〜シンガポール間の旺盛な需要を取り込んでいる。(参照:Air India公式サイト、2025年)

出典:https://www.airindia.com/

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FAQ

シンガポールの主要航空会社は何ですか?

シンガポールの主要航空会社には、Singapore Airlines Limited、Jetstar Asia Airways、Scoot Tigerair、およびST Aerospace Engineeringが含まれます。

Singapore Airlinesの特徴は何ですか?

Singapore Airlinesは1972年に設立され、世界的に高いサービス水準を誇り、180機以上の航空機を運航し、110以上の目的地へネットワークを拡大しています。

Jetstar Asia Airwaysはどのような航空会社ですか?

Jetstar Asia Airwaysは2004年に設立されたシンガポールの格安航空会社で、主にアジアの短距離目的地へ運航しています。

Scoot Tigerairの運航実績と特徴は何ですか?

Scoot Tigerairは2011年に設立された格安航空会社で、シンガポール・チャンギ国際空港を拠点に、アジアを中心に多彩な路線を運航しています。

ST Aerospace Engineeringの役割とサービス内容は何ですか?

ST Aerospace Engineeringは、航空機のメンテナンス、修理、オーバーホールなどの航空技術サービスを提供しており、主に軍用および民間航空機のサポートを行っています。

投稿者アバター
中村 美穂 Singapore-Based Industry Analyst
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員としての国際経験を活かし、現在はライターおよび翻訳者として、シンガポールの文化や生活、食に関する情報を発信している。
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