中国の学習塾業界は、好未来教育集団や新东方教育科技集団、高途教育科技集団など主要企業がオンライン・オフライン双方で教育サービスを展開しています。規制強化を経て再編が進む分野です。
今回は、そんな中国の幼児教育・学習塾業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて11社の最新情報をお届けしていきます!
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中国の主要幼児教育・学習塾企業8選〜ローカル編〜
TAL Education Group (好未来教育集団)
TAL Education Group (好未来教育集団)は2003年に北京で創業し、2010年にニューヨーク証券取引所 (NYSE: TAL) に上場した中国最大の教育テクノロジー企業である。傘下の「学而思ペイヨウ」ブランドで数学・英語・理科の小グループ授業を展開してきたが、2021年8月の双減政策施行により義務教育段階の学科系サービスを終了した。
双減後は2〜18歳向けの非学科系学習や成人向けサービス、AIスマート学習デバイス「学而思学習機」の販売へ事業軸を移した。2025年1月にはAI個別指導システム「Genius Tutor」を全国展開し、AIアシスタント「小司」の累計起動回数は2025年12月時点で10億回を超えた。
FY2026 (2026年2月期)の売上高は約30.1億ドルで前年比33.7%増、営業利益は2.76億ドルと転換後最高水準となった。オフライン学習センターは中国40都市以上に拡大し、受講生継続率は約80%を維持している。
非学科系・AIハードウェア・海外事業の三本柱へのピボットに成功し、安定した成長軌道を描いている。
出典:https://ir.100tal.com/
New Oriental Education & Technology Group (新东方教育科技集団)
New Oriental Education & Technology Group (新东方教育科技集団)は1993年に北京で俞敏洪氏が創業し、2006年にNYSE (EDU)、2020年に香港証券取引所 (9901) に上場した中国最大の総合教育企業である。語学・受験準備・K12学科補習など幅広いサービスを展開してきた。
2021年の双減政策により義務教育段階の学科系事業を全面停止し、成人向け語学・海外留学支援へと転換を加速した。2022年に開始した農産品ライブコマース「東方甄選」が急成長し収益回復の牽引役となった。
FY2025 (2025年5月期)の売上高は約49億ドルで前年比13.6%増。2025年8月末時点で全国69都市に1,347の学習センターと76の学校を運営し、非学科系コースの四半期学生登録数は約91.8万人に達した。AIインテリジェント学習システムのアクティブ利用者は同期間に約25.5万人となっている。
成人語学教育・海外進学支援・AIツールの3軸で展開を強化し、双減後の業界再編を生き抜いた最大手として存在感を高めている。
出典:https://www.neworiental.org/
Gaotu Group (高途教育科技集団)
Gaotu Group (高途教育科技集団)は2014年に陳向東氏が設立し、2021年にニューヨーク証券取引所 (NYSE: GOTU) に上場した中国の教育テクノロジー企業である。「跟谁学」「高途课堂」ブランドで主にK12学科系オンライン授業を提供してきたが、2021年の双減政策の打撃を最も大きく受けた企業の一つである。
双減後は義務教育段階の学科系サービスを終了し、K9非学科 (プログラミング・科学・思考力)・高校受験対策・社会人向け語学・職業教育へと転換した。2025年5月には「青少年教育研究院」を設立し、研究旅行・思考力・AIプログラミングなど4領域の素質教育プロダクトを展開している。
FY2024 (2024年12月期)の売上高は45.4億元で前年比53.8%増、現金収入は56億元を突破した。2025年Q1の非学科事業収入は5.2億元超となり全社成長の中核ドライバーとなっている。全国に約100カ所のオフライン拠点を展開している。
非学科・成人学習・AI個別指導を三本柱に据えた転換が軌道に乗り、双減後の業界再編の中で再浮上しつつある。
出典:https://www.gaotu.cn/
Xueda Education Group (学大教育)
Xueda Education Group (学大教育)は2001年に北京で創業し、2012年に深圳証券取引所 (000526) に上場した中国の個別指導特化型教育企業である。K12の1対1・小グループ個別カスタマイズ指導を全国展開するビジネスモデルが特徴で、双減政策後も個別指導は一定範囲で継続可能であったことから他の大手より影響が限定的だった。
2024年の売上高は27.86億元で、全国に「个性化学习中心 (個別化学習センター)」を300所超運営している。2025年Q1の売上高は8.64億元で前年同期比22.46%増、純利益は前年同期比47%増を達成した。2025年上半期の帰属純利益も前年同期比43.86%増と高い成長率を維持している。
「因材施教 (個々の能力に応じた教育)」を核心理念とし、AIを活用した学習診断・個別カリキュラム生成システムの開発にも注力する。高校・大学受験対策や成人資格取得支援などの分野でも展開を強化している。
個別指導という参入障壁の高い事業モデルと全国300所超のセンター網を強みに、競合が廃業・縮小した市場環境での地位向上が続いている。
出典:https://www.xuedaedu.com/
Zuoyebang (作业帮/極目未来)
Zuoyebang (作业帮)は2015年に百度からスピンオフし、2021年に「極目未来」と社名を変更した北京の教育テクノロジー企業である。K12向け写真解答アプリから始まり、オンライン学科授業・家庭教師マッチングへと拡大してきたが、2021年の双減政策により義務教育段階の学科系サービスを終了した。
双減後はAI学習ハードウェアへのピボットを加速し、「T20学習機」などの自社製品群を展開している。2025年上半期における中国の学習タブレット市場オンライン販売シェアは33.4% (販売台数1位)に達し、業界最大手の地位を確立した。海外向けAI個別指導アプリ「Question.AI」は北米・インドネシア市場で週間アクティブユーザー200万人を達成している。
2025年には米国SECへ約10億ドル規模のIPOを目指す機密申請を提出したと報じられ、累計融資総額は23.5億ドル超に達している。
AI教育コンテンツとスマートデバイスの融合によるビジネスモデル構築を進め、教育ハードウェア市場のリーダーとして存在感を示している。
出典:https://www.zuoyebang.com/
Yuanfudao (猿辅导)
Yuanfudao (猿辅导)は2012年に北京で設立された非上場の教育テクノロジー企業で、ピーク時の企業価値は170億ドルに達した。K12向けオンライン個別指導サービスと学習補助アプリを中核とし、双減政策前は中国最大のオンライン教育ユニコーンの一つに数えられた。
2021年の双減政策施行後、義務教育段階の学科系オンライン授業サービスを終了し、AIスマート学習機「小猿学習機 (Xiaoyuan Learning Machine)」の開発・販売に事業軸を転換した。2023年8月の発売から16カ月で累計販売台数100万台を達成し、2024年の年間販売台数は約80万台・売上高は約30億元で学習タブレット単品カテゴリ国内首位を維持した。
2024年からは「直営+代理店」モデルで全国一二線都市・省都を中心に約300店舗のオフライン展開を開始し、2025年は二三線都市への拡大を計画している。2025年初頭には全製品へのDeepSeek大規模言語モデル統合を発表した。
技術研究開発への累計投資は約100億元に達し、AI教育を基軸とした成長戦略を継続している。
出典:https://ke.yuanfudao.com/
China Beststudy Education Group (卓越教育集団)
China Beststudy Education Group (卓越教育集団)は1994年に広州市で創業し、2019年に香港証券取引所 (03978) に上場した中国の教育サービス企業である。広東省を地盤に小中学生向けの学科補習・英語・算数を主力に展開してきたが、2021年の双減政策により学科系事業を縮小した。
双減後は素質教育 (非学科系の芸術・スポーツ・思考力・プログラミング等)への転換を加速し、その成果が業績に顕著に表れている。2024年の売上高は11.02億元で前年比125.2%増、純利益は1.92億元で前年比114%増を記録した。契約負債 (前受金)は6.02億元で前年比184.3%増となり将来収益への強い先行指標となっている。
2025年の売上高については複数の証券会社が平均20.1億元 (前年比83%増)を予測しており、素質教育シフトによる需要拡大が続く見込みである。広東省都市部を中心とした学習センターを拠点に保護者の素質教育ニーズを取り込む戦略を継続している。
規制が厳格化する環境で素質教育という規制外領域へ早期シフトした典型企業として注目されている。
出典:https://www.beststudy.com.cn/
Xinghuo Education (シンフオ)
星火教育は2003年に広東省広州で創業し、2009年には「東莞市星火教育科技有限公司」として法人登記された、晓教育集団傘下の主力ブランドである。6〜18歳を対象に「星火1対1」「精品課堂」など学科系の個別・少人数指導を主力とし、全国展開の学習塾チェーンへ成長した。
2021年7月の「双減」政策で学科類校外培訓が非営利化・規制強化される中、同社も学科指導を縮小し、プログラミングや美術、話術、英語絵本などの非学科系「素質教育」講座や学童保育(托管)へ軸足を移した。企業登記上の経営状態は現在も「在業」(存続中)で、事業自体は消滅していない。
双減後は運営元を晓教育集団として再編し、星火教育・晓培優・晓双師・星火網校など複数ブランドを擁する総合教育科技企業へ転換した。公表資料では全国15省・40都市以上に280校超の学習センターを展開し、2025〜2026年卒業予定者向け新卒採用も継続している。
出典:https://www.xiao100.com/
中国の主要幼児教育・学習塾企業2選〜日系編〜
Kumon (クモン)
公文教育研究会は、公文公が1958年に大阪で創立した学習塾チェーンで、独自の「公文式」自学自習教材(算数・国語・英語)を用いる指導法を国内外に展開してきた。海外進出は早くから進められ、中華圏へも比較的早期に拠点を構えたとされる。
中国事業は香港に本社を置く「香港中国公文有限公司」が統括し、香港・マカオに加え中国本土では北京・上海・広東(広州・仏山・深圳)の各都市に拠点オフィスを構える体制を敷く。教材は算数・国語(中国語)・英語の三科目が中心で、学年や年齢に縛られず生徒個々の到達度に応じて教材を進める自学自習方式を特徴とする。
同方式は受験対策のような学科補習とは一線を画す非学科系の学習支援と位置づけられ、2021年の「双減」政策による学科類学習塾規制の直接的な対象とはされていない点が他の学習塾業態と異なる。
2026年7月時点で公文中国公式サイト(kumon.com.cn)は稼働中であり、北京・上海・広州・深圳の各拠点の住所・電話番号が最新情報として掲載されている。同サイトのICP備案番号も2023年付けで更新され、中国本土での組織運営継続がうかがえる。
出典:https://www.kumon.com.cn/zh-cn/
Sundai (スンダイ)
駿台は学校法人駿河台学園を母体とする日本の大手大学受験予備校グループであり、国内での受験指導に加え、1990年代以降「駿台海外校」を展開し、帰国生・海外在住日本人子女向けの学習塾ネットワークを構築してきた。現在は東アジア、東南アジア、南北アメリカ、欧州にまたがる世界19校舎を運営している。
中国では上海市長寧区の古北エリアに2003年開校の上海校、浦東新区に浦東校を構える。両校とも小学1年生から中学3年生(高校生にも対応)を対象に、現地校やインターナショナルスクールに通う日本人帰国生向けの受験対策、定期考査対策、個別指導などを提供している。
東アジア地区では他に、20年以上の歴史を持つ香港校、台湾・台北市士林区の台北校を運営しており、いずれも日本の難関中学・高校・大学への進学を見据えた帰国生向け進学塾として、駿台海外校ネットワークの中核を担っている。
2026年7月時点で、上海校・浦東校は夏期講習、新中学1年生準備講座の説明会、無料学力診断テストなどを継続的に実施しており、平日夜間・週末も授業を行う体制を維持している。
出典:https://kaigai.sundai.ac.jp/east/sha
中国の主要幼児教育・学習塾企業1選〜外資編〜
EF Education First (イーエフ)
英孚教育の起源は1965年、スウェーデン人のバーティル・フルト氏が学生を率いて英国へ語学留学したことに遡る。1993年に上海へ進出し、外資系語学教育機関として同市に認可された最初期の一社となった。2000年には上海に中国本部を設立し、以降は成人向け語学研修と青少年向け語学教育の両輪で全国展開を進めてきた。
中国事業では、18歳以上を対象とした対面型英語研修・職場英語・会話クラブに加え、3〜18歳向けに語学表現・科学創作・芸術創造・研修キャンプといった非学科系プログラムを展開している。
2021年の「双減」政策により学科類の学習塾指導が規制されて以降、青少年向け事業は科創・芸術・キャンプなど非学科分野へ再編し、スイスの投資会社パーミラが青少年英語事業の過半株式を取得するなど資本構成も見直された。同時に成人向け事業では地方都市の一部教室を閉鎖し、主要都市に経営資源を集中する再編を行った。
2026年7月時点で、公式サイト(ef.com.cn)は稼働しており、上海を含む主要都市で成人・青少年向け講座の募集や採用活動が行われている。
出典:https://www.ef.com.cn/
FAQ
中国における主要な学習塾・個別指導スクールにはどのような種類がありますか?
中国の学習塾・個別指導スクールは、ローカル企業、日系企業、外資系企業の三つのカテゴリーに分かれ、それぞれ特徴的なサービスと教育モデルを提供しています。
主要なローカル企業にはどのようなものがありますか?
主要なローカル企業には、星火教育、凹凸個性教育、巨人教育、学大教育、優勝教育などがあります。これらは全国に展開し、多様な教育理念とモデルを持っています。
日系の学習塾企業にはどのようなものがありますか?
日系企業として代表的なのは公文教育と駿台です。これらは中国に展開しており、公文は1980年代から、駿台は1997年から事業を展開しています。
外資系企業の代表例は何ですか?
外資系の代表例には、英菲(EF)とウォールストリートイングリッシュ(Wall Street English)があり、世界的に展開し多言語・英語教育サービスを提供しています。
それぞれの企業が持つ教育の特徴や強みは何ですか?
各企業は独自の教育理念やモデルを持ち、例えば星火教育は全科目対応の個別指導に優れ、凹凸個性教育は個性重視の革新的モデルを展開、駿台は難関校合格実績に強みを持ち、英乃やウォールストリートイングリッシュは国際的な英語教育ネットワークと多角的プログラムを提供しています。

