中国不動産市場攻略:日系企業が知るべき主要デベロッパー15選(最新動向解説付き)

中国 不動産デベロッパー業界 業界地図

中国の不動産デベロッパー業界は、保利発展控股や招商蛇口、绿城中国など主要企業が国有・民営を問わず住宅・商業開発を手がけています。市場調整局面の中でも大手の存在感は健在です。

今回は、そんな中国の不動産デベロッパー業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

中国の不動産デベロッパー業界 業界地図はこちら!
目次

中国の主要不動産デベロッパー企業10選〜ローカル編〜

Poly Developments and Holdings (保利発展控股)

保利発展控股集団股份有限公司は、国有企業グループ・保利集団の中核不動産子会社として1992年に設立された。住宅開発を中心に、商業施設・ホテル・産業団地・観光リゾートなど多岐にわたる不動産事業を全国で展開している。

2025年の通年業績では、営業収入3081億元(前年比1.1%減)を計上し、契約販売金額は2530億元(同21.7%減)と業界首位を堅持した。契約販売面積は1235万平方メートル、販売代金回収率は102%と3年連続100%超を達成した。

純利益は10.3億元(同79.3%減)と大幅に圧縮された。土地棚卸資産の評価損54.4億元を含む減損損失の増加と毛利率(12.7%)の低下が主因であり、短期的な収益性は市場調整の影響を受けている。

国有企業としての安定した資本基盤と一・二線都市への集中戦略が同社の強みであり、民間デベロッパーの財務危機が相次ぐ中で市場シェアを着実に拡大している。今後は収益性の回復と財務健全化が課題となる。

出典:http://www.polycn.com/

China Merchants Shekou Industrial Zone Holdings (招商蛇口)

招商局蛇口工業区控股股份有限公司(招商蛇口)は、国有企業コングロマリット・招商局集団傘下の総合不動産デベロッパーであり、深圳蛇口の都市開発を原点として1979年に前身企業が設立された。住宅開発・商業施設・産業団地・物流施設など幅広い不動産事業を手がけ、2015年に深圳証取(001979)へ上場した。

2025年通年の契約販売金額は1960億元(前年比10.6%減)を達成し、業界ランキングを4位に改善した。トップ100社平均の20%減と比べて相対的に良好なパフォーマンスであり、一・二線都市への集中投資戦略が奏功した。

「住宅開発」「資産管理」「城市サービス」の三事業を柱とし、ショッピングモール・オフィスビル・産業パークなどの運営型資産を保有する。港湾・物流インフラを手がける親会社との連携による大規模都市開発も強みとなっている。

民間大手が財務危機に陥る中、国有企業系デベロッパーとして財務安全性の高さが評価され、市場シェアを着実に拡大している。今後はコア都市での土地取得と運営収益の比率引き上げが戦略の軸となる。

出典:https://www.cmsk1979.com/

Greentown China Holdings (绿城中国)

绿城中国控股有限公司(グリーンタウン・チャイナ)は、1995年に浙江省杭州市で設立された大手不動産デベロッパーで、香港証券取引所(SEHK:3900)に上場している。2014年以降は国有企業・中国交通建設(中交集団)が筆頭株主となり財務基盤を強化してきた。

2025年の業績では、グループ全体の契約販売金額が2519億元(自社開発1534億元・代建985億元)に達し、業界2位へランクアップした。売上高は1550億元(前年比2.3%減)で、純利益は7億元(同95.6%減)と大幅に減少した。

高品質住宅ブランドが最大の強みであり、富裕層・中産階級から高い評価を受け、長三角地域を中心に展開している。「代建(受託開発管理)」事業でも業界トップクラスのシェアを誇り、資本負担の少ない軽量モデルとして注目される。

国有株主・中交集団の支援を背景に市場調整局面でも事業継続性を維持している。今後は高品質ブランドを活かした販売単価の維持と代建事業の拡大が成長の核心となる。

出典:https://www.greentownchina.com/

China Overseas Land & Investment (中国海外発展)

中国海外発展有限公司(China Overseas Land & Investment、COLI)は、1979年に香港で設立された中国建築集団(CSCEC)傘下の中核不動産デベロッパーで、香港証券取引所(SEHK:688)に上場している。中国本土80以上の都市と海外市場で事業を展開する。

2025年通年業績では売上高1681億元、コア純利益130.1億元を達成した。現金保有残高1036億元・ネットギアリング比率34.2%と業界最高水準の財務健全性を誇り、契約販売金額2512億元は株主帰属ベースで2年連続業界首位を記録した。

事業は「不動産開発」「都市運営」「革新業務」の3セグメントで構成される。高品質住宅開発で確固たるブランド力を持ち、2025年には中国初の生物多様性保全レポートを発行するなどサステナブル開発にも先進的に取り組む。

国有企業の強固な資本基盤と保守的な財務管理が競争優位の源泉であり、民間デベロッパーが相次いで危機に陥る中で市場シェアを拡大している。今後の焦点は一・二線都市での土地取得と投資不動産収益の拡大である。

出典:http://www.coli.com.hk/

China Resources Land (华润置地)

华润置地有限公司(China Resources Land)は、国有企業グループ・華潤集団傘下の主要不動産デベロッパーとして1994年に設立され、香港証券取引所(SEHK:1109)に上場している。

2025年の通年業績では、売上高2814億元(前年比0.9%増)と過去最高を更新し、株主帰属純利益254億元を計上した。契約販売金額は2336億元で業界3位を維持し、借入コストは2.72%まで低下するなど財務効率化が進んでいる。

同社の最大の特徴は旗艦ブランド「万象城(Mixc)」を中核とする商業施設運営の強さにある。2025年末時点で全国50以上の都市に展開し、賃貸収益は安定的な経常収益源として機能している。「投資不動産+X」戦略のもと、長期賃貸マンション・産業パーク・ヘルスケア施設など多様な資産タイプへも積極的に展開している。

住宅分譲・商業施設・ホテル・長期賃貸の4事業を統合したビジネスモデルが市場変動への耐性を高めており、不動産市場の調整局面でも競争優位を維持できる構造となっている。今後も業界トップクラスの地位を維持するとみられる。

出典:https://www.crland.com.hk/

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Longfor Group (龙湖集团)

龍湖集団控股有限公司(Longfor Group)は、1993年に重慶で設立された総合不動産デベロッパーであり、香港証券取引所(SEHK:960)に上場している。住宅開発を中核として、商業施設運営・長期賃貸・不動産管理・住宅仲介・内装の6事業を展開する多業態モデルを構築している。

2025年通年業績は連結売上高973億元(不動産開発705億元・商業運営142億元・サービス126億元)、株主帰属純利益10.2億元を計上した。上半期の売上高は前年同期比25%増の588億元と回復基調を示した。

商業施設ブランド「天街(Paradise Walk)」は全国主要都市で好調な集客を維持しており、2028年までに運営収益が開発収益を上回ることを目標としている。長期賃貸ブランド「冠寓」も都市部の若年層需要を取り込んでいる。

民間デベロッパーとして相対的に財務健全性が高く、多角的な収益構造が市場調整局面での強靭性を支えている。今後は資産ライト型の経常収益拡大を戦略の中心に置く。

出典:https://www.longfor.com/

Seazen Holdings (新城控股)

新城控股股份有限公司(Seazen Holdings)は、1993年に江蘇省常州で設立され、現在は上海に本社を置く総合不動産デベロッパーである(上海証取:601155)。「住宅開発」と「商業運営」を両輪とする戦略を掲げ、旗艦ブランド「吾悦広場(Wuyue Plaza)」の全国展開が最大の特徴となっている。

2025年通年業績では営業収入530億元(前年比40.4%減)、株主帰属純利益6.8億元を計上した。不動産開発の落ち込みが大きい一方、商業運営部門は2桁成長を維持し全体収益を支えている。

2025年末時点で全国141都市に178カ所の吾悦広場が開業し、入居率97.86%を達成した。年間来店者数200億人(前年比13%増)、テナント売上高970億元(同7%増)と商業運営の競争力は堅固である。

住宅開発の収益性は圧縮されているが、商業運営からの安定賃貸収益が持続的経営を支えている。今後の焦点は商業施設ポートフォリオの拡大と住宅開発の効率化である。

出典:https://www.seazen.com.cn/

Country Garden (碧桂園)

碧桂園控股有限公司(Country Garden Holdings)は、1992年に広東省佛山市で設立された大手不動産デベロッパーであり、香港証券取引所(SEHK:2007)に上場している。最盛期には住宅引渡戸数で業界首位を誇り、全国規模の幅広いプロジェクト展開で知られていた。

2023年以降、深刻な流動性危機に陥り一部社債のデフォルトが発生した。2024年に7つの主要銀行シンジケート団との間で約116億ドルの債務削減を含む基本合意に達し、2026年2月には香港高等裁判所の清算申立が取り下げられ、事業継続が認められた。

2025年通期は債務免除に伴う会計処理により4期ぶりの会計上の黒字を計上したが、実態的な事業収益は依然として回復途上にある。現在は資産売却・事業縮小を進めながら経営立て直しを図っており、建設ロボット・BIM技術など先進建設テクノロジーへの取り組みも継続している。

財務危機の解決には債務再編の最終合意と市場環境の回復が不可欠であり、今後の動向は引き続き注視が必要な状況にある。

出典:https://www.bgy.com.cn/

Vanke (万科企業)

万科企業股份有限公司(China Vanke)は、1984年に設立された中国を代表する大手不動産デベロッパーであり、深圳証取(SZ:000002)と香港証取(HK:2202)に上場している。住宅開発を核に、賃貸マンション・商業施設・物流倉庫・養老事業など多角的な事業を全国展開してきた。

2025年業績は深刻な内容となり、株主帰属純損失886億元(約130億ドル)と前年比79%拡大した。土地棚卸資産の評価損(219億元)と信用損失引当金(342億元)が主因で、契約販売額は1341億元(同45.5%減)に落ち込んだ。

筆頭株主の深圳地下鉄集団(国有)が継続的な財務支援を行っており、2026年1月に24億元の融資が実行された。政府関与による債券期限延長も進み、破産には至らず事業継続が維持されている。

長年の財務保守性で定評があった万科にとって劇的な経営悪化である。非中核資産の売却・事業縮小・コスト削減が喫緊の課題であり、再建には市場全体の回復が不可欠な状況にある。

出典:https://vanke.com/

Sunac China Holdings (融創中国)

融創中国控股有限公司(Sunac China Holdings)は、2003年に設立された大手不動産デベロッパーであり、香港証券取引所(SEHK:1918)に上場している。北京・天津・上海・重慶・杭州などの主要都市で住宅・高級物件開発と文化観光都市(文旅城)の開発・運営を手がけてきた。

2021年以降の市場低迷の中で深刻な流動性危機に陥り、2022年に海外債務のデフォルトが発生した。2023年に第1回(102億ドル)、2025年10月に第2回海外債務再編(96億ドル)を98.5%の債権者賛成率で可決し、同年11月に香港裁判所の認可を受けた。

2025年12月に重慶のプロジェクトが着工するなど事業継続は維持されており、2026年1月時点での4年間累計住宅引渡戸数は72万戸に達した。一方、2025年6月末時点で約1178億元の期限超過借入金が残存し、財務リスクは依然高い。

文旅・不動産管理など事業の多角化は進んでいるが、財務再建の帰趨はなお不透明であり、市場回復動向と並行した注視が必要な状況にある。

出典:http://www.sunac.com.cn/

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中国の主要不動産デベロッパー企業2選〜日系編〜

Mitsui Fudosan (三井不動産)

三井不動産株式会社は、1941年に設立された日本最大級の総合不動産デベロッパーであり、東京証券取引所プライム市場に上場している。中国では上海・香港・広州・北京に拠点を構え、1990年代から継続的に不動産事業を展開してきた。

中国での主要プロジェクトとして、上海地下鉄1号線蓮花路駅直結の「三井ショッピングパーク ららステーション上海蓮花路」の開業を実現し、海外初の駅ビル型商業施設として注目を集めた。また大連での住宅分譲、寧波でのアウトレット事業、浙江省嘉興市・江蘇省南通市・蘇州市での大規模マンション開発など多様な事業ポートフォリオを有している。

国内で「ららぽーと」「三井アウトレットパーク」を展開するノウハウを中国市場に転用し、商業施設の企画・開発・運営に強みを持つ。三井不動産リアルティ中国を通じた法人向け不動産仲介・コンサルティング業務も展開している。

中国不動産市場の調整局面においても、強固な財務基盤と豊富な開発実績を背景に選別的な事業継続を維持している。今後は既存商業施設の安定運営を重視しつつ、成長分野への選択的投資が期待される。

出典:https://global.mf-realty.jp/cn/welcome/china01/

Mori Building (森大厦)

森ビル株式会社は、1955年に東京都港区でオフィスビル賃貸事業を開始した日本の大手不動産デベロッパーである。複合開発・都市再生・超高層ビル開発を得意とし、六本木ヒルズ・虎ノ門ヒルズなど日本を代表する都市開発プロジェクトを手がけてきた。

中国では2008年、上海浦東地区において地上101階・高さ492メートルの「上海環球金融中心(SWFC)」を開業した。日系不動産デベロッパーが中国で手がけた案件としては最大規模であり、アジアのビジネス・文化の重要拠点として機能している。

SWFCは高機能オフィス・商業施設・5つ星ホテル「パークハイアット上海」・展望台を垂直に重ねた複合施設であり、グローバル企業のアジア拠点として高い評価を得ている。量的拡大よりも高品質な施設運営と資産価値の長期維持を重視している。

中国における日系最大級の不動産投資案件として存在感を示し続けており、今後は高稼働維持と変化する上海のオフィス需要への対応が核心課題となる。

出典:https://www.mori.co.jp/cn/

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中国の主要不動産デベロッパー企業3選〜外資編〜

CapitaLand (凯德集団)

キャピタランド・グループ(CapitaLand Group)は、シンガポールに本社を置くアジア有数の多国籍不動産グループであり、1994年に中国へ進出した。投資・開発と資産管理の2部門に分かれ、シンガポールと中国を中核市場と位置付けている。

中国では40以上の都市で200以上のプロジェクトを保有・管理し、ショッピングモール・産業パーク・物流施設・データセンターなど多様な不動産カテゴリーを手がける。中国全土で43の商業施設を運営し、総小売資産管理額は約180億シンガポールドルに達する。

2025年9月には中国初の外資系スポンサーによる小売REIT「キャピタランド商業C-REIT」を上海証取に上場し、22.9億元を調達した。2025年4月には産業パーク向けの人民元建てREITも申請するなど、資産管理プラットフォームの拡充を積極的に進めている。

2025年ユーロマネー誌で「中国ベスト産業・ビジネスパーク開発会社」に選出されるなど評価が高く、多様なアセットへの対応力が長期的な競争優位の源泉となっている。

出典:https://www.capitaland.com.cn/

Keppel Land China (吉宝置業中国)

吉宝置業中国(Keppel Land China)は、シンガポールの多国籍企業・Keppel Corporation傘下のKeppel Landの中国子会社である。北京・上海・天津・瀋陽・成都・昆明・無錫・江陰などに拠点を構え、住宅・商業用不動産・ショッピングモール・複合型開発など多様なポートフォリオを保有する。

主要案件として、政府間プロジェクトである中国・シンガポール天津エコシティ(生態城)への参画がある。サステナブルな都市開発の国際モデルケースとして、住宅・商業・環境施設の複合開発が継続されている。

親会社のKeppel Corporationはエネルギー・環境・都市開発・資産管理に展開するシンガポール代表的国有関連企業グループであり、安定した財務基盤が中国事業を支えている。持続可能な都市化ソリューションの提供を方向性として重視している。

中国不動産市場の調整局面においても、シンガポール系国有企業の信用力を背景に事業継続性が維持されている。今後は既存資産の運営最適化と政府連携型開発の推進が柱となる。

出典:https://www.keppellandchina.com/

CP Group / Charoen Pokphand (正大集団)

正大集団(CP Group)は、1921年にタイ系中国人の謝易初氏が設立したタイを代表する多国籍企業コングロマリットである。食品・卸・小売・電子機器を中心に、金融・不動産・製薬・農業など10以上の業種に展開し、世界100以上の国と地域で約35万人の従業員を擁する。

中国との関係は特に深く、1979年に外資系企業として初の投資許可を取得した企業の一つとして知られる。農業・食品(CP Food)・小売(7-Eleven中国事業)・金融・不動産など幅広いセクターで中国市場に根を張っており、北京大学・復旦大学等への教育支援も継続している。

不動産事業については、住宅開発・商業施設・複合型不動産など中国各地でのプロジェクトを手がけており、コングロマリットとしての多様なビジネスネットワークを活かした独自の市場ポジションを維持している。中国政府との長年の良好な関係も事業継続の強みとなっている。

不動産市場の調整局面の影響を受けながらも、食品・小売を中心とした多角的な事業基盤が不動産リスクを分散しており、グループ全体として安定した事業継続が見込まれる。

出典:http://www.cpgroup.cn/

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李 偉 China Market Research Analyst
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。
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