今回は、インドネシアの空運業界に焦点を当て、ローカル・外資合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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インドネシアの主要航空会社11選〜ローカル編〜
PT Garuda Indonesia Tbk(ガルーダ・インドネシア)
1950年に設立されたインドネシアの国有航空会社。設立当初、保有機体はオランダのKLM航空から引き継いだもので、22機のDC-3、8機のカタリナ機、8機のコンベヤー240からなる38機の航空機の運航からスタートした。
1956年最初の国際線が巡礼者を乗せてメッカへ飛行した。その後、1965年には初めて欧州路線(アムステルダム)を開設した。2019年末現在、ガルーダ航空は国際線22路線、国内線48路線を運航しており、ガルーダ航空として機体を144機保有。子会社のCitilinkの保有機数58機を加えるとガルーダクループとして202機を保有している。また、ガルーダ航空が保有する機体の平均年齢は5年未満と非常に新しい。
2011年にはインドネシア証券市場(IDX)に上場した。IDXコードは「GIAA」。筆頭株主はインドネシア国で60.54%を保有している。また、二番目の大株主はPT Trans Airwaysで28.27%である。2019年の売上高は45.7億USD(約5千億円)であった。
出典:https://www.garuda-indonesia.com/id/id/index
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/af20658333_a99a263a90.pdf
PT Citilink Indonesia(シティーリンク・インドネシア)
2001年に国有航空会社のPT Garuda Indonesia (Persero) Tbkの戦略的事業部門として設立された。設立当初、機体はFokker F28を使用し、ジャカルタ-スラバヤ間の運航からスタートした。
2012年にAOC(航空運行許可)を取得し、ガルーダインドネシア航空のLCC(格安航空会社)として商業運行を開始。現在、株式はPT Garuda Indonesia (Persero) Tbkが98,65%、ガルーダ航空の子会社であるPT Aero Wisata が残りの1,35%を保有している。2017年には最初の国際線を東ティムールの首都ディリへ開設した。2018年にはマレーシアのクアラルンプールとペナンへ、2019年にはカンボジアのプノンペンとオーストラリアのパースへ国際線を開設した。2019年末現在、ジャカルタとスラバヤに拠点を置くシティリンクは49の都市へ97の飛行ルートで毎日330便以上のフライト頻度でサービスを提供している。
2019年末現在の従業員数は2,087名。2019年売上高は8.8億USD(約960億円)であった。
出典:https://www.citilink.co.id/
https://www.citilink.co.id/docs/default-source/default-document-library/annual-report-2019-pt-citilink-indonesia.pdf?sfvrsn=0
PT Lion Mentari Airlines(ライオン・ムンタリ航空)
2000年に設立されたインドネシアの民間航空会社。インドネシアで有数の国内航空会社で、2018年には3,680万人の乗客(国内の全航空旅行者の35%近く)を群島の島々、都市、コミュニティに輸送した実績がある。
2018年以降、シンガポール、マレーシア、サウジアラビア、中国などの国際線を積極的に拡大し、2019年9月時点で、国内41都市と海外20都市へ269の定期路線と211のチャーター路線で1日平均449便を運航しており、そのためにボーイング737-900ER、ボーイング737-800、ボーイング737 MAX 8、エアバスA330-300を含む118機を保有している。さらに、バティック航空、ウィングス航空、マリンド航空、タイライオン航空とのインターライン契約により、乗客に約694路線と157都市を追加で提供している。
国内の航空需要の増加に対してはハブアンドスポークネットワークを活用して小都市や郊外からの乗客を大都市へのフライトに集約する方法で対応している。
出典: https://www.lionair.co.id/
PT Sriwijaya Air(スリウィジャヤ航空)
2003年に設立されたインドネシアの民間航空会社。設立当初、1機のボーイング737-200で事業を開始。ジャカルターパンカルピナン、ジャカルターパレンバン、ジャカルタージャンビ、ジャカルターポンティアナック間の運行からスタートした。
スリウィジャヤ航空はインドネシア国内の主要航空会社の1つで、スカルノハッタ国際空港をハブ空港としてインドネシア国内と周辺3か国の観光地を含む53都市に月に950,000名以上の乗客を運んでいる。現在、スリウィジャヤ航空グループには48機のボーイング製航空機があり、ルートと市場シェア拡大のためボーイング737-800とボーイング737-900も追加している。
また、スリウィジャヤ航空では機体整備に関して国際基準を則ったPT Garuda Maintenance Facility Aero Asia Tbkと契約を結んでおり、スリウィジャヤ航空の安全で快適な運航を支えている。さらに、スリウィジャヤ航空のスタッフはよく訓練されており、フレンドリーで、信頼できる。
出典:https://www.sriwijayaair.co.id/
PT Nam Air(ナム航空)
2013年に設立されたインドネシアの民間航空会社。NAM航空はスリウィジャヤ航空グループの一員である。原則として、スリウィジャヤ航空とNAM航空の間に大きな違いはない。機体に使われている色はスリウィジャヤ航空と同じ赤、白、青の3色。顧客サービスも2社の間で共通化されている。
NAM航空のビジョンはお客様に選ばれる航空会社になるということ。ミッションは①群島国家をつなぐ(島々の移動が簡単にすぐできる)。②奉仕(従業員同士から顧客へ)、献身(社会へそして国へ)、共有(困っている人々と)。そのため、スリウィジャヤ航空の飛行ルートがインドネシア全土の州都間を運行するのに対して、NAM航空の飛行ルートは市町村または地区レベルの地域間をきめ細やかに運航する。鉄道で言うとスリウィジャヤ航空が本線(幹線)でNAM航空が支線の役割を果たす。
保有する機体は120人乗りのBoeing737が11機と72人乗りのプロペラ機ATR/72-600が5機である。
出典:https://www.flynamair.com/
PT Transnusa Aviation Mandiri(トランスヌサ・アビエーション・マンディリ)
2005年に設立されたインドネシアの民間航空会社。東ヌサ・トゥンガラ州の州都クパンに本社を置き、チャーター便の運航からスタートした。2011年には運輸省から定期便運航許可を取得し、事業範囲を拡大した。
現在の機体保有数はプロペラ機ATR42-500が1機とプロペラ機ATR72-600が7機である。現在行っているチャーターフライトサービスは①カーゴチャーターとロジスティックサービス、②医療フライト、③石油・ガスおよび鉱山会社フライトの3つ。
定期便は、本社所在地の東ヌサ・トゥンガラ州の州都クパンをハブとして同じ東ヌサ・トゥンガラ州の別の島(フローレンス島、アロール島、スンバワ島など)や近隣の東ティモール州の州都Diliなどへ運行。さらに西ジャワ州のバンドンをハブにスマラン、ジョグジャカルタ、バンダール・ランプンなどに運行している。もう一つは、南スラウェシ州の州都マカサールをハブに同じスラウェシ島内のポマラとバウバウに運行している。
出典:https://www.transnusa.co.id/
PT Trigana Air Services(トリガナ航空サービス)
1991年に設立されたインドネシアの民間航空会社。当初2機のビーチクラフトSUPER-KINGAIR B-200C固定翼航空機とその年の終わりにIPTNi Bandungによって製造された2機の新しいNbell-412SPヘリコプターで運用が開始された。
最初のクライアントPT Mapindoはインドネシアのすべての島々で森林写真のマッピングにSKAB-200を利用した。これは、国内で初めての高精度航空写真で、このプロジェクトの成功により、追加でSKAB-200が使用された。
その後、Nbell-412 SPヘリコプターが導入され、このヘリコプターはジャカルタ北部の沖合のスリブアイランドのパベロカンにあるMAXUSオイルのために運用された。 1年後にさらにNbell-412 SPヘリコプターが追加された。 ヘリコプターは乗組員とロジスティクスの移動に使用され、非常に高い水準の運用と保守が行われた。その後F27-600が導入され、石油会社や国内定期便の乗客および貨物のチャーターに使われている。
出典:http://www.trigana-air.com/
PT Asi Pudjiastuti Aviation(アシ・プジャステゥティ・アビエーション)
2004年に設立されたインドネシアの民間航空会社。当初2機の航空機で運航が開始された。最初は、地域の大部分が地震と津波で破壊されたメダンで援助団体のチャーター便として利用されていたが、その後メダンを拠点とする定期ルートが開発され、2機の航空機はメダンを恒久的な拠点として運用されている。
スシ航空はメダン以外でも大きく発展しており、現在保有する航空機は、セスナグランドキャラバンC208Bが32機、ピラタスPC-6ターボポーターが9機、ピアッジョP180アバンティIIが 3機、その他航空機が3機、さらにヘリコプターが2機の合計49機。スシ航空は全国20都市に拠点を持ち、140人を超えるパイロット、75人の航空機エンジニアと650人のスタッフにサポートされている。
サービスは①チャーター便:国内および近隣国、②貨物サービス:生鮮食品や医薬品などの緊急貨物、③調査飛行、④サーフチャーター:最大5人のサーファーとその道具を搬送するサービス。
出典:https://www.susiair.com/about
PT AIRFAST Indonesia(エアーファスト・インドネシア)
1971年に設立されたインドネシアの民間航空会社。当初はインドネシアの石油探査業界から事業の大部分を引き継ぐ小型ヘリコプターオペレーターとしてスタート。
もともとはオーストラリアとインドネシアの合弁会社であったが、1982年に100%インドネシア資本の会社になった。設立当初よりインド、ソロモン諸島、ベトナム、アラブ首長国連邦などの多くの国で契約を獲得し、スーダンでのプログラムでは国連を支援する機会もあった。過去30年間で、AIRFASTはインドネシアでの鉱物探査と石油生産だけでなく、様々な産業の顧客に対応してきた。それによりカスタマイズされたオーダーメイドのサービスをクライアントに提供できるチャータープロバイダーである。
保有する機体は、①ジェット:ダグラスMD82/83、 ②固定翼機:DHC-6-300/400、③ヘリコプター:AS350―B3/B3e、Bell-412、MI-171と幅広く、VIPチャーター、緊急医療搬送からドローン操作まで幅広いサービスを提供している。
出典:https://www.airfastindonesia.com/about
PT Indonesia Transport & Infrastructure Tbk(インドネシア輸送&インフラ)
1968年に設立されたインドネシアの民間航空会社。2006年にインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「IATA」。筆頭株主はPT Catur Pratama Sejahteraで8.76%を保有している。一般株主の保有比率が74.99%と高く支配株主はいない。
IATAではインドネシアと東南アジアの石油、ガス、鉱業向けに、航空機とヘリコプターのチャーター、航空貨物、修理とメンテナンス、その他の関連サービスなどを提供している。
緊急医療搬送サービス、貨物搬送、サードパーティのオペレーションおよびメンテナンス、地球物理学、航空写真調査、およびインドネシアの遠隔地で成長する観光産業向けの航空サービスを専門としており、EC155B1、ATR42-500のような固定翼機やヘリコプター、Embraer Legacy600のようなビジネスジェットを保有している。そのため、ジャカルタと東カリマンタンのバリクパパンに包括的な機体整備施設がある。2019年の売上高は14.9百万USD(約16億円)であった。
出典:https://indonesia-air.com/#
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202007/4fc9dfc74f_8b6aee51fc.pdf
PT My Indo Airlines(マイ・インド航空)
40年以上の経験を持つインドネシアの民間航空会社。航空貨物輸送を行う会社。貨物輸送のサービスは、航空郵便、危険物輸送、動物輸送、生鮮食品輸送、医薬品のコールドチェーン輸送、貴重な貨物輸送、一般貨物輸送、美術品貨物輸送、貴金属貨物輸送、重量物貨物輸送などである。
運行は定期便とチャーター便があり、定期便の発着場所は、DKIジャカルタ州のチュンカラン、中部ジャワ州のスマラン、東ジャワ州のスラバヤ、東カリマンタン州のバリクパパン、パプア州のジャヤプラとワメナ、そしてシンガポールである。
使用機材はBoeing 737-200 F/300 Fなどである。安全で安定した運航を行うため、機材は自社保有あるいは長期リースを行っている。MY Ind航空はシンガポール、ジャカルタ、ハリム、バタム、バリクパパン、クアラルンプール、ジョホールバル、ペナン、ラブアン、ブルネイ、マニラ、クラーク、中東に営業所を持っており、その他の地域ではパートナーとのネットワークがある。
出典:http://www.myindoair.com/
インドネシアの主要航空会社〜外資系編〜
PT AirAsia Indonesia Tbk(エアーアジア・インドネシア)
2017年設立されたインドネシアの外資系航空会社。1989年にPT AirAsia Indonesia Tbkの前身であるPT Rimau Multi Putra Pratamaが設立され、1994年にインドネシア証券取引所に上場されPT Rimau Multi Putra Pratama Tbk(RMPP)となった。
2017年社名をPT AirAsia Indonesia Tbkに変更することが法務人権省によって認められ正式にPT Indonesia AirAsia(IAA)の親会社となった。現在、筆頭株主はAIRASIA INVESTMENT LTDで49.25%を保有している。2番目の大株主はPT.FERSINDO NUSAPERKASAで49.16%を保有している。
AirAsiaはインドネシア全国12の主要都市に16のサービスおよび販売オフィスを運営している。2019年末時点での機体保有数は28機。2019年の座席総数:9,530,000席に対して輸送した乗客数が7,967,000名で稼働率は84%。2019年末の路線数は、国内線が17路線、国際線が24路線の合計41路線。2019年の売上高は6兆7,088億ルピア(約510億円)であった。
出典: http://ir.aaid.co.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202008/d1233e5ccf_899028f9e7.pdf