ベトナムの水道業界は、SAWACOやHawacomなどの都市部水道公社が大都市の給水を担い、民営化・民間参入が進む地方インフラ整備とのバランスが課題です。人口増加と工業団地の拡大に伴う水需要の増加を背景に、主要企業が浄水設備の近代化と無収水率の低下に取り組んでいます。
今回は、そんなベトナムの水道業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて22社の最新情報をお届けしていきます!
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ベトナムの主要水道企業17選〜ローカル編〜
Saigon Water Corporation (サイゴン水道公社/SAWACO)
サイゴン水道公社(SAWACO)は、ホーチミン市の都市水道インフラを統括する国有企業である。市内約734,000世帯に接続する総延長約3,800kmの配水網を運営し、14百万人超の市民へ安全な飲料水を供給している。
設計給水能力は240万m³/日(実稼働190〜200万m³/日)であり、市は2025年末までに290万m³/日、2030年までに360万m³/日への拡張を計画している(出典:ベトナム建設省関連資料・同社発表、2024〜2025年)。
2024年の売上高は約2,660億VNDで、そのうち95%が給水事業から生じている。同年の無収水率は12.51%まで低下し、2024年比0.33ポイント改善した(出典:SAWACO公式発表、2025年)。
2025〜2030年の中期戦略では「デジタル企業」への転換を掲げ、生産・管理・顧客サービスの全段階をデジタル化するエコシステム構築に取り組んでいる。市内14か所に公共飲料水スタンドを試験設置するなど、サービス品質向上策も積極的に展開している。
出典:https://www.sawaco.vn/
Hanoi Water Limited Company (ハノイ水道公社/Hawacom)
ハノイ水道公社(Hawacom)は、ベトナムの首都ハノイにおける都市水道の中核を担う国有企業である。市内の給水システムを統括・運営し、数百万人の市民に清潔な飲料水を安定供給している。
同社はハノイ全域の浄水場・配水網の管理・開発を行っており、ADBのプロジェクトにおいては接続世帯を74万世帯に拡大する計画が承認されている(出典:アジア開発銀行、2024年)。
ハノイ市全体の水道システムの設計給水能力は2025年時点で約190万m³/日に達しており、2026〜2030年の計画ではさらなる拡張が予定されている。農村部への給水普及率は2025年末に約98%に達する見込みである(出典:ハノイ市建設局、2025年)。
都市化・工業化の進展に伴う需要増加への対応として、Hawacomは浄水能力の増強と配水網の効率化に継続的に投資しており、ハノイのインフラ整備において中心的な役割を担っている。
出典:http://hawacom.vn/
Thu Duc Water Supply Joint Stock Company (トゥードゥック水道/TDW)
トゥードゥック水道(TDW)は、ホーチミン市において民間主体のBOO(Build-Operate-Own)方式で運営される水道企業である。2004年にホーチミン市人民委員会から投資ライセンスを取得し、処理能力30万m³/日(原水汲み上げ能力31.5万m³/日)の浄水施設を保有している。
同社はSAWACO(サイゴン水道公社)との「テイク・オア・ペイ」契約の下で処理済み水を供給しており、ホーチミン市第2・第9・第7区ならびにニャーベー区の100万人超の住民に飲料水を届けている(出典:CII・TDW公式情報、2024年)。
フィリピンのManila Waterが49%の株式を保有する戦略的株主であり、2025年上半期にはTDWの収益改善によりManila Waterの国際事業における持分純利益が前年比15%増加した(出典:Manila Water H1 2025決算発表)。
同社は給水能力を60万m³/日(600 MLD)へ増強するための許認可取得を進めており、ホーチミン市の将来の水需要に対応する主要インフラとして位置づけられている。
出典:https://tdw.com.vn/
Gia Dinh Water Supply JSC (ザーディン水道/GDW)
ザーディン水道(GDW)は、ホーチミン市のビンタイン区・フーニュアン区・3区の一部・ゴーヴァップ区の一部において上水道の収集・処理・供給を行う上場企業(ハノイ証券取引所:GDW)である。
同社は市内の担当区域における住宅・商業・工業向けの安全な水供給を通じ、地域住民の生活水準向上に寄与している。ホーチミン市の水道網を構成するSAWACOグループの配下企業の一つとして機能している。
2024年の売上高は672億3,300万VND(前年比2.9%増)、純利益は398億9,000万VND(同53.5%増)と大幅に改善した(出典:Alpha Spread・TradingView GDWファイナンシャルデータ、2025年)。
都市化が進むホーチミン市において、担当区域の配水インフラ整備と供給品質の向上を継続しており、ローカル水道企業として安定した事業基盤を維持している。
出典:https://www.gdw.vn/
BIWASE – Binh Duong Water Environment JSC (ビンズオン水道環境公社)
ビンズオン水道環境公社(BIWASE、証券コード:BWE)は、ビンズオン省を拠点とするベトナム有数の水道・環境サービス企業である。同省内に9か所の浄水場を運営し、総給水能力は97.9万m³/日に達している。廃水処理能力は8.7万m³/日、固形廃棄物処理能力は3,000トン/日を有する(出典:BIWASE社内ニュースレター2025年3月号)。
2024年の総売上高は4,387億VND、純利益は568億VNDで、無収水率はわずか4.8%という業界トップ水準を達成した。配当は13%の現金配当を維持しており、財務健全性の高さが評価されている(出典:VietcapレポートBWE 2024年業績)。
日本のJFEエンジニアリングが2020年に同社株式の4.65%を取得し、給水能力強化・廃水処理・固体廃棄物リサイクル分野での技術協力・事業提携を行っている(出典:JFEエンジニアリング公式発表、2020年)。
ビンズオン省の工業化・都市化の進展を背景に、タンヒエップ浄水場の10万m³/日増強工事など大型設備投資を継続的に推進しており、2025年には収益が大幅増加することが見込まれている。
出典:https://biwase.com.vn/
Kenh Dong Water Supply JSC (ケンドン水道/WASS)
ケンドン水道(WASS)は、ホーチミン市において日量20万m³の浄水処理能力を有するBOO方式の民間水道企業であり、SAWACOとの取水・供給契約の下で約38万世帯分の飲料水を供給している。
Manila Waterの子会社が株式の一部を保有しており、Thu Duc水道とともにManila Water Asiaの中核事業として位置づけられている(出典:Manila Water社公式サイト・統合報告書、2024年)。
2024年には韓国のK-water(韓国水資源公社)と約11億ウォン(約81万ドル)規模の契約を締結し、AIを活用した薬品添加工程の自動化・エネルギー管理システム・プラント管理システム・インテリジェント映像監視プラットフォームを導入した(出典:Korea Herald、2024年)。
気候変動に起因する水質悪化や人口増加・工業拡大による需要増大という課題に対応するため、最新技術の導入による施設近代化を積極的に推進しており、ホーチミン市の安定的な水供給に貢献している。
出典:https://www.wass.com.vn/
Bac Ninh Water Supply and Sewerage Company (バクニン水道公社)
バクニン水道公社(Bac Ninh Water Supply and Sewerage Company)は、北部工業地帯として急成長するバクニン省の上水道・下水道サービスを一元的に担う省営公益企業である。サムスン電子をはじめとする多数の外資系工場が集積するビエンホア・ニータン工業団地等への安定的な水供給を担い、省全体の生活用水・工業用水需要に応えている。
バクニン省の人口増加と工業化が急速に進む中、同社は浄水能力の拡張と配水網の近代化に継続的に取り組んでいる。省政府の都市・工業インフラ整備計画と連動し、給水普及率の向上と水質管理の強化を優先課題に掲げている。
近年はスマートメーターや漏水検知システムの導入など、デジタル技術を活用した運営効率化にも着手しており、無収水率の低減を通じたサービス品質の改善を進めている。
北部ベトナムの主要工業省として国内外からの投資が続くバクニン省において、安定的な水インフラを提供する基盤企業として重要な役割を果たしている。
出典:https://www.biwaco.com.vn/
Song Da Water Investment Corporation (ソンダ水資源投資公社)
ソンダ水資源投資公社(Song Da Water Investment Corporation)は、ベトナム北部における大規模な水道インフラ投資・運営を手掛ける企業であり、ハノイ首都圏および周辺省への広域給水において重要な役割を担っている。主要設備として、ダア川を水源とする大型浄水場を運営しており、ハノイ市内および近郊への安定的な飲料水供給を支えている。
国有ソンダ建設グループの傘下企業として設立された経緯を持ち、大型水道インフラの建設・運営における技術的な蓄積を有する。ハノイ周辺都市部の人口増加に伴う需要増大に対応するため、浄水能力の拡張投資を継続的に行っている。
近年はハノイ市水道計画との整合を図りながら、中期的な供給能力強化を推進している。またデジタル監視システムの導入を通じた運転効率化にも取り組んでいる。
ベトナム北部の水道インフラにおける大型投資企業として、首都圏の持続可能な水資源管理に継続的に貢献している。
出典:https://songdawater.com.vn/
Ba Ria Vung Tau Water Supply Company (バリアブンタウ水道公社)
バリアブンタウ水道公社(Ba Ria Vung Tau Water Supply Company)は、石油化学・港湾産業で知られるバリアブンタウ省において、都市部・工業地帯への上水道供給を担う省営公益企業である。ブンタウ市を含む省内の住民・工業ユーザーに安全な飲料水を供給し、地域経済の基盤インフラを支えている。
同省はフーミー工業地帯をはじめとする大規模工業団地が集積する地域であり、水道公社は産業用水需要への対応と生活用水の安定供給の両立を課題としている。近年の大型製造業進出に伴い、給水能力の増強および配水インフラの整備が継続的に進められている。
ベトナム建設省のガイドラインに沿った水質管理基準の適用と、省政府の都市開発計画との連携を通じて、中長期的なインフラ整備計画を推進している。
南部ベトナムの主要工業省として引き続き外資の集積が見込まれる中、安定した水インフラの提供は地域の投資環境維持に不可欠な役割を果たしている。
出典:https://www.brvwaco.vn/
Long Khanh Water Supply Company (ロンカイン水道公社)
ロンカイン水道公社(Long Khanh Water Supply Company)は、ドンナイ省ロンカイン市を中心とする地域において上水道の取水・浄水・供給を担う地方公益企業である。市内の住宅・商業・工業ユーザーへの安全な飲料水供給を通じて、地域住民の生活水準向上と工業化の進展を支えている。
近年、ロンカイン市はホーチミン市近郊の衛星都市として都市化が加速しており、人口増加に伴う水需要の拡大が見込まれている。水道公社は浄水施設の能力拡張と配水管網の整備を継続的に進め、将来的な需要増大に備えた中期計画を策定している。
ベトナム政府が推進する農村部・地方都市への給水普及率向上政策の一環として、周辺農村部への給水網の延伸も課題として取り組んでいる。
ドンナイ省の発展とともに成長を続ける地域水道インフラの担い手として、安定的な水供給サービスの提供を継続している。
出典:https://www.longthanh-water.com.vn/
Hanoi Sewerage & Drainage Company (ハノイ下水道・排水公社)
ハノイ下水道・排水公社(Hanoi Sewerage and Drainage Company Limited)は、ベトナムの首都ハノイにおける下水道収集・処理および雨水排水システムの管理・運営を担う市営公益企業である。市内の下水処理場の運転、排水路・ポンプ施設の維持管理、および都市冠水対策を主要業務としている。
国際協力機構(JICA)をはじめとする国際機関の支援を受けながら、市内下水道整備プロジェクトに複数参画してきた実績を持つ。ハノイ市の急速な都市化・人口増加に伴い、既存インフラの更新と新規下水処理能力の整備が継続的な課題となっている。
2025年以降のハノイ市インフラ整備計画では、下水処理能力の大幅な拡張と処理水質の改善が優先課題とされており、同公社はその中核的な実施主体として機能している。
ベトナムの水環境保全と都市衛生水準の向上において、下水道インフラの整備・管理を担う専門企業として不可欠な存在である。
出典:https://www.hsdc.com.vn/
HCM Urban Drainage Company (ホーチミン市下水道管理公社)
ホーチミン市下水道管理公社(HCM Urban Drainage Company Limited)は、ホーチミン市における都市排水システム・下水道の運営・維持管理を担う市営公益企業である。市内の雨水排水チャンネル・ポンプステーション・下水収集管の管理を通じて都市の浸水被害軽減と生活環境保全に貢献している。
ホーチミン市は低地地形と高潮の影響を受けやすく、近年の気候変動に伴う降雨強度の増大により都市浸水リスクが高まっている。同公社はJICAおよびADBの支援プロジェクトを通じて、市内排水能力の増強と氾濫防止インフラの整備に取り組んでいる。
最大規模のBBT(Binh Chanh排水改善)プロジェクトや市中心部の排水改善工事への参画を通じて、大規模降雨時の浸水被害軽減に貢献している。また2025〜2030年の都市水管理計画において中心的な役割を担うことが期待されている。
急速に都市化が進むホーチミン市において、気候変動適応型の水管理インフラを整備・維持する主要機関として重要な役割を果たしている。
出典:https://www.thoatnuoc.vn/
Cho Lon Water Supply Company (チョロン水道)
チョロン水道(Cho Lon Water Supply Company)は、ホーチミン市の旧チョロン(中国系商業地区)エリアを中心とする地区において上水道の収集・処理・供給を担うSAWACO傘下の地区水道企業である。市内の住宅・商業施設への安定した飲料水供給を通じて地域住民の生活を支えている。
同社はSAWACO(サイゴン水道公社)の配水网を構成する地区水道子会社の一つとして機能しており、ホーチミン市全体の上水道サービス提供体制の一翼を担う。市内の給水普及率向上と水質管理基準の維持向上が継続的な課題である。
近年のホーチミン市の都市開発に伴い、担当区域内の人口増加・商業施設の集積に応じた配水インフラの整備・更新を継続して実施している。老朽化した配水管の更新とスマートメーター導入による無収水率低減にも取り組んでいる。
SAWACOグループを構成する複数の地区水道企業の一つとして、ホーチミン市の水道サービスの安定的な提供に貢献している。
出典:https://www.sawaco.vn/
Nha Be Water Supply Company (ニャベ水道)
ニャベ水道(Nha Be Water Supply Company)は、ホーチミン市郊外のニャベ区を中心とするエリアにおいて上水道の供給を担うSAWACO傘下の地区水道企業である。石油化学工場・物流拠点が集積するニャベ区への産業用・生活用水の安定供給を主要業務としている。
Thu Duc Water BOO(TDW)との連携のもと、SAWACO配水システムを通じて担当区域への清潔な飲料水を届けている。近年のニャベ区における工業・住宅開発の進展に伴い、配水能力の拡張と新規配管接続工事を継続的に実施している。
ベトナム政府の農村・都市周辺部への給水普及率100%達成目標に沿い、未給水世帯への接続拡大を優先課題として推進している。最新の漏水検知技術の導入による無収水率の低減にも取り組んでいる。
ホーチミン市のサウスゲートとして物流・工業機能が拡大するニャベ区において、安定した水インフラを提供する地区水道企業として機能している。
出典:https://www.sawaco.vn/
Ben Thanh Water Supply Company (ベンタイン水道)
ベンタイン水道(Ben Thanh Water Supply Company)は、ホーチミン市の中心商業地区であるベンタイン周辺エリアの上水道供給を担うSAWACO傘下の地区水道企業である。市内の観光・商業・住宅が密集するエリアへの安定的な飲料水供給を通じて、地域の生活環境と観光インフラを支えている。
同エリアは観光客・ビジネスパーソンが多く集まる市の中核地区であり、水需要の安定性・品質への要求水準が特に高い地区の一つである。SAWACO本体との密接な連携のもと、高水質の飲料水を継続的に供給している。
ホーチミン市の都市再開発計画に伴う地下鉄工事・都市整備が周辺で進む中、既存配水管への影響を最小化しつつインフラ更新を実施している。老朽管の更新と継続的な水質モニタリング強化が主要な取り組みとなっている。
ホーチミン市中心部の水道インフラを担うSAWACOグループの地区企業として、市のランドマーク地域における安定した水供給を継続している。
出典:https://www.sawaco.vn/
Thua Thien Hue Water Supply Company (トゥアティエン・フエ省水道公社)
トゥアティエン・フエ省水道公社(Thua Thien Hue Water Supply Company)は、歴史的古都フエを含むトゥアティエン・フエ省において上水道の取水・浄水・配水を担う省営公益企業である。省内の住民・観光施設・工業ユーザーへの安全な飲料水供給を通じ、同省の生活環境改善と観光産業基盤の維持に貢献している。
同省は2025年1月にフエ市(Hue City)として直轄市に昇格し、今後の都市インフラ整備が加速する見通しとなっている。水道公社は直轄市昇格に伴う行政機能の強化と連動して、給水能力の拡張と水道サービスの均質化を推進する計画を掲げている。
アジア開発銀行(ADB)等の国際機関による技術支援・融資を活用し、水源から蛇口までの水質管理システムの近代化を継続的に進めている。また観光都市としての性格上、水質基準の維持と安定供給への要求水準が高い。
直轄市昇格を機に成長が加速するフエ都市圏において、水道インフラの整備拡充を担う中核企業として重要性が増している。
出典:https://www.huewaco.com.vn/
Thu Duc Water BOO Corporation (トゥドゥック水道BOO会社)
トゥドゥック水道BOO会社(Thu Duc Water BOO Corporation)は、ホーチミン市において民間BOO(Build-Operate-Own)方式で建設・運営される大規模浄水施設の運営法人である。Thu Duc Water Supply Joint Stock Company(TDW)が建設・保有する浄水施設をSAWACO(サイゴン水道公社)との長期テイク・オア・ペイ契約のもとで運営し、処理済み水を同公社に卸供給している。
施設の設計処理能力は日量30万m³であり、ホーチミン市第2区・第9区・第7区・ニャベー区の合計100万人超の住民への飲料水供給に貢献している。フィリピンのManila Waterが49%の株式を保有し、運営技術・マネジメントノウハウの移転を通じた施設効率化に寄与している。
2025年にはTDW(親会社)が処理能力を60万m³/日(600 MLD)へ増強するための許認可取得を進めており、将来の需要拡大への対応が計画されている。
ホーチミン市の水道供給体制において、民間BOO方式の先行事例として重要な位置を占めており、外資との合弁による効率的な水道インフラ運営モデルを体現している。
出典:https://tdw.com.vn/
ベトナムの主要水道企業3選〜日系編〜
JFE Engineering Corporation Vietnam (JFEエンジニアリング/ベトナム)
JFEエンジニアリングは、日本を代表するプラント・環境エンジニアリング企業であり、ベトナム水道インフラ分野においてはビンズオン水道環境公社(BIWASE)との戦略的提携を通じて存在感を高めている。
2020年10月、JFEエンジニアリングはBIWASEの株式4.65%をホーチミン市証券取引所のオークションで取得し、業務提携覚書を締結した。提携の範囲は給水設備の増強、廃水処理、固体廃棄物リサイクル・処理、ならびに運転・保守サービスにわたる(出典:JFEエンジニアリング公式プレスリリース、2020年11月)。
BIWASEはビンズオン省内で約97.9万m³/日の給水能力を有しており、JFEエンジニアリングの参画はその技術力向上に寄与している。同社はJICAの民間セクター投資ファイナンスを活用したビンズオン省水環境改善プロジェクトにも関与している(出典:JICA公式発表、2020年)。
ベトナムの急速な工業化・都市化に伴う水需要の拡大を受け、JFEエンジニアリングは水道インフラへの技術・資本面での継続的な貢献を通じて、日系企業としての地位を確立している。
出典:https://www.jfe-eng.co.jp/
KOBELCO ECO-SOLUTIONS VIETNAM (神戸製鋼エコソリューションズベトナム)
神戸製鋼エコソリューションズベトナム(KOBELCO ECO-SOLUTIONS VIETNAM)は、日本の神戸製鋼グループのエコソリューションズカンパニーのベトナム現地法人であり、水処理装置・廃水処理システムの販売・施工・メンテナンスサービスを提供している。
同社はベトナムの工業団地や製造業企業向けに、排水処理設備の設計・製造・据付を一貫して手掛ける。神戸製鋼グループが開発した膜処理技術・嫌気性廃水処理技術などを活用し、食品・化学・電子部品製造などの業種の廃水処理ニーズに対応している。
ベトナムでは工業化の加速に伴い廃水処理規制の強化が進んでおり、環境省・地方当局による監視強化を背景として産業廃水処理設備の需要が拡大している。同社はこの市場機会を捉え、ベトナム国内でのプレゼンス拡大を継続的に推進している。
日本の最先端の環境技術をベトナム市場に提供することで、現地製造業の環境コンプライアンス対応を支援しながら、水環境保全にも貢献している。
出典:https://www.kobelco-eco.co.jp/
五洲興産ベトナム (Goshu Kohsan Vietnam)
五洲興産ベトナム(Goshu Kohsan Vietnam)は、日本の五洲興産株式会社のベトナム現地法人であり、水道関連資材・機器の供給および水インフラ分野でのソリューション提供を行っている。五洲興産は水道管・バルブ類などの水道インフラ資材の調達・販売を手掛ける専門商社であり、ベトナム事業ではローカル水道事業者や工業用水施設向けの製品供給を展開している。
ベトナムでは地方水道システムの整備・老朽インフラの更新ニーズが継続しており、良質な水道用資材・部品の安定調達ニーズが高まっている。五洲興産ベトナムは日本からの高品質な水道資材の輸入・供給を通じてこのニーズに応えている。
同社は北部・南部双方に拠点を置き、ベトナム全土の水道インフラ事業者への製品供給ネットワークを構築している。日本製品の品質基準と現地市場のコスト要件の両立を図りながら、ベトナム水道業界での信頼性を確立してきた。
ベトナムの水道インフラ整備・更新市場において、日本の技術・品質基準を支える資材サプライヤーとして重要な役割を担っている。
出典:https://www.goshu-kohsan.co.jp/
ベトナムの主要水道企業2選〜外資編〜
Manila Water Asia Pacific – Vietnam (マニラ水道アジアパシフィック/ベトナム)
マニラ水道(Manila Water Company)のアジア太平洋部門は、フィリピン国外の水道事業展開を担う子会社として、ベトナム・ホーチミン市において重要な役割を果たしている。
同社はThu Duc Water BOO Corp.の49%株式を保有し、1日30万m³の処理能力を持つ浄水施設をSAWACOとの50年間のテイク・オア・ペイ契約に基づいて運営している。また、Kenh Dong Water Supply Joint Stock Companyにも出資しており、同社は1日20万m³の処理能力を有する(出典:Manila Water公式サイト・統合報告書、2024年)。
2025年上半期における国際事業の持分純利益は前年比15%増加し、ベトナムのThu Duc事業の収益改善が主な貢献要因となった(出典:Manila Water H1 2025決算発表、2025年8月)。
フィリピンの水道事業における豊富な経験と先進的な運営ノウハウをベトナムに移転しており、ホーチミン市の安定的な水インフラ維持に不可欠な外資系パートナーとして位置づけられている。
出典:https://www.manilawater.com/
Veolia Water Technologies Vietnam (ヴェオリア・ウォーター・テクノロジーズ/ベトナム)
ヴェオリア・ウォーター・テクノロジーズは、世界最大級の環境サービス・ユーティリティ企業グループであるVeoliaの水処理技術部門であり、ベトナムではホーチミン市フーニュアン区のL’makビルに拠点を構えている。
同社はベトナムの産業セクター(製造業・食品・医薬品・電子部品等)および自治体向けに、膜処理・逆浸透・高度酸化・汚泥処理など幅広い水処理技術とエンジニアリングソリューションを提供している(出典:Veolia Water Technologies公式サイト、2024年)。
2022年のVeoliaによるSuez買収・統合を経て、ウォーター・テクノロジーズ・アンド・ソリューション(WTS)部門が形成された。WTSの2024年度売上高は33億ユーロ、EBITDAは4億7,200万ユーロを達成しており、2023〜2027年でのEBITDA年率10%以上の成長を目指している。
Veoliaはアジア太平洋地域の急速な都市化・工業化に伴う水資源課題に対応すべく、東南アジア全域での事業拡大を戦略的に推進しており、ベトナムもその重点市場の一つとして位置づけられている。
出典:https://www.veoliawatertechnologies.com/
FAQ
ベトナムの主要水道会社について知りたいです。
本記事では、ローカルおよび日系の水道会社を合わせて17社紹介し、それぞれの企業情報や事業内容について詳しく解説しています。
ホーチミン市の水道会社について教えてください。
ホーチミン市の代表的な水道会社には、ホーチミン水道公社(SAWACO)やチョロン水道などがあり、これらは都市の給水システムの開発、管理、供給を担当しています。
ベトナムの水道業界の主要な企業はどれですか?
主要な企業には、SAWACO(ホーチミン水道公社)、バクニン水道公社、ソンダ水資源投資公司、ハノイ水道公社などがあります。これらの企業は都市の水供給を担い、各地域で重要な役割を果たしています。
日系の水道会社にはどのような特徴がありますか?
日系の水道会社は、先進的な水処理技術を導入し、インフラの整備やメンテナンスに高い専門性を持っています。神戸製鋼グループのKOBELCOや、スペアパーツ・機器供給を行う企業などがあり、品質向上と持続可能な水供給に貢献しています。

