今回は、フィリピンの主要建設会社に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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フィリピンの主要建設会社9選〜ローカル編〜
Makati Development Corporation
1974年に設立された、創業45年以上のフィリピンにおけるエンジニアリング、調達、建設および建設管理の大手企業。一般的に頭文字をとってMDCと呼ばれている。AyalaLand Incの完全子会社である。大型商業施設や大遺産セクターの建物建設に強みを持ち、国の発展とフィリピン人の生活の向上に貢献している。
MDCはAyala Land Incの建設部門として、すべての事業分野にタイムリーな納品、高品質の基準、および低コストの独自のサービスを提供している。同社は3つの世界クラスの統合ISO認証を同時に取得した国内初の地元の建設会社である。
Ayala Landは最近、MDCが設計・施工を務めるAyala Triangle Gardensのタワー2プロジェクトにおいて、 米国コンクリート学会フィリピン支部とフィリピン建設業者協会からの評価により高層構造部門でフィリピン初の優秀コンクリート建設賞を受賞。
出典:https://www.facebook.com/MakatiDevelopmentCorporation/about
Sta. Clara International Corporation
1976年に設立された、建設、開発および管理を主に行う大手企業。一般的に頭文字をとってSCICと呼ばれている。電力および公益事業、インフラおよび土木工学分野を中心にサービスを提供している。
海外事業にも注力しており、海外フィリピン労働者(OFW)を多く世界各地に派遣している。またアジア開発銀行と国際協力機構(JICA)からの融資によって実施される鉄道システム南北通勤鉄道(NSCR)のフェーズ1の建設プロジェクトにおいて、契約を獲得した日本の三井住友建設株式会社の下請け業者でもある。
2017年にはフィリピン請負業者協会理事会(PCAB)から、国内の「AAAA」建設会社として最高のライセンスを取得した。これは、フィリピン建設産業局(CIAP)の実施委員会であるPCABによって、高度な技術的専門知識、構築実績、および少なくとも10億ペソの純資産の財務能力を満たす建設会社に授与される認証である。
出典:http://staclara.com.ph/
Megawide Construction Corporation
1997年に設立された、主に不動産建設を行う建設会社。
エンジニアリング、調達、建設(EPC)、空港インフラストラクチャ、プログレッシブプロパティ開発、再生可能エネルギーなどのポートフォリオを備えた、国内で最も進歩的なインフラ建設コングロマリットの1つである。
2020年の財務報告書によると、Covid-19のパンデミックの影響を受け、総収入は129億PHPとなっており、2019年の198億から減少している。また当期純損失は8億6千万PHPで、前年度の当期純利益である11億から大幅に減少している。
同社は、マクタンセブ国際空港、パラニャック統合ターミナル取引所、学校インフラプロジェクトフェーズ1および2などのプロジェクトで、官民パートナーシップ(PPP)プログラムを通じてフィリピン政府の強力なパートナー企業であり、数多くの「ビルド、ビルド、ビルド」案件を実施している。
出典:https://megawide.com.ph/about-us/
Atlantic Gulf and Pacific Company of Manila Inc
1900年設立。建設事業とガス配送を主に行う大手建設企業。一般的に頭文字をとってAG&Pと呼ばれている。シンガポールに本社を置き、LNG輸入、LNGおよびガスのロジスティクス、流通、インフラストラクチャソリューションの世界で最も急成長しているプロバイダーの1つである。
供給の調達からエンドユーザーへの配送まで、ガスバリューチェーン全体をカバーする統合ガスロジスティクスプラットフォームを通じて、世界中の新規および成長市場の下流の顧客にクリーンで安全かつ手頃な価格の天然ガスを提供している。
2020年にはフィリピン、インド、米国などのさまざまな画期的なイニシアチブをカバーする、三年間で合計7億7000万米ドルを超える記録的な契約プロジェクトを受注した。これは121年の歴史の中で最高の年になると予測されており、プロジェクトには陸上/海上LNGターミナル、石油化学コンビナート、石油精製所、食用油貯蔵所、およびその他の海上LNGアプリケーションのエンジニアリングに関わる作業が含まれている。
出典:https://www.agpglobal.com/who-we-are/
DM Consunji
1954年に設立された、大手ゼネコン企業。幅広いプロジェクトに参画している。一般的にDMCIと呼ばれている。フィリピンの「ランドマークの建設業者」として知られており、フィリピンの建設における高度なエンジニアリング技術の応用の先駆者として人々に認識されている。
2020年の上半期の報告によると、昨年1月にバタンガスに倉庫複合施設を建設するための9億5,800万ペソの契約を締結したため、注文金額が前年比で152%増加し、261億PHPから658億PHPになった。また昨年、同社と大成建設の合弁事業は、運輸省(DOTr)から南北通勤鉄道(NSCR)プロジェクトのパッケージ1を受注した。
DMCIは、Ayala Group、SM Group、Kuok Group、Robinson’s Group、San Miguel Corporationなどの機関投資家、およびCitibank、Equitable Bank、BPI、UrbanBankなどの銀行機関と関連が深い。またデラサール大学やフィリピン大学などの教育機関の案件も扱っている。その他ジョン・レイン、大林組、三菱重工業、折剣、新日鐵などの多国籍企業とのJVも数多く行っている。
出典:https://web.dmcinet.com/about-us-page
DDT Konstract
1998年に設立された大手建設企業。一般的にDDTKIと呼ばれている。SMグループとのより大規模で重要なプロジェクト建設によりその地位を確実にし、国内最大級の不動産会社やコングロマリットとも提携し、Manila Bay Resort,Shell Residences,Horizons 101 Tower.などの建築の実績を持つ。
また同社は大手不動産デベロッパーであるDataLandの親会社である。DataLandの手掛ける土地開発における建設はDDTKIが請け負っており、最近ではエピファニオデロスサントスアベニューとマザーイグナシアストリートの角にあり、ケソンシティで最も高い60階建ての建物となるDDTスカイタワー建設に着工している。
DDTKIはその他のビジネスにも展開し、多様化している。農産物の流通、米の生産、家禽および豚の飼育を行うAgriwaras、最も急成長しているフィリピン人所有の建設会社の1つであるWhiteport、カガヤン北部の養殖場である150ヘクタールの最先端のDatajAquafarmなどに関わっている。
出典:https://www.ddtkonstract.com.ph/about-us/
EEI Corporation
1931年に設立された、大規模なインフラプロジェクトを数多く手がける老舗の大手建設会社。長年にわたり、発電所、製油所、石油化学プラント、セメントプラント、鉱業施設、産業プラント、建物、学校、病院、道路、橋、港、空港、鉄道、配水所、洪水制御システム、鉄鋼所などを建設してきた。
同社はフィリピン建設業協会(CIAP)の実施機関であるフィリピン請負業者認定委員会(PCAB)によって発行された請負業者の最高評価である「AAAA」を取得している。また、品質、環境管理、および労働安全衛生基準について、ISO 9001、ISO 14001、およびOHSAS18001の認証を取得している。
最近では、フィリピン初のマニラ首都圏地下鉄となるプロジェクトにおいて、清水建設、(株)フジタ、(株)竹中土木との合弁会社である【SFTE】が受注した地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業」の部分開業区間の工事にむけてトンネル掘削が開始された。
出典:https://www.eei.com.ph/content/our-company/who-we-are.php#our-business
DATEM
1984年に設立した建設会社。主に不動産建設を行っていたが、近年はインフラ事業にも注力している。フィリピン建設業協会(CIAP)の実施機関であるPhilippine Contractors Accreditation Board(PCAB)から、AAAA請負業者として認定された国内有数の建設会社の1つである。
同社は2020年の第3四半期の時点で9つの新しいプロジェクトを開始し、ポートフォリオを強化している。ここには4つの住宅、3つのオフィス、1つの貯水池、および2つのインフラストラクチャが含まれる。
政府の推進する「ビルド、ビルド、ビルド」においても数多くの案件を受注し、国造りへの長年の取り組みを強化している。
またCSR活動にも注力しており、奨学金制度による学生への支援や、災害時の支援活動を積極的に行っている企業でもある。
出典:https://www.datem.com.ph/leading-construction-companies-philippines/
Persan Construction, Inc
1976年に設立された、今年45周年を迎える建設会社。民間開発から政府のイニシアチブまで、幅広い作業範囲を引き受け、ISO認定のカテゴリーAAAを取得している建設会社である。
橋梁の建設を得意としており、最近ではBGCブリッジと呼ばれる、パシグ川にかかる新しい橋の建設プロジェクトに携わった。この橋はBGCタギッグとオルティガスパシグのビジネス地区をつなぎ、橋の完成によりボニファシオグローバルシティは12分の移動時間でパシグシティ/マンダルヨンシティにアクセスできるようになった。
このプロジェクトは、Sino Road and Bridge Group Company Ltd.と同社が合弁会社を設立し、コンサルタントのDCCDPartnersとPertconsultInternationalの支援を受けて施工された。
出典: https://www.persan.ph/about.html
フィリピンの主要建設会社5選〜日系編〜
竹中工務店
1610年に設立され、日本でも最大手かつ最も古い建設企業のひとつとして知られている大手総合建設会社。グループ会社の株式会社竹中土木が、2025年ビジョン達成に向けた海外戦略の一環として、2016年に首都マニラに「フィリピン支店」を開設。ODA案件を中心に営業活動を進めている。
フィリピンにおいては、同社は2000年にフィリピンのニノイアキノ国際空港(NAIA)第3ターミナルビル新築工事を受注し、建設に携わった。
また最近では、株式会社竹中土木は、フィリピン初のマニラ首都圏地下鉄となるプロジェクトにおいて、ローカル大手建設企業のEEI Corporation、清水建設、(株)フジタ、との合弁会社である【SFTE】が地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業」を受注し、の部分開業区間の工事にむけてトンネル掘削に携わっている。
出典:https://www.takenaka-doboku.co.jp/csr/overseas.html
清水建設
1804(文化元)年創業の東京に本社を置く大手総合建設会社。フィリピンにおいては工場建設が主な分野であったが、最近では大規模インフラ工事を多く受注しており、その存在感を示している。
同社は(株)フジタ、(株)竹中土木、地元のEEI社と共同企業体(JV)を組成し、同国運輸省から受注したフィリピン初の地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業」の部分開業区間のその1、その2工事を受注した。請負金額は約670億円(その1)、約370億円(その2)となっている。
また、公共事業道路省から「ダバオ市バイパス建設事業」の南・中央区間の工事を受注した。受注額は約270億円。
フィリピンにとって日本が最大のODA供与国であり、2017年1月の安倍総理訪比の際、5年間で官民併せて1兆円規模の支援を行う旨を表明しており、当社を含めたJVが受注した工事はいずれもその表明に基づく本邦技術活用案件(STEP)である。
出典: https://www.shimz.co.jp/company/about/
フジタ
1910年に設立された、東京都に本社を置く日本の建設会社。日本国内では準大手の総合建設業である。現在の会社は2002年に旧・株式会社フジタの会社分割により設立されたものである。高い技術力と提案力で、都市再生事業から海外進出までサポートする。
フィリピンにおいては、1999年にMRT3の駅舎建設や2002年にLRT2操車場建設の実績があり、第三セクターの案件に強い。
また近年では、同社は清水建設株式会社、(株)竹中土木、地元のEEI社と共同企業体(JV)を組成し、同国運輸省から受注したフィリピン初の地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業」の部分開業区間のその1、その2工事を受注した。請負金額は約670億円(その1)、約370億円(その2)となっている。
出典:https://www.fujita.co.jp/gallery/98/100/110/
鹿島建設
1930年に設立された、日本の大手総合建設会社である。対外的には鹿島(Kajima)と称する。フィリピンにおいては、KAJIMA PHILIPPINES INC.がメトロマニラに拠点をおき、日系企業、欧米企業の生産施設を設計・施工により多数建設し、その他高層ビルの建設やコンストラクション・マネジメント(CM)などの業務も行っている。
2002年にフィリピン中部ルソン高速道路建設工事・パッケージ1(スービック・クラーク工区)を受注した。受注額は約240億円で、本プロジェクトには国際協力銀行(JBIC)による特別円借款が供与された。
鹿島が発表した2020年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比10%増の764億円だった。売上高は1兆3889億円と3%減った。土木事業で設計変更に伴う追加工事を獲得するなどして採算が改善したが、オフィスビルや工場など建築事業の苦戦が目立った。アジアを中心にした一定期間の建設現場の閉鎖や運営施設の稼働率の低下なども一因となっている。
出典:https://www.kajima.co.jp/network/local_subsidiaries/asia/index.html
千代田化工建設
1948年に設立された、日本の建設会社・エンジニアリング会社である。東京証券取引所第2部に上場している。石油・ガスといったエネルギーから、化学、環境、省エネ、産業設備、ライフサイエンスまで幅広い分野において、プラントの設計・調達・建設(EPC)を中心に、数多くのプロジェクトを世界各地で手掛けている。現在の国内外売上構成比は海外54%、国内46%と海外比率が非常に高いのも特徴である。
フィリピンにおいては、2018年にフィリピン中部ボホール州パングラオ島に、国際基準を満たし、安全で、将来の旅客増加に対応可能な新空港を国際協力機構(JICA)による円借款事業(ODA)として建設した。本プロジェクトは三菱商事株式会社と千代田が共同遂行する空港建設案件であり、「エコ・エアポート」のコンセプトの下、太陽光発電システムの配備や、高効率空調システムの設置など、環境に配慮した新空港が話題を呼んだ。
出典:https://www.chiyodacorp.com/jp/projects/new-bohol-airport.html
フィリピンの主要建設会社1選〜外資系編〜
ABB
フィリピンには1968年に進出している、スイスの本社を置く世界有数のテクノロジー企業。産業オートメーション、電力網の先駆的なテクノロジーリーダーであり、世界中の公益事業、産業、輸送およびインフラストラクチャの分野でサービスを提供している。世界100か国以上で事業を展開し、従業員は約136,000人。
フィリピンにおいては、フィリピン国立グリッド公社(NGCP)、マニラ電力会社(MERALCO)、マニラウォーター、マグサイサイ海事公社、DOLEフィリピンなどの大規模な組織と協力して建設事業を行ってきた。
マニラ、セブ、ダバオ、カガヤンデオロに全国に4つの拠点を有し、同社は現在、100人を超える専門的および技術的スタッフを雇用しており、国内外で定期的なトレーニングを実施している。
同社は持続可能な社会の実現に向けた開発・活動を積極的に行っており、スイスの電力会社Axpoと協力してグリーン水素をより入手しやすく手頃な価格にすることを目的としたプロジェクトを進めている。
出典: https://new.abb.com/ph/about-us
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、2010年4月よりWeb業界を目指す社会人向けのスクールのインストラクターとして主にコーディングソフトや画像編集ソフトの授業を担当。2015年より海外での生活とキャリア形成を目的に、青年海外協力隊に参加。