今回は、タイの主要資格・社会人教育企業に焦点を当て、ローカル・日系合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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タイの主要資格予備校・ビジネススクール9選〜ローカル企業編〜
Office of Non-Formal and Informal Education(オフィス・オブ・ノンフォーマル・アンド・インフォーマル・エデュケーション)
1979年に教育省によって設立された社会人教育機関。起源は1930年代に遡り、当時20歳以上の国民の識字率が32%に留まっていた状況を改善するため、政府が新たな教育手法の導入を模索していたことから始まる。1940年代に20歳から45歳の文字が読めない大人に対し、国を挙げての教育プロジェクトを実施したが、第二次世界大戦の影響で停止を余儀なくされた。そして1979年の設立以降、様々な事情で必要な教育を受けることができなかった国民に対し、学校外での教育を提供している。国民それぞれのニーズに応じて一般教育や職業教育など様々な教育内容を揃えている。これら教育を通じて国民が質の高い生活を送り、健康的に過ごすことができることを目的としている。拠点は全77都県に一か所ずつ存在し、各地域の教育をサポートしている。
出典:http://www.nfe.go.th/onie2019/
Sasin School of Management (サシン・スクール・オブ・マネジメント)
1982年に、タイの国立大学チュラロンコン大学とアメリカのケロッグ経営大学院およびウォートンビジネススクールの提携により設立された経営大学院。分析力、起業家マインド、チームスキルなど、実際のビジネス、経営の場面で要求されるスキルの向上を図る。コースはフルタイムMBA、パートタイムMBA、経営と工学などを同時に学ぶデュアルディグリー、トップ経営層になるためのエグゼクティブMBA、博士課程(DBAおよびPh.D.)など様々な形式を用意している。
拠点は首都バンコクと南部プーケットの2か所が存在する。国際的にも質の高い教育を提供し、世界中どこでも通用する人材を育成するため、19か国、43の国際的な経営大学院と提携している。2019年のThe Times Higher Education / Wall Street Journalによる2年制MBAのランキングでは43位であり、東南アジアで唯一取り上げられた大学院であった。
出典:https://www.sasin.edu/
Thammasat Business School (タマサート・ビジネス・スクール)
1938年に国立大学タマサート大学の商学部および会計学部の一部として設立された経営大学院。現在ではビジネスや経営を学びたい学生に対し、学士過程2コース、専門課程1コース、修士課程9コース、博士課程1コースを提供している。分野も多岐に渡り、会計、金融、マーケティング、経営や情報システム、アントレプレナーシップなどがある。授業はタイ語、英語の両方に対応している。
タマサートビジネススクールは経営大学院の認定であるEQUIS、AACSB、AMBAを取得し、タイで最も優れたビジネススクールとしての評価を受けている。これまでの70年余りの歴史で4万人以上の学生に教育を提供し、卒業生は政府機関および民間企業で活躍している。海外の大学院との交流も積極的に行っており、交換留学の制度もある。
出典:https://cia.tbs.tu.ac.th/
AIT School of Management (エーアイティー・スクール・オブ・マネジメント)
1987年、アジアで当時増加していた経営大学院教育のニーズに応えるため、アジア工科大学院(AIT)の経営大学院として設立された。アジア太平洋地域および世界での経営教育に影響を与えることによって、持続可能な開発を促進し、また技術的なリーダーシップ、起業家精神などを養成することを目的としている。コースはMBA(1年制、2年制)、修士課程(国際会計学、ビジネスアナリティクス・デジタルトランスフォーメーション)、専門修士、博士課程(DBA、Ph.D.)など様々に対応している。授業は全て英語で行われる。
AITはタイの私立大学院であり、バンコク北郊パトゥムタニ県にメインキャンパスがあるが、経営大学院はバンコクキャンパスに位置する。
出典:https://www.som.ait.ac.th/
Thai Real Estate Business School (タイ・リアルエステート・ビジネス・スクール)
不動産に関する教育を提供する専門学校。タイの不動産市場における不動産評価、およびその関連分野に精通したマネジメント人材の育成を目的としている。具体的には、不動産管理、評価、測量、不動産開発などについての学際的な研究を行っている。アメリカのシンクタンクであるリンカーン土地政策研究所が提供するトレーニングコースや、TREBSにおいて20年以上に渡って蓄積されてきた研究成果に基づいた、高品質な講座が評価されている。各コースは数日間で修了できるものが多い。
拠点はバンコクに1か所のみである。これまでに200以上の講座を開設し、5,000人以上の受講生を持った実績がある。講師陣はチュラロンコン大学出身者をはじめ、世界中の権威が揃っている。
出典:https://www.trebs.ac.th/en/index.php
RMA Group (アール・エム・エー・グループ)
1980年代に創業したローカル系企業。当初はベトナムやカンボジアの政府やNGO、企業に製品や設備を供給していた。現在では自動車、設備のディストリビューション、エンジニアリングソリューション、金融サービス、ホスピタリティなど様々な事業を展開している。特に自動車部門に注力しており、部品調達、製造、小売、アフターサービス、従業員トレーニングなどを行う。従業員トレーニング(RMA Academy)では技術者に対して、自動車のメンテナンスに関する知識・技術の教育を行っている。長きにわたる自動車製造で蓄積されたノウハウを活かし、クライアントの目的、レベルに応じて様々なコースを提供している。
RMA Groupはアジア地域をはじめ、アメリカやヨーロッパ、アフリカなど世界14か国に展開する。従業員は全体で計7,600人を超える。
出典:https://www.rmagroup.net/
Network Training Centre (ネットワーク・トレーニング・センター)
コンピューターやIT技術に関するトレーニングを行うローカル系企業。様々なコースを用意しており、コンピューターネットワーキング、ITプロジェクトマネジメント、人事(HR)、プログラミング・ソフトウェア開発、製造業のシステム改善、テストセンター運営などを、クライアント企業のニーズに応じて対応している。講師は各分野での経験を積んだ知識豊富な人材が務める。タイ国内、海外双方のクライアントへのトレーニング実績があり、従業員を国際的にも通用するレベルまで底上げすることが可能である。各コースは数日間で修了できるものが多い。オンラインでのトレーニングにも対応している。
これまでの10年以上の歴史で3万人以上の受講者に350以上のコースを提供してきた実績を持つ。
出典:https://www.trainingcenter.co.th/
SGS (エスジーエス)
2003年に教育省の一部門として設立された基礎教育委員会事務局(OBEC)により運営されている、トレーニングプログラム。航空宇宙・農業・自動車・化学・金融・情報 技術など幅広い産業を対象に人材開発のためのトレーニングプログラムを提供している。その他にもリスクマネジメントや安全衛生などのプログラムもある。オンライン講座にも対応している。
OBECは幼少期から高校生までの基礎教育に関するルールを定め、それに従って教育カリキュラムの作成や環境の整備などを行う機関である。21世紀において全ての人材に求められる、問題解決能力や適応力、コミュニケーション能力、協調性などの基本的な能力を幼少期から身につけることを目的とする。
出典:https://sgs.bopp-obec.info/menu/tblNews/ShowTblNewsTable.aspx, https://www.obec.go.th/
TTC Spa School (ティーティーシー・スパ・スクール)
2007年に設立された、タイ政府公認のマッサージスクール。タイ古式マッサージ、オイルマッサージ、リンパマッサージ、フェイスマッサージ、フットマッサージなどの様々なマッサージについて、1日から4週間のセラピスト養成コースを提供している。サポート体制が充実しており、海外から資格を取得するために来た受講生に対してはタイ入国の案内や、レッスン時の服の貸出、携帯電話レンタル、宿泊施設の紹介も行う。また、ITAインターナショナルセラピスト協会、メンズセラピスト協会などと関わりがあり、これらの協会を通じて卒業後の就職サポートにも対応している。タイ文部省、厚生省、カナダの自然健康協会(NHPC)からの認可を受けている。
日本人向けに力を入れており、受講生の9割が日本人となっている。問い合わせや申し込み、テキストなどは日本語にも対応している。拠点は首都バンコク、北部チェンマイ、東部の離島チャーン島の3か所が存在する。
出典:http://kyodosmile.com/
タイの主要資格予備校・ビジネススクール4選〜日系企業編〜
Globis Thailand (グロービス・タイランド)
日系の経営大学院。タイでは2012年から企業向けにビジネス研修プログラムを提供することから事業を開始した。2018年にはグロービス英語MBAプログラムとタイのチュラロンコン大学ビジネススクールとの提携を開始し、タイでは30人以上の学生に経営の講座を提供した。現在、タイでのサービスは3か月間のプレMBAプログラム、企業研修プログラム、オンライン講座(GLOBIS Unlimited)の3つである。グロービスはタイを海外展開の重要市場の一つとして位置づけ、今後もバンコクを中心にタイでの展開を加速させていくとしている。
グロービスは日本で1992年に設立された、日本で最大級の経営大学院である。海外では中国、シンガポール、タイに展開している。各拠点およびオンラインで日本語、英語プログラムを提供し、57か国、4,600人の生徒が入学した実績がある。講座の受講者数では累計で約17万人にのぼる。
出典:https://globis.co.th/
LSE アカデミー(エルエスイー・アカデミー)
日系の日本語教師養成専門学校。海外在住の日本人を対象に日本語教育のノウハウを提供し、日本の法務省により制定されている日本語教師資格の取得を目指す。日本語教育の経験が全くない受講生に対してもアウトプットを重視した正しい学習方法を提供し、手厚いサポートを行うことで、日本語を母語としない人々に対して日本語を教えることができるようになる。
平均合格率28.42%の日本語教師資格試験で、LSEアカデミー受講生は過去3年間の平均合格率が75.82%と、非常に高い合格率を出している。また、受講生の95%が日本語教育経験ゼロから始めて一回の試験で合格している。拠点はバンコク本校と東部チョンブリのシラチャ本校の2か所が存在する。
出典:https://www.lse-th.com/
beyond global (ビヨンド・グローバル)
日系の人材育成企業。タイでは2016年に設立された。主に日系企業の日本本社と海外現地法人の双方に、人事制度と人材育成の両面に加え、テクノロジーを活用した組織変革を行う。アジア現地社員の特性を知り尽くしている専門家が総合的なデータ分析と改善を行い、組織と人のパフォーマンスを改善させることを目的としている。人材育成ではクライアント企業の課題に応じて、マネージャー研修や駐在員研修、ハラスメント防止研修など多岐に渡るテーマの研修を行っている。
beyond globalは日本で2012年に設立された、人事・組織コンサルティング企業。海外拠点はシンガポールとタイに展開している。
出典:https://www.beyond-g.com/th/
Value Innovation Training and Seminar (バリュー・イノベーション・トレーニング・アンド・セミナー)
日系の人材育成企業。タイでは2013年に設立された。主にタイに進出している日系企業向けに研修を行う。タイ人講師によるタイ人スタッフへのセミナーでは、日本で実績のあるプログラムをタイ人向けにアレンジし、日系企業で働くためのビジネスマナーなどを教えている。また、日本人講師による日本人マネージャーへのセミナーも行い、タイ人スタッフをマネジメントし成果を上げるためのノウハウを提供している。セミナー形式は公開型研修「バンコクセミナー」とクライアント企業に訪問して行う「インハウスセミナー」の2つに対応する。
株式会社バリューイノベーションは日本で2008年に設立された、企業研修・人材育成をサポートする企業。若手から管理職までの役職、マネジメントやビジネススキルなどの目的別に様々なトレーニングプログラムを提供する。海外拠点はタイのみである。
出典:http://www.value-i.jp/bangkok_thai.html

バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。

