【最新版!】中国の主要海運会社14選〜運輸・物流業界〜

中国 海運業界 業界地図

中国の海運業界は、中遠海運控股(COSCO)や招商局能源運輸、海豊国際控股など主要企業が世界最大級のコンテナ船隊とタンカー船団を運営しています。国有大手グループが業界の中核を担うグローバル市場です。

今回は、そんな中国の海運業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

中国の海運業界 業界地図はこちら!
目次

中国の主要海運企業9選〜ローカル編〜

COSCO Shipping Holdings (中遠海運控股)

1997年設立(前身の中国遠洋運輸は1961年)。中国遠洋海運集団の上場子会社として香港・上海証券取引所に上場する、中国最大のコンテナ海運事業会社である。

2025年度のコンテナ輸送量は前年比5.76%増の2,743万TEUを達成し、売上高は2,195億元(約300億ドル)を記録した。自社管理コンテナ船隊は590隻・総積載量約360万TEUに達し、アジア欧州・北米・その他国際航路を中心にグローバルネットワークを展開する。株主帰属純利益は308.6億元を計上している。

メタノール二元燃料船42隻・LNG二元燃料船12隻を発注するなど脱炭素化を見据えた船隊刷新を推進しており、デジタル化と「グリーン」化を経営戦略の核に据える。

傘下にCOSCO Shipping Ports(港湾運営)やCOSCO Shipping Logistics(物流)等を擁する総合海運グループの中核事業会社として、中国の国家エネルギー・物資輸送を支える役割を担っている。

出典:http://en.hold.coscoshipping.com/

China Merchants Energy Shipping (招商局能源运输)

1872年創業の招商局グループの海運事業を継承し、2004年に上場した中国を代表するタンカー専門海運会社である。上海証券取引所(600428)に上場し、招商局グループの交通セグメントの中核を担う。

主力事業はVLCC(超大型原油タンカー)を中心とする原油輸送で、2025年末時点でVLCC51隻・総重量約1,611万DWTを保有し、世界最大のVLCC保有会社の地位を維持する。乾散貨物・ガス・特殊輸送もカバーする多角的な船隊を運営している。

2025年上半期の売上高は126億元(前年同期比4.9%減)、株主帰属純利益は21億元(同14.9%減)と市況軟化の影響を受けたが、DSICでVLCC10隻(総額約12.4億ドル)を新規発注するなど積極的な船隊拡張戦略を継続している。

メタノール二元燃料VLCC発注にも踏み出すなどグリーン船舶への移行を推進し、国家エネルギー輸送安全保障の担い手として長期的な競争力強化を図っている。

出典:https://www.cmenergyshipping.com/

SITC International Holdings (海丰国际控股)

1991年設立。香港に本社を置き、香港証券取引所(1308)に上場するアジア域内特化型コンテナ海運会社である。中国・日本・韓国・東南アジアを中心に、14カ国・地域の主要港湾をネットワークでカバーする。

2025年12月末時点の船隊規模は119隻(自社保有99隻・傭船20隻)、総積載量184,961TEU、平均船齢9.4年と船隊の若返りが進んでいる。2025年度の年間コンテナ輸送量は前年比7.8%増の384.8万TEUを達成し、平均運賃も4.5%上昇してTEU当たり753.3ドルとなった。

2025年度通年の売上高・純利益ともに大幅増収増益を記録し、2026年以降の船隊拡張に向けて新造フィーダー船の追加発注オプションも行使するなど成長投資を継続している。

少量多頻度・地域密着型のサービス体制でアジア域内貿易の拡大を取り込んでいる点が強みであり、2025年にはバングラデシュ・ミャンマー・インドへの新航路展開も推進している。

出典:https://www.sitc.com/

Shanghai Jinjiang Shipping (上海錦江航運)

1983年設立。上海国際港務(集団)の傘下に置かれる国際コンテナ輸送・内支線物流を主力事業とする中国の海運会社で、上海証券取引所に上場する。東アジア・東南アジア域内コンテナ輸送に特化した戦略で市場シェアを拡大している。

2025年度上半期の売上高は約34億元(前年同期比26%増)、純利益は約7.94億元(前年同期比150%超増)と好業績を記録した。2025〜2026年時点の運航船隊は51〜52隻・約56,000〜59,000TEUで、グローバルコンテナ船社ランキング上位35位圏内、中国本土船社の上位グループに位置する。

船隊刷新にも積極的で、1,182TEU型エコフィーダー船の新造発注に加え、東南アジア航路強化を目的に1,800TEU型「バンコクマックス」船の建造計画を推進している。

長江流域を含む国内沿海航路の整備とHDS(当日配送サービス)による付加価値物流の両輪で、上海国際航運センター建設への貢献も果たしている。

出典:https://www.jjshipping.cn/

Chipolbrok (中波輪船)

1951年設立。中国とポーランドの合弁で設立された新中国初の中外合弁企業であり、上海に本社、ポーランドのグディニャに支社、米国ヒューストンに子会社を置く重量物・多目的輸送専門の海運会社である。

2025年末時点の船隊は33隻以上・総積載量120万DWT超で、多目的重量物船・重量クレーン搭載船を中核に構成されている。2025年には新造の多目的重量物船(6.08万DWT型)6隻の建造契約を締結するなど積極的な船隊拡張を進めている。

2025年の運航事例では、風力タービン・風力発電部材・鉄鋼等を組み合わせた多目的グローバル航海を実施し、欧州〜アジア間のプロジェクト貨物・バルク混載サービスで輸送の多様性と柔軟性を発揮した。

最大700トン級のヘビーリフト対応クレーンを搭載した近代的な船型を活かし、エネルギーインフラ関連貨物の輸送需要を取り込んでいる。米連邦海事委員会(FMC)の管理キャリアリストにも掲載される国際的な存在感を持つ。

出典:https://www.chipolbrok.com.cn/

中国の海運業界 業界地図はこちら!

Taicang Container Lines (太倉港集装箱海运)

2011年設立。江蘇省で唯一の省級国際コンテナ船会社として、日本・韓国・東南アジアへの外貿航路を専門に運営する海運会社である。太倉港を母港とし、地域の輸出入貨物輸送基盤を支える公益的役割も担っている。

運営航路は対外貿易11本で、日本向け8本・韓国向け2本・東南アジア向け1本から構成され、日韓・東南アジアの15前後の主要港をカバーしている。常州・張家港・南通・徐州・宿遷など内陸方面の貨物集配も担っている。

太倉港全体では2025年1〜8月に累計コンテナ取扱量580万TEU(前年比2.2%増)、外貿貨物量8,659万トン(同11.7%増)を達成しており、その成長を支える中核輸送機関として航路ネットワークの拡充を続けている。

江蘇省の輸出競争力強化と地方経済の活性化を使命に掲げ、安定した顧客基盤のもとで継続的な事業運営を行っている。

出典:http://www.tclcline.com.cn/

CU Lines (中聯航運)

2005年設立。深圳聯合国際船務代理を主要株主とする国有系コンテナ海運会社で、上海に運営管理本部を置く。台湾海峡両岸直行便・東南アジア航路に強みを持ち、国内沿海・長江内貿航路も展開する総合コンテナ船社である。

2025年は事業拡大の年となり、1月にインドのムンバイへ現地法人を設立、2月にドバイへ中東会社を設立して中東・インド・紅海市場への本格進出を図った。さらに2025年6月には2023年中断以来となる中米西岸航路(TP1ルート)の運航を再開し、米国市場への回帰を果たしている。

核心サービスは台湾海峡南北直行便と北部湾エリアサービスで、上海・寧波・深圳・香港・高雄・台北・台中等の主要港をカバーする。乾散貨物の傭船業務も手がけ、物流サプライチェーンの多角化も進めている。

国際コンテナ輸送から沿海内貿まで幅広いサービスポートフォリオを持つ成長企業として、アジア各市場での存在感を高めている。

出典:http://www.culines.com/

Zhonggu Shipping (中谷海運集団)

2003年設立。中国国内沿海・長江流域のコンテナ輸送に特化した民間海運会社で、国内貿易コンテナ輸送の草創期から事業を展開する先駆的企業である。グループ全体で物流・燃油供給・船舶管理・港湾運営・金融・保険・ITを手がける総合海運グループへと発展している。

2025年時点の運航船隊はアルファライナー集計で約60隻・5.35万TEU(一部データでは100隻超とも)とされ、国内60本以上の航路を運営する。沿海ハブ港と長江流域幹線の73港をカバーし、支社・事務所は全国150カ所以上、従業員は2,000人近い。

2025年5月には浮きクレーン2基・甲板船8隻の設備投資を実施し、同年ウーハン・青山造船所に1,800TEU型コンテナ船10隻(2028〜2029年引渡し)を発注するなど次世代船隊の構築に向けた投資を加速している。

2026年以降の新造船コミットメントは10億ドル超に達しており、国内沿海輸送リーダーとしての地位固めを確実に進めている。

出典:http://www.zhonggushipping.com/

Trawind Shipping (大連信風海運)

1998年設立。大連に本社を置く国際・国内海運物流、船舶管理、eコマース、IT開発、投資管理を手がける総合海運会社である。カスタマイズ物流ソリューションを強みとし、コンテナ・バルク・大型機器等の多品目を対象にドア・ツー・ドアの一貫輸送サービスを提供する。

2025年時点で自社保有船23隻・総輸送力200万トン以上を運営し、海外支店6拠点・国内45支店(沿海・長江流域)を通じたネットワークを展開している。従業員は1,000人超。2025年には揚子江造船所に4,600TEU型コンテナ船2隻(各4,000万ドル)を発注し、第1四半期に引渡しを受けた。

穀物輸送の新航路(営口〜寧波舟山港)を開設するなど内需向け輸送路線の拡充も進めており、北東アジア・東南アジア・欧州向けの多品目輸送で国際市場にも対応している。

船舶管理・IT開発・投資管理の子会社群を活用した多角化を進め、環境対応船舶の導入を含む持続的成長戦略のもと国内外双方の輸送需要に対応している。

出典:http://www.trawind.com/

中国の海運業界 業界地図はこちら!

中国の主要海運企業2選〜日系編〜

Yusen Logistics China (日郵物流中国)

2000年設立。日本郵船(NYK Line)グループの全資子会社として中国に設置された国際物流会社で、Yusen Logisticsブランドの下、中国全土21都市・1,200名超の従業員を擁する。登録資本金は約1,954万ドルで、上海に本部を置く。

主力サービスは国際海上・航空フォワーディング、倉庫・流通、物流プロジェクト設計、サプライチェーンソリューション、可視化システム開発・実装である。60カ国以上に及ぶグローバルネットワークと先進的なIT基盤を活かし、中国発着の国際物流を一貫して支援している。

2025年はグループ創業70周年の節目の年にあたり、同年のガートナー・マジック・クアドラント(第三者物流)においてChallengerとして2年連続で選出された。中国国内では263台以上の各種バン・税関監督車・コンテナ専用車を自営運用し、多数の船会社との長期パートナーシップに基づくコスト競争力の高いサービスを提供している。

国際物流の総合的なハブとして機能し、製造業から消費財まで幅広い業界の顧客企業の中国サプライチェーン最適化を支援している。

出典:https://www.yusen-logistics.com/en/east-asia/china/

K Line China (川崎汽船中国)

1995年設立。川崎汽船株式会社(K LINE)の100%出資子会社として中国に設立された総合海運サービス会社で、上海に本社を置き、中国地区10社以上の取扱会社・事務所を通じた広域ネットワークを有する。

親会社K Lineは2025年度(2026年3月期)連結売上高が約66億ドル規模を記録し、コンテナ船・ドライバルク船・自動車運搬船・LNG船・原油タンカー・大型特殊貨物船等の多様な船種を世界規模で運航する。川崎汽船(中国)はこれらの中国向け営業・代理業務を一手に担い、コンテナ・ドライバルク・自動車・液化ガス等の幅広い輸送サービスを国内外顧客に提供している。

2025年にはLNG燃料自動車船「OCEANUS HIGHWAY」(6,900台積み)を就航させ、自動車運搬船向けのバイオLNG燃料の継続使用を開始するなど、2050年GHGネットゼロを見据えたグリーン船舶戦略を推進している。

安全・安定・高品質・高効率の総合海運サービスを軸に、中国全土の主要航路と多様な輸送ニーズに対応し続けている。

出典:https://www.kline.com.cn/

中国の海運業界 業界地図はこちら!

中国の主要海運企業3選〜外資編〜

Maersk China (马士基中国航运)

1994年中国進出。デンマークに本社を置くA.P.モラー・マースク(Maersk)の中国事業で、世界125カ国以上に拠点を持つ世界最大級のコンテナ輸送・物流グループである。コンテナ船約550隻を含む全約250隻を保有・運航する。

中国は同社のグローバル事業において最重要市場の一つであり、取扱量の約3割が中国関連とされる。中国の輸出拡大は2025年の世界コンテナ市場を下支えする最大要因となっており、中国の対世界輸出シェアは2023年の33%から2025年には約37%へ上昇している。

中国内では内陸サービス・通関代理・海上輸送・倉庫管理・流通まで一貫したエンド・ツー・エンドのサプライチェーンソリューションを提供し、グリーン物流への転換も積極推進している。

2025年度(1〜9月)の連結売上高は407億ドルで、通期純利益見通しは20〜35億ドルと堅調な業績を維持している。中国市場との関与をさらに深め、デジタル統合型の物流ソリューションを拡充している。

出典:https://www.maersk.com.cn/

MSC China (利胜地中海航)

1970年設立、スイス・ジュネーブに本社を置くMediterranean Shipping Companyの中国事業拠点で、上海等主要都市に事務所を展開する。2025年、世界初の1,000隻超コンテナ船社となり、総積載容量は7.3百万TEU超と業界最大規模を達成している。

2025年11月時点で世界コンテナ容量シェアは21.2%に達し、2位のMaerskを57%上回るという圧倒的なリードを誇る。中国では寧波港でコンテナシェア16%を確保し、寧波に新たな船舶管理拠点を設立するなど中国市場への関与をさらに深化させている。

中国造船所に70隻以上の新造船を発注中とされ、その一隻が2025年に中国の舟山長虹造船所で引渡された際に1,000隻達成の節目となった。155カ国・地域で事業を展開し、524事務所のネットワークを通じて電子商取引によるデジタル貨物発注にも対応している。

最新グリーン技術搭載船団で215航路・500港をカバーし、年間約2,150万トンを輸送しており、中国の貿易量拡大を下支えする存在となっている。

出典:https://www.msc.com/chn

CMA CGM China (达飞轮船中国)

1992年中国進出。フランス・マルセイユに本社を置くCMA CGMグループの中国事業で、达飞汽船・达飞物流・达飞船舶の3社を擁し、従業員1,700名超が中国市場でサービスを提供している。

2025年度グループ連結売上高は544億ドルを達成した。世界160カ国以上・400港・655支店・445隻のコンテナ船を保有しており、マースク、MSCに次ぐ世界第3位のコンテナ輸送会社である。2025年4月には上海・滬東中華造船所で23,000TEU型LNG二元燃料コンテナ船「CMA CGM SEINE」の引渡しを受け、同年27隻のLNG・メタノール燃料新造船を竣工している。

中国市場での存在感も際立ち、2025年には奇瑞汽車グループ国際ビジネスサミットで「2024年最優秀サプライチェーンパートナー」を受賞した。

66ターミナル・40カ国への港湾投資(2025年度25億ドル)も継続し、物流・メディア・金融を含む総合物流グループとして中国との関係を一層深化させている。

出典:https://www.cma-cgm.com/local/china-agencies

中国の海運業界 業界地図はこちら!

FAQ

中国の主要海運会社とはどのような企業でしょうか?

中国の主要海運会社は国内外にわたり多岐にわたる物流サービスを提供しており、ローカル企業、日系企業、外資系企業を含めて14社が厳選されています。これらの企業は国内外の貨物輸送や海運業全般にわたり積極的に活動しています。

中国の代表的なローカル海運会社にはどのような企業がありますか?

中国のローカル企業としては、中遠海運國際貨運有限公司(コスコ)や中波輪船股份公司(ジョンボールン)、上海錦江航運(ジンジャン)、海豊国际控股有限公司(カイフェングオジー)などが挙げられます。これらは国内外の貨物輸送を網羅し、広範なサービスを展開しています。

日系企業の中国における海運会社の特徴は何ですか?

日系企業の中国海運会社には、日郵物流(中国)(ユーセン)や川崎汽船(中国)などがあり、いずれも高い信頼性と先進的な物流サービスを提供しています。これらは、日本の大手海運企業のノウハウを活かし、国内外の顧客へ優れたサービスを行っています。

外資系企業が中国の海運業界で果たしている役割は何ですか?

外資系企業としては、マースクやMSC、CMA CGMなどがあり、これらはグローバルな輸送ネットワークと先進的な技術を駆使して、中国市場に高品質の海運サービスを提供し、市場の競争力を高めています。

中国の海運業界の今後の展望についてはどう考えられますか?

中国の海運業界は、国内外の物流需要の拡大と環境に優しい船舶技術の導入により、ますます成長すると予想されます。今後もグローバルな物流ネットワークを強化し、持続可能な運営を追求していくことが期待されています。

投稿者アバター
李 偉 China Market Research Analyst
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次