今回は、タイのスーパー・コンビニエンスストア業界に焦点を当て、ローカル・日系合わせて13社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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タイの主要スーパー・コンビニエンスストア8選〜ローカル編〜
Lotus‘s (ロータス)
1994年にLotus Super Centerとして設立されたハイパーマーケット。当初はタイの財閥チャロン・ポカパン(CP)グループによる運営であったが、1998年からはイギリスの小売大手Tescoが資本参加しTesco Lotusとして親しまれていた。2020年にTescoがタイおよびマレーシアから撤退し再びCPグループの所有となったことで、ブランド名をLotus’sへ変更した。
食料品や生活必需品、化粧品、家電、衣料品などあらゆるものを取り揃える大型店舗を中心に、コンビニエンスストア形態の小型店Tesco Lotus Expressやオンラインショッピングも展開する。CPグループの基準で管理された高品質で安全な製品を良心的な価格で提供している。
現在ではタイ全国に2,000店舗以上を展開し、オムニチャネルと合わせて週に1,000万人もの顧客に商品を届けている。
2020年度の売上高は前年比0.4%減の187,959百万バーツ、純利益は前年比55%増の12,107百万バーツであった。(運営会社Ek-Chai Distribution System Co., Ltd.の実績)
出典:https://www.tescolotus.com/en/home
Big C Supercenter PCL. (ビッグ・シー・スーパーセンター)
1993年にタイの小売大手セントラルグループにより設立されたハイパーマーケット。2016年からタイ証券取引所SET上場の大手商社バーリユッカー社(BJC)傘下となった。生鮮食品、加工食品、衣料品、家具、家電などを取り扱う大型店舗Big C SupercenterやBig C Extraなどをはじめ、コンビニエンスストア形態の小型店MIni Big C、ドラッグストアのPure Pharmacyなど様々な店舗を展開する。オンラインショッピングにも対応している。現在ではタイ全国に1,500店舗以上を展開し、計16,000人以上の従業員を擁する。また、カンボジアやラオスなどの周辺諸国にも進出している。
2020年度の売上高は前年比10%減の100,081百万バーツで、純利益は不明。
出典:https://corporate.bigc.co.th/
Central Food Retail Co., Ltd. (セントラル・フード・リテール)
1996年にタイの小売大手セントラルグループにより設立されたハイパーマーケット。中~高所得層をターゲットとしたスーパーマーケットの6つのブランド(Central Food Hall、Tops market、Tops SUPERSTORE、Superkoom、Tops daily、Eathai)をタイ全国に計236店舗展開する。スーパーマーケット事業の他にも酒店のCentral Wine CellarやカフェSegafredo Zanetti Espresso、日系ドラッグストアのマツモトキヨシの運営も行っている。オンラインショッピングにも対応している。また、ベトナムのBig CおよびGO!ブランドのスーパーマーケットは同社の運営である。
2020年度の売上高は前年比6.6%減の40,315百万バーツ、純利益は前年比12%減の587百万バーツであった。
出典:https://corporate.tops.co.th/
Siam Makro PCL. (サイアム・マクロ)
1988年に設立された会員制卸売スーパーマーケット。1994年よりタイ証券取引所SETに上場している。CPグループ傘下のCP Allの関連会社であり、同社が38%の株式シェアを所有している。大型店舗makroと中型店舗のmakro food serviceの計130店舗をタイ全国に展開し、生鮮食品、加工食品、日用品、家電などを販売する。卸売業者として小売店やレストラン、ケータリング業者へ商品を提供しているが、店舗は会員登録をすれば一般消費者も利用可能である。また、makroclickという名称でオンラインショッピングも展開している。
2020年度の売上高は前年比3.9%増の218,760百万バーツ、純利益は前年比5.0%増の6,563百万バーツであった。
出典:https://www.siammakro.co.th/en/
C.J. Express Group Co., Ltd. (シージェー・エキスプレス・グループ)
2005年に創業したスーパーマーケット。当初はPSD Rak Thai Co., Ltd.という社名で運営していたが、2013年に現在の社名となった。創業から15年余りであり他の小売店と比較すると新しい業者といえるが、急速に店舗拡大を続けている。現在では29の都県に計600店舗以上を展開し、今後さらにタイ全国をカバーするまで店舗を増やしていく計画をしている。モダントレード業者として食料品や日用品を良心的な価格で提供している。また、オンラインショッピングにも対応している。
2020年度の売上高は前年比33%増の18,418百万バーツ、純利益は前年比161%増の6934百万バーツであった。
出典:https://www.cjexpress.co.th/
Villa Market JP Co., Ltd. (ヴィラ・マーケット・ジェーピー)
1973年に創業したスーパーマーケット。創業当時、外国企業のタイへの投資が盛んになってきており、赴任してきた外国人向けに輸入製品を提供したことから事業を開始した。現在も2,500を超える製品を世界各地から直輸入し、ローカルの製品と合わせて豊富な品揃えを実現している。顧客層としては外国人およびタイ人の中~高所得層をターゲットとしている。タイ国内に34店舗を展開する。うち27店舗はバンコクおよび近郊の首都圏に存在するが、南部フアヒン、プーケット、東部パタヤなどの地方にも7か所が存在し、現在も拡大を進めている。オンラインショッピングにも対応している。
2020年度の売上高は前年比17%増の7,455百万バーツ、純利益は前年比24%増の516百万バーツであった。
出典: https://shop.villamarket.com/
Foodland Supermarket Co., Ltd. (フードランド・スーパーマーケット)
1972年に創業したスーパーマーケット。世界各国から輸入した製品を中心とし、ローカル製品とともに外国人およびタイ人の中~高所得層へ商品を提供している。特に生鮮食品の鮮度には細心の注意を払っており、肉や魚介類、野菜などは輸入品、ローカル品ともに状態の良いものを取り揃えている。また、オンラインショッピングにも対応している。輸入のノウハウを活用し、レストランや他のスーパーマーケットへの卸売も行っている。タイ国内に22店舗を展開する。どの支店も24時間営業し、クライアントの小売店やレストラン、および一般消費者を支えている。
2020年度の売上高は前年比3.5%増の5,722百万バーツ、純利益は前年比302%増の198百万バーツであった。
出典: https://www.foodland.co.th/en-en/home.html
Gourmet Market (グルメ・マーケット)
The Mall Groupのスーパーマーケットブランドとして1981年に設立された。同社のショッピングモールThe mall各拠点、Siam Paragon、Emporium、ターミナル21などに店舗があり、タイ国内に計17か所が存在する。輸入品、ローカル品双方を取り扱い、顧客層としては外国人およびタイ人の中~高所得層をターゲットとしている。オンラインショッピングにも対応している。The Mall Groupによる運営のため、会員に加入すると同社のショッピングモールと共通の特典を受けることができる。
2020年度の売上高は前年比31%減の15,900百万バーツ、純利益は前年比43%増の557百万バーツであった。(The mall group全体の実績)
出典:https://gourmetmarketthailand.com/th
タイの主要スーパー・コンビニエンスストア5選〜日系編〜
7-Eleven (セブン・イレブン)
1991年に設立されたコンビニエンスストアチェーン。CPグループ傘下のCP All社が日本のセブンイレブンからフランチャイズ権を買い取り、タイでの事業を運営する。日本のセブンイレブンと同様、軽食や飲料、日用雑貨など豊富な商品を揃えている。店内ではAll Caféという名称でカフェサービスも提供する。また、オンラインショッピングにも対応し、最寄りの店舗から指定場所へ商品を配達できるサービスもある。現在では6,500の加盟店を含めて計12,000店舗以上をタイ国内に展開している。店舗は独立型の他、ガソリンスタンドのPTTに併設されている場合も多い。海外展開も進めており、カンボジアおよびラオスに進出している。
2020年度の売上高は前年比9.0%減の328,530百万バーツ、純利益は前年比29%減の14,298百万バーツであった。(CP All単体としての実績)
出典:https://www.7eleven.co.th/
Central FamilyMart Co., Ltd. (セントラル・ファミリーマート)
1992年に設立されたコンビニエンスストアチェーン。セントラルグループ傘下のセントラルリテール社(CRC)がタイでのファミリーマートを運営する。軽食や飲料、日用雑貨などを取り扱う。店内では日本語の”ありがとう”というブランド名でカフェサービスを提供しているほか、レジカウンターの横でおでんを販売するなど、日本の雰囲気を前面に出した店づくりをしている。店舗は都市型のビルイン形式、または独立型のものが中心となっている。2018年時点ではタイ全国に1,000店舗以上を展開していたが、2020年末時点では901店舗となっており、減少傾向が見られる。
2020年度の売上高は前年比29%減の11,878百万バーツ、純損益は281百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.familymart.co.th/
Saha Lawson Co., Ltd. (サハ・ローソン)
2013年に設立されたコンビニエンスストアチェーン。タイ消費財大手のサハ・グループと日本のローソンの合弁会社サハ・ローソン社がLawson 108というブランド名で運営する。軽食や飲料、日用雑貨などを取り扱う。日本のローソンと同様、レジカウンターの横でおでんや揚げ物を提供している。立地としては独立型の路面店やガソリンスタンドのSUSCOに併設された店舗に加え、近年ではバンコクの高架鉄道BTSおよび地下鉄MRTの駅構内のキヨスク型店舗の出店を加速させている。現在はタイ国内に140店舗と、他の大手日系コンビニエンスストア2社と比較すると規模は小さい。
2020年度の売上高は前年比10%減の2,661百万バーツ、純損益は54百万バーツの赤字であった。
出典:http://www.lawson108.com/
https://www.lawson.jp/en/store/oversea/
AEON (Thailand) Co., Ltd. (イオン・タイランド)
1984年にSiam Juscoとして設立され、2007年より現在の社名となった。日本の流通大手イオングループのタイ拠点として、スーパーマーケットのマックスバリュ(Maxvalu)およびその小型店マックスバリュ・タンジャイ(Maxvalu Tanjai)をタイで運営する。生鮮食品は日本と同等の基準で管理をし、品質や鮮度を保っている。また、加工食品は日本でも馴染みのあるプライベートブランドも提供している。顧客層はタイ在住の日本人およびタイ人の中~高所得層が中心である。現在は日本人が多く居住する首都バンコクおよび東部シラチャを中心に30店舗を展開し、全店舗24時間営業となっている。
2020年度の売上高は前年比0.4%増の6,711百万バーツ、純損益は296百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.aeonthailand.co.th/
UFM Fuji Super Co., Ltd. (ユーエフエム・フジ・スーパー)
1985年に設立されたスーパーマーケット。日本のスーパー富士シティオ(Fuji Citio)とタイのメトロ社(Metro Co., Ltd.)の合弁会社が運営している。タイ在住の日本人およびタイ人の中~高所得層をターゲットに、生鮮食品や加工食品、日用品を取り扱う。日本の製品を多く取り扱っている。現在は日本人が多く居住するバンコクのスクンビット地区に4店舗を展開する。2020年度の売上高は前年比8.8%増の1,558百万バーツ、純利益は前年比31%増の116百万バーツであった。
富士シティオは1952年に日本で創業した。現在は神奈川県を中心に日本国内に50店舗以上のスーパーマーケットと600店舗以上のコンビニエンスストアを展開するほか、レンタルビデオ店のTSUTAYAをフランチャイジーの1つとして運営する。従業員は計6,000人を擁する。
出典:https://www.ufmfujisuper.com/jp/en/index_main.php