今回は、タイの主要病院に焦点を当て、ローカル・日系合わせて13院を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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タイの主要病院11選〜ローカル編〜
Bangkok Dusit Medical Services PCL. (バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス)
1969年に設立された私立総合病院。1991年にタイ証券取引所SETに上場した。バンコク病院、パヤータイ病院、パオロ病院、BNH病院などからなるタイ最大の病院グループである。サミティヴェート病院も同社傘下である。タイの私立病院としては初めて心臓病院、がん病院、および国内初の小児専門病院を設立した。国内に47か所、隣国のカンボジアに2か所の病院を展開し、12,000人以上の医師と13,000人以上の看護師を含む3万人以上のスタッフを擁する。年に対応する患者は1,000万人以上で、そのうちの200万人が外国人である。アメリカやヨーロッパ、中東、日本、中国などの病院と提携しており、海外からの患者受け入れも行っている。バンコク病院では日本語を話せる医師や日本語通訳がおり、日本語で診察を受けることが可能。
2020年の売上高は前年比18%減の69,102百万バーツ、純利益は前年比54%減の7,214百万バーツであった。
出典:https://www.bdms.co.th/
Bumrungrad Hospital PCL. (バムルンラード・ホスピタル)
1980年に設立された私立総合病院。1989年にタイ証券取引所SETに上場した。国際レベルの医療を提供することを目的とし、現在では東南アジアでも最大規模の病院の1つとなっている。1,200人以上の医師および歯科医と900人以上の看護師を含む4,800人以上のスタッフを擁する。病床数は580で、集中治療(ICU)や心臓ケア(CCU)、小児集中治療など様々な治療に対応する病床を確保している。また、病室もデラックスルームやスイートルームなど、顧客の要望に合わせての対応が可能である。オーストラリア、中東、アメリカ、アジアなど海外の病院とも提携しており、150人以上の通訳がいる。1年に110万人以上の患者に対応し、そのうちの52万人が世界190か国出身の外国人である。
2020年の売上高は前年比1.0%増の18,718百万バーツ、純利益は前年比9.7%減の3,748百万バーツであった。
出典:https://www.bumrungrad.com/en
Bangkok Chain Hospital PCL. (バンコク・チェーン・ホスピタル)
1984年に設立された私立総合病院。2004年にタイ証券取引所SETに上場した。ワールドメディカル病院、カセムラード国際病院、カセムラード病院、カルンベート病院からなる病院グループである。タイ国内に計12の病院と1か所のポリクリニックを持ち、計2,245の登録病床がある。タイの社会保険を利用できる病院として最大規模の病院となっており、88万人以上の人が社会保険対応の病院として同グループの病院を登録している。海外からの患者受け入れも行っており、主にクウェートやカタールなど中東諸国からの患者が多い。
2020年の売上高は前年比0.3%増の9,021百万バーツ、純利益は前年比8.2%増の1,229百万バーツであった。患者数は前年比で減少したものの、新型コロナウイルスに関連するサービスの収益や追加の社会保障費、保険料の増加などにより売上を維持した。また固定費、変動費のコスト削減により利益は増加した。
出典:https://www.bangkokchainhospital.com/en/site/home
Samitivej PCL. (サミティヴェート)
1979年に設立された私立総合病院。1990年にタイ証券取引所SETに上場した。BDMS傘下であり、同社が96%の株式シェアを所有している。タイ国内に7か所、ミャンマーに1か所が存在し。タイの全拠点合わせて1,000以上の病床を用意している。各拠点ともタイ国内外で医学を修めた計2,000人以上の専門家がおり、国際レベルの医療を提供している。特にサミティヴェートこども病院という小児専門病院は最も信頼できる小児医療機関として認められている。バンコクのスクムビットと東部シラチャの拠点には日本人相談窓口が存在し、日本語通訳が常駐している。スクムビット院では1年に13万人、一日約400人の日本人患者が受診に訪れ、これは全体患者の2割を占めている。
2020年の売上高は前年比18%減の10,476百万バーツ、純利益は前年比28%減の1,447百万バーツであった。
出典:https://www.samitivejhospitals.com/
Thonburi Healthcare Group PCL. (トンブリ・ヘルスケア・グループ)
1976年に設立された私立総合病院。2017年にタイ証券取引所SETに上場した。病院をはじめとする医療サービス、ヘルスケアサービス、病院向けのソフトウェア開発など医療に関わる事業を幅広く展開している。病院は国内に8か所、ミャンマーの1か所を展開する。その他にオフィスが1か所と3か所の心臓病センターが存在する。合計963の登録病床があり、一日に5,800人の外来患者に対応している。スタッフは計5,000人以上が在籍している。また、全国18の提携病院のネットワークを持ち、サービス品質・効率の向上のための情報交換や、患者の紹介を行っている。
2020年の売上高は前年比14%減の7,446百万バーツ、純利益は前年比86%減の62百万バーツであった。
出典:https://www.thg.co.th/en
Sikarin PCL. (シカリン)
1979年に設立された私立総合病院。当初はSamrong Clinical Medicineという名称であったが、1985年にタイ証券取引所SETに上場するにあたり現在の社名となった。拠点はメインのバンコク・バンナー地区と、バンコク東郊サムットプラカーン、南部ソンクラーの3か所が存在する。利用可能な病床数は550以上で、一日に4,000人以上の外来患者に対応することが可能である。タイの社会保険を利用した診察にも対応している。2021年の顧客満足度は外来患者93%以上、入院患者が98%以上と高い水準となっている。2017年にはムアンタイ生命保険から第一位の病院賞を受賞した。
2020年の売上高は前年比4.4%増の3,908百万バーツ、純利益は前年比44%増の350百万バーツであった。
出典:https://www.sikarin.com/
Ramkhamhaeng Hospital PCL. (ラムカムヘン・ホスピタル)
1988年に設立された私立総合病院。1991年にタイ証券取引所SETに上場した。バンコクの医療を求める人々に区別なく高品質な医療サービスを提供することを目的としている。同社の医療水準はアメリカの医療施設認定合同機構(JCI)からも認められている。ラムカムヘン病院のみの登録病床数は486であるが、12の関連病院を含めると全体で2,443の病床数を持つ。タイの私立病院グループの中で5位以内に入る規模である。3つの建物があり、脳腫瘍センター、心臓病センター、腰痛センターなど、様々な病状に応じた専門の窓口を持っている。また、病室もデラックスルームやVIPルームなど、入院患者の要望に応じた対応が可能である。
2020年の売上高は前年比66%増の8,192百万バーツ、純利益は前年比56%減の632百万バーツであった。
出典:https://www.ram-hosp.co.th/
Vibhavadi Medical Center PCL. (ウィパワディ・メディカル・センター)
1986年に設立された私立総合病院。1992年にタイ証券取引所SETに上場した。ウィパワディ病院を運営する病院グループ。拠点は提携病院も合わせて11か所が存在する。計258の登録病床、および200以上の診察室を備えており、外来患者は一日当たり2,000人以上に対応可能である。医師は専属95人に加え、350人の外部医師が在籍している。レーシックセンター、消化器センター、心臓センターなど分野別の専門医療センターに分かれている。最新技術を用いた高品質な医療を提供し、アメリカの医療施設認定合同機構(JCI)からも認められている。
2020年の売上高は前年比7.8%減の6,338百万バーツ、純利益は前年比44%減の450百万バーツであった。
出典:https://www.vibhavadi.com/
Srivichaivejvivat PCL. (スリウィチャイヴェートウィワット)
1993年に設立された私立総合病院。2012年にタイ証券取引所SETに上場した。タイに4か所あるウィチャイヴェート国際病院を運営する病院グループである。4か所のうち2か所はバンコク、2か所はバンコク西郊サムットサコーンに位置する。計483の病床があり、デラックスルームやVIPルーム、ICUや乳幼児病棟など様々な形式に対応する。スタッフは計2,360人が在籍しており、その内の618人が医師、680人が看護師およびアシスタントである。また、同グループではSrivichai Vocational Schoolという専門学校も展開しており、看護師の養成も行っている。
2020年の売上高は前年比8.5%減の2,290百万バーツ、純利益は前年比6.8%減の186百万バーツであった。
出典:https://www.vichaivej.com/
Praram 9 Hospital PCL. (プララム・ナイン・ホスピタル)
1992年に設立された私立総合病院。2018年にタイ証券取引所SETに上場した。アメリカの医療施設認定合同機構(JCI)からも認められており、経験豊富な医師と最先端の医療設備を用いて高品質な医療サービスを提供する。腎臓移植研究所や心臓血管研究所など、専門分野に特化した機関を有している。登録病床数は166で、スタッフは300人以上の医師を含む2,000人以上が在籍している。2020年には39万人以上の外来患者を治療した。拠点はバンコク中心部のラマ9世エリアの1か所のみであるが、カンボジア、ミャンマー、ラオス、中国、日本など海外の患者も多く受け入れている。
2020年の売上高は前年比8.9%減の2,633百万バーツ、純利益は前年比29%減の202百万バーツであった。
出典:https://www.praram9.com/
Yanhee Hospital (ヤンヒー・ホスピタル)
1984年に設立されたローカル系の美容整形外科。30年に渡って、経験豊富な専門医がワンストップでの医療・美容治療を提供してきた。具体的には顔や体の整形手術、性転換手術、ボトックスやレーザー治療などの皮膚治療といったサービスを行う。また、耳鼻咽喉科、外科、歯科、鍼灸治療などの分野にも対応している。400以上の病床があり、高品質な治療と患者のケアを行うことが可能となっている。拠点はバンコクに1か所である。東南アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパや南米など、世界162か国の患者を扱った実績があり、公式サイトは中国語、韓国語、ミャンマー語、アラビア語なども用意している。
2020年の売上高は前年比20%減の1,519百万バーツ、純損益は102百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.yanhee.net/
タイの主要病院2選〜日系編〜
BLEZ Clinic (ブレズ・クリニック)
日系の内科総合診療病院。日本人スタッフが常駐しており、受付から診察、会計まで全て日本語で対応している日本人向けのクリニックである。診察内容は内科、性感染症チェック、新型コロナウイルスPCR検査、ワークパーミットや運転免許証取得用の健康診断、狂犬病や破傷風の予防接種、レーザー脱毛など。タイに旅行している、または住んでいる日本人に必要とされる健康上の問題に対応している。診察料の支払いはタイの民間の医療保険の他に、日本のクレジットカード付帯保険、日本の国民健康保険や社会保険などにも対応し、どんな患者でも安心して利用することが可能である。
拠点は日本人の在住者が多いバンコクのスクムビット地区にあり、高架鉄道(BTS)や地下鉄(MRT)の駅にも近い好立地に位置している。日本語のブログがあり、タイでの医療・健康に関する情報をタイの日本人向けに発信している。
出典:https://blez-clinic.com/
DYM International Clinic (ディーワイエム・インターナショナル・クリニック)
日系の診療所。日本人医師に加え、チュラロンコン大学やマヒドン大学といったタイ最高峰の大学出身の常勤医師による、内科、小児科、婦人科、皮膚科の診療を完全日本語対応で受診することが可能である。具体的な診察内容は、性感染症チェック、新型コロナウイルスPCR検査、ワークパーミットや運転免許証取得用の健康診断、狂犬病や破傷風の予防接種、ビタミン点滴、美容点滴、アレルギー検査などがある。また、サミティヴェート病院やナワミン病院などのタイの総合病院と提携しており、大きな病気にかかった際にも対応が可能となっている。診察料の支払いはタイの民間の医療保険の他に、日本のクレジットカード付帯保険、日本の国民健康保険や社会保険などにも対応する。
拠点は日本人の在住者が多いバンコクのスクムビット地区に2か所が存在している。
出典:https://dymclinic.com/
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。