今回は、インドネシアの倉庫業界に焦点を当て、ローカル・日系合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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インドネシアの主要倉庫会社5選〜ローカル編〜
Marunda Center(マルンダ・センター)
2005年に設立されたインドネシアの民間不動産開発会社。設立時の社名はPT Multikarya Hasilprima。
2006年にはマルンダセンター国際倉庫および工業団地の開発を開始。マルンダセンター(MC)は北ジャカルタとブカシの境にあり、タンジュンプリオク港の海岸線に沿った戦略的な位置にあり港からMCの入り口までの距離もわずか10キロ以内で、時間とコスト効率の点で極めて価値あるロケーションにある。また、現在、MCから1㎞のところにタンジュンプリオク-チカラン有料道路が開発されている。
総開発面積は500ヘクタール。これまでに輸送、ロジスティクス、重機、衣服、石油・ガス掘削機器、化学建設プラント、屋根構造産業、食用油・マーガリン工場、製糖工場、石油工場潤滑油など様々な分野の企業が入居している。倉庫は大規模・中規模・小規模倉庫の販売およびレンタル倉庫を提供している。その他、1階が店舗で階上が倉庫と事務所のブティックオフィスの販売も行っている。
出典:https://marundacenter.co.id/id/about
PT Samudera Indonesia Tbk(サムデゥラ・インドネシア)
1964年に設立されたインドネシアの民間総合物流会社。設立時の社名はPT Perusahaan Pelayaran Samudera。サムドラでは、海運事業、港湾事業、陸運事業、不動産事業、サービス事業の5つの事業が行われている。その中で陸運事業は、1975年にスタートした。
現在、陸運事業は、ロジスティクスサービスプロバイダー、ロジスティックプロジェクト、倉庫および流通センター、コンテナデポサービス、内陸運送、コールドチェーンロジスティクスの6つのセグメントから成る。
倉庫および流通センターセグメントは、1970年代にスタートした。倉庫業サービスにはLCLエクスポート、LCLインポート、FCL処理、フリーゾーン機能などが含まれる。インドネシアのいくつかの都市に倉庫がある。さらに、GAC Worldと合弁会社を設立し、流通センターサービスを拡大している。また、この合弁会社は、サードパーティロジスティクスサービスプロバイダーとしても機能している。2019年の2019年の売上高は439百万USD(約483億円)であった。
出典:https://samudera.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/faa2860f41_c2538e1f1d.pdf
PT KOKOH INTI AREBAMA Tbk(ココウ・インティ・アレバマ)
2001年に設立されたインドネシアの流通会社。設立当初は、PT Keramika Indonesia Assosiasi Tbk、PT KIA Serpih Mas、およびPT KIA KeramikMasが製造した製品の総代理店であった。
インドネシア全土の幅広い流通およびマーケティングネットワークに支えられ、Saint-Gobaint Construction Products Sdn Bhd、Clay Industries Sdn Bhd、PT Multi Warna Alam、PT Jaya Mulia PerkasaとPT Bital Asiaの製品も扱うようになった。2008年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「KOIN」。筆頭株主はタイのサイアム・セメントグループの子会社SCG Distribution Company Limitedで90.62 %を保有している。
2017年BKPMよりライセンスを取得し小売業に進出。現在、建材スーパー「Belanja Keramik」を8店舗運営。KOINはインドネシア全土に支社と倉庫を持つ。リアルタイムのオンラインシステムで顧客に迅速に対応。2019年の売上高は1兆6,180億ルピア(約123億円)であった。
出典:https://pt-kokoh.com/warehouses.php
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/037297a71a_b2bd59de33.pdf
PT Mega Manunggal Property Tbk(メガ・マヌンガル・プロパティ)
2010年に設立されたインドネシアの民間不動産開発会社。ロジスティクス不動産開発の分野、特に国際標準の倉庫業で事業活動を行う。2015年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「MMLP」。筆頭株主はUOB Kay Hian (Hong Kong) LTD – Madison Pacific Trust LTD OBO Bridge Leed Limitedで32.79%を保有している。2番目はPT Mega Mandiri Propertで21.55%を保有している。
近年建設された主要な倉庫は、①LAZADA倉庫:約35,000㎡、②デルタシリコンIII倉庫:約67,000㎡(敷地:10ヘクタール)、③ジャバベカ倉庫(チカラン):約30,000㎡(敷地:5ヘクタール)、④ポンドックウング倉庫(ブカシ):約54,000㎡、⑤マンヤール倉庫(東ジャワ):約60,000㎡。
2019年にはアセットライト戦略(資産を現金化し新たな投資を行う)を実施するためシンガポールの投資会社Alpha Investment Partnersと投資ファンドを設立。2019年の売上高は3,340億ルピア(約25.3億円)であった。
出典:https://mmproperty.com/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202005/7d028fcf95_e6972fcf4c.pdf
Makmur Berkah Amanda Tbk(マクムール・ブルカ・アマンダ)
1996年に設立されたインドネシアの民間不動産開発会社。設立当初の社名はPT Sidomaju Industri Estate。
2006年には東ジャワのシドアルジョに産業倉庫複合施設であるセーフ ‘N’ロックエコ倉庫&工業団地を設立。わずか20ヘクタールの土地の開発から始まったセーフ ‘N’ロックエコ倉庫&工業団地は250ヘクタール以上の土地を持つ東ジャワのシドアルジョでトップの倉庫および工業団地の1つに新たに成長し、多くの多国籍ロジスティック企業の信頼を得ており、長年の一貫性と努力により2018年にインドネシア共和国産業省からNational Vital Objectを授与された。
2020年にはインドネシア証券取引所(IDX)に上場。IDXコードは「AMAN」。筆頭株主はPT Griya Prima Amanda で81.54%を保有している。AMANの事業セグメントは①倉庫建設販売部門、②倉庫レンタル部門、③ホテル部門、④土地販売部門である。2019年の売上高は9,621億ルピア(約73億円)であった。
出典:https://www.mbagroup.id/
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/13e4ac36e1_68937eef71.pdf
インドネシアの主要倉庫会社7選〜日系編〜
PT MITSUI-SOKO INDONESIA(三井倉庫インドネシア)
1997年に設立された日系の倉庫会社。親会社は三井倉庫株式会社。業務内容は、倉庫保管、航空および海上輸送、輸出入フォワーディング、通関手続きなど。
最初に建設された倉庫は、タンジュンプリオク港から8㎞の距離にあるジャカルタのカクン倉庫。敷地面積:約36,000㎡、延床面積:13,010㎡で平屋建ての上げ床式倉庫。1997年に倉庫A、2014年に倉庫Bが完成。
次に建設された倉庫は、2015年に完成したブカシのチカランにあるグリーンランド国際産業センター(GIIC)のコタデルタマスにオープンしたGIIC倉庫。敷地面積約53,700㎡、延床面積約31,500㎡の平屋建ての上げ床式倉庫。GIIC倉庫のクリーンルーム(1,500m2)は防塵設計で、温度は20℃〜25℃に制御できる。また、温度管理室は0°Cから25°Cの範囲で温度管理ができ食品や医薬品などの製品の冷蔵に使用できる。また、2016年にはスラバヤに敷地面積約5万㎡、延床面積約31,200㎡の平屋建て上げ床式倉庫が完成した。
出典:https://www.mitsui-soko.com/en/company/group/msc/business/mcid/
PT Kamigumi Logistics Indonesia(上組ロジスティック・インドネシア)
2015年に設立された日系の倉庫会社。親会社は株式会社上組。上組インドネシア(KGLI)のサービスは国際マルチモーダル輸送サービスの提供、海路や航空路を利用した国際物流に加え、輸出入通関や陸上輸送を行っている。
KGLIの倉庫は、ジャカルタの東37 km、スカルノハッタ国際空港から60 km、タンジュンプリオク港から50kmの西ジャワ州ブカシのグリーンランド国際産業センターにある。ジャカルタ-チカンペック有料道路へ直接アクセスできる便利な場所である。
2015年に完成した倉庫は敷地面積40,503㎡、延べ床面積10,080㎡、鉄鋼式平屋建てである。多くの自動車メーカーが使用しているこの倉庫は、食品やその他の消費財のメーカーにも3PLサービスを提供している。倉庫管理システムとハンドヘルド端末を使用して、倉庫は日本の基準に準拠したハイエンドの在庫管理機能を備えており、生産スケジュールに合わせたジャストインタイムの配送を提供している。
出典:https://www.kamigumi.co.jp/english/service/logistics/indonesia.html
PT Sumisho Global Logistics Indonesia(住商グローバル・ロジスティック・インドネシア)
1994年に設立された日系のロジスティック会社。事業内容はトータルロジスティクスサービス、倉庫、国際輸送、国内配送など。資本構成は、住商グローバルロジスティックス株式会社が80%、PT Sumitomo Indonesiaが15%とPT Androsan Ekatama Wijayaが5%である。
PT Sumisho Global Logistics Indonesia(SGLI)は1994年から自社倉庫を建設し、現在、チカラン物流センター(CLC-EJIP)で4倉庫、カラワン物流センター(KLC-KIIC)で2倉庫を運営している。さらに、ブカシのデルタマスにあるGIIC(グリーンランドインターナショナルインダストリアルセンター)にも追加の倉庫スペースを提供している。
また、SGLIの倉庫には、倉庫管理システム(WMS)による制御と監視に加えて、コンピューター化されたトラフィックとラッキングシステムが装備されており、倉庫内の各トランザクションをタイムリー、正確、効率的に管理できる。また、税関事務所施設を含む保税倉庫も備えている。
出典:http://www.sgl.co.id/
PT Mitsubishi Logistics Indonesia(三菱ロジスティック・インドネシア)
1993年に設立された日系の倉庫会社。親元は三菱倉庫株式会社。ジャカルタ郊外のタンゲランに13,000㎡のロジスティクスセンターがある。主に日本企業が製造する化学製品の保管業務を行っている。
また、国内陸運・通関・国際輸送業務については、2013年に設立されたグループ会社であるフォワーディング会社のPT DIA-JAYA FORWARDING INDONESIAと連携し、幅広くニーズに対応している。特に、実績を積んできた専用特別車両による化学品の配送業務については一層のサービス拡充を進めている。
2016年には成長著しいインドネシアにおける旺盛かつ多様な物流需要に対応するため、物流拠点の増強を図るためジャカルタ特別州の東側に隣接する西ジャワ州ブカシ県に配送センターを建設。MM2100工業団地内に敷地面積:約169,800㎡、延床面積:約18,000㎡(内、定温庫3,700㎡、保冷庫1,700㎡、セントラルキッチンとしても利用可能な多用途フロア1,000㎡)の倉庫が完成。
出典: https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/english/service/pd/district/asia.html
PT DIA LOGISTICS INDONESIA(ダイア・ロジスティック・インドネシア)
1996年に設立された日系のロジスティック会社。親会社は三菱ケミカル物流株式会社。PT DIA LOGISTICS INDONESIA(DLI)は、バンテン州チレゴン市およびジャカルタ市を拠点に、フォワーディング業務(コンテナ海上輸送、輸出入通関、ドレージ)、工場内物流業務、倉庫業務、またグループ会社のPT LINTAS BUANA KASEI(LBK)ともタイアップして一括物流サービスを提供している。
保有する倉庫の延べ床面積は6,628㎡。ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港から約80km(車で1.5時間)、タンジュン・プリオク港から120km(車で2.5時間)というロケーション。
LBKは、化学、鉄鋼などの素材系企業が多数立地するバンテン州チレゴン市を拠点に一般品、危険品を問わず様々な輸送サービスを提供している。保有する車両は、トラクターヘッド:31台、各種シャーシ:44台、各種ホッパーコンテナ:41基、各種ドライコンテナ:14基、ハイキューブコンテナ:2基である。
出典: http://www.mclc.co.jp/corporate/foreign/indonesia/
PT Hitachi Transport System Indonesia(日立トランスポート・システム・インドネシア)
2013年に設立された日系のロジスティック会社。取扱商品は、サニタリー商品、化学製品、教育製品や合成樹脂など。
提供するサービスは、①サードパーティロジスティクス(3PL):ロジスティクスシステム統合から情報管理、在庫管理、注文管理、付加価値サービス、配送センターの運用、工場ロジスティクス、輸送および配送サービスまで。と②倉庫:1)総合倉庫(調達のためのロジスティクスサービスから生産、販売、流通、販売後まで)と2) PLB(Bonded Logistic Service)である。PLBにより、海外サプライヤーなどの非居住者は、インドネシアの顧客の近くにVMI(Vendor Management Inventory)を在庫して、必要な量の製品または部品をジャストインタイムで納品することができる。
チカランロジスティクスセンターは40,000平方メートルを超える保管エリアがある。また、東ジャワロジスティクスセンターは東ジャワのモジョケルト工業団地にあり、75,000平方メートル以上の保管エリアがある。
出典: http://hitachitransport.id/home/en/index.html
PT. Yusen Logistics Solutions Indonesia(郵船ロジスティック・ソリューション・インドネシア)
1988年に設立された日系のロジスティック会社。PT Yusen Logistics Indonesia(YLID)は航空貨物輸送、海上貨物輸送、契約ロジスティクス、原産地貨物管理の専門知識を提供するとともに、すべての一般的なロジスティクスサービスを提供している。
インフラとして2,200㎡のオフィススペースと900㎡の倉庫スペースがある。また、海上貨物用のGPSを備えた127台のトレーラー、航空貨物用のGPSを備えた37台のトレーラーを保有する。航空貨物輸送では広範なグローバルネットワーク、主要航空会社との強いつながり、IATA承認エージェントさらにオートゲート付きの一時的な保税保管24時間稼働の強みがある。海上貨物輸送ではフルコンテナロード(FCL)と混載コンテナ(LCL)の両方の輸出入を取り扱う。
契約ロジスティクスでは、包括的な倉庫保管および流通サービスやサプライチェーンソリューションをカスタマイズすることやドアツードアサービスで強みを発揮している。
出典: https://www.yusen-logistics.com/en/south-asia/indonesia/ylid/en
インドネシア在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。