【最新版!】フィリピンの主要鉄道・バス会社12選〜運輸・物流業界〜

フィリピン 鉄道・バス業界 業界地図

フィリピンの鉄道・バス業界は、ライトレール・マニラ・コーポレーションなど都市鉄道事業者に、ビクトリーライナーなど長距離バス会社が加わる主要企業の市場です。マニラ首都圏の慢性的な渋滞を背景に、鉄道網拡張プロジェクトが進行中です。

今回は、そんなフィリピンの鉄道・バス業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!

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目次

フィリピンの主要鉄道・バス企業12選〜ローカル編〜

Light Rail Transit Authority (フィリピン・ライトレール交通局)

Light Rail Transit Authority(フィリピン・ライトレール交通局、LRTA)は、1980年に設立されたフィリピン政府の交通機関規制・運営機関であり、マニラ首都圏のLRT-2(ライトレール2号線)を直接運営している。

LRT-2はアンティポロ(リサール州)からロキナ(マニラ市)を結ぶ全長13.8キロメートル・13駅の路線で、2000年に開業した。2024年の年間旅客数は5,329万人、前年比8%増で過去最高水準に接近した。2024年の運賃収入は12.7億ペソとなり、前年の11億ペソを上回って過去最高を更新した(2025年1月LRTA発表)。

路線拡張として、LRT-2の西側延伸(総工費約101.2億ペソ)と東側延伸(アンティポロ延伸、2026年内完工目標)が政府の重要インフラプロジェクトとして推進されている。2025年の一般予算ではLRTA向けに8億9,000万ペソの補助金が計上された。

LRTAはLRT-1の運営をLight Rail Manila Corporationに委託しているが、資産オーナーとして路線・施設の監督責任を担い続けている。

出典:https://www.lrta.gov.ph/

Light Rail Manila Corporation (ライトレール・マニラ・コーポレーション)

Light Rail Manila Corporation(ライトレール・マニラ・コーポレーション、LRMC)は、フィリピン政府とのPPP契約に基づきLRT-1(ライトレール1号線)の運営・維持管理・カビテ延伸工事を担う民間コンソーシアムである。MPIC傘下のMetro Pacific Light Rail Corp.、AyalaグループのAC Infrastructure、Macquarieの3社が出資し、2014年10月に32年間・649億ペソのコンセッション契約を締結した。

2015年9月より本格運営を開始。2024年11月16日にはカビテ延伸フェーズ1(5駅)を開業し、ルートが南部パラニャーケ市まで延伸された。

2026年2月時点の1日平均乗客数は約44万人でコロナ禍前の水準に回復。年末に45万人/日を目標とし、施設アップグレードを推進している。カビテ延伸フェーズ2・3は用地取得の遅延により全線完工が2030年見込みとなっている。

株主のMPICは2026年2月にLRMCからの撤退計画を棚上げし継続保有方針を示している。住友商事が間接出資しており日本企業との技術連携でも注目される。

出典:https://lrmc.ph/

Metro Rail Transit Corporation (メトロレール交通公社)

Metro Rail Transit Corporation(メトロレール交通公社、MRTC)は、マニラ首都圏の主要高架鉄道MRT-3(メトロレール交通3号線)の所有・管理を担う政府系機関である。MRT-3はノース・エドサ(ケソン市)〜タフト(パサイ市)を結ぶ全長16.9キロメートル・13駅の路線で2000年に全線開業した。

建設・リース・移転(BLT)方式による民間委託契約の満了後は、現在DOTr傘下で政府が所有・運営を担っている。2025年の年間旅客数は1億4,163万人、日次平均38.8万人で首都圏鉄道路線の中で最多利用を誇る。

維持管理面では住友商事(日本)が2023年6月〜2025年7月の26か月契約を受注し、後継契約も2027年まで延長が決定した(2025年9月DOTr発表)。三菱重工業グループも保守実績を持ち、継続的な日本企業との技術連携が行われている。

DOTrは2026年上半期をめどにMRT-3の運営・維持管理(O&M)契約の入札手続きを開始する方針を示しており、民間委託への移行に向けた制度整備が進んでいる。

出典:https://www.dotrmrt3.com.ph/

Victory Liner (ビクトリーライナー)

Victory Liner(ビクトリーライナー、VLI)は、1945年10月に設立されたフィリピン有数の長距離バス会社である。マニラ首都圏(クバオ・パサイ等)から中央ルソン(パンパンガ)および北部ルソン(バギオ・パンガシナン・ザンバレス・イサベラ・カガヤンバレー)を結ぶ広域路線網を擁し、1,000台を超えるバスを日々運行する業界屈指の事業者だ。

2024年11月末に国内初とされる完全電気バス2台の試験運行を開始した(クバオ〜サン・フェルナンド・パンパンガ路線)。1台あたり最大400キロメートルの走行が可能で年間100トン超のCO2削減が見込まれる。2025年6月には103台の新型バスを追加導入した。

2024年には「Drop & Go」貨物サービスを強化し年間5億ペソ規模の収益源化を目指す計画を発表した。プレミアムの「ロイヤルクラス・スリーパーバス」投入や車内エンターテインメント導入など差別化サービスにも注力する。

2026年6月時点でメトロマニラ内に5か所・地方に14か所のターミナルを持ち、70年超の実績を背景にフィリピン北部幹線バス市場の主導的地位を維持している。

出典:https://www.victoryliner.com/

JAC Liner (ジャック・ライナー)

JAC Liner(ジャック・ライナー)は、フィリピンのマニラ首都圏から南ルソン(ラグナ・バタンガス・ケソン)およびビコール地方(アルバイ・ソルソゴン等)へ向かう長距離バスの主要事業者である。グループ傘下にJAM Liner、Green Star Express等を持ち、南北幹線をカバーする総合バス事業体を形成している。

JAM Linerは2021年にJAC Linerが吸収した後も独自ブランドを維持しており、2025年11月時点で300台超の車両を運行し年間1,500万人以上の旅客を輸送している。バタンガス港への連絡バスを複数運行し、ビサヤ方面へのフェリー連携輸送でも重要な役割を担う。

車両近代化では宇通(Yutong)ZK6119H2・金旅(King Long)XMQ6127AYWなど中国製最新型エアコンバスを導入し、Wi-Fi・充電コンセント完備の快適車両へ転換を進めている。2025年にもKing Long XMQ6112Y系を追加購入した。

マニラのPITX・クバオ・ブエンディアターミナルを起点に多方面へ運行しており、南ルソンの旅客輸送において中核的な地位を占めている。

出典:https://jacliner.com/

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Five Star Bus Company (ファイブスター・バスカンパニー)

Five Star Bus Company(ファイブスター・バスカンパニー)は、30年以上にわたりフィリピン・ルソン島北部地域を運行してきた主要バス事業者である。マニラ首都圏を起点に、パンガシナン(ダグパン・ボリナオ等)、ヌエバ・エシハ、イサベラ、カガヤンなど北部ルソンの主要都市を網羅する広域路線網を有する。

車両はゴールデン・ドラゴン(Golden Dragon)等の中国製大型バスを主力とし、エアコン完備の車内環境を整備している。関連会社のFirst North Luzon Transitもラユニオン・パンガシナン方面で補完運行し、グループ全体の路線カバレッジを拡充している。

マニラのPITX・クバオ・パサイにターミナルを保有し、ラオアグ(イロコスノルテ)、ビガン、バギオなどとマニラを直結する路線を24時間体制で運行する。ウェブサイト(fivestarph.com)による時刻表・チケット情報の提供にも取り組む。

2026年6月時点でFive Starはルソン北部の省際バス市場において安定した運営を維持し、Victory LinerおよびPartasと並ぶ代表的バス事業者の地位を保っている。

出典:https://www.fivestarph.com/

Partas Transportation Company (パルタス交通会社)

Partas Transportation Company(パルタス交通会社)は、フィリピンのマニラ首都圏と北部ルソンのイロコス地方・カガヤンバレーを結ぶ長距離バス輸送の大手事業者である。北部ルソン方面への旅客輸送において中心的な役割を果たしてきた歴史ある企業だ。

主要路線はマニラ(クバオ・パサイ・サンパロク)からバギオ(ベンゲット)、ビガン(イロコスシュル)、ラオアグ(イロコスノルテ)、バンゲッド(アブラ)を経てカガヤンバレー(トゥゲガラオ)まで延伸する遠距離路線を24時間体制で運行する。旅客・貨物の双方を取り扱う。

車両はゴールデン・ドラゴン(Golden Dragon)などの中国製大型バスを主力とし、約300台の車両規模で運行している。ラオアグ・ビガン・バギオなどに地方ターミナルを置き、イロコス地方の観光需要にも対応している。2014年以降はパグドプッド(イロコスノルテ)にもサブターミナルを設けた。

2026年6月時点ではイロコス地方・カガヤン方面の省際バス市場において高い認知度を維持し、同地域の基幹バス事業者として安定した事業基盤を保っている。

出典:https://partasbus.com/

Del Monte Land Transport Bus Company (デルモンテ・ランドトランスポート)

Del Monte Land Transport Bus Company(デルモンテ・ランドトランスポート、DLTBCo)は、1918年創業のBatangas Laguna Tayabas Bus Company(BLTBCo)を前身とし、2009年にDel Monte Motor Works(DMMW)が承継して設立したバス会社である。

マニラ首都圏(PITX・クバオ・パサイ等)を起点に、バタンガス・ラグナ(南ルソン)からビコール地方(アルバイ・ソルソゴン等)、さらにサマール・レイテ(東ビサヤ)まで20か所超を結ぶ広域路線を展開している。

車両規模は約700台で、ヒノ(Hino)・King Long・Higerなど国際的シャシーを活用した親会社DMMW自社製ボディ(DM14・DM18・DM24シリーズ)の大型バスが主力である。通常エアコン車からプレミアム「レイジーボーイ」シートまで幅広いクラスを提供する。

2026年6月時点では南ルソン・ビコール・東ビサヤを結ぶ省際バス市場において安定したシェアを維持しており、フィリピンの地方間連絡輸送における中核事業者として機能している。

出典:https://dltb.ph/

North-South Commuter Railway (北南通勤鉄道)

North-South Commuter Railway(北南通勤鉄道、NSCR)は、フィリピン政府が推進する大型鉄道プロジェクトである。クラーク(パンパンガ州)からカランバ(ラグナ州)を結ぶ全長約147キロメートル・35駅の高規格通勤鉄道として計画されており、将来的にはマニラ首都圏地下鉄との相互直通運転も見込んでいる。

JICA(国際協力機構)の円借款を主要財源とし、大手建設コンソーシアムが施工を担う。車両108両をJR東日本・住友商事連合から調達しており、2025年10月時点でマニラ〜クラーク区間の土木工事進捗率は約65%に達した。マニラ〜マロロス区間の部分開業は2026年末〜2027年初頭が目標で、全線完全開業は2028年秋が見込まれる。

運営・維持管理(O&M)コンセッション入札は2026年7月開始予定で、22.5年間の事業者を選定する総額2,293億ペソのPPP契約として実施される。三菱商事・サン・ミゲル(SMC)など大手事業者が参入意欲を示している。

開業後はPNRの休止路線を実質的に代替し、首都圏外周部の通勤需要を大幅に吸収することが期待される。

出典:https://nscr.com.ph/

Yanson Group (ヤンソングループ)

ヤンソングループ(Yanson Group)は、1968年に設立されたフィリピン最大級のバスコングロマリットである。単一ルートを走る14人乗りのジプニー・サービスから事業をスタートした。

現在はグループ内に9社のバス会社を擁し、Ceres Liner(セレス・ライナー)などのブランドで運行している。

グループ全体で4,800台以上のバスを配備し、2,000を超える公共ルートで1日あたり多数の乗客を輸送している。全国的な路線網を持ち、地方間輸送を支えている。多様な路線・サービスを通じて、地域の移動需要を支えている。

フィリピン最大級のバス事業グループとして、2026年時点でも旅客輸送事業を展開している。

出典:https://www.yansongroup.com/

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Baliwag Transit (バリワグトランジット)

Baliwag Transit, Inc.は、フィリピン中部ルソンを代表する大手バス会社である。1960年に帽子事業からバス運行業へ転業し、バリワグ・グループとして成長した。

1967年には他社の買収を経て運行を拡大し、1968年に管理・資金調達のためBaliwag Transit, Inc.を設立した。

メトロマニラとブラカン、ヌエバエシハ、パンパンガ、パンガシナン、タルラックなどを結ぶ路線を運行している。コロナ禍で困難に直面したが、その後も運行を継続している。多様な路線・サービスを通じて、地域の移動需要を支えている。

中部ルソンを地盤とする大手バス会社として、2026年時点でも旅客輸送事業を展開している。

Genesis Transport Service (ジェネシス・トランスポート・サービス)

Genesis Transport Service, Inc.は、1991年12月に設立されたフィリピンのバス会社である。当時の政府のバス分割購入プログラム(BIPP)で購入した3台のシャトルバスの運行から事業を始めた。

グループには、カビテのサングリーポイントとオロンガポのスービックベイを結ぶ路線を持つSAULOG TRANSITなどが含まれる。

プレミアムバスサービス「JoyBus」などを展開し、メトロマニラと地方主要都市を結ぶ長距離路線を運行している。快適性を重視したサービスを強みとする。多様な路線・サービスを通じて、地域の移動需要を支えている。

フィリピンの主要なバス会社の一つとして、2026年時点でも旅客輸送事業を展開している。

出典:https://www.genesistransport.com.ph/

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FAQ

フィリピンの主要鉄道・バス会社の概要は何ですか?

記事はフィリピンの主要な鉄道とバス会社10社について詳しく紹介し、それぞれの事業内容や特徴を説明しています。

フィリピン国鉄(PNR)の歴史と運営範囲は何ですか?

フィリピン国鉄は1892年にスペイン植民地時代にフェロカリルデマニラ-ダグパンとして操業を開始し、その後アメリカ植民地時代に改組されて1964年に国有化されました。ルソン島に主要な鉄道サービスを提供し、主にメトロマニラとビコール地域をカバーしています。

ライトレールトランジットオーソリティ(LRT)の特徴は何ですか?

LRTは1980年に設立され、2つのラインで合計33.4キロメートルを運行しています。高架線のほとんどが環境に優しい大量移動手段を提供し、利用者は磁気チケットからスマートカード方式に移行しました。

メトロレールトランジット(MRT)の概要と運行状況はどうですか?

メトロレールトランジットは2000年に開通し、マニラの主要交通手段です。2021年現在、複数の路線と列車運行システムを備え、年間に約35万人が利用しています。運行車両や駅数も拡充されています。

ヤンソングループのバス事業の規模と特徴は何ですか?

ヤンソングループは1968年設立のバスコングロマリットで、9つの子会社があり、合計4800台以上のバスを運行し、70万人以上にサービスを提供しています。多様なエリアに広く展開し、路線網も非常に広範です。

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大野 麻美 Philippine-Based Industry Analyst
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、Web業界を目指す社会人向けスクールでインストラクターとしてコーディングや画像編集ソフトの指導を担当。青年海外協力隊としての海外経験を活かし、フィリピンのデジタル教育や人材育成分野を中心に情報発信を行っている。
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