台湾の鉄道・バス業界は、台湾高速鉄道や台北捷運などローカルの鉄道事業者が都市間・都市内交通を担う一方、国光客運などバス事業者も広域ネットワークを展開する市場です。台湾の主要企業は各都市のMRT整備拡大を追い風に成長しています。
今回は、そんな台湾の鉄道・バス業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!
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台湾の主要鉄道・バス企業13選〜ローカル編〜
Taiwan High Speed Rail (タイワンハイスピードレール)
台湾唯一の高速鉄道を運営する企業で、台北・南港から高雄・左営までの西部幹線約350km・12駅を結ぶ。前身は大陸工程・富邦・東元・太電・エバーグリーンの5グループが結成した台湾高鉄連盟であり、BOT方式で建設と運営を担ってきた。
2016年に台湾証券取引所へ上場し(銘柄コード2633)、翌2017年にはTaiwan Top50銘柄に選定された。現在は公股が経営権を握る官民混合の資本構成である。
直近の業績は好調で、2025年上半期の輸送人員は約3,985万人(前年同期比プラス2.9%)、営業収益はNT$267億に達した。2025年通年の営業収益はNT$546億と過去最高を更新している。
設備投資も活発で、2023年に日立・東芝連合と次世代車両「N700ST」12編成の購入契約を締結した。初編成は2026年に台湾へ到着し、2027年下半期の営業投入を予定する。
政府主導では宜蘭方面への北宜延伸と屏東への南延構想が検討されており、高速鉄道網を拡張する動きが続いている。
出典:https://www.thsrc.com.tw
Taiwan Railway Corporation (タイワンレールウェイ)
台湾の在来線鉄道網を運営する事業体で、日本統治時代に建設された路線を引き継ぎ1948年に発足した交通部台湾鉄路管理局を前身とする。全長約1,065kmの路線と240余りの駅を擁し、西部幹線・東部幹線・南廻線などを運行する。
2024年1月1日には長年の局組織から「国営台湾鉄路股份有限公司」へと会社化された。交通部が全額出資する国営企業として、公司治理と経営効率の向上を目指す体制へ移行した。
この転換の背景には、2018年の普悠瑪号脱線事故と2021年の太魯閣号事故という重大事故があり、安全管理と経営改革が急務とされてきた事情がある。
車両更新も進み、日立製の新型城際列車「EMU3000型」を50編成600両導入し、東部幹線を中心に「新自強号」として順次投入している。従業員数は2026年度予算で約1万7,000人規模である。
設備近代化により主要幹線の大半は電化・複線化が完了しており、台湾の都市間輸送の基幹を担う存在であり続けている。
出典:https://www.railway.gov.tw
Taipei Rapid Transit Corporation (メトロタイペイ)
台北捷運(台北MRT)を運営する企業で、1994年に設立された。淡水信義線・板南線・松山新店線・中和新蘆線・文湖線・環状線の6路線、総延長約152kmを運行し、猫空ロープウェイやYouBike(公共自転車)の運営も担ってきた。
資本構成は台北市政府が73.75%、交通部が17.14%、新北市政府が8.75%を保有する官営色の濃い構造で、台北市政府が筆頭株主である。路線の計画・建設は台北市政府捷運工程局が担い、同社は運営に専念する。
輸送規模は台湾最大で、2024年の年間輸送人員は高運量路線と文湖線を合わせて約7.4億人、1日平均約203万人に達した(2024年統計)。2026年に入り高運量路線の1日平均は190万人を超える水準で推移している。
路線網の拡張も進んでおり、環状線(黄線)の北環段・南環段、萬大・中和・樹林線第一期などが建設中である。
都市鉄道として台北都市圏の通勤・観光需要を支える中核的な存在であり続けている。
出典:https://www.metro.taipei
Kuo-Kuang Motor Transport (クオクァンモータートランスポート)
台湾の都市間中長距離バスを運行する事業者で、略称は国光客運または国光。2001年に台湾省の公営バス「台湾汽車客運公司(台汽)」の民営化に伴い、その96路線の旅客業務を継承して成立した。
本社を新北市三重区に置き、資本額は4億6,500万元で、旧台汽の従業員が中心となって株式を保有する構成である(経済部商工登記による)。
台北を軸に台湾各地を結ぶ国道(高速道路)路線を主力とし、かつては約1,200台の車両で1日数万人を輸送してきた。長距離バス市場では統聯客運と並ぶ大手として競争を続けている。
近年は路線再編が進み、2025年9月には交通部公路局の指示により国道の8路線を統聯客運へ移管するなど、路線網の見直しが行われている。
一方で日本のWILLER EXPRESSとの業務提携は続いており、成田空港アクセス路線での共同塗装バス運行などブランド連携を保っている。
出典:http://www.kingbus.com.tw
Metropolitan Transport Corporation (メトロポリタントランスポートコーポレーション)
台北市の路線バスを運行する事業者で、略称は大都会客運。台北市公共汽車管理処(台北市営バス)の民営化に伴い設立された会社である。
前身の台北市営バスは巨額の損失を抱えており、従業員と台北市政府が出資する第三セクターとして旅客業務を引き継いだ。これは公的輸送業務を政府機関から民間へ平和的に移管した台湾初の成功事例とされる。
2010年に首都客運の経営陣が過半数の株式を取得して以降、同社は台北首都客運集団の傘下に入っている。台北市の聯営バス路線を多数運行する主要事業者である。
環境対応にも積極的で、2024年には台北市信義区に開設された全国初の屋内型電気バス充電拠点を活用し、鴻海系の鴻華先進が開発した電気バス「Model T」を路線に投入した。
老朽車両の電動化と運行品質の向上を軸に、首都圏の路線バス網を支える役割を担っている。
出典:http://www.mtcbus.com.tw
Kaohsiung Rapid Transit Corporation (カオションメトロ)
台湾南部・高雄市の都市鉄道を運営する企業で、高雄メトロとも呼ばれる。交通渋滞の緩和を目的に2008年に紅線・橘線が開業し、民間主体の高雄捷運公司がBOT方式で運営を担う。
資本構成は中国鋼鉄を筆頭に、遠東集団、行政院国家発展基金、統一企業集団、新光人寿など約20の機関が出資する官民混合型である。
現在は紅線・橘線の計約42.7km・38駅に加え、環状軽軌(LRT)を運営する。この環状軽軌は2024年に全線が開通し、2025年の年間輸送人員は1,300万人を突破して過去最高を更新した。
紅線・橘線と軽軌を合わせた1日平均輸送人員は、2026年第1四半期に24万人を超え過去最高を記録している。あわせて黄線の建設も進んでいる。
訪台日本人観光客の利用促進にも積極的で、江ノ島電鉄や京福電気鉄道など日本の鉄道会社と観光連携協定を結んできた。
出典:https://www.krtc.com.tw
Ho-Hsin Bus (フーシン)
台湾南部の台南市を拠点とする都市間バス事業者で、1999年に観光バス会社として設立された。その後、周辺の事業者を吸収して台南地区の大手へと成長した。
台南を起点に台北などの首都圏や中部を結ぶ国道(高速道路)路線を主力とし、西海岸の高速バス路線では他社や鉄道と激しい競争を続けている。台中市内では台湾高速鉄道の連絡シャトルバスも運行する。
競合他社と比べてグレードの高い座席設備を備え、高価格帯で差別化を図る点が特徴である。現在は2列配置でフルフラットにもなる「白金臥艙」と「豪華経済艙」の2クラス制を採用している。
傘下に観光バスの和益通運や宅配便の急急送を抱え、輸送と物流を横断する事業を展開する。元連結子会社などが形成する台湾愛巴士交通聯盟とも連携する。
交通部が推進する定期券制度TPASSにも対応し、路線ごとの時刻表やバスロケーション情報を提供している。
出典:http://www.ebus.com.tw
Taichung MRT Corporation (タイチュンメトロ)
台湾中部・台中市の都市鉄道を運営する企業で、2017年に台中市政府が正式に発足させた。台中市政府が過半数を出資する官民出資会社であり、董事長は台北・高雄の捷運で要職を歴任した顔邦傑が務める。
現在の営業路線は緑線(烏日文心北屯線)で、2021年に開業した。路線延長は約16.7km、18駅を有し、2両編成の車両18本で運行する。
2023年5月には隣接する民間工事のクレーン部材が軌道上に落下し走行中の列車に衝突する事故が発生したが、同月中に段階的に運行を再開した。
その後の利用は堅調で、2025年の年間輸送人員は約1,722万人(前年比プラス9%)に達し、2026年1月には累積輸送人員が6,000万人を突破した。
将来路線として台中港と新建国市場を結ぶ藍線(全長24.78km・20駅)の建設が進み、2025年には主要機電システムの起工式を実施している。
出典:https://www.tmrt.com.tw
New Taipei Metro (メトロニュータイペイ)
台湾新北市の都市鉄道を運営する企業で、2018年に設立された。資本額は30億元で、新北市政府が全額を出資する。
淡水区の淡海軽軌(ライトレール)と、2023年2月に開業した安坑軽軌を運営し、いずれも既存の台北捷運各線と接続することで台北都市圏の郊外交通網を形成する。
路線の計画・仕様策定・建設監督は新北市政府の捷運工程局が担い、同社が運営を受け持つ体制である。最初の路線となった淡海軽軌の緑山線は2018年に開業した。
2025年には総輸送人員が3,000万人を突破し過去最高を更新した。一方で会計検査機関からは両軽軌の輸送人員が当初計画を下回るとの指摘もあり、収支面は課題として残る。
現在は土城と三峡・鶯歌方面を結ぶ三鶯線(全長14.29km・12駅)の建設が最終段階にあり、2026年の開業を目標としている。
出典:https://www.ntmetro.com.tw
UBus (ユーバス)
台湾で初めて国道客運(長距離バス)の認可を受けた事業者で、現在は台湾最大級の民営バス会社の一つである。1989年に「統率四方、聯合経営」の理念のもとで正式に成立し、民営国道バスの先駆けとなった。
本社を新北市三重区に置き、資本総額は25億元、実収資本額は約23億4,600万元である(経済部商工登記による)。中・長距離の国道路線に加え、桃園・台中・高雄の市内バスも運行する。
2005年には台中に中港バスターミナルを建設し、台湾南北の旅客輸送における主要な乗り換え拠点を提供してきた。2012年には子会社の中台湾客運を設立し、台中市内線の運営移管を進めている。
直近では2025年9月から国光客運の国道8路線の運行を引き継ぐなど、路線網を広げている。
利用促進策として、乗車回数に応じて最大30%を還元する「TPASS 2.0+常客優恵方案」を推進している。
出典:https://www.ubus.com.tw
Taipei Bus (タイペイバス)
台北・新北を中心に路線バスと国道路線を運行する事業者で、1954年に顔欽賢によって創立された。通称は台北客運と呼ばれる。
現在の董事長は李博文で、台北首都客運集団の中核を担うバス事業者である。営業エリアは新北市・台北市全域のほか、基隆市、桃園市、宜蘭県、花蓮県の一部に及ぶ。
公式の会社概要によれば、保有車両は877台、運行路線は台北市聯営バス20路線・新北市バス63路線・国道および公路客運4路線の計87路線で、従業員数は約1,381人、営業拠点は18か所である。
品質管理にも力を入れ、2017年にISO9001(2015年版)の国際サービス品質認証を、2018年にはBSIのISO39001(道路交通安全マネジメント)を取得した。
近年は電気バスの導入にも取り組み、首都圏の日常交通を支える主要事業者として運行を続けている。
出典:http://www.tpebus.com.tw
Capital Bus (キャピタルバス)
台北・新北を中心に路線バスと国道路線を運行する事業者で、1976年に設立された。前身は三重市の営業バスで、現在は台北首都客運集団の中核会社である。
本社を新北市三重区に置き、資本総額は5億3,000万元で、董事長は台北客運と同じく李博文が務める同一資本系統のグループ会社である(経済部商工登記による)。
運行範囲は新北市の広域各区や台北市(中山区・内湖区を中心に全域)、桃園市、基隆市、宜蘭県、花蓮県に及ぶ。約800台の車両を保有し、台北市の聯営バス53路線を運行する。
1998年には台湾のバス業界で初めてISO9001の全システム国際認証を取得し、台北市の聯営バス評価では15期連続で首位を維持するなど、運行品質の高さで知られる。
グループ会社の大都会客運や台北客運と連携しながら、首都圏の路線バス網を支える主要事業者であり続けている。
出典:http://www.capital-bus.com.tw
Taoyuan Metro (タオユエンメトロ)
台湾北部・桃園市を中心に都市鉄道を運営する企業で、桃園市・新北市・台北市の3市政府が共同で出資する。空港アクセス鉄道である機場捷運(機場線)の運営を担う。
機場線は台北駅(A1)から桃園国際空港を経由して中壢方面を結ぶ路線で、2017年3月に開業した。2023年には老街渓駅(A22)まで延伸され、空港と首都圏を直結する基幹路線として機能している。
桃園市政府が交通部の指定を受けて運営主体となっており、地方政府の出資による官営型の資本構成である。都市間輸送と空港アクセスを兼ねる点に特徴がある。
空港利用者や沿線住民の通勤需要を取り込み、台北捷運や新北捷運など既存の都市鉄道網とも接続してネットワークを形成している。
桃園都市圏では機場線に続く新路線の整備も計画されており、北部の鉄道網の拡張を担う存在となっている。
出典:https://www.tymetro.com.tw
FAQ
台湾の鉄道・バス業界の主要企業はどれですか?
台湾の主要な鉄道・バス企業には、台湾高速鉄道、交通部台湾鉄路管理局、臺北大眾捷運、國光客運、大都會汽車客運、台中捷運、など多くの企業があります。
台湾高速鉄道と台湾鉄路管理局の特徴は何ですか?
台湾高速鉄道は台湾唯一の高速鉄道事業を運営しており、主要な都市間を高速で結びます。台湾鉄路管理局は国有の鉄道組織で、台湾全土の鉄道路線を運営しています。
台北の地下鉄サービスを提供している企業は何ですか?
台北の地下鉄は台北大眾捷運股份有限公司によって運営されており、台北市を中心に都市交通を担っています。
台湾の長距離バス会社の中で最大の規模を持つのはどこですか?
統聯客運は台湾で最も大規模な長距離バス会社の一つで、国道バスや都市間バスを運行しています。
高雄の地下鉄とライトレールの状況はどうなっていますか?
高雄捷運は2008年に開業し、地下鉄とライトレール(LRT)が一部として運行されており、日本の鉄道会社と観光連携も進められています。

